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令和7年(2025年)2月10日 令和7年第1回定例会前市長記者会見

最終更新日:
(ID:62228)
                      • 1 令和7年第1回定例会提出議案について

                      • 2 熊本市カスタマーハラスメント対応基本方針の策定について

                      • 3 新たな産業用地整備事業の展開について

                      • 4 有機フッ素化合物対策専門家会議の開催について

                      • 5 下水道管路の重点点検の実施について

                      • 6 金峰山自然の家のリニューアルオープンについて

                      • 7 HPVワクチンのキャッチアップ接種の経過措置について

                      • 8 質問
                      • (1)幹事社代表質問(朝日・KAB)
                      • (2)各社質問

                      •  会見で使用したモニター画像(PDF:1.96メガバイト) 別ウインドウで開きます




会見録


市長発表

発表に入ります前に、職員の不祥事についてお詫び申し上げます。
先日、担当課からご説明いたしましたが、生活保護受給者から不正に現金を引き出し使用した職員及び、病気休暇の診断書を変造した職員について、1月31日付けでそれぞれ懲戒免職処分といたしました。
不祥事の根絶に向け全庁を挙げて取り組む中、市政への信頼を大きく失墜させる事案が立て続けに発生したことを厳粛に受け止めており、市民の皆様に対しまして深くお詫びを申し上げます。申し訳ございませんでした。
改めて、厳正な服務規律の確保につきまして、今一度徹底を図るとともに、職員一丸となって市民の皆様からの信頼回復並びに再発防止に全力で取り組んでまいります。
それでは発表に入ります。
 
はじめに、令和7年第1回定例会提出議案についてご説明いたします。こちらのモニターをご覧ください。
令和7年度の一般会計については、「心をつないでくまもとの未来へ」をテーマとし、第8次総合計画の8つのビジョンを柱に予算を編成いたしました。
特に、今回の予算案では、ビルド・アンド・スクラップの徹底により「予算の質の向上」を図るとともに、令和7年度アクションプランに掲げる「慢性的な交通渋滞の解消」や「半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応」、「総合的なこども施策の推進」の3項目について、重点的な予算配分を行いました。
その結果、一般会計の予算規模は4,193億円、前年度比4.5%の増で、当初予算としては過去最大の規模となっております。それでは、主な事業内容についてご説明いたします。
 
まず、市民生活に深刻な影響を及ぼしている慢性的な交通渋滞の解消については、交通量分散による渋滞緩和に向けた「現況調査やルートマネジメント等の検討」のほか、交通事業者による新たな公共交通利用促進策を支援する「公共交通利用促進事業補助金の創設」、令和7年度に池上工区が開通予定の「熊本西環状道路の整備推進」など、112億円の予算を計上しており、交通渋滞解消に向け国や県、近隣市町村と連携しながら取り組んでまいります。
 
次に、半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応として、「半導体関連企業の誘致活動」を強化するとともに、地下水保全対策として「水田湛水の協力農家への助成金の拡充」、企業進出に伴う交通課題に対応し、インフラ整備を推進するための「半導体関連企業集積交通対策経費」など、合計11億円を計上しております。
 
最後に、総合的なこども施策の推進として、「こどもが輝き、若者が希望を抱くまち」の実現に向け、1月に開設した「くまもと出会いサポートセンターKumarryの運営」や、ショートステイ専用室の設置により受入れ体制を拡充する「子育て短期支援事業」のほか、「こども誰でも通園制度」の拡充など、様々なライフステージに応じたきめ細かな支援を行うため、こども局予算全体で令和6年度から68億円増の688億円と大幅に増額し、着実に取組を推進していきたいと考えています。
 
このほか、重要な防災拠点としてあらゆる災害リスクに対応するための「新庁舎整備の推進」や、国内で最も罹患者数の多いがんである大腸がんの早期発見・治療を目的とした、全国初の取組みとなる「全大腸内視鏡検査の無償実施」などの予算を計上しており、「上質な生活都市の実現」に向け職員一丸となって取り組んでまいります。
 
次に2月補正予算の案としては、LPガス価格高騰の影響を受けた方々への支援や、防災・減災、国土強靱化等への対応等、国の補正予算関連が約27億円、子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種経費等、その他の取組みが約74億円で、一般会計の補正額は約101億円の増額となります。
なお、市電延伸については、先ほどの議員全員会議で述べましたとおり、地域公共交通に関する特別委員会でのご議論を踏まえ、市電延伸事業の本格着手を延期することとし、実施設計に係る予算4.2億円については、今回の2月補正予算において全額、減額補正させていただきます。
まずは何より市電の安全、安心の確保を最優先に取り組むための判断でありますので、ご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 
最後に、条例等の議案については、「熊本市宿泊税条例の制定」に係る議案等の提出を予定しております。なお、詳細については、既に配付している資料のとおりとなりますので、ここでは割愛させていただきます。以上、提出議案についてご説明させていただきました。
次に、「熊本市カスタマーハラスメント対応基本方針の策定」についてお知らせいたします。
市民の皆様からいただくご意見やご要望等は、本市のより良い市政運営につながるものでありますことから、日頃から積極的に寄り添い、耳を傾けるよう努めております。
しかしながら一方で、近年、社会問題にもなっているカスタマーハラスメントは、対応した職員の精神的負担はもとより、通常業務に支障をきたすなど、行政サービスの質の低下に繋がるもので、本市においても、昨年実施したアンケートの結果により、多くの職員がカスタマーハラスメントを受けたと感じ、その対応に時間を費やしているという実態が判明いたしました。こちらのモニターをご覧ください。
例えば、『若い女性職員が男性客に1時間ほど話しかけられていたため、「会議がそろそろ始まります」と女性職員に声をかけたところ、男性客から「邪魔するな。お前はなんだ、死ね」などと暴言を吐かれた』、また、『「樹木を伐採しろ、伐採しなければ毎日掃除に来い」などと過度な要求をされた』というケースなども発生しており、中には職員が精神的不調を来たしたケースもあります。次のモニターをご覧ください。
そこで、このような実態を受け、本市としても良好な勤務環境の構築、そして、行政サービスの維持向上を目的に、「熊本市カスタマーハラスメント対応基本方針」を策定いたしました。
この基本方針では、本市におけるカスタマーハラスメントの定義を明確にし、当該行為を受けた場合の対応や、対応のための体制整備について定めています。次のモニターをご覧ください。
具体的な対策ですが、すでに対策をまとめた「職員用対応マニュアル」を整備しており、今後、「ガイダンス付きの通話録音装置」の導入や、市民の皆様に対しこれまで以上に傾聴共感の姿勢で丁寧に対応することができるよう、「職員の接遇に関する研修」も予定しております。
本市では、カスタマーハラスメントに対して毅然と対応することで、行政サービス全体の質を上げて市民の皆さまに安心していただくと同時に、職員が安心して働ける職場環境を整えることが重要だと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
 
次に、「新たな産業用地整備事業の展開」についてお知らせします。
本市では、産業用地整備事業として4地区のエリアで公募を行い、令和5年9月に熊本空港周辺の2か所、北熊本スマートインターチェンジ周辺の1か所において、3つの事業者グループと協定を締結し、官民連携による産業用地の整備を進めており、令和7年度以降、順次、用地の造成が開始される見通しです。
これまで、産業用地整備事業を進める中、多くの企業立地ニーズや他の産業用地開発の構想等を伺ってきました。また、JASM第2工場の操業開始や国内外の半導体関連企業による新たな投資はもとより、JASM第3工場の立地の可能性もあり、今後、企業立地や開発のニーズが更に増えていくものと見込んでおります。
そこで、本市では、この好機を確実に捉えるとともに、シリコンアイランド九州の中心に位置する優位性を活かして、半導体関連をはじめとする産業の集積をさらに促し、九州全体の経済発展をけん引していくため、対象エリアを拡大し、官民連携による新たな産業用地整備事業を進めてまいります。こちらのモニターをご覧ください。
産業用地整備事業の対象エリアについては、現在の4地区から6地区に拡大します。また、既存の4地区についても範囲を拡大し、インターチェンジ・スマートインターチェンジ出入口に接続する道路の沿線等も新たに対象としております。
産業用地整備事業の対象エリアの詳細は、こちらのモニターをご覧ください。
画面右側に記載した4つの地区が、令和5年度の対象エリアであり、今回、この4地区に加え、赤枠で囲んだ下硯川インターチェンジ地区及び和泉インターチェンジ地区の2地区を追加し、合計6つの地区を対象とします。
さらに、広域交通ネットワークの整備状況等に合わせて、将来、産業用地整備事業の対象エリアの追加を検討してまいります。
今後、本市は、これら広域交通の利便性が高いインターチェンジ周辺等を対象とした「産業用地整備事業対象エリア」において、周辺環境に配慮しつつ、企業誘致をはじめ、農地転用や開発許可等に必要な支援に取り組むとともに、まずは、既に開発計画が進んでおり、セミコンテクノパークへのアクセスが良好であるなど、企業立地ニーズが高い熊本空港周辺及び北熊本スマートインターチェンジの2つの地区について、道路整備に取り組みます。
また、令和5年度の産業用地整備事業は、本市が期間を設けて計画案を募集しておりましたが、今後は、開発計画の提案や協議を随時受付し、柔軟かつ的確な支援を行ってまいります。
開発に向けた本市との協議や手続きの進め方等の詳細については、関係機関との最終調整を経て、後日、本市のホームページ等により周知いたします。

次に、「第1回熊本市有機フッ素化合物対策専門家会議」の開催についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
昨年12月の記者会見で発表いたしました有機フッ素化合物(PFAS)対策のための専門家会議について、第1回会議を2月13日(木曜日)に開催いたします。
この会議は、地下水や土壌、廃棄物、リスク評価関係の専門家の方々で構成しており、環境省にもオブザーバーとしてご参加いただきます。
第1回会議では、これまでの地下水、河川及び埋立処分場の放流水におけるPFASの調査状況や、その分析結果を報告し、今後の調査や埋立処分場の対策方針についてご助言等をいただく予定です。
本市では、専門家会議からのご助言を踏まえながら、本市の宝である地下水を次の世代に確実に伝えるため、事業者の皆様や関係機関と密接に連携し、引き続き、有機フッ素化合物対策に全力で取り組んでまいります。
次に、「下水道管路の重点点検」についてご報告いたします。
埼玉県八潮市の下水道管が原因と考えられる大規模な道路陥没事故は、転落したトラックの運転手の方の安否が未だ確認されておらず、また、現在も埼玉県内9市3町120万人の方々に対し下水道の使用自粛が要請されるなど、甚大な被害が発生しております。
本市の下水道管路については、これまでも、腐食しやすい環境にあるものや、築造から50年を経過したものについて定期的に点検を実施し、異常が発見された際はその都度修繕等を行ってまいりました。
今回の八潮市の事案を受け、改めて類似する箇所等を洗い出し、3月末を目途に、現在、重点的に調査・点検を行っているところであります。
なお、本日西区で発生しました道路の陥没については、現在、応急復旧及び下水道管路調査を実施しており、今後、陥没原因が確認でき次第、本復旧に向け早急に対応してまいります。
今後も市民の皆様に安心していただけるよう、万全を期してまいります。次のモニターをご覧ください。
本市が維持管理している下水道管路は、熊本県全体の約4割にあたる2,800kmであり、日常的維持管理に年間約7億円必要です。さらに老朽管の更新には、年間約2.5kmに対し約5億円、耐震化事業では3年間で約1.3kmに対し約10億円と多額の費用を要します。
また、現在、整備から50年を経過した管路は全体の約8%ですが、今後20年では全体の
51%、さらに、30年後には全体の約72%と老朽化した管路が加速度的に増加し、さらに多額の費用かかるだけでなく、維持管理に長期間を要することが予想され、大変厳しい状況をこれから迎えることになります。
下水道はなくてはならない重要なインフラ施設です。本市では、今後も、老朽化対策や耐震化等を積極的に推進するため、私が現在会長を務めております日本下水道協会を通じて、国や関係機関に対しても地方の実情や必要な対策について強く働きかけを行うなど、適正な維持管理に全力で取り組んでまいります。
 
次に「金峰山少年自然の家」のリニューアルオープンについてお知らせいたします。
昭和50年に開所した「金峰山少年自然の家」は、老朽化などにより平成31年4月から受け入れを停止しておりました。
まずは、受け入れ停止の期間、大変ご迷惑をおかけしました関係者の皆様や地域の皆様、そして再建に携わっていただいた方々のご支援、ご協力に対しまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
そしていよいよこのたび、「大人も楽しめる自然体験施設 金峰山自然の家」として、本年4月1日にリニューアルオープンいたします。こちらのモニターをご覧ください。          
施設の愛称は公募の結果「ヤマガラビレッジ」と決まりました。
新しい施設は、金峰山一帯の自然に調和する県産木材を使用し、誰もが安心して利用できるようバリアフリーはもとより、化学物質過敏症の方にも配慮した宿泊室を備えています。次のモニターをご覧ください。
このほか、星空観察ができる展望デッキ等を備えたワイルドタワーや、すべり台、ミニボルダリング等も新たに設置しております。
なお、オープン直前の3月29日には、オープニングセレモニーと施設の内覧会を開催いたします。詳細につきましては担当課から改めてお知らせいたします。
現在、すでに多くの皆様からご予約をいただいておりますが、まだご予約が可能な日もありますので、新しく生まれ変わった「ヤマガラビレッジ」をぜひご利用いただければと思います。
 
最後に、「HPVワクチンのキャッチアップ接種の経過措置」についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
昨年8月の記者会見でお知らせいたしました、HPVワクチンの「キャッチアップ接種」については、昨年夏以降の大幅な需要増に伴い、令和8年3月末まで経過措置が設けられることとなりました。
この経過措置は、令和7年度に17歳から28歳になる女性で、令和7年3月末までに1回以上ワクチンを接種している方が対象となります。ご希望される場合は、早急に医療機関にお問合わせいただき、3月末までに1回以上の接種をお願いいたします。次のモニターをご覧ください。
キャッチアップ対象者で、現在、ワクチン未接種の方については本市より通知を発送いたしますほか、市ホームページでのご案内や、モニターに表示しておりますこちらの電話番号(096-372-0700)でのご相談もお受けしております。
子宮頚がんの予防には、このワクチンによる高い効果が示されております。ワクチン接種の対象者で、接種をご希望の方は、ぜひこの機会にご活用いただきたいと思います。
私からは以上です。


質疑応答

【記者】令和7年当初予算に関してお伺いします。当初予算のテーマを、「心をつないで くまもとの未来へ」と掲げられたことや、様々な課題がある中で、特に3つの項目に重点配分されることとされた、市長の思いやねらいを改めてお聞かせください。

【市長】年明けの記者会見において、私の今年の漢字を『心』とさせていただきましたが、これは本市が抱えている様々な課題について、市民の皆さまと心をつないで共に乗り越えたいという思いを込めて、掲げさせていただきました。
特に重点項目として掲げておりますこども施策につきましては、688億ということで過去最大の予算となっております。こどもは熊本の未来を担う宝であるということ、そして子育て支援も含めてですが、未来に希望を持てるような熊本、皆さんの心を繋いで未来に向かっていきたいと、そういう決意を込めて「心をつないで くまもとの未来へ」というテーマといたしました。
目玉として掲げていますこども施策の充実強化ということに関しては、688億円の予算を上程させていただいております。子育ての支援等々もありますが、前回の記者会見で発表させていただきました、熊本出会いサポートセンターKumarryのような結婚支援という事業もありますし、特にこども誰でも通園制度に関しては、昨年まで試行的に進めてまいりましたが、利用しやすいという声をたくさんいただきましたので、本格的に実施しようということで、今回予算を上程させていただいております。それから児童育成クラブも、非常にニーズが高まっている一方で、現場は大変な状況になっておりますので、こういったところの体制の強化、そして子育て応援サイトはリニューアルを行います。
それから、保育所等におけるこどもの安心安全な環境整備に向けた、こどもの性被害防止の対策支援事業やこどもの居場所の支援事業など、こどもの居場所が非常に重要だということは、昨年市長とドンドン語ろうでいろいろと意見交換をしていく中で、重要性を増しているなと考えたところです。それから、一時的に家庭での養育が困難となった方々を支援する、子育ての短期支援事業など、こうした取組を非常に充実させたということです。
その他にも、未来という意味ではTSMCの進出によって、シリコンアイランド九州の中心都市として、熊本都市圏は今後どんどん集積が増えていくだろうと見込まれているわけですが、今後、誘致強化と共に環境保全ということで、良質な地下水を守る。ここに対する不安感が非常に大きいですよね。産業が今から発展していくと農地が減ったり、それから地下水が汚染されたり量が減ったりするんじゃないかなど、こういったところにもしっかりと対策を打ちながら、未来に繋いでいくということが非常に重要になってまいります。
それから、当然のことながら企業誘致をすれば、交通渋滞等の対策をさらに求められるということとなりますので、今回112億円の渋滞対策に関する予算を計上しておりますが、公共交通の利用促進を促すための民間事業者への支援は、非常に重要になってくると思いますので、ここにかなり重点化をさせていただいているということでございます。大まかなにはこういうことです。

【記者】当初予算の重点ポイントについてお伺いします。先ほど3点挙げられましたが、市民の関心が高い新庁舎整備や市電の安全対策についても予算を計上されていると思います。そのあたりの重要性について、市長のお考えをお聞かせください。

【市長】特に、市民の皆さんの関心が高い新庁舎整備に関しては、今回約2億の予算を計上させていただいていますが、これは皆さんと一緒に基本計画基本設計を作っていくという、具体的な作業がこれからスタートをしていくということになります。
多くの皆さんにワークショップに参加していただいたり、それからシンポジウムを開催して、いろいろなまちづくりの関係者の皆さんからのお話を聞いたり、他都市の事例等も聞きながら、熊本がこれから未来に向けて、どういうまちづくりをしていけばいいのか、これは庁舎だけではなく、庁舎が例えば移転した時、その跡地をどうするかということについても、今後いろいろな検討が必要になってきます。そういったことに対する経費というものも、今回予算を計上させていただいております。
それから市電についても、延伸に関しては一旦予算も減額させていただきますが、やはり安全対策については交通事業の中でしっかり行っていくということ、それから、いろいろな設備が老朽化したり、更新の費用等も必要になってまいりますので、そうしたものについてもしっかり重点的に対応していきたいと考えています。まずは安全安心、ここを市民の皆様に確実なものとしてご提供させていただけるように、全力で頑張りたいと思っています。

【記者】新庁舎整備に関してお伺いします。新庁舎建設の賛否を問う住民投票を求める声もある中で、説明会の費用も計上されていると思います。今後市民への理解の浸透をどのように図っていくのか、もう少し詳しく教えてください。

【市長】これまでも、議会においていろいろと議論をさせていただいたわけですが、今後、また新たなステージに新庁舎の問題が移っていくという中で、市民の皆さんには、これまでの経緯、それから疑問点もたくさん出されており、既にいろいろと説明は申し上げているのですが、なかなかご理解をいただけないとか、そこは知らなかったということがあるかと思いますので、分かりやすく、例えば市政だよりのような形で皆さんに情報を提供したり、それからそういうワークショップ等々でも、お話をさせていただいたりということで、しっかりとした説明責任を果たしていきたいと考えております。できるだけ分かりやすくを心掛けていきたいです。

【記者】議員全員会議において市長は、学校給食費の無償化について検討したいと述べられました。市としてはこれまで、負担軽減について検討して来られたかと思いますが、それを前進させるという理解でよろしいのでしょうか。併せて、無償化の予算規模やスケジュール感についても教えてください。

【市長】給食費に関しましては、これまで全国において負担軽減など、いろいろな声がございました。地域によっては、無償化を実施している自治体もあります。政令指定都市では、大阪市が実施しておりますし、現在福岡市が検討に入っているということですが、小中学校の給食費を完全無償化にしようとした場合の財源が、約35億円かかるということになり、かなり大きな予算となります。
完全無償化がなかなか大変な状況の中で、国に対してこれまで市長会等を通じて、他の地域との差が出ないように検討していただけるようお願いをしてきたわけですが、今、食材(の価格)が高騰しているということもあって、皆さんの負担感は非常に強くなっていると思います。今回、給食費の食材費について、料金を改定するという提案をさせていただくことになっているのですが、この分についても今後は、国のいろいろな支援を使いながら、保護者の皆さんの負担は軽減したいと思っています。
一方で、全体としての給食費のあり方について、この無償化について我々熊本市としても検討していこうということで、今回舵を切ろうということとなり、こうして全員会議の中で発表させていただきました。今後、2月議会で活発な議論になると思います。これまでも具体的にどのような検討をしていくのか、35億円の財源をどうするのかということも含めて、個別にいろいろな議論がなされているところですが、今後、給食費の無償化をどう位置づけるのか、どういう形がいいのかということに関して、議会でも真剣にご議論をいただいて、これからの我々の方針を固めていこうと考えているところです。

【記者】福岡市では2025年度中のスタートを表明されているかと思いますが、熊本市でのスタートの目処は立っていますでしょうか。

【市長】これから議論をスタートさせるということを、今回議員全員会議の場で表明をさせていただきました。具体的なスケジュールについては、財源が一定程度の目処が立ちませんとスタートできませんので、実施時期については、この場で具体的に申し上げるような状況にはありませんが、今後、実施時期についても、議会とご相談をしながら早く皆さんにお知らせできるように検討していきたいと考えています。

【記者】学校給食費の無償化についてお伺いします。これは熊本市として、小中学校の給食費の全面無償化を目指していくという理解でよろしいでしょうか。

【市長】(無償化を)目指して検討していくということです。これまでは、国からの一定程度の補助等々で、給食の食材費が高騰した部分に対して抑えるような措置など、そういったことはやってきましたが、抜本的に給食費の無償化について、具体的な検討を始めるというようなご理解をいただければと思います。

【記者】学校給食費無償化の必要性について、市長はどのようにお考えなのか、改めてお聞かせください。

【市長】無償化は、例えば低所得者の方々に対しては就学援助などの措置もありますので、貧困対策ではないということを明確に申し上げておきたいと思います。
学校給食は、教育を受ける権利に紐づいた普遍的なユニバーサルサービスでもありますので、所得の多い少ないを問わずに、無償化について検討をする必要性があると考えています。そして、子育て世代の皆さん方に対しては、経済的にも一人当たり月約6000円で、毎年7万円弱ぐらい費用がかかりますので、経済波及効果が非常に大きいのではないかなと考えております。ただ一方で、財源をどうやって確保するのか、この35億円は毎年捻出しなければなりません。ですので、ビルドアンドスクラップということで、いろいろと考えていく中で、どういうあり方があるのかというのは、全庁的に検討していかなければなりません。
ですので、すぐに給食費完全無償化です、とここで言えれば1番いいのですが、なかなかそういう状況でもありませんので、いろいろな検討をしていく中で、できるだけこどもたちに安全でおいしい給食を満足して食べてもらい、そして経済的な負担も軽減させていきたい、そういった思いを持っているということです。

【記者】大腸がん検診の無償検診についてお伺いします。全国初の取組になるという事ですが、改めて実施に踏み切った市長の思いをお聞かせください。

【市長】まず、熊本市はがん検診自体の受診率が極めて低いということです。
熊本市は、市民10万人あたりの医師数や医療機関が非常に多いので、恵まれた環境にあると思いますが、一方で、何かあったときには病院にかかるとは思いますが、何かある前に予防しておけば、医療費も非常に少なく済みますし、皆さんが何よりも健康であることこそ人生が非常に豊かなものになるわけですから、早く予防していただきたいという思いを持っています。
ですが、これまでどれだけ積極的に勧奨してもなかなか受診に繋がらずに、我々としては何かインパクトがあることをしっかりやっていきたいなという思いを持っていました。ただ、なんでも無料にすればいいということではなく、きちんと効果があるものに対して無償化する。今回の大腸の内視鏡の検査というのは、55歳から60歳の期間に受けていただくと、かなりがんのリスクが低減できるということが、医師会やそういった関係の皆さんからいろいろとお話を聞く中で方向性が見えてきたということがあります。 そのうえで、1回でも検査を受けていただくと、ポリペクといって、ポリープ等が見つかった場合には検査を行いながら切除することもできるということで、かなりこれは効果が高い。
先ほど申し上げましたように、死因の中のトップに入るぐらいこの大腸がんは非常にリスクの高いものですが、逆に良性のポリープを早めに見つけておけば、その後に例えば便の潜血検査等々でもある程度経過がわかりますし、あるいはご本人が定期的に、その後自分で気をつけて検査を受診していただければ、大腸がんに罹患するリスクを格段に減らす効果があるということから、全国で初めてとなりますが、こういう形での取組をすることといたしました。
検査1回当たりの費用が結構かかるものではありますが、私も何度も受けていますし、ポリペクもやったのですが、非常に効果が高いと思います。ただ、時間をかけて検査を行う必要がありますので、通常の検査よりも長く時間はかかりますが、ぜひ皆さんには受けていただきたいなと思います。

【記者】西区二本木の道路陥没に関してお伺いします。下水管の老朽化との因果関係に関して、現時点で分かっていることがあれば教えてください。

【市長】現時点では、わかっていません。事務局からご説明いたします。

【事務局】現在原因を調査中ですので、原因が分かり次第対応させていただきたいと思います。

【市長】このように、いつどこで、こういう陥没等が起こってもおかしくないのが、今の日本全国の状況だと思います。もちろん、我々は定期的に検査をしていますし、調査も今回かなり重点的にやっていくことにしています。ですので、皆さんには冷静にしていただきたいと思います。
これから非常に老朽化が進んでいきます。これまで計画的に我々もやってきましたので、今のペースでいけばなんとか対応できる状況で、今ずっと更新をかけていっています。ですが、どうしても先ほど申し上げたように、大きな財政的な支出も伴うということで、時間もかかりますから、できるだけ計画的に進めていくということです。
そして、今回のような大きな事故につながらないようにするために、我々も最大限の要望をしていきたいと考えております。

【記者】更新には費用と時間がかかるということで、現時点で水道料金の値上げを検討しているのでしょうか。

【市長】現在、水道料金の値上げに関しては検討していません。
今まで実は値下げもしていません。水道料金は据え置きしていますので、必ずしも潤沢に財源があるわけではありませんが、値下げをしなかった分こうした投資に回しています。熊本市では今、水道に関して言えば耐震性の高い管路に更新した割合は80%を超えていますので、全国でもトップレベルの更新をさせていただいております。今後、上水道、下水道ともに一定の費用が必要になってくるということが出てきますと、やはりそういったことをお願いせざるを得なくなるかと思います。全国的に料金を値下げしたり据え置いたりということで、そこに充分な投資をしてこなかったということは、ある程度負担をお願いしていくこともおそらく全国的に今後出てくるだろうと思います。
管路を敷設するときに、かなりの経費がかかります。例えば、過疎地域みたいなところに管路を敷設していきますと、人が少ないが経費がかかる。それを簡単に料金に乗せてしまうと、その地域の皆さんは非常に負担感が強くなるということで、結構抑えて全国的にはやっているケースが多いと思います。
ですから、料金的には本当に必要な予算に対して、実はかなり低く設定されていると見ていただいた方がいいのではないかと思います。ただ、そうは言っても急激に料金を上げるというわけにもなかなかいかないでしょうし、その辺は、いろいろと料金の政策もあるでしょう。これからの計画で、こういうことが必要になってきてこういうことをお願いせざるを得ないとなれば、しっかりと説明して、料金の値上げについてもお願いしていくべき時期が来るのではないかと考えております。現在はそういうところまではまだいっておりませんが、今後、精査していくということになるかと思います。

【記者】市電の延伸について、今回、予算を取り下げるということで、2026年の着工、2031年度の開通に関しての影響や今後の進め方について見通しを伺います。

【市長】市電の延伸に関しましては、今回、お認めいただいた予算を減額するという極めて異例なお願いを議会にするということで、大変申し訳なく思っております。ただ、今、安全対策を最優先に考えるということで全力を挙げておりますが、市電の延伸の方針については変わらないということです。延伸に関しては進めていくのですが、そのスケジュールについては、高度化計画等々も再度申請するということでもあり、それから安全対策についても、国に対して報告もしっかりしていくという必要がありますので、それらを見た後ということになります。現時点では、目標としている開通時期等については当然見直さざるを得ないという状況にあるということですが、それがいつ頃になるのかについてはまだ述べられる状況ではないとご理解いただければと思います。

【記者】時期は遅れそうだが、目処がいつなのかはまだ決まってないということでしょうか。

【市長】そうです。実際に、目標としていた時期の開業は、困難であることは間違いないと思います。

【記者】自動運転バスの実証実験に関して伺います。1月30日の追突事故によって延期ということですが、今回の事故についてどのように分析をされているかということと、今後の見通しを教えてください。

【市長】ちょうど実証実験の前段階のテスト走行という形で走行していました。1月30日の午後に自動走行でテスト走行中に、厩橋付近の熊本城稲荷神社の方に曲がるところで歩行者が来て検知をしたため、減速し停車していましたが、後方から来た右折中の電鉄バスのサイドミラーが自動運転バスの後方に接触して、自動運転バスのリアガラスなど車体の後ろの部分を破損したということが事故の状況です。
詳細については検証して調査をしているところですが、自動運転バスには不自然な動きやシステムの異常は確認されていません。私自身も実際にドライブレコーダーの動きを見せてもらいましたが、後ろから来たバスが急に走り出したということでしたので、後ろのバスに過失があったと私自身は見ております。これは後から警察やいろいろな関係者の皆さんの調査の結果が出てくると思います。
今、神奈川県の平塚市にある工場で、その車両のセンサー類や車体の破損状況の調査と修理を行っておりまして、センサーなど他の問題に影響がないかということで全て調査をして、修理をして問題がないということであれば、改めて現地で自動走行の調整や運行トレーニングを行い、そのうえで熊本にまた持ってきて本格的な運用・実証実験をスタートするということになると思います。ただ、その修理も含めてまだ日程がはっきりしていませんので、一般運行についてはまた改めて確定次第お知らせしたいと思っております。
自動運転に関して、今回事故があったので余計に皆さん認識されたとは思いますが、バスの運転手さん、普通に営業している運転手さんたちがちゃんと自動運転バスを認識しているかどうか。事故が発生した地点は普通のバスも左折をし、停まるので、自動運転だろうが一般の運転車両だろうが問題はないと思いますが、自動運転バスをバスの事業者の皆さんや他の交通で事業されている方など、そういった車両を運転される方にも認識をしていただかなければいけませんので、そういったことに対する周知はもう少し徹底する必要があると思いました。副市長を通して各交通事業者に対しては改めて、そういった周知をさせていただくことにしております。


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