発表に入ります前に、職員の不祥事についてお詫び申し上げます。
去る9月30日、本市職員が熊本市中心街の飲食店等において盗撮行為を行ったことから、当該職員を10月18日付けで懲戒免職処分といたしました。
不祥事の根絶に向け全庁を挙げて取り組む中、市政への信頼を大きく失墜させるような事案が発生したことを大変重く受け止めておりまして、被害者の方々、市民の皆様に対しまして深くお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした。
改めまして、法令遵守はもとより、常に全体の奉仕者としての強い自覚と緊張感を持って行動するよう周知徹底を図り、市民の皆様からの信頼回復並びに再発防止に全力で取り組んでまいります。
それでは発表に入らせていただきます。
はじめに、「GDSアワード」の受賞についてご報告させていただきます。
GDSとは、「Global Destination Sustainability」の略語でありまして、オランダのアムステルダムに本部を持ちますICCA(国際会議協会)が中心となって運営いたします、国際会議や展示会などMICEの持続的な推進を図るためのプログラムです。
このGDSは、MICEや観光の視点から、参加しております世界各国100都市以上の持続可能な取組を指標化をして、ランキング形式で公表するとともに、特に優秀な都市の表彰を行っています。
本市では、より多くの国際会議等の誘致を目指し、昨年度から参加しておりまして、今回、GDSアワードの4つある賞の一つ「Most Improved Destination Award 2024」を熊本国際観光コンベンション協会との連名で受賞いたしました。GDSアワードの受賞は日本で初めてとなります。
こちらが、そのトロフィーでございます。こちら10月16日にベルギーのブルージュで開催されました授賞式でいただいたトロフィーです。
今回本市が受賞しました「Most Improved Destination Award」は、前年と比較し最もGDS指標が伸びた都市に贈られるものでございます。
これは、従来から実施しております環境保全の取組に加えまして、新たにMICE誘致戦略に持続可能な取組を盛り込み、地元の関係事業者への研修を実施したことなどが評価されたものでありまして、このような賞を受賞したことは大変名誉なことであると光栄に思っております。
この受賞をきっかけとして、本市の水資源をはじめとする環境保全の持続可能な取組を世界に発信するなど、国内外へのプロモーション活動を強化し、国際会議等の誘致や国内外からの観光客の誘客を図ってまいりたいと考えております。
次に、「結婚・子育て全力応援プロジェクト」についてお知らせいたします。
本市では、これまでも「こどもを核としたまちづくり」に関するさまざまな事業に取り組んでまいりましたが、「もっと子育てしやすい熊本市」を実現するため、「結婚・子育て全力応援プロジェクト」と題しまして、こども局の関係事業を一体的に実施することといたしました。
モニター、こちらをご覧ください。
こちらは、その第1弾としてご紹介いたします2つのプロジェクトです。
まず、「こども食堂キャラバン隊」についてでございますが、この「こども食堂キャラバン隊」とは、こども食堂が開設されていない校区などに出向きまして、こども食堂の魅力や活動内容などのPR活動を行うチームのことです。本市とこども食堂ネットワーク3団体で結成するものです。
来月11月からは、全ての小学校区でのこども食堂開設を目指し、各地域にてキャラバン隊によるプロモーション活動を開始いたします。
なお、本日15時半から、本市と3団体によります連携協定締結式を開催いたしまして、「未開設校区の地域団体等に対するこども食堂周知の際の人員派遣」や「こども食堂ワークショップ開催時における講師の派遣」など、新たなこども食堂支援に関する連携協定を締結いたします。
次に、今月1日に開設いたしました「若者・ヤングケアラー支援センター」でございますが、こちらは、既に9月27日の記者会見でご説明いたしましたとおり、同行支援や訪問相談に加えまして、居場所の提供も行っております。お気軽にご利用いただきたいと思います。
今後、第2弾、第3弾と「結婚・子育て全力応援プロジェクト」の注目プロジェクトについて、皆様にそれぞれお知らせをさせていただきたいと考えております。
本市では、「もっと子育てしやすい熊本市」の実現に向けて、引き続き「結婚・子育て全力応援プロジェクト」に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「市電の新たな運賃支払い導入」についてお知らせいたします。
11月1日から、既存の決済方法に加えまして、新たなQRコード決済方法を導入いたします。
まずはこちらの動画をご覧いただきたいと思います。
ということで、ご覧いただきましたとおり、新たな決済の方法では、乗車中に、車内に掲示している専用QRコードを読み取って、運賃額を入力して、降車時に、乗務員へ画面を提示して支払うということで、今までは、QRコードをスマホなどで出して、QRコードリーダーに当てて決済するという、ここの読み取りがなかなかうまくいかないとか、時間がかかるとかいうことがありました。よくスーパーマーケット等いろいろなお店でも、読み込んでスキャンして支払うという方法がありました。それに替えるということで、乗務員による端末の操作が今までは必要だったのですが、今度は画面の確認のみで対応できるということで、決済手段が色々とある中で乗務員の負担軽減にもつながるということで考えているところです。
この新たな決済方法では、PayPayなどの既存の5つのブランドのほかに、台湾のジェイコペイなど、他にも海外の17のQRコード決済も利用可能となりますので、より国内外を問わず、幅広い多くの皆様にご利用いただけるのではないかと考えております。
熊本市電では、引き続き、皆様が利用しやすい公共交通となるよう、こうした取組を進めてまいりたいと思います。
次に少し違う話題なのですが、「バスと電鉄電車の運賃支払い方法の変更」についてお知らせいたします。
こちらをご覧ください。
路線バスと電鉄電車の決済手段が、既に熊本県内を運行する路線バス事業者5社によって発表されております。運賃決済機器を更新をこれからしていくのですが、路線バス・電鉄電車での運賃の決済手段が、来月11月16日から来年の3月上旬まで、くまモンのICカードと現金のみとなってしまいます。
11月16日からは、これまでのSuicaなどの全国交通系ICカードが、モバイル型も含め、一切利用ができなくなるということでございます。
くまモンのICカードにつきましては、各バス会社の販売窓口や車内、県内の肥後銀行窓口などで購入できるということでございます。
また、チャージについては、各購入場所に加えまして、熊本市役所の本庁舎、桜町バスターミナルなどの専用チャージ機のほかに、県内のローソンで行うことができます。
詳細は各交通事業者、または肥後銀行のホームページをご確認いただきたいと思います。
このほか、来年2月末まで、県内の路線バスや電鉄電車、市電を平日朝9時以降に降車した場合に通常の半額の運賃でご利用いただける「渋滞なくそう半額パス」も非常に好評な中で発売中でございますので、新しい決済手段をご準備いただく際には、ぜひご検討いただきたいと思います。
なお、機器が更新された後はクレジットカードによるタッチ決済などが利用できるようになります。
詳細については後日改めてお知らせをさせていただきたいと思います。
この更新期間中はたいへん利用者の皆様にご不便をおかけいたしますが、ぜひ、11月16日からもう使えなくなってしまいますので、お早目のご準備をお願いしたいと思います。
次に、「中九州横断道路及び熊本都市圏3連絡道路に関する要望活動」についてお知らせいたします。
一昨日の熊本県知事記者会見で発表されましたとおり、中九州横断道路及び熊本都市圏3連絡道路について、国に対して要望活動を実施いたします。
先の7月18日に開催いたしました、熊本県知事との「トップ会談」において、熊本都市圏の渋滞対策を進めていくため、中九州横断道路「熊本環状連絡道路」の早期事業化や熊本都市圏3連絡道路の早期実現に向けて、県市連携をさらに深めて取り組むことを合意したところでございます。
このようなことから、11月6日に、木村県知事、荒木合志市長、金田大津町長、𠮷本菊陽町長とともに、中九州横断道路の「熊本環状連絡道路」の早期事業化等について要望(活動)を行います。また、同日、木村県知事とともに、熊本都市圏3連絡道路の早期実現に向けて、国への要望活動を行う予定です
本市では、引き続き、国や県、関係市町村と連携しまして、熊本都市圏の渋滞解消に向けた取組を一層進めてまいります。
次に、「熊本市スポーツ特別功労者表彰」についてお知らせいたします。
パリ2024オリンピック、そしてパラリンピックでは、熊本市ゆかりの選手の皆様が世界で活躍されました。
モニターをご覧ください。
オリンピックでは、バドミントン女子ダブルスの志田千陽選手、松山奈未選手、フェンシング女子フルーレ団体では菊池小巻選手、そして、パラリンピックでは車いすラグビーの乗松聖矢選手、競泳の富田宇宙選手がそれぞれメダルを獲得されました。本当に私達に大きな感動と勇気を与えていただきました。皆様には本当におめでとうございますと改めて申し上げたいと思います。
今回、その栄誉を称えまして、熊本市スポーツ振興基金事業における顕彰のひとつであります「熊本市スポーツ特別功労者表彰」の授与を予定しております。具体的な日時等につきましては改めてお知らせをさせていただきます。
次に、「熊本マスターズジャパン2024」国際バドミントン大会の開催についてお知らいたせします。こちらのモニターをご覧ください。
昨年に引き続き本市で開催します「熊本マスターズジャパン2024」の開幕がいよいよ近づいてまいりました。
11月12日から17日まで開催されますこの大会ですが、パリオリンピックの銅メダリストの志田千陽選手・松山奈未選手をはじめ、世界各国から15名のメダリストにエントリーいただいているということで、この熊本でまた世界トップレベルの熱い戦いが繰り広げられます。
会場であります熊本県立総合体育館では、1階アリーナ席はもちろんですが、2階席からでもコートとの距離がたいへん近く、選手たちの躍動感や熱量を肌で感じていただくことができます。
私自身も昨年の大会で2階席から観覧をさせていただきましたが、非常に音や選手の皆様の動き、そういったものが非常に躍動感を持ってライブで感じることができたので、たいへん白熱した試合を間近に感じることができました。
チケットは現在発売中でございますので、この機会に多くの皆様に会場にお越しいただいて、迫力ある世界トップレベルの試合をお楽しみいただきたいと思います。
なお、本大会の会場には駐車場がございませんので、試合会場へお越しいただく場合は、公共交通機関をご利用いただきますようお願い申し上げます。
本市では、選手の皆様がこの大会で素晴らしい成績を残せるよう、万全の体制を整えるべく、日本バドミントン協会や県など関係機関とも連携して、着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
最後に、海外訪問についてご報告させていただきます。
10月9日から17日にかけて、韓国・蔚山広域市及び中国・桂林市、そして蘇州高新区を訪問いたしました。こちらのモニターをご覧ください。
蔚山広域市では本市や下関市、中国の諸都市などのご来賓の皆様と共に、現代重工業の造船所の視察や歓迎レセプション、「蔚山工業祭り」の開幕式に参加させていただきました。
また、蔚山広域市の金市長との会談ですが、マラソン大会での交流や青少年交流など、今後の取組の方向性も確認することができました。
次に、桂林市では、李市長とお目にかかりまして、友好都市締結今年で45周年ですが、50周年という大きな節目に向けて、経済・文化・観光などさまざまな分野において、交流をさらに進めることに合意させていただきました。
また、視察で訪れました「桂林博物館」では、両市交流の歴史がたいへん大きく展示されておりまして、友好都市締結45年の歴史を振り返ることができました。これまでの先人たちの相互交流の弛まぬ努力というものを改めて実感したところでございました。
それから、モニターが変わりまして、こちらは、広西師範大学を訪問した様子です。日本語を学ぶ学生の皆様に「桂林市の友好のあゆみと熊本市の今」について私のほうで講演させていただきまして、意見交換をその後行いました。
今回、参加いただいた学生の皆様が、今後の両市・両国の交流の懸け橋となっていただくことを願っていることろです。
次(のモニター)をご覧ください。
今度は蘇州高新区です。蘇州市の季副市長との会談において、日中両国の発展にとって重要な両市の交流や協力をさらに推進していくことを確認いたしましたとともに、宋区長との間で、観光・スポーツ・教育の分野において協議を進めていくことに合意しました「交流に関する覚書」に調印させていただきました。
また、桂林市や蘇州高新区との協議の際には、中国・深圳での日本人男児の刺殺事件を受けまして、在住日本人の安全確保についても私から直接お願いをさせていただいたところです。
私自身、蔚山広域市、桂林市、蘇州高新区を訪問するのは今回が初めてのことでありましたが、いずれの街も独自の自然や歴史・文化を大切にしながら、海外からも注目され、世界中の人々と交流を重ねる中で発展を続ける素晴らしい都市であると実感いたしました。
今回の訪問を通して、各都市との親密な関係性を築くことができたと考えておりまして、今後さらなる交流を促進し、さまざまな分野における施策展開に生かしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
【記者】全国交通系ICカードの取扱いについて、バスでは11月16日から取り扱いができなくなるということですが、市電についても検討が進められていると思うので現在の検討状況を教えてください。
【市長】市電の決済手段に関してですが、これからバスが切り替わっていきますので、その状況をよく踏まえることが必要だと考えています。市電に関しては先ほど申し上げましたとおり、しばらくは全国交通系のICカードが使えるということもありますので、他のQRコード決済も含めて決済手段については多様に対応させていただいているところです。
今後は、以前も申し上げたと思いますが、アンケート調査等を実施します。これもある程度更新して、クレジットカードでのタッチ決済がバス等でも進んだ後で実施しないと違いが分からないので、そういったことについて今後検討していくことにしています。
今、市電のタッチ決済等々についてもいろいろとキャンペーンを行っています。クレジットカードのタッチで、1日上限が360円というキャンペーンを行っています。利用者の方も結構増えていると報告を受けています。今後、決済の利用がいろいろな手段で変化をしていきますが、できるだけ皆さんに不便にならないように、これから交通事業者とともに取り組んでいきたいと考えています。
【記者】中九州横断道路の要望についてですが、要望の時期や、具体的な内容が決まっていれば教えてください。
【市長】時期は先ほど申し上げました11月6日に行います。内容については、熊本環状連絡道路は、西環状と熊本インターの間を結んでいくということで、中九州横断道路と接続していく重要な連絡道路ですが、ここについて11月6日に知事と合志市長、大津町長、菊陽町長と、国土交通省に対して要望を行います。
その同日に知事と私と2人になりますが、熊本都市圏の3連絡道路の早期実現に向けて要望活動を実施する予定です。相手方や詳細な時間等については現在調整中ですので、決定次第、記者クラブ等々にお知らせをさせていただきたいと思います。
【記者】7月のトップ会談の時には、木村知事と腹を割って話すことができて相当進んでいくことが期待できる、という発言があったかと思いますが、改めてその期待感といいますか、例えば年内にどういったことが示せそうといったことがあれば教えてください。
【市長】基本的には来年度の予算に向けてということですので、年内の早い時期に、できるだけ予算編成の前の段階で、しかも総選挙が終わったタイミングですので、きちんと国に伝えていく必要があると思っています。このように県と市あるいは近隣市町村と連携をすることが国に必要性を訴えるには非常に重要なことだと思いますので、これからも強力に進めていきたいと思っています。
【記者】若者・ヤングケアラー支援センターについてです。新たにオープンして間もなく1か月が経ちますが、この期間の利用の実態や、市長が感じる支援の必要性等を教えてください。
【市長】私の手元にある数字で、10月1日から10月22日までの約15日間の相談件数ですが、延べ99件あっています。内訳としては、若者関係が95件。若者関係はどういうことかと言うと、ひきこもり、人間関係、経済的な困窮、就職活動や将来不安など、こういったことの相談があっております。それから、ヤングケアラー関係で4件ありまして、これは来所してすぐ相談をしたいということや、ヤングケアラーの経験者の話が聞きたい等、いろいろな相談・問合せが来ています。
開設からまだ2週間程度の期間で既に100件近い相談・問合せがあっているということは、ニーズとして、タイミングも含めて、開設してよかったなと思っています。それだけこどもや若者が抱える課題が深刻な状況を表していると思います。熊本市だけでこれですから、若者やヤングケアラーの社会からの孤立をいかに防いでいくか。ヤングケアラーや若者の困難な状況を、我々がなかなか把握できないところがあります。そして孤立化していくこともありますから、相談する体制や支援センターがあることによって、そうしたことを未然にいろいろ発見するといいますか、潜在的なそういったものについても、より見える化できていくことが非常に重要だと思っています。
【記者】GDSアワードの受賞についてお伺いします。これは日本の都市で初めての受賞ということで、今後のMICE誘致促進の弾みにも繋がるのではと思いますが、改めて受賞の理由について教えてください。
【市長】今回こういう形で評価をしていただいたわけですが、いろいろな都市で当然MICE等々の誘致をされていると思います。サスティナビリティに対する取組が評価されたということで、本当にありがたい名誉なことであると思っていますし、熊本は今、TSMCの進出に伴う半導体企業の集積も進んでいますので、それに伴う理工系の国際会議や国内学会の誘致にも積極的に取り組んでいて、実際にそういったものが数々開催されています。今回の受賞を積極的にPRしていくことで、誘致の大きな後押しになると考えています。
今回の受賞は前年から最もスコアが伸びた都市ということで、伸び代が大きかったと言えるかもしれませんが、そういった都市に贈られたものですので、やはり上位都市のフィンランドのヘルシンキなどと比較しますとスコアの差は非常に大きいわけですが、今後はより一層本市の特性を生かした取組を強化するということで、これから取組を国内外に発信していきたいと思います。
評価の方法はいろいろあって、環境実績や社会発展度、サプライヤー実績や都市運営など、77の項目があります。都市戦略やレポート、それから民間事業者からのいろいろな情報や研修内容等を根拠資料としてGDSの事務局に回答するのですが、こういった項目の中で、熊本の強みはどういうところで、そして弱点はどこなのかということをよく見て。他の世界各国の都市、それから国内も参加している都市は札幌市などいろいろありますが、誘致戦略をかなり頑張っておられます。北海道は世界的な知名度でも圧倒的です。この前中国・韓国に行ったときも、九州ということには皆さんピンと来られないのですが、北海道というワードには皆さんがすぐ反応されるので、国内でもある意味では競合するといいますか、地域もどういう努力をしているのかを見ながら、これから我々の今回の受賞を契機として、さらに上を見ていけるようにしていきたいと思っています。
実際に国際会議の主催者の皆さんに(提案する)ビットペーパーという企画提案書があるのですが、その中にこういう受賞を盛り込めるんです。それを入れるとPRができて、受賞しているんですねということで、MICEの誘致や観光客の誘客に繋げられるのではないかと期待しておりますので、今回は非常にありがたい受賞だったと思っています。
【記者】衆院選について2点お伺いします。投開票日が27日に迫っていますが、これまでの選挙戦をどのように見られていたのか。特に自民党の派閥裏金事件を受けて非公認となった候補に対して党本部から2000万円が党支部に入っていたということも注目を集めていますが、そういったところに関してもどのように受け止められているのかというのが1点です。もう1つが、市長と石破総理は2014年の市長選の際に応援演説にも来ていただいたということで親交があると思うのですが、石破総理に対する印象や地方創生も訴えていますが、期待するところ等についても教えてください。
【市長】まず今回の衆議院選について、私も先週まで韓国・中国に行っていたということもあって序盤の状況というのはあまりよく分からないところがありますが、いろいろな報道等を拝見しておりまして、特に政治とカネの問題に非常に国民の関心が高まっているということ、それに対してどういう態度で臨むのかということは非常に重要なことなのだろうと思います。政治家とカネの問題は歴史的にずっと途絶えたことがないほど、この問題は取り上げられてきました。数々の汚職事件や、政党助成金の制度ができたことに関しても、企業献金等がかなり集中していく中で、本当にそれでいいのかというような議論。それは、国民の負担によって政党等を支えていこうということだったと思います。それが段々と裏金問題やいろいろな問題に通じていったということは、国民の不信感は今、爆発寸前のように怒りに満ちているであろうということが、私がいろいろな方々とお話をする中で感じることでもあります。そこが大きな争点になっているということは間違いないと思います。また、2000万円を政党支部に支給されたということで、これもいろいろな報道があっておりますが、やはり政党内でいろいろな形で、今、適切に行われているとか、それは裏金を公認していない議員に出したわけではなくて党勢拡大のために石破総理は政党支部に支給したと言われていますが、そういったことも含めて、政治とカネの問題がこれだけクローズアップされている中で、本当により丁寧な説明をして納得感が得られなければ、有権者としてはさらに怒りの矛先として向いていくのだろうなと報道等を見て感じています。それは、政治家がお金の問題に関して、もっとお金がかからないような取組をどうやってやるのか、どういう決意で今度の衆議院選に臨むのかという覚悟が有権者に届かなければいろいろな立場を失ってしまう、候補者はそういう緊張感を持つべきなのだろうと思います。自分は悪くないとか、自分はたまたまこうなったとかいうことではなく、政治姿勢が問われるということに尽きるのではないかなと思います。そこはどういう形であれ、きちんと説明して納得がいくようにすること、そして、今後の方針としてどうするのかということを明確に打ち出さなければならない。与党野党問わずいろいろな人件費にお金がかかるということは、私も国会議員の秘書をしていましたのでよく存じています。地元に秘書をたくさん抱えなければいけない、そして、いろいろな広報をするにも、今はSNSや動画の発信などの方法は随分出てきて、政治家の主張を直接聞くことができるようになってきましたが、しかし、以前から言われているとおりドブ板選挙というようなことで、地元をどれだけ回って直接会って握手して頭下げて回るかみたいなことだったのですが、そういうことからいかに新しく選挙運動や選挙活動自体もバージョンアップしていくかどうかということは、今の政治家が、我々も含めて、本当に真剣に考えないと、国民はそっぽを向いてしまって投票率の低下などにつながっていくのだろうと私は思います。
今回は衆議院選のことではありますが、私自身もできる限り市民の皆さんに納得が得られるような政治活動・政治行動を行っていくということを、しっかり真剣に訴えていく必要があると思っています。それから、衆議院選全体のこともそうですが、報道の中で私はもう少し、政治とカネの問題は非常に重要な争点の一つだとは思いますが、それと同時に、私も非常に関心の強い防災庁の設置等の危機管理の問題についてどれだけ議論が深まって、そして、どういう方針でいるのか、各個別の候補者の皆さんの訴えからどれだけ取れるかということは、やはり政治とカネの問題だけに集中し過ぎているという感じもあります。政治とカネの問題は極めて重要な問題だけれども、それ以外の様々な争点があるでしょうと。今後の社会保障の財源についてどう考えているのか、あるいは、物価が高騰している中で消費減税等いろいろな話がありますが、減税するのはいいけどその代替の財源はどうするのかということ、各党・各候補者が本当に明確にどうするかということを、もっと分かりやすく一般の有権者に示していかなければ、残りの選挙戦は非常に政策論争に乏しい選挙になりはしないかということが非常に懸念をしているところです。
それから石破総理との関係についてですが、私が市長選挙に出馬するときに応援に来ていただいて、熊本駅前での街頭演説、それから西部公民館での個人演説会でそれぞれ応援演説をしていただきました。私は選挙戦のど真ん中で疲れていたと言いますか、頭もボーっとしているような状況の中で、石破さんの演説だけは忘れられないほど明快で論理的で、この人はすごい演説をされるのだなと思いました。私のマニフェストを恐らく応援演説に来る中でしっかり勉強されてきたのだなとしか思えないほど、明確にそのポイントをお話しになったことが非常に印象深く思っています。その後、地方創生の担当大臣をされたりいろいろなことがある中で、熊本地震の後の支援についても大変心を寄せていただきましたし、私も何度か熊本にいらっしゃる時には一緒に食事をしたりということもございました。
そういう中では、石破総理の印象としては非常に政策に精通しておられることが一つ、そしてそういうところに関心が非常に強いということ。政治に対する熱意は非常に強いものがありますが、意外と強面に見えてフランクで人当たりのいい方ではあるので、そういう意味では直接触れていろいろな話をどんどん聞いていただいて、これからもそういう姿勢を持っていかなければ、総理になったら変わったね、だと困るなと思っています。
私自身が大変期待しているのは1点、特に防災庁の設置について、災害が本当に多いこの国の危機管理や防災対策を柱にしていくのかということについては、私も全国市長会の防災対策特別委員長もさせていただいていますし、また、災害の危機管理の担当の副会長、特命市長ということで指定都市市長会でも防災の担当をつかさどっていますので、特に地方自治体からの期待感というのは高いのではないかなと思っています。そういった点には期待したいと考えています。
【記者】パリオリンピック・パラリンピックのメダリストへの功労者表彰に関してですが、時期や表彰の仕方は決まっていますか。
【市長】皆さま方にスポーツ特別功労者表彰を行いますが、熊本市スポーツ振興基金運営協議会でご審議いただくというプロセスがありますので、それを経て速やかに表彰式の準備を行いたいと思います。
これは基金の方からお祝い金といったものも出ますので、協議会できちんとご審議いただくというプロセスをとるということです。皆さま方には贈らせていただくということで我々で決めておりますので、しかるべき手続が済んだ後に、また改めて皆さんには表彰式の時期等についてお知らせをしたいと思います。
ただ、皆さん非常に忙しい。国際大会に出たりとか、いろいろなことがありますので、なかなか全ての皆さんが揃うということは簡単ではないなと思っていますが、知事から発表があったように県民栄誉賞・県のスポーツ功労賞を贈られる方もいらっしゃいますし、そういうタイミングと合えば、一緒に授与できればいいなと思います。その辺りはまた受賞者の皆さんともご相談しながら適切なタイミングで表彰式を行いたいと思っています。
【記者】改めて、市としてどういった思いで表彰を贈りたいと考えているのかお聞かせください。
【市長】やはり熊本市民に対して本当に勇気・感動を与えていただいたという意味では、スポーツの尊さというのは本当に大きいものがあって、志田選手・松山選手のシダマツペアもすごい活躍ですよね。今後、まだこれから大きな国際大会もございますし、まだまだ頑張っていただきます。菊地小巻さんについても本当に気持ちのいいような勝ち方でしたよね。小学校の頃から、熊本市内の小学校でずっとこういった活動をされていてここまで実力をつけられたというのは本当に素晴らしいことですし、車椅子ラグビーの乗松聖矢選手も金メダルを取られて本当にすごかったですね。それから、富田宇宙選手も前回のオリンピックでも活躍されましたが、今回、また2つもメダルを取られたということで、本当に選手の皆さんの活躍が、熊本の人々にとって勇気と前向きな気持ちになれるようなスポーツの感動を与えていただいたなと思っています。
しかも、成績としての結果がきちんと残ったということもありますので、しっかり表彰させていただきたいと思っております。
【記者】来月29日で大洋デパート火災から51年となりますが。まだ1か月先ではありますが、行事予定や今年何か考えていることはありますか。
【市長】現在行事を考えておりまして、火災を防ぐための訓練をきちんと行うということで、昨年そういう日に指定しました。そして、私も防火の取組といいますか、訓練も含めて参加をしたいと考えています。まだ1か月ほど先になりますので、次かその次ぐらいの記者会見で正式にいろいろ固まり次第発表させていただきたいと思います。今、調整をしているところです。
11月29日は特に空気が乾燥してきて火災が多くなる時期ですので、啓発も含めてしっかり取り組んでいきたいと思っています。ちょうど50年という節目を超えた時ですので、これからまた次の50年に向けてということでその第一歩として、しっかりとした訓練や啓発活動を行っていきたいと考えています。
【記者】市電の運賃の支払いにおけるQRコードの導入についてお伺いします。これは既に導入されているものと対象ブランドは同じものになるのでしょうか。
【市長】対象ブランドは同じものプラスアルファになるということです。先ほど少し申し上げましたけれども、海外のブランドが、例えば台湾のQRの決済のブランドなど、他にも対応できるものがいろいろとございます。より利便性は高まると思います。ブランドについては全部で22ブランドになります。今までは既存のAlipayを含めて5ブランドだったのですが、台湾や韓国などの17の海外のブランドが利用可能ということで非常にインバウンド対策にも有効だと期待をしています。
あとは先ほども申し上げたように、QRコードのタッチが交通系ICカードのSuicaやnimocaより読み込みに時間がかかる。ところが、PayPayなどQR決済は実はずっと伸びており、皆さんがそうやって使う率が非常に高くなっていることを考えると、熊本市電に関しては単一運賃で180円ですので、それを読み込んで見せてそこで支払うという、よくスーパーなどで行われている方法で行えば、ストレスなく運転士も確認をし、皆さんも簡易にできるということですので、そういう方法を今回取り入れる状況です。この動画や画像の資料等について皆さんに必要であれば提供させていただきますので、お使いいただければと思います。
【記者】乗務員の方の手間も減るのでしょうか。
【市長】はい、減ります。なぜ減るのかというと、読み取りがうまくいかないと、乗務員が1回1回リセットしていろいろな操作をすることで手間がかかってしまいます。そういうことがなくなるので目視で確認すればいいということになります。
【記者】従来のものもそのまま置いたうえで新たに設置ということでしょうか。
【市長】従来のものはそのまま置いてあります。まだそれ(従来の端末)で慣れた方はそれを利用されるかもしれませんが、この方式が浸透してくればということになりますので、この方法を活用していただくほうがよりいいのではないかなと思っています。
【記者】妊娠内密相談センターについてお伺いします。2023年4月1日の設立から大体1年半余りが経過しましたが、相談件数とその受け止めについてお聞かせください。
【市長】妊娠内部相談センターは非常に多くの方々にご相談をいただいておりまして、令和5年度の実績で言いますと1年間で延べ666件のご相談が寄せられています。そして今年に入りまして9月末時点での実績ですが、延べで340件ということで非常に多くの相談が寄せられています。
これについては、予期せぬ妊娠等でお悩みの皆さんが非常に多いということが分かりましたが、その中で適切に相談していただいて適切な支援につながるような制度を充実させていきたいということで、専門のいろいろな職員がおりますので、今、いい形で相談を受けられているのではないかと思います。
【記者】相談内容について、内密出産相談が含まれているかどうか確認させていただきたく思います。こども家庭庁にこうのとりのゆりかごの第6期検証報告書を提出された後の7月24日の会見だったのですが、「妊娠内密相談センターに全国からの問い合わせ件数が非常に増えていて、内密出産の事例も幾つも出ている」という旨のご発言が市長ありました。これは妊娠内密相談センターに対しての相談の中で内部出産の事例があるのか、慈恵病院に内密出産の事例がいくつもあるのか、どちらだったのでしょうか。
【市長】すみません私の言葉足らずでした。これは誤解のないよう申し上げますと、実は内密出産をしたいというご相談をこの妊娠内密相談センターで受けたことはございません。妊娠内密相談センターも慈恵病院も含めてということで申し上げたと思いますので、そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。
【記者】そのうえで慈恵病院との連携についてお伺いします。これは慈恵病院の取材でお聞きしたことなのですが、妊娠内密相談センターから個別具体の事例について、内密出産もそれ以外のことも、紹介のような形があったことは1度もないというお話を伺いまして、まずこれが事実なのか。逆に慈恵病院の側から妊娠内密相談センターへの紹介や、こども・若者総合相談センターのような場所がありますよと教えるようなことがあったのかをお聞かせください。
【市長】実際に内密出産を希望していた方が、例えばご自身でこどもを育てたいという気持ちに変わってご自身で育てるような場合に身元を明らかにされる場合があります。この時に慈恵病院から妊娠内密相談センターにご連絡いただいて、連携をとっているということです。熊本市内にお住まいであれば熊本市が行いますが、市外の方はお住いの自治体等の関係機関との連携を取らなければいけませんので、熊本市がいろいろな形で取り持つことになります。
一方で、今のところ、先ほど申し上げたように妊娠内密相談センターで内密出産をしたいというケースはないものですから、熊本市から何か情報を提供するような状況にはないということです。何か問い合わせや照会をしたりということは今のところございません。ただ、慈恵病院と行政は、内密出産に関して言えばそれぞれの役割を本当に大きく担っていると思いますし、内密出産をしたいという方が出てきた場合には、当然慈恵病院との連携を取っていくことになろうかと思います。やはり、母子の最善の利益となるように情報共有や意見交換は密に行っていきたいと思いますし、協力してよりよい支援を行っていきたいと思っています。
【記者】内密出産の取材をしていて難しいなと感じるのが、内密出産という選択肢をお困りになっている方にどれぐらいの強度で提示できるのかということです。慈恵病院からするとある程度普通の選択肢と言いますか、普通に提示するものだと思うのですが、市側は内密出産をしたいという相談があった際に他の行政支援と並列して内密出産の選択肢を提示できるのか、あるいは、まずは行政支援策を提示した上で最後の選択肢としての立ち位置なのか、ということが非常に難しいと思っております。その辺りにもし市長のお考えがありましたらお聞かせください。
【市長】私自身、相談業務に携わっているわけではありませんので、何とも言えないところがありますが、まず大事なのは、例えば行政支援メニューがこうで、選択肢として内密出産がありますよと、そういうことではないと思います。実際に何に困っているのか、どれだけ寄り添えるか、やはりそこが非常に重要だと思います。そのうえで次の選択肢が出てくるだろうと思うので、例えばお店に行って何か買うように、これはどうですかあれはどうですかということは一切、妊娠内密相談センターでは行いません。
ですので、皆さんが本当にお困りのことは何なのかというところを、そしてそれがなぜ内密に匿名でしか言えないのかというところも含めて、これは非常にセンシティブです。突然思いがけない妊娠をして動揺している中で、まず気持ちを落ちつかせることが非常に重要です。すぐに内密出産という選択肢があるんですよということではなくて、もう一歩状況や歩みに寄り添っていくことが非常に重要で、そういったことは恐らく、慈恵病院でもされていると思いますし、その辺は丁寧にやっていきたいと思います。内密出産を強烈に勧めるということもないし、勧めないということもありません。ただ、その方のいろいろな状況の情報もできるだけ多い方が、支援につながりやすいということは間違いないと思います。
妊娠内密相談センターを作ったことで慈恵病院では相談が減っているということもありますが、一方で、慈恵病院でないと解決できないという方は慈恵病院に内密出産という選択を最初から考えて相談されていることもあるのではないかなと思いますので、そういう意味では、それぞれの役割があるのではないかなと思っています。ですので、ご質問にありました、どのくらいの強度でというのは、何とも言えないなという感じです。
【記者】今週21日に熊本市交通局が市電の改善報告に九州運輸局に行かれました。その中で安全総括管理者を新たに選任して、安全対策を担う部署も作るということで新たな取組ですが、それについて市長から改めてご説明と、今後、市電をどうしていきたいのかという思いをお聞かせください。
【市長】まず、改善報告書の提出をしましたが、改善指示が9月20日に出されて、そして、10月21日に改善報告を行う間にも10月2日にインシデントが発生しているということで、本当に市民の皆さんにはご不安をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいです。
改善報告をまとめていく中で、組織体制上の問題に加えて経験豊富な人材が抜けた際に適切な後任者がいないこと、引継ぎも不十分であるということ、それから、人材育成の観点でも非常に問題があったと思っています。今回、改善措置の中では安全統括管理者の位置づけの強化をしました。これは今まで兼務であったところをきちんとすることや、新たな組織を設置するということです。安全管理体制の再構築を今までのものを全部見直してやっていくという覚悟をしっかり運輸局にお伝えをしたつもりです。
だいたい候補者の方は決まっていますので、今、11月1日の任用に向けて取組を進めているところです。新たな体制では部長級の職員を安全統括管理者ということで選任し、より各部門に対して指揮命令がきちんといきやすいような位置付けにして、これから安全運行についてしっかり取り組んでいきたいと考えております。
組織については来年1月の設置ということで、今、考えて準備を進めています。