熊本城には、県外の方が見学をする際などに、歴史や文化を丁寧に説明してくれるボランティアガイドの方がいらっしゃいます。水前寺成趣園においても、園内を一周回れば、細川文化の理解が深まるような工夫を施すなど、ストーリー性を持たせた情報発信が重要だと思います。
観光地の魅力を正確に、より効果的に伝えるためには、歴史や文化を良く理解した上で、ストーリーを構築し、情報発信をしていくことが重要だと考えています。例えば、ジェーンズ邸は、西南戦争の際に、敵味方なく負傷者を救助したいと願った佐野常民が、日本赤十字社の前身となる「博愛社」を創設した場所です。このような歴史的な側面や人物像等の情報を、観光客の皆さまにわかりやすく発信するよう努めています。
観光分野における取り組みは、熊本市単独で考えるだけではなく、例えば、阿蘇に宿泊した観光客が、翌日、熊本市へ足を運んでもらえるような仕組みを考えるなど、県内全体を見据えた検討が必要だと思います。
効果的な観光振興のためには、地域間での協力が不可欠です。例えば、ホテル等において、満室で宿泊をお断りする場合には、「お時間があれば、阿蘇に泊まりませんか」など、相手のニーズに沿った各地の魅力的な観光地をご案内できれば、熊本の印象はさらに良くなると思いますので、今後も県や県内自治体との連携を図り、観光振興に取り組んでまいります。