発表に入ります前に、1点述べさせていただきます。
本日は、ご覧のとおり、Tシャツにジャケットというオフィスカジュアルスタイルで記者会見に臨ませていただいておりますが、実は、先ほどまで、熊本城ホールにおいて開催されています「スタートアップワールドカップ2024九州予選」に私も参加しておりました。今まさに、世界切符をかけた熱いピッチコンテストが実施されております。
このピッチコンテストに先立ち行われましたパネルディスカッションに私も登壇いたしまして、今、「九州グローバルスタートアップ・エコシステム創出宣言」を福岡市の高島市長、北九州市の武内市長、別府市の長野市長と一緒に、この宣言をさせていただいたところです。
今後、この宣言のもとに、九州一体となって世界で活躍するスタートアップの創出に取り組んでまいりたいと考えております。それでは発表に入ります。
令和6年第3回定例会提出議案についてご説明します。
まず、補正予算案につきましては、新庁舎整備に向けた基本計画策定及び基本・実施設計の経費のほか、自動運転バスの実証実験経費、市電延伸に係る実施設計等の経費や、市電の安全対策に係る経費などを計上しております。
補正額については、一般会計、企業会計を合わせた全体で8億1,032万円の増額となります。その主な内容についてご説明いたします。
まず、新庁舎整備関係予算につきましては、有識者会議の答申や市議会の特別委員会における議論、市民の皆様からのご意見等を踏まえ「新庁舎整備に関する基本構想」を策定したことから、次のステップとして基本計画の策定及び基本・実施設計等に係る債務負担行為を設定するとともに、本業務の受託事業者選定に必要な経費を計上しております。
このほか、バスの運転士不足等の課題解決につなげるため、自動運転バスの実証実験を行う「自動運転社会実装推進経費」や、健軍町電停から市民病院前への市電延伸に向けた実施設計等を行う「市電延伸経費」、6月の梅雨前線豪雨の被害に対応する「農地等災害復旧経費」などを計上しております。
また、「熊本市電安全対策経費」では、立て続けに発生した運行トラブルへの対策として、ドア開け走行や、信号の見落としを防止するための装置設置に要する経費を計上しております。
以上が補正予算の概要です。
次に、条例等の議案につきまして、主なものとして「熊本市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正」や「熊本市立小学校及び中学校設置条例の一部改正」についての議案の提出を予定しております。
なお、詳細につきましては、先ほど開かれました議会運営委員会においてご説明差し上げたとおりとなりますので、割愛させていただきます。
以上、提出議案についてご説明させていただきました。
次に「熊本城ホール開業5周年記念事業」についてです。
本事業につきましては、熊本城ホールの開業5周年を記念して、これまで熊本城ホールバックステージツアーやエントランスロビーでのイベントなどを開催し、多くの皆様から大変ご好評をいただいているところです。そして、今回、令和元年のグランドオープンから丸5年となる本年12月に、2つの大型イベントの開催が決定いたしましたのでお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
まず、1つ目は「くまもと復興映画祭」です。
この映画祭は、2016年の熊本地震発災以降、熊本市出身の行定勲監督をはじめとする関係者の皆様のご尽力のもと、県内各地で開催されています。先日、行定監督ご自身より、今年も本映画祭を11月30日、12月1日の2日間開催することが発表されましたが、このたび、開業5周年事業の一環として、12月1日は、熊本城ホールシビックホールで開催することが決定いたしました。上映する作品やご出演していただくゲストの方々については、現在、行定監督が検討を進められておりますので、今後の発表を楽しみにお待ちいただきたいと思います。
また、同日、メインホールでは、絵本作家「宮西達也」さんの人気絵本であります「ティラノサウルスシリーズ」を原作とする舞台「おまえ うまそうだな」も開催されます。こどもを中心にご家族で楽しんでいただける作品となっておりますので、こちらもあわせてご覧いただきたいと思います。
次に、12月5日のチャリティイベントについてです。こちらの動画をご覧ください。ご覧いただきましたとおり、12月5日に、熊本城ホールメインホールにおいて、大黒摩季さんによるチャリティライブが開催されることとなりました。
大黒摩季さんは、これまで、熊本地震への復興支援活動にご尽力いただきましたほか、熊本城ホールでもライブを開催していただくなど、本市と非常に関わりの深い方で、また、熊本地震のみならず、全国各地で災害に対する復興支援やチャリティ活動などにも取り組んでおられます。この度、熊本城ホールの開業5周年に合わせてライブを開催し、大きな震災を経験した熊本が復興した姿を発信することで、今なお復興に取り組まれている能登半島地震の被災者の皆様にエールを届けたいという思いから、本イベントを開催し、収益の一部を能登半島地震の被災者のために寄付されるとお聞きしています。
また、このチャリティライブの開催にあたりましては、今回の趣旨にご賛同いただけるアーティストの方々にもご出演いただけるよう、大黒摩季さんよりお声掛けをされると伺っており、開業5周年の節目にふさわしいライブになると心から期待しております。このほか、年末の12月28日から29日にかけても、熊本城ホール全館で楽しんで頂けるイベントの開催を予定しておりますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
次に、まちなかフリーパスの導入についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
熊本市中心部における180円均一運賃エリア内の路線バスについて、土日祝日に1日300円で乗り放題となる「まちなかフリーパス」を、9月7日から販売開始いたします。来年の3月末まで、試験的に導入することとなりました。「まちなかフリーパス」は、180円均一エリア内であれば、1日300円で乗り放題であり、また、フリーパス1枚でご購入いただいた本人だけでなく、同乗の小学6年生までのお子さま2名までが無料となる大変お得な乗車券です。このフリーパスは、デジタルチケットのみで販売を予定しており、スマートフォンアプリ「RYDE PASS」から購入できます。多くの皆様にご利用いただくことで、交通渋滞の緩和にもつながりますので、ぜひこの機会にお得な「まちなかフリーパス」をご利用いただきたいと思います。
次に、熊本市電におけるタッチ決済上限設定割引キャンペーンの継続実施についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
「1日上限設定割引キャンペーン」につきましては、8月2日から31日まで実施しておりますが、8月2日から24日までの1日平均利用件数が速報値で676件と、今年の4月から7月までの1日平均件数408件と比べて、約270件と大幅に増加しているところです。
そこで、8月31日までとしておりましたが、ご好評いただいておりますこのキャンペーンについて、9月30日まで延長し、引き続き上限額を360円として継続することといたしました。
タッチ決済は、チャージなどの事前のお手続きが不要で、日頃からお買い物に利用されているクレジットカードを使って、そのまま市電にご乗車いただける大変便利な運賃支払い方法ですので、このお得なキャンペーン期間中に、ぜひご利用いただきたいと思います。
次に、8月24日(土曜日)に開催しました「江津湖花火大会2024」についてです。当日は、開始直前まで天候が心配されましたが、無事に開催され、関係者の皆様のご協力により大きな事故もなく終えることが出来ましたことを大変うれしく思っております。
今回は、会場周辺に約13万6千人の皆様がご来場されるなど、大変な賑わいとなりました。改めまして、今回の花火大会の開催に多大なるご理解とご協力をいただきました地元の皆様をはじめ、関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。また、大会翌日の江津湖クリーン大作戦にご参加いただいた多くの皆様方に対しましても重ねてお礼を申し上げます。
次に、「熊本市いのち支える相談窓口」についてお知らせいたします。夏休み明けは、こどもたちが新学期を迎えるにあたり、さまざまな不安やプレッシャー、精神的な動揺が生じやすい時期であり、「家族にも学校にも話せない」「理解してもらえない」など、人になかなか話せないようなこころの悩みを一人で抱えこんでしまいがちです。そこで、こちら(のモニターを)ご覧ください。熊本市では、LINEによる相談、あるいは電話による相談を受け付けております。この相談窓口では、誰にも知られず匿名で相談ができますので、家族にも学校にも話せない、あるいは理解してもらえない悩みを抱えている皆さん、うまく言葉にできなくても大丈夫ですので、一人で悩まず、まずは相談してみてください。また、保護者の皆様など、周囲の方々からのご相談も受け付けておりますので、日頃からお子さんたちと接する中で少しでも気になることがあれば、ぜひご相談いただきたいと思います。次のモニターをご覧ください。
全国的な統計によれば、夏休み明けはこどもの自殺リスクが高まることが懸念されており、こちらに示すグラフのとおり、特に9月に18歳以下の自殺者が多く発生しております。次のモニターをご覧ください。本市においても、過去5年間に34人のこどもの尊い命が自殺により失われています。その理由は、学業の不振や進路の悩み、また、親子関係の不和や友人関係の悩み等多岐にわたっています。
そこで、来月9月7日(土曜日)に、このような悩みを抱えたこどもへの対応を学ぶための「自殺予防啓発講演会」を本市ではじめて開催いたします。お申込みは8月31日までとなっておりますが、本市ホームページでお申込みできますので、ぜひ、多くの方々にご参加いただき、この機会に「こどもの命を守るために大人に何ができるのか」を考えていただきたいと思います。そのほか、9月10日から16日の「自殺予防週間」にあわせて、さまざまな啓発活動を実施いたしますので、詳細につきましては、お手元にお配りしています資料のほか、本市ホームページにも掲載いたしますのでご確認ください。
本市では、誰も自殺に追い込まれることのない「支えあう熊本市」の実現に向けて、関係機関・団体の皆様と連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、新型コロナワクチン定期接種についてお知らせいたします。
新型コロナワクチンの全額公費負担による接種は、本年3月31日で終了しておりますが、今年度からは制度が変更となり、季節性インフルエンザワクチン同様、一部自己負担が発生する「定期接種」として実施します。こちらのモニターをご覧ください。
「定期接種」の対象者は、65歳以上の方、および60歳以上65歳未満で心臓や腎臓等に一定の基礎疾患を有する方で、接種期間は10月1日から来年3月31日まで、費用は原則3,260円です。この定期接種では、接種券や接種案内等の発送は行いませんので、接種をご希望される方は、予約開始日や接種実施日等について、直接各医療機関へお問い合わせいただきたいと思います。なお、9月中旬頃には、本市ホームページで接種を実施する医療機関についての公開を予定しておりますので、ご確認をお願いします。このほか、「定期接種」の対象者以外の方でも、費用は医療機関によって異なり、概ね15,000円程度かかりますが、全額自己負担いただくことで、「任意接種」として接種することができます。
ワクチン接種は強制ではありませんが、重症化リスクの軽減といった効果が期待されますので、接種を希望される方は、重症化予防の効果と副反応のリスクの双方を理解したうえで、接種していただきますようお願いします。
最後に、台風第10号についてです。熊本地方気象台の情報では、非常に強い台風第10号は本日9時現在、奄美市の東約130kmにあって、ゆっくりとした速さで西北西に進んでおります。予報円の中心を進んだ場合には、29日(木曜日)から30日(金曜日)にかけて本市に最接近すると予報されております。
このような状況を踏まえ、本市では、早めの避難を促すため、29日に警戒レベル3「高齢者等避難」を発令し、熊本市内の避難場所20か所及びペット同伴避難場所2か所を開設する予定としております。避難に時間を要する高齢者などの皆様や、自主的に避難を希望される方は、早めの避難をお願いいたします。なお、雨の状況によっては、警戒レベル3「高齢者等避難」の発令を早める場合がありますので、市が発表する最新の情報に留意してください。また、熊本市立の小中学校、あおば支援学校については、29日及び30日を臨時休校といたします。このほか、本市主催のイベントなどについても中止を検討しております。本市職員におきましても、通勤退勤時の安全確保の観点から、積極的にリモートワークをするよう私から指示をしたところです。
台風に関する対応については、随時、市ホームぺージや市公式LINEなどでお知らせいたしますので、市民の皆様におかれましても、今後の台風情報にご注意いただきますとともに、今一度、食糧や飲料水等の家庭内備蓄をはじめ、最寄りの避難場所や避難方法、ご家族の安否確認方法などについてご確認をお願いいたします。
本市では、引き続き、情報収集に努め、万全の態勢を整え対応してまいります。
私からは以上です。
質疑応答
【記者】まちなかフリーパスの導入と、タッチ決済上限設定割引キャンペーンの延長に関してお伺いします。導入の目的、期待する効果についてもう少し詳しくお聞かせください。
【市長】まちなかフリーパスの目的ですが、もともとまちなかループバスということで、熊本駅と中心市街地エリアを結ぶ回遊性を高めようと、このバスを運行しておりました。これも試験的に行ったところでしたが、この発展形として、土日祝日に中心市街地をはじめとする180円均一エリア内の路線バスが乗り放題となる、まちなかフリーパスを導入することで、中心市街地の回遊性の向上と同時に、公共交通利用者を増加させることを目的としております。
目標の枚数と言いますか利用数としては、1日当たり大体500枚以上を目指しているところです。これは、まちなかループバスの利用実績が1日当たり大体500人前後だったという事もあり、そういった形で進めてまいりたいと思います。
【記者】自民党の総裁選についてお伺いします。岸田首相が不出馬を表明して、動きがいろいろと活発化していますが、いち政令市の市長として、現在までの自民党総裁選に関する受け止めと、どういった選挙戦を期待されるかという点について、お考えをお聞かせください。
【市長】まず自民党総裁選というのは、今の国会の勢力図からすると、自民党総裁になった方が、すなわち次の首相になるということが確実視されていますので、そういう意味では、勝った(選出された)方の政策というものが、次期政権の政策の軸になると考えられます。そうしますと当然、国内はもとより熊本の地方都市においても、かなり大きな影響を受けると思います。まだ候補者が出そろっていない状況ではありますが、これからいろいろと政策論争を交わされると思っています。特に人数に関しては、かなり多くの候補者が出馬される予定だと聞いております。かつての派閥が、非常に盛り上がっていた時期から解体をされるという、初めての党首選ということで、私も政治家として非常に注目をしているところです。ある意味では力学が変わるというような中での総裁選でもありますので、この機会が、まさに政治権力の奪い合いのための、いわゆる政治家の権力闘争の象徴のような総裁選ではなく、政策、この日本をどうやって導いていくのかという気概を各候補者には見せていただきたいと思いますし、そういった論戦を大変期待しているところです。
特に地方が今、人口減少社会の非常に厳しい状況にある中、地方創生に関してはこれまでも、デジタル化・DXやいろいろなことを通じて地方をもっと活性化させようとか、地方への移住政策や2拠点居住のような政策を推進させる、あるいは子育て支援策について、どのようにビジョンを示して、この少子化の現状にしっかりと処方箋を打ち出していくのかということは、非常に注目をしているところです。そういう意味では、政策テーマはかなり幅広にいろいろなことがあります。
一方で海外に目を向けますと、アメリカの大統領選挙がこの秋11月に控えていますので、日本の政治にとっても世界の政治にとっても非常に節目となるような時期でもあり、大切な総裁選になると思っています。ぜひ、各候補者には、どういう方々が出られるかは分かりませんが、多くの国民が注目をしているものですので、政策論争を中心にこの国のあるべき姿、ビジョンというもの、リーダーとしてどう引っ張っていくのかをお示しを頂きたい、このように期待をしております。
【記者】木村知事の発言についてお伺いします。20日に県で行われた会合の中で、「事務職は要らない」、「普通科は要らない」という発言をされて、それが物議を醸す状態になっていますが、市長はこれをどうご覧になられたのかということと、木村知事が台湾に訪問されてTSMC本社に第3工場の検討をお願いされたことについて、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】まず、1点目の木村知事のご発言についてということでありますが、私は県外へ出張しておりましたので、ネットのニュースで拝見しました。やはりタイトルだけ見ると、これは波紋を広げるような発言ではないかなと見ておりまして、どんな発言をされたのかは、前後の記者会見を直接拝見したわけではないので分かりませんでしたが、いろいろ危機感もある中で、技術職やエッセンシャルワーカーも含めた専門職をぜひ獲得したいという、そういう強い思いを強調するために、敢えてそういうことをおっしゃったんだろうと思いました。ただ、当然そこだけひとり歩きするということは、首長の発言として十分ありうるわけですから、その点に対する配慮はもう少し必要ではなかったかなと受け止めました。
ただ、木村知事のキャラクターからしても、あのくらいのことは言いそうだなと、正直思ったところです。率直に言いますと、木村知事とは県議時代からずっと交流しており、役人の割には結構言うなと思っていました。そこまで言って大丈夫なのかなと思っていましたので、もともとそういうキャラクターの方ではあると思います。ただ、トップになるとその意味合いが全部変わってくるということを、今回のこの発言、そしてそれが炎上し広がったことによって、木村知事も発言を撤回されたり謝罪されたりということでありますが、ご自身を戒められているのではないかなと思います。政治家として、しかも地方自治体のトップとしての発言は非常に重いものがありますので、私も結構言う方なのですが、意外と注意してるところもあり、そこは直接お目にかかる機会に、いろいろとお話をする中で、私も首長としては多少先輩ですので、そういったアドバイスができることがあれば申し上げたいと思っています。
それから、台湾に行かれて、TSMC本社にも行かれたことについては、私も報道で承知しております。行かれること自体の情報は、県のほうからご提供いただいておりますので、そういういろいろな交渉も含めて、台湾に対してもTSMCに対しても、いろいろなラブコールを送られたと受け止めています。JASMの第3工場については、報道によりますと、何か大きな答えや明確な答えが返ってきたわけではないということでしたが、地元が第1工場と第2工場と拠点化されているという中で、さらなる拠点化を進めることが、世界の半導体競争の中でも日本が優位に働くというようなこと、そして、その立地の拠点として熊本がふさわしいとアピールされたということは、大きな成果であり、今後につながっていくのではないかなと思っています。
一方で、懸念される環境問題に対する配慮についても、木村知事はしっかりと発言をされていて、TSMCといろいろな情報共有をされたと伺っております。中身については、お帰りになられてからお聞きしようと思っていますが、やはり環境に対する不安など、こういったことについては十分な配慮が必要であり、私も今年の1月に訪問した際には、もう少しいろいろな情報を公開していただいて、水処理や地下水の汲み上げ等々について、量も含めて、しっかり住民に理解されるように、不安を払拭するような形での取組をオープンに発表していただくとか、報道機関の皆様にいろいろと公開していただくなど、そういったことを求めたところです。そのことがある意味反映されて、JASM開所式の日には、水の処理施設なども、報道機関の皆様をはじめ私達首長にも公開されました。今回、知事がさらにその点で踏み込んでご発言されたということは、TSMC本社に対しても、非常に熊本が水を大切にしている、あるいは自然環境を守るということに対して強い意欲を持っているということを示せたのではないかなと思っております。また(木村知事が)帰られてから、意見交換をさせていただきたいと思っております。
【記者】台風第10号への対応に関してお伺いします。29日と30日を臨時休校とするというお話がありましたが、29日に行われる予定であった始業式が延期になるという理解でよろしいでしょうか。
【市長】はい、そのとおりです。29日が始業式の予定でしたが、市立の小中学校とあおば支援学校、計135校を一斉に臨時休校とするという方針を、教育委員会から報告を受けております。
【記者】8月31日、9月1日は土日ですので、次の登校日及び始業式は9月2日になるということでしょうか。
【市長】今のところは、熊本市立高校と市立幼稚園、平成さくら支援学校については、9月2日が始業式となっておりますので、そこに合わせた形で行う予定です。もともと9月2日が始業式の市立高校と市立幼稚園、平成さくら支援学校については、(臨時休校日が)夏期休学期間であるため、特段の対応は行わないということです。台風がある程度収まって、登下校が安全にできることが分かれば、9月2日に合わせられると思います。恐らく近日中に、その方針については、台風の動向もありますが、保護者および児童生徒の皆さんにお知らせをすることになろうかと思います。教育委員会からの発表をお待ちいただければと思います。
【記者】29日に高齢者等避難を発令されるとのことですが、おおよそ何時くらいに出される予定でしょうか。
【市長】時間はまだ申し上げていませんが、これからの気象状況を見ながらと思っています。ですができるだけ早めに、風が強くなったり雨が強くなったりする前に、予防的避難を進めていただく必要があると思っていますので、当然明るいうちに発令をしたいと考えております。時期やタイミングについては、気象庁や気象台といろいろな情報を共有しながら、最新のデータに基づいて適切なタイミングでと思っています。ですので、29日の明るいうちに発令をしたいと考えています。
【記者】庁舎の建替え問題についてお伺いします。先日市民グループが住民投票条例の制定に向けて直接請求の手続に入られました。これまで合併推進債の期限を踏まえて、建替えの方針ということで進めてこられたと思いますが、改めて市長の受け止めをお願いします。
【市長】市民団体の皆さんが、住民投票に係る直接請求の手続を進められたということで、この住民投票に係る条例制定をする直接請求に関する手続については、法に基づいて適切に進められるべきだと思っておりますので、きちんと手続に則って適正に進めてまいりたいと考えています。
【記者】今回の9月議会の予算の中に、建替えに向けた設計関連予算を計上していらっしゃいますが、年度内に実績を含めた契約締結をするというところを目指していらっしゃると思います。その方針については、お変わりはないでしょうか。
【市長】はい、その方針で今日、議会運営委員会や議員全員会議において、予算案をこういう形で提案をさせていただくという説明をさせていただきましたので、その点に関しましては予定どおり進めさせていただきたいと思います。
【記者】くまもと復興映画祭に関してお伺いします。くまもと復興映画祭は、熊本地震を機にスタートしたものと記憶していますが、熊本地震から8年が経過し、記憶の風化が懸念される中で、このイベントがどのようなものになってほしいか、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】実は先日、行定監督と直接東京でお目にかかってお話をさせていただきましたが、地元に対する思いというのを、非常に強くお持ちでありました。特に熊本地震の後から、映画やエンターテインメントの力というのは人々の勇気や希望につながるということ、毎回多彩なゲストの皆さんにお越しいただいて、復興と同時にいろいろな厳しい状況にある方に対し、例えば、主人公やいろいろな皆さんが立ち上がっていくようなストーリーであったり、軽快なコメディやラブストーリーなど様々ありますが、そういったいろいろなドラマが生きてる中で、人々に勇気を与え、感動を与え、それが復興につながっていくという意味では、映画というものは、最近は配信等々でご覧なったりする方も多いと思いますが、映画館でみんなと一緒に見るという感動がすごくあると思います。
特に、行定監督のように独特のセレクトで映画を上映されて、私も過去の映画祭の中で、時間がある限りいろいろ映画を拝見させていただきましたが、まず自分ではチケットを買って観ないようなものの中に、こんなにいいものがあるのかということや、それからティーチインといいまして、映画が上映された後に、監督や役者さんが作品についての解説をしたり、背景等について説明されたりするんです。ここが、この映画祭の真髄としてすごく面白いところだなと思いますので、なかなか記者の皆さん方も映画を見ている場合ではないというか、ひまがないと思いますが、映画祭には取材に来ていただき、ぜひ映画もご覧いただけると、そういう新たな感動や発見(があると思います)。
例えば、私は新聞の書評欄をよく読むのですが、本屋さんで自分は選ばないだろうなというような本を、読んでみようかと思って読んだら、非常に役に立つもの、あるいは感動するものがあったりして、新たな発見があります。自分の趣味や嗜好だけで検索をすると、このネット社会の中では、自分の好みのものばかり出てくるような世の中なってきています。そうじゃないものが、この復興映画祭には気づきがあることが、非常にいいことじゃないかなと思っています。そういう意味では、この映画祭というのは、映画のよさを本当に感じられるすばらしい映画祭だなと私も過去にいろいろと拝見して思っていますし、参加された方の満足度が非常に高いこということで、リピーターの方が非常に多いということですので、多くの市民の皆様に、是非ご覧いただけたらなと思っております。
【記者】庁舎の建替えについてお伺いします。一部の市議会議員が建替えの賛否を問うアンケートを実施されて、今日結果の発表とその分析をされました。住民投票を求める声もある中、議会で議決されれば、庁舎建替えが事実上決定ということになると思いますが、改めて市民の合意形成について、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】市民の皆さんとの合意形成については、これまでもいろいろな形で広く情報を発信させていただきましたし、それから市民説明会等も、かなりの回数、それから時間を延長して、担当事務局から丁寧にご説明をさせていただきました。私も、「市長とドンドン語ろう!」でお話をさせていただきましたが、なかなか情報が細かく伝わっていなかったり、関心が高まらないという部分もあったのかなと思います。実は、災害時も含めて自分たちの生活に直接関係することでもあるのが庁舎の話であり、市役所の職員が働く場所を安心に綺麗にしようということではなくて、市民生活を守るための拠点として、安全で、未来に向けてきちんとした形で、耐震性を持ち不安のない防災拠点として相応しい庁舎をつくるということをお伝えしてきたつもりでしたが、市民的に関心が高まるということに関しては、いろいろとご反応をいただいていることはありますが、十分な盛り上がりということにはなっていないかなと受け止めています。その辺については、説明の尽くし方が非常に難しいなと思っています。
ただ一方で、市民の代表者である議員の皆さん、議会に対しては、しっかりプロセスも通じて丁寧にご説明させていただいていますし、特別委員会等も含めて私も直接出席をしてご説明させていただいますので、ある意味では市民の代表の皆さん方に、いろいろなご審議やご指摘をいただいていますので、そうしたものをしっかりと踏まえながら、9月の議会の中でも、そういった疑問や論点についてはお答えをして、説明を尽くしていきたいと考えています。
【記者】台風の対応についてお伺いします。29日、30日が臨時休校ということですが、児童育成クラブの対応についてお聞かせください。
【市長】児童育成クラブも全部閉鎖をします。公営の児童育成クラブ80施設に関しては、臨時休校に合わせて閉鎖するという報告を受けています。民営の児童育成クラブ15施設については、運営者の判断となるものの、公設のクラブに準じて対応をお願いしたいと、教育委員会から要請をしていると伺っています。働く保護者の皆さんにとっては、非常にご負担になりますが、働く皆さんも、できるだけ災害に備えるということで、児童の安全を最優先に考えて行動していただければと思いますし、事業所の皆さんにも、ぜひご理解、ご協力をいただきたいと思っています。
【記者】こどもの自殺に関してお伺いします。間もなく夏休みも終わり学校も再開されますが、保護者も含めて、児童生徒たちに対する大西市長の呼びかけをお願いします。
【市長】学校が再開すると憂鬱だとか嫌だなとか、それから先生や保護者の皆さん、親にも言えないようなこと、何か心配事も含めて抱えているお子さんは、たくさんいらっしゃると思います。先程お示したとおり、LINEの相談窓口は匿名で夜も受け付けられますし、日中は電話での相談窓口があります。まず、悩んだり迷ったりしたら、気軽にこういったところに相談をしてください。そしたら、皆さんの為になる安心できる解決策が必ず見つかるので、悩んでる皆さんや何か行き詰まったなと思ってる皆さんも、諦めずにご相談していただきたいと思います。
【記者】9月の補正予算案に関してお伺いします。公共交通の維持強化に向けて、運転士不足に対応した自動運転バスの実証実験経費や、また市電の安全運行に向けた経費が盛り込まれています。この点について、大西市長の狙いを改めてお聞かせください。
【市長】運転士不足に対する自動運転バスの実証実験に関しては、国のいろいろな事業に対して申請をしておりましたが、これが採択をされたということもあって、適切に実行していこうということです。自動運転の社会実装を推進していくということは、今、早めにいろいろなルートを考えながら進めていって、皆さんがこれから先、安心して公共交通を使っていただくための新しい手法の一つとしてトライしていくものです。
国としても積極的に自動運転に取り組んでおり、運転士不足は全国的に深刻な問題になっていますので、運転士がいなくても安全に乗れるように公共交通を確立していくということは、今後増々、人口減少社会の中で、必要になってくるだろうと思います。一方でどういう課題があるのかということも抽出していかなければなりませんので、実験をくり返すことで新しい方向性というのがさらに見えてくると思います。この結果を踏まえて、どういう形であれば実際の路線バス等々に応用できるのか、運営をできるかどうかも含めて、しっかり確かめさせていただきたいと思っています。
様々な補正予算の中でも、バス事業の現状分析の経費であるとか、いろいろな安全対策も盛り込んでおりますが、特に公共交通に関して軸足を置いた、今回の補正予算案になろうかと思います。そういう意味では、7月に私と木村知事とでトップ会談を行い、そして先日の県市の調整会議の中で、公共交通の推進についてはさらに進めていくとしていますので、その反映を、少しでも早く実現できるような補正(予算)にしていきたいと考えています。