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平成26年10月6日 第3回定例会後市長記者会見

最終更新日:2014年10月6日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp

【市長発表:「こうのとりのゆりかご」死体遺棄事件について(所感)】

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

 まず、本日は、去る10月3日(金)に発生いたしました「こうのとりのゆりかご」における、死体遺棄事件につきまして述べさせていただきまして、その後に定例会を終えての所感につきまして少し触れさせていただきます。
 既に報道でもあっているとおりでありますけれども、去る10月3日(金)慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」内に、死亡している赤ちゃんが置かれていた件に関しまして、県警が死体遺棄事件として捜査を開始されまして、翌日(10月4日(土))、県内の無職の女性が逮捕されております。「こうのとりのゆりかご」につきましては、7年半ほど前になりますけれども、平成19年5月、「救われる命があるのであれば」という思いを込めまして、本市が設置の許可を行ったものでありますけれども、今回このような事件が発生したことにつきましては大変残念でなりません。今後、警察による捜査が進められまして、全容が明らかになっていくものと思われますけれども、「ゆりかご」のあり方につきましては、先月26日要保護児童対策地域協議会の専門部会の方から頂きました「第3期検証報告書」でありますとか、今回の件を踏まえますとともに、専門部会をはじめ、様々なご意見を伺いながら、改めまして検証を続けていかなければならないと考えているものでございます。

 以上が、「ゆりかご」についてでありますが、最後に、今定例会を終えての所感につきまして、少し述べさせていただきます。

【市長発表:第3回定例会を終えて(所感)】

 今回提出いたしました予算案、条例案などの議案につきましては、ご承知のとおり慎重にご審議いただきました結果、原案どおり全て可決いただいております。
 今定例会は、私にとりまして最後の定例会となったわけでありますけれども、本会議一般質問におきましては、複数の議員から3期12年の振り返りでありますとか、自己評価、あるいは退任後のことなどにつきましてもお尋ねいただいたというものでありました。また、行財政改革や合併後の検証と課題、あるいは人口減少と少子高齢化対策、第6次総合計画の中間見直しについて等々、幅広くご質問もいただいたところでありました。
 さらには、新たに制定いたします「江津湖地域における特定外来生物等による生態系等に係る被害の防止に関する条例」でありますとか、委員会でも熱心な議論が続きました食肉センターの馬と畜機能移転に係る補正予算等についても、数々のご意見をいただいたというものでございました。今回いただきました市政に関するご意見につきましては、今後の市政運営に可能な限り生かしてまいりたいと考えているものであります。
 また、最後の定例会を迎えてについてでありますが、この場でも少し申し上げようかと思いましたが、先ほど議場で発言をしたとおりでございます。残された課題、また新たな課題も含めまして課題は山積いたしておりますので、最後まで気を緩めることなく、職責を果たしてまいりたいと考えているものであります。

 私の方からは以上であります。

【質疑応答:「こうのとりのゆりかご」死体遺棄事件について】

【記者】冒頭で、「ゆりかご」の件についてお話をいただいたんですけれども、今後改めてあり方を検証していくということですが、市として具体的にどのような体制ややり方で、検討や今後の対応などを行っていかれたいと思われますか。

 

【市長】体制につきましては、今申し上げましたように、これまでも専門部会におきまして短期的な、あるいは中期的な検証を続けていただいておりました。特に短期的な部分につきましては、安全性でありますとか、違法性でありますとか、そのようなことを中心に検証を重ねていただいていたというものでございます。そのような中で、今月また専門部会が開催される予定でありますので、それは7月から9月の3カ月間の案件につきまして短期検証をいただくというものでありますが、もちろん今回の件も含めまして検証をお願いしたいと考えております。私どもとしては、先ほど申し上げたようにまだ捜査の途中でもあります。私どもが知り得ている情報も限られております。ですから、可能な限り私どもとして情報の収集に努めまして、専門部会での検証に臨みたいと考えているものであります。

 

【記者】特に、今回の事件を受けて追加する、増強するといったことではなくて、今までの委員会の中で、改めて。

 

【市長】専門部会の体制についてということですか。

 

【記者】はい。

 

【市長】基本的には、これまでの長きに亘りまして検証を続けていただいておられる方々ばかりでございますし、先般は中期の検証報告書の中でより厳しい指摘も頂いておりますので、そのようなことも踏まえまして今回の事案も含め、さらに検証をお願いしたい。今の方々に検証をお願いしたいと考えております。

 

【記者】この他に市として考えられる「ゆりかご」や望まれない妊娠、そういったものへの関与とか、そういったものは何か考えていらっしゃいますか。

 

【市長】市としては、繰り返しになりますが、先ほどの検証報告書の中でも市に対する要望もございました。その中で、当事者であります慈恵病院と私ども市の連携というのは、さらに強化していかなければならないと考えております。それから、先般の報告書の中では、いろいろとこれまでにない指摘がなされているところでありますけれども、例えば身元不明の児の割合が増えたでありますとか、医療を要する児の割合、あるいは障がいのある児などにつきまして指摘をいただいたところでありまして、私といたしましてもこのことは大変重要な問題であるという認識のもとに、先般慈恵病院を訪れまして、報告書の説明と共に、特に身元不明の状況にできる限りならないように、接触をできる限り試みるように、私の方からも改めて強く求めたところであるということであります。

 

【記者】慈恵病院の方では、事件後も「ゆりかご」での受け入れを再開されていると思うのですが、それについてどのように思われますか。

 

【市長】「ゆりかご」の運用につきましては、私どもとしては先ほど申し上げましたように、今回の事案を踏まえまして検証を進めていかなければならないと考えているものであります。

 

【記者】すでに受け入れをまた始めていることに対しては、何かありますか。

 

【市長】私どもの方から、「運用をやめなさい」というようなことを指導しているものではありません。

 

【記者】今後の検証とか警察の捜査の結果にもなってくるかと思いますけれども、設置許可の撤回とかは考えられるのでしょうか。

 

【市長】現時点におきまして、何かあらかじめ判断をしてこの場に立っているというものではありません。繰り返しでありますけれども、まずは今回の事案につきまして捜査の進展を待ちたいと思いますし、私どもとしてできる限りの情報収集に努めたいと考えております。そして、今回の事案というものが「ゆりかご」との関わりがどれだけあるのか、あるいはどれだけ母親に対して影響を与えたのか、その辺をしっかりと検証していかなければならないのではないかと考えているものであります。

 

【記者】「「ゆりかご」と事件の関わりがどれだけあるのか、母親にどれだけ影響を与えたのか検証をしていく」ということですけれども、この検証結果を通常出している短期的な検証、中期的な検証報告とは別に、今回の事件に関する検証結果として個別に出されるという考えはおありでしょうか。

 

【市長】そこにつきましては、専門部会の会長をはじめ委員の皆様方とご相談したうえで決めたいと思っております。

 

【記者】先ほど「病院の方に運用をやめるようにという指導はしていない。」という話があったかと思うんですけれども、それに関わらず事件後「ゆりかご」の運用に関して病院側に要請された事項はあるのでしょうか。

 

【市長】事件後は、特に具体的に「ゆりかご」の運用に関してはありません。ただ、先ほど申し上げましたように、事件前に報告書を持ちましていろんな3期の検証における課題につきまして説明をし、特に身元不明の状況にならないように、接触を試みるように、というようなことにつきましては私の方から強く求めたというものでありました。

 

【記者】7年半前に設置した当初の「ゆりかご」の目的とはまた、かけ離れた使われ方をしているかと思うのですけれども、こういった事件になっていますが、改めて最初に報告があった時の思いはどういった思いだったのですか。設置許可した時の思いがずっと7年半あって、事件になりました。今回は遺棄ということですが、その報告を受けた時にどのように思ったのかということと、これまでの「ゆりかご」の使われ方をご自身で見てきて、今回の件を改めてどう考えたのか、当時の思いを教えてもらってもいいですか。

 

【市長】これはすでに発表しておりますコメントの中でも申し上げたとおりではあるんですが、設置を許可いたしました時に、もちろん違法性などにつきまして、国とも十分やり取りをしたうえで、即座に違法とは言えないという中で設置を許可したというものではありました。ただその一方で、私の思いとしましては、「救われる命があるのであれば」という思いを込めて設置を許可したということは事実でありました。そのような中で今回「ゆりかご」に置かれていた児というのは、命が救われることはありませんでした。そのことにつきましては、大変残念に思いましたし、改めて心から冥福を祈りたいと思ったところであります。

 

【記者】専門家の中からは、今後母親と接触するために、例えば防犯カメラを付けたり、いろいろな意見が出ていますが、そのあたりの意見についてどのようにお考えですか。

 

【市長】そのような意見も出ております。また先ほど申し上げた専門部会の方からもいろいろな懸念も含めまして大変強まってきている状況もあります。ですから、繰り返しですが、まずは警察の捜査の状況をしっかりと見守りたい。そして情報収集をしたいと思いますし、そのことを踏まえまして専門部会などからの意見も伺いながら、今後の対応については私どもとしても判断をしていかなければならない大事な問題かと思っております。

 

【記者】この問題は、ご自身の任期中に何らかの結論を出すとか、ご自身の中で目標はありますか。検証をご自身の任期中には第一段階の検証を終えるとか、何かご自身の中で検証のゴールみたいなものはお持ちですか。

 

【市長】検証という意味では、先ほど申し上げたように1期2期3期ということで検証は続けてきたというものです。それが一つの節目ではないかと思っております。そして、先ほど申し上げたように3期目の検証の中では、いろんな新たな課題というものが明らかになったということであります。そのことにつきまして私自身も重く受け止め、慈恵病院に直接足を運びまして説明をし、意見交換をしてきたというものでありました。ただそのような中で、その直後にこのような事件が発生したということでありますので、この件も含めまして、さらに検証を重ねなければならないと思っています。結論という話もありましたけれども、この「ゆりかご」自体スタートする時から様々な意見がありました。いろんな見方がありました。私自身も「救われる命があるならば」と申し上げましたけれども、現時点に至って、101件実際に置かれたわけでありますが、「その中で何人の子どもが本当に救われた命であるのか。」でありますとか、あるいは当初から懸念をされておりました「安易な遺棄につながるのではないか、それがどれくらいなのか。」でありますとか、まだはっきりと結論が出せる状況には至っていないというのが今の率直な思いであります。ただ、今回のケースというものは、大変重要な問題だと思いますので、しっかりとこのことも私の残された任期の中で検証をし、そして必要であれば何らかの対策というものも考えていかなければならないかとは思います。

 

【記者】この事件を受けて、今は匿名で預けていますけれども、そのことについての考え方は変わりましたか。今は匿名性がずっと問題になっていますけれども、こういった事件が発生しましたけれども。

 

【市長】「こうのとりのゆりかご」自体が、ご承知のとおり匿名性を前提とした施設であるということです。そのことを前提として、熊本市としては設置許可をしているという事実があります。しかしながら、専門部会の方では匿名性についての疑念の声というものが上がっておりますし、また参考にされたドイツの事例におきましても、内密出産制度という新たな体制が整えられているという状況の変化というものもあります。ですから、そのような状況の変化でありますとか、実際の「ゆりかご」の使われ方あたりを踏まえましたうえで匿名性も含めました「ゆりかご」の在り方というものは、今後も検証を重ねていかなければならないと考えております。

 

【記者】今回分かっている状況では山鹿の女性ではありますが、どこにも相談できずにこういった状況に陥ってしまったということ。そして、「「ゆりかご」は使われなければ使われない方がいい。」と思ってらっしゃったこと。そして、「命を救いたい。」という思いがあったこと。それを踏まえて、熊本市としてこれから子どもの命を救うためにやれることは何だと思われますか。

 

【市長】「ゆりかご」という存在があったからこそ、慈恵病院に対しては全国的に出産などに関する相談が全国から届けられているという状況にあります。そのようなことがこれまでであればなかなか表面化していなかった、あるいはどこにも相談の持っていき場がなかった方たちなのかもしれません。それを今、ある意味では慈恵病院が一手に引き受けている状況もありますので、私どもとしても24時間の相談体制を整えておりますが、このことは国に求めてきていることではありますけれども、やはり全国的な相談体制の充実というものを、今回の件も踏まえまして、より強く求めていく必要があると考えております。そのことがひいては、子どもの命を守ることにも繋がるのではないか。といいますのも「ゆりかご」に置かれた児の中で、遠くから運ばれてきた児、今回のケースのような自宅出産でありますとか、車中での出産でありますとか、非常にリスクの高い出産があっているという現実もありますので、より身近なところで相談できるような環境を整えるということ。そして、今回のような不幸な出来事を少しでも食い止めるということ。このことに、私どもとしてさらに努力をしていく必要があるのではないかと思います。

 

【記者】5月に「ゆりかご」が設置をされて7年の時に会見がありましたけれども、その時にも熊本市の相談が慈恵病院よりも少ないという事実がありました。そこから「相談を受ける体制を強化していかなければならないと思っています。」とおっしゃいました。そこから今日まで何か具体的に相談体制の強化はありましたか。

 

【市長】その電話相談の周知につきまして、より徹底を求めた、ということはあります。しかしながら、その後具体的に相談件数が増えているかどうかというところまでは、確認しているものではありません。ただ、いずれにしましても本市における24時間の相談体制を、もっと広く知っていただくことによりまして、慈恵病院の負担を少しでも軽くすることが出来ればと。そういうことは引き続きやっていかなければならないと思っております。

 

【記者】先般病院の方に行かれて、検証報告の中身について要望事項を伝えられたということですけれども、それに対しての病院側のお答えはどういうものだったのですか。

 

【市長】病院側の答えとしては、慈恵病院自体も行政、特に熊本市、児童相談所も含めてでありますけれども、そことの、より連携の強化というものを求められました。そのことともう1点、私のほうから特に求めました身元を明らかにするための努力というものにつきましては、慈恵病院としても出来る限りのことをすると、「すでにそのように行っております。」というお話をいただいたところでありましたので、さらなる徹底を求めたところでありました。

 

【記者】病院側へはいつ行かれたのですか。

 

【市長】先週の10月2日(木)です。

 

【記者】今回の事件が起きたことで、例えば市としてこれまで行ってきた24時間の相談体制であるとか、精いっぱいやってこられている面もあると思いますけれども、それでもこういったことが起きるということに対して、例えば民間の力を加えるであるとか、何かこれまでとは違う相談体制の作り方であったり、「ゆりかご」を支える体制であったり、というようなことはいかがですか。

 

【市長】その問いにつきましては、先ほどお答をしたとおりでありまして、全国的な相談体制の充実強化というものは必要だと思っております。それは検証の中でも求められているものではあります。その中で民間というお話もありましたけれども、そこも含めまして、とにかく充実強化は確実に進めなければならない課題であるということは明らか。現時点での「ゆりかご」の検証の中からでも明らかではないかと思っておりまして、これまでも国の方には私自身も何度か出向きまして、直接話をしているところでありますが、今回もこの中間の報告書を受けて、あるいは今回の事案も含めまして、国に対して強くお願いをしてまいりたいと考えております。

 

【記者】国へのお願いですけれども、具体的にいつごろまでにはという目途はおありですか。

 

【市長】時期は今調整をしているところでございますので、私の方からは出来るだけ早くというお願いをしているところであります。あとは先方次第だということであります。

 

【記者】先ほど、参考にされたドイツの事例で「内密出産法の体制が整えられた」とおっしゃいましたけれども、日本でも行政が主導になって匿名性という理論を抜本的に変えるような、そういう仕組みは必要だというお考えはありますか。

 

【市長】そのようなことも検討すべきではないかとは思います。ただこのことは、もちろん国の方で動いていただかなければならないことでしょうから、そのことも記載をされておりますので、そのことも含めて国の方といろいろと意見交換をしていきたいと考えております。

 

【記者】確認ですけれども、今後もこれまでと変わりなく開設し続けるという方向性は変わりなく持っていらっしゃいますか。

 

【市長】今回の事案というものは、これまでの数多くのケースの中から考えました時には、極めて異例なケースでありますから、そのことについてはやはり重要な問題として受け止めなければならないと思っております。そして、今回の事案というものも、先ほど申し上げたようにしっかりと検証をしていかなければならないことだと思っております。ですから、現時点におきまして「ゆりかご」を閉ざすとか、そのようなことではありませんけれども、しっかりと慈恵病院にしましても、もちろん私どもとしましても、今回の事案を重く受け止めた中で、今後の「ゆりかご」の在り方については考えていかなければならないと考えております。

【質疑応答:身体障がい者を対象とした職員採用試験について】

 

市長記者会見の様子

市長記者会見の様子

 

【記者】市の職員採用試験についてですが、身体障がい者の方を対象にした試験の中で、点字試験などをせずに全盲の方の受験を事実上認めてこなかったという件についてです。予算決算委員会で市長も答弁されていらっしゃいますけれども、改めてこれまで受験を認めてこなかったということについてどう思われているのかというのが1つと、見直しを検討されるということですけれども、市長の任期が12月の初めまでということで、具体的に見直されるのはいつからどのようにしてされるご予定なのか、お伺いします。

 

【市長】まず、どう思うかということでありますけれども、このことにつきましては、今日も申し上げたところでありますけれども、私どもの、あるいは私の障がい者雇用に対する認識不足でありまして、今回、熊本市で仕事をしたいと思われた方に対して、入口で門を閉ざしてしまったということにつきましては、大変申し訳ないことをしてしまったと思っております。報告を受けました時に、なんとか今回対応できないかということも検討いたしましたけれども、すでに募集を開始していたこと、あるいは点字での問題書の作成などもありまして、今回対応することは難しいということで断念をいたしました。ですから、今回のことを教訓といたしまして、今まさに見直しの作業に入らせていただいているというものであります。すでにそれぞれ人事課の方でも検討に入っている状況であります。

 

【記者】見直すというのは、全盲の方でも受験できるように資格を認めるというのがまずあると思うのですが、ただ受験資格を認めるというだけでなく、仮に合格をした場合に、どんな職場に配置するかという点でも想定が必要だと思いますが、その点については。

 

【市長】そこもすでに検討に入っているということであります。それから、あとは全盲の方だけではなく、差別的な制約というものを付していないかどうか、そこを総点検もしているというものであります。そのことも含めまして、今回のことを教訓としなければならないと考えております。

 

【記者】試験についての見直しなんですが、もちろん人事課が中心になるとは思うのですが、合格後の職場の想定で言えば、全庁的に見直しが必要だと思いますが、実際そのようになるのでしょうか。

 

【市長】これまでも、知的障がい者の方の嘱託職員として採用を、ここ3、4年ほど続けてきた実績がございます。実は、一番最初の年、初期段階では採用はしましたが、任期いっぱいまでお勤めいただくことができなかったというような、私どもとしての大いなる反省点がございました。それは周りのサポートも含めまして、うまく取れていなかったことによって残念な結果に終わってしまったということもありましたので、そういうことも踏まえまして、その翌年度からは周りのサポートも踏まえまして、体制を整えて、今はそのような状況はないということを聞いているものであります。ですから、今回の問題につきましても、これは一定期間ではなく、基本的には採用させていただきましたら最後までということになるでしょうから、しっかりとその様な経験も踏まえまして、周りのサポート体制でありますとか、あるいはやれる仕事というものをしっかりと見い出していかなければならないと考えております。

 

【記者】今おっしゃった長く勤められなかったというケースというのは、知的障がい者の方ですか。

 

【市長】そうです。任期が1年だったと思いますけれども、1年を待たずに辞められたケースがあったというものであります。

 

【記者】検討にあたっては、障がい者の団体の方の意見だったり、あるいは他に実際に全盲の方がお仕事をされている自治体ですとか、よその事例を踏まえたり。

 

【市長】そこはもちろん障がい者団体の方でありますとか、今日は(地元紙に)明石市の例が紹介されておりましたけれども、他団体の取り組みでありますとか、十分に参考にさせていただいたうえで、私どもとしての在り方をきちんとしたものを整えていきたいと思っております。

 

【記者】来年度実施する試験から改められる可能性は。

 

【市長】可能性というか、もうその方針を決め、今準備を進めているものであります。

 

【記者】来年度から全盲の方でも受験できるようにするということですか。

 

【市長】そうです。繰り返しですが全盲の方だけではなく、他に何か見直すものはないかということも含めまして、職員採用試験の全体を見直してまいりたいと思っております。

【質疑応答:最後の定例会を終えて-1】

【記者】任期満了まで2カ月を切られたところですけれども、現在の心境と特にこの2カ月で進めたい、あるいは非常に気になっていることは何かありますでしょうか。

 

【市長】心境は、今日先ほど定例会が終わりましたので、この議会というものは、今日最後にも申し上げたことではありますが、いろんな出来事がありましただけに、1つの大きな節目を迎えたなというのが正直なところであります。また、今月、月が替わりまして、残り2カ月を切ったという状況でございますので、「いよいよ残りが少なくなってきたな」というのも実感として持っているというものではあります。ただ、これも申し上げたことでありますけれども、継続的な課題もありますし、ただ今申し上げた、あるいは今質問いただいた新たな課題というものも生じてきておりますので、少しでも課題の解決に向けて、あるいは道筋をつけるべく、最後の最後まで頑張りたいと思っているものであります。

 

【記者】議会の話だと思いますけれども、「いろんな出来事があったので大きな節目を迎えた。」と。特に議会との12年の関係で思い出深かったことはありますか。議会との12年間の関係の中で、いろんな出来事の中で思い出深いこと、忘れられないことは。

 

【市長】最初は人事案件など否決されたこともありましたし、区割り等の関係の予算がなかなか審議されずに延長されたこともありましたし、強い憤りを表明したということもありましたけれども、いろんなことがありましたが、結果的に今日申し上げたように、熊本市の長い歴史の中でも大きな節目、実現できたものがかなりありますので、これは議会の理解無くしては進められるものではありませんでしたので、そのことつきましては、この12年間振り返ってみますれば、最後には感謝の言葉しかなかったということでありました。

【質疑応答:九州電力の再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づく申請契約の回答保留について】

【記者】再生エネルギーに関してですが、九州電力が接続の回答を保留するということで、熊本市でそういった対応ですとか、今保留になっているものですとか、来年度や今年度に新たに設置をされるようなものはありますか。

 

【市長】熊本市も計画を作りまして、太陽光発電設備の普及について取り組んでまいりました。1つは公共施設への太陽光発電設備の設置、それと屋根貸事業ということで2種類進めてきたものでありますが、今後のことにつきましては、城南総合スポーツセンターにつきましては、九州電力から保留という回答があっております、影響が出かねない。それから、(仮称)北消防署と龍田西小学校につきましては、平成27年度に設置予定といたしておりましたので、このことにつきましては影響が避けられないのではないかと考えております。また、屋根貸事業についてですけれども、例えば桜木東小学校でありますとか、託麻南小学校などにつきましては、九電の方から影響なしでありますとか、契約済みというものもあり、影響はないということですけれども、植木文化センターにつきましては、九電の方から回答保留ということでございますので、こちらにつきましては影響が避けられないのかなという状況でございます。市の進めている事業としても一定の影響が出てきているということであります。

 

【記者】今回の九電の対応について、事業者から発表が遅すぎるというような声もありまして、市長としてはどのように思われますか。

 

【市長】私自身も唐突感を覚えましたし、今は市の施設あるいは屋根貸等の影響を申し上げましたが、地場企業に対する影響もこれからいろいろと明らかになっていくものということが想定されます。そういうことを踏まえましても、今回の九電の対応というものは問題ありと言わざるを得ないのではないかと思っております。

【質疑応答:最後の定例会を終えて-2】

【記者】議会の振り返りの話に戻りますけれども、就任された当初、人事案件で出しても出しても通らないような時期がありましたけれども、あのころはどのような心境でおられたのかを、改めてお聞かせいただきたいんですが。議会側から説明が足りないとか、事前の話がないとか、というような声が上がっていましたが。

 

【市長】私としては、公の場での議論が必要ということです。そのことに重きを置いて議会対応を進めていたということでありました。振り返りますと、私が就任して、そのように議会で否決などがなされますと、「何十年ぶり」でありますとか、あるいは「市政史上初めて」ということがマスコミなどからも指摘をされたことがありました。ただ、私がその時申し上げたことは、「これまでそのようなことがなかったことが問題ではないのでしょうか。」というような話をしておりました。すべて議会との丁寧な根回しの中で、理解が得られたものしか、提案することができないというような状況であれば、市民にとって今熊本市政の問題が何であるのか、あるいは市役所が今何をしようとしているのかが明らかにならない。そのことが問題ではないかと私自身は考え、あのような行動をとってきたというものであります。ただその後、確かに公の場での議論が大事ということは議会も認められました。そのためには「もっと丁寧な情報が欲しい。」でありますとか、「根回しではなくその場ですぐ議論とはいかないであろうから、事前の情報提供をもっと丁寧にやらなければ活発な議論にも至らない。」でありますとか、そのような指摘をいただきました。それは私も「そうだ」と思いましたので、そのような声を受けまして出来る限り丁寧な説明には努めてきたというものであります。今、12年経ちまして、スタート時点のような状況ではありませんけれども、時には継続になりましたり、否決であったり、あるいは活発な議論になったり、というようなことがありまして、私どもとしてはしっかりと説明責任を果たして、理解が得られるようにということで職員たちと一体となって、努力をし続けてきたというものではあります。

 

【記者】今の議会との関係というのは、目指してきたものの姿を実現されているということですか。

 

【市長】それは私自身が評価することなのでしょうか。私自身はそうあるべきということで進めてきたものではあります。ただそれが、例えば事前の説明・情報提供が、先ほど私が問題だと言っていた根回しに近いものになっているのであるとすれば、それは問題と受け止めなれければならないだろうと思います。私はそうではないという思いで、これまで議会とは向き合ってまいりました。ですから、それをどう評価するかということは、第3者の方の評価をしっかり耳を澄まさなければならないと思いますし、私自身、今回3期12年で退くという判断をしました理由の1つとして、少し馴れ合いということも生まれてきているのではないかということも感じたものではありました。

 

【記者】それは議会と、ということですか。

 

【市長】確か申し上げたと思うんですが、対議会、対市民、対職員も、ということを申し上げたと思います。

 

【記者】行政の継続という観点から、議会でも質問があったかもしれませんけれども、残された課題、次の市長に託す課題ということで、今までも人口減少社会への対応とか、桜町の再開発事業、「ゆりかご」の検証や職員採用の件もあるでしょうけれども、それ以外の点で取り組まなければならないと思われる、熊本市の課題というのは何かありますか。

 

【市長】たくさんあります。

 

【記者】2、3挙げていただければ。

 

【市長】今おっしゃられたことの中にかなり含まれていたとは思いますけれども、中心市街地の活性化にしてもしかりですし、公共交通網の再編にしてもまだ道半ばでありますし、その中で人口減少だけではなく、大きく熊本市に変化を与えるであろう熊本駅周辺の整備でありますとか、そこを見据えて着実にやるべきことをやらなければならない、今大事な時期であるといえるのではないかと思います。

 

【記者】今日、江藤議員の方から、政令指定都市の実現であったり、マラソンの話もありましたが、「市民が納得するような功績がありました。」という話がありましたが、12年でいくつか、市長が心に残る自分がやってきたことといえば何がありますか。たくさんあると思うので、2、3挙げるとするならば。

 

【市長】記憶に残ることといえば、1つ目は平成14年12月3日です。最初に市役所に登庁してきた日です。あの日というのは鮮明に記憶に残っていますし、一生忘れることはないだろうと。あの時の気持ちを大事にしなければならないという気持ちでこれまでやってきたということです。もう1つ挙げるとするならば、合併・政令市というのは大きな課題でありました。それがようやく現実になるかというような結果が出たのは、植木町と城南町での住民投票の結果が出た日でありました。やはりあの時も、とても忘れることのできない一日であったと思っています。それからもう1つ挙げるとするならば、一昨年の九州北部豪雨災害であります。それまで、例えば阪神淡路大震災があった日に職員の参集訓練をいたしましたり、あるいはその前年におきました東日本大震災なども教訓としなければならないということで、積極的に職員を派遣したり、あるいは本市の防災体制の見直しなどにも取り組んでまいったつもりではありましたけれども、結果的にあの時にはいろんな課題が明らかになりましたし、実際に龍田地域の状況に足を踏み入れました時に、あの時の光景も一生忘れることのできない出来事でありました。他にもあるのでしょうけれども、挙げるとするならばそのようなことが思い浮かびました。

【質疑応答:次期市長選について】

【記者】「議会との関係で根回しはしない。」と、不出馬会見の時も「議会とは常に緊張感が必要だ。」とおっしゃってました。次の市長になられる方が、今少なくとも3人が立候補を表明されておられますが、2人は最大会派の自民党への推薦願を出されているという状況、1人は別の会派から推薦を受けている状況になっています。それに関して議会との緊張が大事だという点で、そういった状況を市長はどのようにご覧になっていますか。

 

【市長】推薦願を出す、出さないということがイコール緊張感の欠如には繋がらないのではないかと思っております。それは、その方の政治姿勢でもあるでしょうし、あるいは議会対応をどう進められるかでありますとか、その辺は見てみなければわからない。あるいは、これから選挙までにいろいろと政策論争などもあるでしょうが、政治姿勢という部分でどう考えられるのか、そこはやはり聞いてみたいところではあります。

 

【記者】それは個人の考え方だと。

 

【市長】そうですね。今の段階ではどうなのかはよく分からない。それだけではなく、まだ全てについてよく分からないという状況なのではないかと思います。

 

(終了)

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