【市長発表項目:平成19年度当初予算案および条例案について】
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本日は議会告示日でもありますので、議会前の記者会見を兼ねましての定例記者会見とさせていただきます。
それでは、今回上程いたします平成19年度当初予算案および条例案などにつきまして説明させていただきます。少々長くなりますけれども、お付き合いのほどよろしくお願いを申し上げます。
先程の全員協議会におきましてもご説明をいたしたところでありますが、国におきましては、平成23年に国と地方の基礎的財政収支を確実に黒字化いたしますとともに、簡素で効率的な政府を実現してまいりますために、これまでの財政健全化の努力を継続するといたしておりまして、平成19年度予算案につきましては、配分の重点化・効率化を行う一方で、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出について厳しく抑制を図っているところであります。
こうした中、本市の平成19年度当初予算の編成を行ったところでありますが、まず歳入面におきましては、市税につきまして、税源移譲や制度改正の影響分も含めまして、一定の伸びが見込まれますものの、所得譲与税が皆減、地方交付税及び臨時財政対策債が、前年度当初予算と比べましてマイナス6.6%、約23億円の減額となることが見込まれますことなどから、市税、地方贈与税、地方交付税等を合計いたしました一般財源総額でありますが、前年度当初比でマイナス10億円となる見込みであります。
このように、依然といたしまして厳しい財政環境のもとではありますが、新年度におきましても「行財政改革推進計画」の積極的な推進はもとより、「さらなる財政健全化」を目指して掲げました各項目の着実な実行に努めながら、「まちづくり戦略計画」で掲げました成果指標の達成に向けまして、徹底した事業の選択と集中の考えのもとに財源の配分を行ったところであります。
それでは、予算編成にあたりまして重点的に取り組みました事項につきまして、「まちづくり戦略計画」に関連する項目を中心といたしましてご説明申し上げます。
まず、「市民協働で築く自主自立のまちづくり」でありますが、信頼される市政の実現とわかりやすい市政の運営に向けまして、市民の皆様から様々なお問い合わせの窓口となるコールセンター、これを平成20年度から開設することといたしておりまして、平成19年度、システム構築などの準備に着手することといたしております。
次に、ターゲット1の「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」でありますが、本市最大の魅力であり、大きな財産でもあります清れつな地下水を守り育て、次世代に引き継いでまいりますため、引き続き節水社会実験に取り組みますとともに、白川中流域での水田たん水事業につきましても、地元のご理解とご協力をいただきながら、実施してまいります。
また、平成18年度に策定をいたしました「くまもと水ブランド創造プラン」に基づきまして、オフィシャルウォーターの活用促進や、水ブランドホームページ等を通じまして「くまもとの水」を全国に発信してまいりますとともに、「水遺産」登録の推進、さらには「水検定」や「水守」につきまして、平成20年度の制度創設に向けた取り組みを行うことといたしております。
家庭ごみにつきましては、「熊本市ごみ減量・リサイクル推進基本計画」に掲げる目標を達成いたしますため、地域拠点説明会やメディア等の活用によります啓発を進めますとともに、「熊本市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」の一部を改正いたしまして、資源物等の持ち去り行為の禁止に取り組むことといたしました。
次に、ターゲット2の「子どもたちが健やかに成長するまち」でありますが、安心して子育てができる環境づくりのため、まず、乳児等医療費助成につきまして、対象者を小学校就学前まで拡充することといたしました。
また、平成18年度内に策定をいたします「ひとり親家庭等自立促進計画」に基づく新たな事業といたしまして、父子家庭に対する医療費の助成を行いますとともに、ひとり親家庭の児童に対して相談相手や心の支えとなる「児童訪問援助員」を派遣いたしますほか、母子家庭の母親に対する施策として、常用雇用への転換を促進する助成制度の創設や、自立・就労支援を行う自立支援プログラム策定員の配置などを実施してまいります。さらに、児童相談所の開設に向けまして、必要な人材の育成や調査に取り組むこととしております。
個を育む学校教育の推進につきましては、これまで小学校3年生までとしておりました35人学級でありますが、新年度から小学校4年生まで拡大をいたします。
また、指導力不足が懸念される教員等を対象といたしまして、「授業力向上支援員」を派遣いたしますとともに、中学校の教頭につきまして、授業負担を軽減したうえで多様化する学校現場の課題対応に当たらせるために、代替講師を派遣することといたしました。
次に、ターゲット3の「人々が集う元気なまち」でありますが、まず、魅力ある熊本駅周辺のまちづくりに関しまして、熊本駅前東A地区市街地再開発事業を推進してまいりますため、用地補償や実施設計経費を計上いたしますとともに、本市が導入いたします「情報交流施設」につきましての基本設計経費を計上しております。
また、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に向けまして、新幹線建設や連続立体交差事業の一層の促進はもとよりですが、熊本駅西土地区画整理事業、関連する都市計画道路の整備等、着実に進めてまいります。
さらに、熊本城築城400年を迎えまして、春夏秋冬、四季折々のイベント開催に取り組んでまいりますとともに、復元の大詰めを迎えました本丸御殿の内部展示物等の検討でありますとか、熊本城周遊バスの追加購入等を行いまして、この機を逃すことなく熊本城の魅力そして本市の魅力を全国に発信をしてまいりたいと考えております。
また、中心市街地の活性化に向けまして、本年度中に策定予定の「熊本市中心市街地活性化基本計画」に基づく施策・事業を着実に推進してまいりますために、活動母体として昨年12月に設立をされました中心市街地活性化協議会に対する支援を行いますとともに、産業文化会館を含む花畑地区の再開発構想につきましても、行政、地権者双方の立場から協議・検討に参加をしてまいりたいと考えております。
次に、政令指定都市の実現及び都市圏連携に向けた取り組みに関してでありますが、まず、富合町との合併につきましては、本年1月5日に熊本市・富合町合併協議会を設立をいたしまして、2月5日には第1回目の協議会を開催したところであります。今後、両市町にとりまして意義のある合併となりますよう協議を重ねてまいりたいと考えております。
また、「熊本都市圏及び政令指定都市についての研究会」におきまして、明日「熊本都市圏ビジョン」が策定をされる予定となっておりますことから、その方向性を踏まえまして、交通ネットワークや産業振興に関する研究等、都市圏の魅力向上に資する施策の展開を進めてまいります。
以上が今回の予算編成にあたって特に配慮した事項でありますが、このような重点事業を推進しますためにも、経常的経費及び政策的経費の3%削減や、「補助金の見直し基準」に沿った見直しなど事務事業の廃止・見直し等を実施したところであり、今後も行財政改革推進計画に基づき、行政サービスのアウトソーシングや執行体制の効率化などを着実に進めていく所存であります。
この結果、予算規模でありますが、一般会計におきまして、2,078億2,300万円、特別会計では、2,016億6,524万円、企業会計では、757億3,363万円、一般・特別・企業の各会計総計では、4,852億2,187万円となりました。
これを前年度当初予算と比較をいたしますと、一般会計は1.1%の増、特別会計でありますが8.4%の増、企業会計は1.9%の増、総計では4.1%の増加となりました。
次に、主な条例でありますが、「熊本市一般職の任期付職員の採用等に関する条例」についてでありますが、法が改正をされまして、専門的な知識経験が必要な業務に加えまして、一時的に増加する業務、また、一定期間内に終了する業務に関し、任期を限って職員を採用することができるようになりましたので、広域行政の推進、熊本駅前東A地区市街地再開発事業などの業務に対応いたしますため、条例を制定するものであります。
また、資源物等の持ち去り行為の禁止等を行いますため、「熊本市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」の一部改正などを行います。
以上、新年度当初予算案や条例案などについてご説明をいたしましたが、地方財政制度が大きく変革し、依然として厳しい財政環境が続きます中での2期目の最初の予算編成となったわけでありますが、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業、あるいは熊本都市圏の連携や政令指定都市実現など、全庁一丸となって取り組まなければならない重要な課題もございます。信頼される市政の実現を目指し、市民協働のもと「新しい熊本づくり」に懸命に取り組んでまいりたいと考えております。
私からの発表は以上でございます。それでは質問をお受けさせていただきます。