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令和7年(2025年)4月2日 新年度市長記者会見

最終更新日:
(ID:63339)

会見録



市長発表

まず、3月25日に発生しました「熊本市電の車両衝突事故」につきまして、改めて負傷された方々に謹んでお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
なお、当初、負傷された全ての方々が、後続車両にご乗車されていたと発表しておりましたが、その後、調査をして確認した結果、数名の方が先行車両にもご乗車されていたことが判明いたしました。
改めましてこの度の事故で負傷された方々にお見舞いを申し上げますとともに、皆様の一日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。
また、今回の事故を受けまして、去る3月26日から27日にかけて事故原因究明のため、運輸安全委員会による現地調査が行われましたほか、九州運輸局による臨時の保安監査が行われているところです。確定的な原因究明には時間を要しますが、調査等の過程で判明した課題等に早急に対応してまいります。
人身事故という極めて重大な事態により、市民の皆様、またご利用者の皆様にご迷惑、ご心配をおかけしましたこと、皆様の信頼を大きく裏切る形になったことへの責任を痛感しているところでございます。
市の最高責任者として、軌道事業者の重要な使命であります輸送の安全の確保に全力で取り組み、1日も早い市電の信頼回復に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは発表に入らせていただきます。
はじめに、「熊本地震の日」周知啓発イベント「防災パーク」の開催についてお知らせいたします。モニターをご覧ください。4月16日は「熊本地震の日」ということで、令和4年10月に施行いたしました「熊本市防災基本条例」において定めております。これは、熊本地震の記録や記憶を次世代に伝承するとともに、防災への関心や理解を深めるための取組を進めておりまして、毎年4月に周知啓発のイベントを開催しております。
そして今年度も、この周知啓発イベントであります「防災パーク」を4月13日(日)に花畑広場で開催いたします。当日は、災害に役立つ知識を紹介するステージイベント「防災寺子屋」や、謎解きを通して楽しみながら防災知識が身につく「防災謎解き脱出ゲーム」のほか、非常食を実際に作っていただきその場で味わえる「BO-SAI Café」など、幅広い世代の方が防災を学べるイベントを多数用意しています。
また、今回初の試みといたしまして、ショッピングモールや商店街等のご協力のもと、「日頃の備え」を再確認していただくため、防災グッズや非常食の販売ブースを設けます「くまもと防災備蓄マーケット」も実施いたします。なお、開催場所や時間等の詳細については、改めて市ホームページ等でお知らせをさせていただきます。本市では、今後も、あらゆる機会を通じて熊本地震の記録や記憶の周知啓発に努め、防災意識の向上を図ってまいりたいと考えております。 

次に、「熊本市ハザードマップ(Web版)の更新」についてお知らせいたします。
阿蘇立野ダムの完成や緑の区間などの河道改修により、昨年12月に白川の管理者である国・県が公表した白川洪水浸水想定区域図の変更を受けまして、本市においても、令和7年3月31日にWeb版の熊本市ハザードマップを更新いたしました。
このWeb版のハザードマップは、市ホームーページや、市公式LINE等からアクセスすることが出来ますので、更新内容についてご確認いただきたいと思います。なお、紙版のハザードマップにつきましても最新版を全戸配布する予定です。
災害はいつどこで起こるかわかりません。市民の皆様におかれましては、予測できない災害に備えるためにも、新しいハザードマップをご確認いただき、適切な避難行動につなげていただきたいと考えております。

最後に、「くまもとアプリの本格運用開始」についてお知らせいたします。まずはこちらのモニターをご覧ください。令和6年3月末にリリースいたしました「くまもとアプリ」ですが、令和7年3月31日現在で、ダウンロード数が1万9,710となりまして、昨年度の目標であった1万9千ダウンロードを達成いたしました。この1年間で大変多くの皆様にこのアプリをダウンロードいただきましたことに、この場を借りて感謝申し上げます。
そして、この4月から「くまもとアプリ」の本格運用をスタートいたしました。次のモニターをご覧ください。この本格運用開始にあわせ、ポイント付与の対象となる活動の範囲を拡充いたしました。これまでは市が主催するボランティア活動等でありましたが、それに加えまして町内自治会や本市が認証したNPO法人が主催するボランティア活動等にもポイントを付与することにしております。
また、ご協賛企業のご協力のもと、協賛店舗で利用できる電子クーポンの発行、それから民間企業が提供するプレミアムな体験など、利用者の皆様にお楽しみいただける魅力あるインセンティブの準備も進めております。次のモニターをご覧ください。くまもとアプリが、今回2万ダウンロードを超える見込みとなりましたことから、これを記念いたしまして、4月25日から5月31日まで、新規でアプリをダウンロードされた皆様方に対しまして、合計400ポイントをプレゼントする「2万ダウンロード記念キャンペーン」を実施いたします。
「くまもとアプリ」をきっかけに地域活動に参加された方からは、ご好評の声をいただいておりまして、ぜひこの機会に、より多くの皆様にダウンロードしていただき、ご自身の身近な地域への活動へご参加いただければと考えております。

私からは以上です。


質疑応答

【記者】熊本城に関してお伺いします。熊本城の昨年度の入園者数が分かれば教えてください。また、その数に対して市長がどのように評価されているのかをお聞かせください。

【市長】昨年度は3月31日までということになりますので、まだ集計ができていないと思います。これは確認ができ次第、市政記者クラブに情報を提供させていただきたいと思います。今まで私が報告を受けてる中では、入園者数が増加しておりまして、特に春のお城まつりの時期は、かなりの入園者数がありました。それから、桜の季節ということもあって、夜間開園を行いましたものですから、多くの方々が入園されたと考えております。数値がまとまり次第お知らせをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【記者】市電に関してお伺いします。先ほど市長は、調査の段階で新たな課題が見つかったので早急に対応するとおっしゃられましたが、もう少し具体的に教えてください。

【市長】市電のことについては、特にこの前の衝突事故に関して、今すでに、毎日レールの点検を目視で行っていることでありますとか、運転士に対して、当たり前のことですが毎日点呼を行って、速度超過が起きないようにするための啓発をしっかり行うことなど、こういった基本的なことに関しては、当然のことながら今行っているところでございます。
これから、また事故原因というのがいろいろと明確になってくると思います。今、私どもで確認している中では、やはり先行車両と接近している場合の制限速度を守っていなかったことが1つの大きな要因だと考えていますので、乗務員にはそこを徹底させること、それから、レールに付着していた油状のものが、どういうものだったのかという成分分析も今行っていますので、それを基に、またいろいろな確認をさせていただきたいと思います。
また、これまでのインシデントに対して十分な対応ができていなかったことについて、先日の包括外部監査の報告書の中で指摘、それから意見が出されております。これについて、その指摘事項あるいは、出されたご意見についてきちんと1つ1つをクリアしていくようにということで、私から交通事業管理者に指示をしておりますので、それに今取り組んでいるという状況であります。

【記者】冒頭に今回の事故を受けて、信頼回復に努めるとお話されましたが、市や交通局に苦情やクレームのようなものは多く寄せられているのでしょうか。

【市長】苦情やクレームと言いますか、当然私のところにもいろいろなご意見があって、市電は廃止すべきだという声、また一方では、市電は日常的に使っているのでしっかりした体制でやって欲しいというような要望などです。交通局にもメールで8件の苦情をいただいておりますが、本当に申し訳なく思っています。
市電は廃止すべきといった声もありますが、やはりこれだけの事故を起こしましたので、そういった声が出るというのは当然のことだと思っております。ですが、市民の皆さんの日常的な移動手段として、100年間に渡って市民の皆さんに支えていただきながら運行しておりますので、この点については、信頼回復に向けて全力で今取り組んでいることをもって、ぜひ皆さんにはご理解をいただきたいなと思っております。
一部、応援をするというような声もいただいておりまして、それはもう本当にありがたく受けとめますが、我々としては、これだけの大きな事故を引き起こした責任というものを、本当に痛感しております。まず、それに対して、徹底的にこうしたことが二度と起こらないようにするということが、我々の最大のミッションですので、そこをしっかり取り組んでいきたいと考えております。

【記者】先日東京で、赤ちゃんポストの運用が始まったと発表がありましたが、これに対する市長の受けとめをお願いしたいのと、運用を始めるにあたって、東京都墨田区から熊本市にアドバイスを求めることがあったか、また今後の連携について教えてください。

【市長】東京都墨田区の賛育会病院が、いわゆる赤ちゃんポスト、熊本市で「こうのとりのゆりかご」ということで、慈恵病院さんが運用されているようなことと同様な取組あるいは、内密出産を開始されたということです。これは、私も報道ベースでしか承知をしておりません。墨田区や病院の方とは、過去にはそういうやりとりがあったようですが、今回の運用開始に伴って、我々の方に何か問い合わせやアクションがあったということはございません。
私としましても、必要なことがあれば東京都や墨田区、また病院からお問い合わせがあれば、熊本での今の運用の状況であるとか、取組の状況については、お伝えができるのではないかなと思いますので、ご相談はお受けしたいなと思っています。
一方で、中身についてどういう運用がなされるかということに関しては、まだはっきり我々も把握していませんので、そこに対してのコメントは、今申し上げる状況にないということです。

【記者】賛育会病院の内密出産に関して、蓮田先生は休止していただきたいとおっしゃっていましたが、市長はどのように思っていらっしゃいますか。

【市長】そこも含めて、どのように運用されるのかを私はまだ把握をしていないので、何ともコメントのしようがないのですが、ただ恐らく、慈恵病院の蓮田先生は、ご自身が運用しておられる状況とは少し違うということに対して、いろいろと違和感を持っておられるんじゃないかなと思います。ですがそれも、報道を見る限りでしか分からないような状況です。実際には、今後運用をしていく中で、いろいろな課題等も見えてくるのかなと思いますが、今は報道でお聞きしている範囲の情報だけでは、私もコメントができないなというのが今の正直なところです。
ただこの報道を聞いて、こういう取組が東京でもスタートすること、本当に予期せぬ妊娠等で悩んでおられる方々が相談をする、そのきっかけができるということに関しては、私自身もこれまで、全国的な相談窓口の設置や相談体制の充実強化ということを、市長会やいろいろなところでお願いをしてきていますので、そういう意味では、非常に関心を持っていただいているということに対しては評価ができるんじゃないかなと思っていますが、実際の運用に関してどうなるのかということに関しては、まだコメントできない状況かなと思っています。

【記者】評価できるというのは、どういう意味合いで理解すればいいですか。

【市長】つまり、相談できる窓口が全国に増えるということに関しては、評価できるのではないかと思っているということです。
ただ、望まない妊娠や予期せぬ妊娠で悩んでおられる方というのは、本当に誰にも相談できずに孤立してしまうとか、経済的に困窮するなど、いろいろなファクターがあるということが、今我々が相談を受けている状況の中でもありますので、そういう意味では、できるだけ多くの相談機関が、特に行政の相談窓口、我々は妊娠内密相談センターを設置していますが、ぜひ他の自治体でもこういった取組を進めていただいて、そして実際にそういう相談が起こったときに、地域の医療機関であるとか関係の機関に相談していただく、あるいは連携していただくような体制がとれることが望ましいことではないかなと思っています。

【記者】内閣府が先月31日に、南海トラフ地震の死者数や経済損失などの被害想定を発表しました。これに対する市長の受けとめをお聞かせください。

【市長】国の有識者会議が、31日に死者数が約29万8000人、それから全壊・焼失の建物が約235万棟に上るとする新たな被害想定を公表されました。政府は、これらの想定を踏まえて、死者を減少させたいということ、それから全壊や焼失の建物を減少させたいという目標を立てていたということですが、達成には至っていないということです。
実際に、この南海トラフの巨大地震に関する被害想定でどのぐらいの規模になるのかというのは、なかなか巨大過ぎてイメージがつかないところがあると思うんですよ。今回、各市町村への影響については、特に震度6弱以上、または津波の高さが3メートル以上となる市町村が、大体30都道府県754市町村に及び、その面積は全国の3割、人口が全国の約5割と、広範囲にわたるということです。
このことを、皆さんにはぜひ自分事として受けとめていただき備えをしていただくこと、事前の防災に取り組んでいただくことが、何よりも必須のことだと私自身は思っております。そうしたことを受けて、九州市長会では九州の東側のエリア、主に宮崎県や大分県が非常に大きなダメージを受けることが想定されていますので、ONE KYUSHUプロジェクトチームというものを先日立ち上げまして、その中で南海トラフ・大規模災害対策部会を設置し、宮崎市の清山市長に部会長をお願いしています。今後、県境を超えた支援連携のあり方、それから九州全体での防災減災対策や相互連携というものを徹底して深めていって、オール九州として南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備える体制、取組を進めていかなければいけないなと思いました。
平成26年の基本計画時と比べると、先日発表された被害想定は、若干死者数や建物の倒壊の数は減ってはいますが、まだこのように示されていることを考えると、対策が不十分であると言わざるを得ないと思いますので、我々自治体もそうですが、国と連動しながら、さらに被災する恐れのあるエリアの皆さん方は、自分で取り組めることをやっていかないと、なかなか命を守るということができなくなってしまうと思います。
特にこの4月は、熊本地震が発生をした月でもありますし、先ほど申し上げましたように、熊本地震の日というものも定めております。ただやはり9年も経ってくると、だんだん当時の生々しくあった記憶というのが薄れてきますので、防災パークなど、こういったところの取組などを通じて、南海トラフも自分事として捉えましょうということを、ぜひお伝えできたらなと思っています。

【記者】職員の人事異動についてお伺いします。今年度の人事異動で、課長級・部長級含めてかなり女性の登用が進んだのかなという印象を持っているのですが、今年度の人事異動のねらいや特徴について教えてください。

【市長】人事異動の規模につきましては、昨年度が1768人だったのですが、今年度は2132人ということで、1つは新規採用職員が過去5年平均よりも約100名増えたという事があります。それから職員本人の希望や特性を踏まえて、組織の活性化や人材育成の観点から積極的に配置転換を行ったということで、例年よりも大規模な人事異動になっています。
ポイントで言いますと、女性の管理職の登用割合は、全体で16.4%になりまして、局長級が9.7%、部長級が10.6%、そして課長級が19.2%ということです。例えば、議場に登壇する女性職員という意味では、そんなに多くないと思われるかもしれませんが、実際は課長級や部長級への登用が増えていますので、女性の管理職はこれからさらに増えていくと思います。
昨年度がどうだったのかといいますと、全体で15.3%ですので、今年の16.4%と比べると少し伸びています。昨年の局長級が3.6%で今年が9.7%、部長級が15.6%で今年が10.6%、課長級が16.1%で今年が19.2%ですので、少し若い世代の女性の方が増えているということです。
できるだけ職員の能力や、やる気を引き出すためにも、希望をしっかり聞いたうえで適材適所に配置をしていくということです。異動する場所が非常に多いので、なかなか人事も簡単ではありませんが、そういった能力を伸ばしていけるような組織風土を作っていきたいと思っていますので、そういう意味では、かなりいろいろな工夫をした人事になったのではないかなと思っています。

【記者】熊本地震から9年となりますが、今の熊本の復興状況をどのように評価されているのかということと、熊本城の復旧の現在地をどのようにお考えなのか、お聞かせください。

【市長】熊本地震から9年が経過をしましたが、本当に多くの皆さん方の日常的な生活は取り戻せてるのではないかと思っています。公共施設等も含めたインフラ、それから建物などに対する補修などの復旧に関しては、すべて100%終わっております。それは熊本城を除いてということにはなりますが、随分復興が進んだなというのが、今の私の実感です。
復興をしている途中で、新型コロナの影響もあって、熊本は二重にダメージを受けたということ、また人吉球磨の皆さんにとっては、三重にもわたっていろいろな苦痛があったということで、この9年間の間に厳しいことが本当に多かったと思います。それでも、市民の皆さんが非常に頑張って、前向きに自分たちの生活を取り戻していかれたことは、市民の力強さを本当に実感していますし、厳しい状況を1つ乗り越えていることが、熊本の人の次への飛躍に繋がっていくのではないかなと、私自身は考えています。
ただ一方で、先ほども申し上げましたように、この9年の間でだんだんと地震の生々しい記憶というのは薄れてきます。私自身を振り返ってもそうだと思いますので、気を引き締めるということももちろんですが、災害がいつ起こるかは本当に分かりませんし、あの規模よりも大きな地震が来たって不思議ではないわけですよね。ですので、ああいう経験をした我々としては、防災パークもそうなのですが、もっと関心を持って、当たり前に今生活できていることは、実は9年前はすべて失われてしまったんだよということを、もう1回思い起こす場面というのは非常に重要だと思っています。そういう意味では、4月16日の熊本地震の日というのは、多くの皆さんの胸に、また改めて刻んでいただきたいなと思っています。
以前は、例えば14日が来たり16日が来たりすると、毎月なんか来るんじゃないかとびくびくしてる自分がいましたし、多くの皆さんもそうだったのではないかと思います。
地震発生時刻の9時26分ぐらいになるとちょっとドキドキしたり、夜中の1時26分ぐらいになるとちょっと心配になったりということは、多分皆さんもあったと思います。そうやって、びくびくしながら生活を送ることはなかなか出来ないわけで、そういった感情は薄れてきますが、先ほどの南海トラフの話じゃありませんが、いろいろな備えをしていただくということが非常に重要になってきます。特に今月は熊本地震が発生した月でもありますので、多くの皆さんと防災について深く考える節目の月にしたいなと思っています。
熊本城につきましては、復旧の現在地といいますか、これまで着々と進んできたと思います。天守閣が復旧して、多くの方が特別見学通路から中に入れるようになって、さらに天守閣の内部にも入れるようになった地震から5年目、それ以降は、多くの観光客の皆さんも含めてたくさんの方々に訪れていただけるという意味では、(昨年度の)入場者数も集計後に発表させていただきますが、震災前の状態に近づいてきているなと思います。
一方では、宇土櫓も今解体をしていますし、本丸御殿の解体方法や修復方法についても検討がなされているということで、まだまだ時間をかけてやらなければいけないものがあって、今の計画では2052年までかかるということで、まだまだ長い道のりでもあります。
ただこの期間、新たな文化財の価値というものがいろいろ発見されると思いますし、宇土櫓の解体等々についても、貴重な歴史的事実が明らかになっていきます。それは報道の皆さんにも逐一公開させていただいていますが、今後そういう形で関心を持っていただきながら、地震からの復旧と意味では、まだ2052年までかかるんですよということを、皆さんに認識していただくうえでも、防災意識を高めるうえでも、熊本城が熊本地震を忘れない存在になってもらえるのではないかなと思いますので、まだまだ時間はかかりますが、貴重なシンボルだなと思っています。

【記者】市電に関してお伺いします。先日発生した事故の重大さから、ご自身の責任についても言及されていましたが、処分について、いつ誰が責任を取ることになるのか、またどういった責任の取り方が望ましいのか、市長のお考えをお聞かせください。

【市長】事故原因の究明等については、九州運輸局の調査が行われていますので、その結果を待ちたいと思っています。ですので、今この時点でどういう形で処分するのか、どういうものにするのかという事については、コメントできる状況にないと思っていますが、これだけの大きな事故を引き起こして、現時点で14人もの皆さんが大きな怪我をされたり、負傷されたという事実は非常に重いものがありますので、その責任は私も含めて、交通局の関係者においてしっかりと責任を取るべきだと考えております。また、内容や時期等につきましては、ある程度はっきりした段階で、皆さんにお知らせをさせていただきたいと思っています。

【記者】市電についてお伺いします。昨年来運行トラブルが相次いでおり、外部の検証委員会からも、基本ルールの徹底がなされていないという指摘があった中で、今回制限速度の超過があったということでした。基本ルールの徹底がなされていないということに対する市長の受け止めと、どのように改善を図っていかれるのかを教えてください。

【市長】今ご指摘があったように、基本ができていないとは、一体どういうことなんだということです。安全に対する人員配置もそうですし、安全に対する教育や指導、確認を行うといった、1つ1つを丁寧に行うプロセスが、とてもずさんになっていたと言わざるを得ないと思います。
ですので、今日この場にも来ている交通事業管理者に対して、先ほどの監査の話も含めて1つ1つきちんと実行できたかどうかを、私まで全部報告するように指示をしております。つまり、日常的な点検もそうですが、これまで起きたインシデントについての評価検証、それから再発防止策の徹底というものが、十分に行われてなかったということは言わざるを得ないと思います。どんなに我々が今までやってきましたと言ったところで、70件もの指摘と意見が出されたということは、極めて重いことだと思っています。そういうことに対する自覚が足りないんじゃないかということを、私から交通事業管理者に、今日改めて申し上げたところです。
そういった緊張感を持つということ、それから、本当に基本的な事項について、以前JRの方からいろいろなご指導をいただきました。やはり安全に対する意識の低さというのが、交通局にあったと、私はそう認識をしていますので、1つ1つ指差し確認をするなど、そういった基本事項を守ることが、日常的に安全を確保するという本当に重要なことなんだということを全職員が徹底するということ、そして私たちも、交通事業だからあっちでやるものだという感覚ではなくて、自分ごととして捉えていかなければならないということを、改めて先日の包括外部監査の指摘も受けながら、思ったところです。
市電に対する市民や利用者の皆さん方の信頼が本当に失墜したと思っています。このような中でも、運転士に対する心配や、市電に対して温かい声をいただけるような、そういう気持ちやお声があるということを、申し訳なく受けとめております。
ある意味、解体的出直しをしなければ熊本市電は立ち直らない、そういう強い覚悟で私自身も臨んでいきますし、井芹交通事業管理者をはじめ、職員みんなが1つになっていくということが非常に重要だと思いますので、ご指摘は真摯に受けとめながら、これから誠実に対応していきたいと思っています。

【記者】熊本城に関してお伺いします。熊本城の特別見学通路が、設置から今年で5年になります。先ほど、入園者数も随分戻ってきているというお話でしたが、特別見学通路が果たした役割や、特別見学通路に対する市長の評価をお聞かせください。

【市長】特別見学通路がなければ、工事期間中は城内に入れずに制限されてしまうということで、設置する時は広報も含めて、特別史跡の遺構を傷つけないように配慮しながら通路を建設しなければいけないという、相当な苦労があったことと、技術的にかなり難しかったということは、通路を設計されたり、建築された皆さんからお話を聞いています。
特別見学通路が果たした役割というのは極めて大きくて、今の時期だからこそ、被災して復旧復興を進めている、熊本城の姿をリアルで見ながら、熊本城内に入っていただけるという意味でも、本当にこれは大きなことであります。また日本財団様から、大変大きな寄附をいただきましたが、そういった外部からのご支援のおかげで、特別見学通路が成り立ったということで、熊本地震からの復興のシンボルとして、何とか立ち直って欲しいという多くの善意の集まりだと思っています。
2052年まで復旧工事はかかりますので、以前私たちがお花見をしていた場所などにはまだまだ入れませんが、それを見ることが出来るような、また違う視点場ができたんですね。今まで、あの高さで石垣や櫓や天守を眺めることはできませんでしたが、ある意味では新たな魅力が加わったっという評価もできるのではないかなと思いますし、実際にそういうお声もたくさんいただいております。
ですので、あれがあったおかげで、熊本城の復旧・復興と観光や多くのインバウンドの皆さん方に来ていただけることを両立できるという意味では、非常に画期的な通路だったのではないかなと思っています。

【記者】市電に関してお伺いします。先日の包括外部監査で、検証過程の文書が作られていないことや、その後の検証が十分に行われていないことが明らかになりましたが、市長は監査の結果報告を通して初めて確認したことなのでしょうか。併せて、受け止めをお聞かせください。

【市長】包括外部監査によって、徹底が図られていなかったということを、改めて私は強く認識をしました。そのうえで、先ほども申し上げましたが、監査でのご指摘やご意見など、これはインシデントに関する部分だけでなく、会計上の処理のミスなど、いろいろなことについても指摘があります。
私は、すべてが徹底されないと、先ほど解体的出直しというふうにあえて強い言葉で申し上げましたが、そういった基本を徹底するということが非常に重要だと認識しておりますので、当然のことながら、指摘を受けた事項やご意見をいただいたことに関しては、すべてにおいてクリアにするということを、指示しているところです。
そのうえで、今度は様々な原因が究明されたときに、またさらに対策を追加で打っていく必要が出てくると思いますが、まず基本的なことができていなかったのに対して、どれだけ徹底できるかということが、今非常に急がれるべきことだと認識しております。

【記者】この後開催される、くまもと都市戦略会議が5年半ぶりの開催になると思いますが、その間に庁舎整備の話も進みました。今回の会議において、どんな議論を期待されているのかを教えてください。

【市長】くまもと都市戦略会議については、この後午後から、議論がなされるわけでありますが、当然熊本のまちの姿を、大きく変えていく大事な時期でもありますので、庁舎問題だけに限らず、まち全体をどういうふうにしていくのか、熊本の全体的な長期的なビジョンをどう描いていくのかという意味では、経済界の皆さんや熊本大学、木村知事もいらっしゃいますが、産学官の連携というのは、ますます必要になってくると思いますので、そういうことを多くの皆さんの観点から幅広いご意見をいただきたいと思っています。
特に、庁舎周辺のまちづくりということに関して、今日は結構意見も出るのではないかなと思います。新年度はこれから、シンポジウムを開催したり、サウンディングを行ったり、市民の皆さんからのいろいろな声をいただきながら進めていくわけですが、さらに産官学での連携がそこに加わることによって、大きな将来への道筋が出てくると思います。
特に、経済団体でまとめられているグランドデザイン2050というものがありまして、これが前回の都市戦略会議からの進捗や、今後の取組について意見交換を行うということで、より一層中心市街地の発展も含めて、いかに熊本県全体の発展に繋がるか。それから、半導体関連産業も、5年前は立地も全くなかったのが、これだけ増えたということは、当然この戦略にも大きな影響を及ぼすと思いますので、そういったことも、いろいろご議論をしていただければなと思います。
今日何か特段発表をするということではなく、トップ5者の忌憚のない意見交換になるんじゃないかなと思っています。協議内容については、改めて会議の終了後に、記者会見を行ってお伝えをしたいと考えています。

【記者】市電に関してお伺いします。先ほど市長が、私まで報告するように指示したとお話されていましたが、事故前と事故後で対応を変えたという事なのでしょうか。

【市長】事故後と言いますか、去年のインシデント発生後から、交通事業管理者の方から私に、逐一いろいろな報告を上げるようにしています。
ただ、包括外部監査で指摘されたことに関しては、さらにきちんとすべての項目について、どうクリアしたのか、例えばどういった文書を作成して、どういう対処方法をとったのかということに関して、全部で74項目ありますので、これについて1つ1つ、全部上げてくるようにということで、指示をいたしました。

【記者】市電のことで、原因は今、運輸局の方で調べていると思いますが、速度超過という側面と油があったというところの2つが可能性としてあると思います。速度超過の方が要因として大きいのか、油の方が大きいのか、まだ分析もできていないと思いますが、市長として受け止めがあれば伺います。

【市長】まだそこまでは分からないです。両方の要因がどのぐらいの割合かというのは、かなり精緻な調査をしなければ出てこないことだと思いますので、これについて、今、コメントは持ち合わせていないです。ただ、いずれにしても、この両方が要因だということで、オイルや、線路上にいろいろなものがないか徹底的に確認するということを毎日行う。それから、この速度超過も含めて、速度を落として車間をきちんととるという当たり前のことをきちんと徹底することで、今回のような事故は防げるということで、今、取組を進めているところです。ですから、要因がもっといろいろと分かってくれば、あるいは成分分析をした結果、例えば、これは市電の古い車両から漏れたものなのかという原因がはっきりしてくれば、もう少し突っ込んだ話ができるのではないかと思います。

【記者】熊本環状道路の事業化決定のことで、改めて受け止めをお願いします。

【市長】昨日、県庁に行ってくす玉割りまでしてきましたが、それだけ非常に画期的な新規事業化の決定だったと思います。といいますのは、道路に関して言うと、今までもいろいろな整備を行ってきましたし、西環状道路というのが着々とこの秋に池上熊本駅インターチェンジまで開通するということです。そうしますと、西側の方からの交通は非常にスムーズになっていきます。
ところが、今はまだ、例えば熊本インターチェンジとか九州自動車道に繋がっている状態ではありません。それから、中九州横断道路がずっと大津の方ができてくるわけですが、これについても九州自動車道までということなりますから、ここの間を結ぶラストワンピースがつながることで、道路ネットワークの相乗効果は計り知れないものがあると思います。
ですので、今回の事業化決定についても、本当に国や関係の皆さん方に感謝していますし、これはゆくゆくできたときには、皆さんがおそらく実感されると思います。これが繋がってよかった、あのときに市長が言っていたのは、こういう意味だったのかということが、多分走っていただけると分かると思います。道路がいろいろな形で繋がっていくことが非常に重要だということです。これからも、道路が早く完成するように、国や県とも連携しながら進めていきたいと思います。
これは国の直轄のものではありますが、例えば用地の部分であるとか、いろいろなことについても、当然関係自治体として一緒にやっていくべきものですので、全力で取組を進めて、有料道路の制度の活用ということも要望させていただいていますので、そういったことも含めて、今後、早く完成して欲しいというのは市民県民の皆さんの願いだと思いますので、それを実現できるよう全力で頑張っていきたいと考えております。

【記者】自動運転バスの今年度の進め方について、市長はどのようなイメージを持っているのかお尋ねします。

【市長】実証実験を今、行っております。今年度4月14日から5月31日までまず運行していくということです。31日までの間、いろいろと運行してみても特段大きな問題は現時点で報告もありませんし、順調にいっていると認識しています。4月14日からまた運行するということですので、例えば通行上どういうものが支障になっていて、あるいはどういうところが乗り心地が良いとか悪いとか、検証をする項目はかなり出てくると思うんです。ですので、そういったものをしっかり分析していくことです。4月以降の運行に関しては今日から予約が開始されるということで、3月末までの間で322人に乗っていただいたということですので、これからまた実際に乗っていただいた方々からの感想もお聞きしながら、おそらく調整をいろいろしていく必要が出てくると思うんです。ですので、そういった調整をしながら自動運転の運行が非常にスムーズだと皆さんに認識していただけることが、今年度の実証実験をする中でポイントかと思います。
そのうえで、例えばレベル3とか、レベル4まで持っていくためにどういう形ができるのか、あるいは自動運転車両と別の、例えば一般の自家用車だったり、路線バスだったり、それからバイクが急に来たり、いろいろなことでブレーキがガッとかかったりしますが、かなり安全面には触れていると思います。そういったことをしっかり検証しながら、安全な乗り物として確認できれば、来年、再来年とどんどんステップを上げていくことになってくるかと思います。1歩1歩ということだと思います。

【記者】来年、再来年のステップのイメージとしては、現状の熊本城周辺での走行になるのか、一般的な路線バスのような走り方に近づいていくのか、というあたりはいかがでしょうか。

【市長】まだ今、実証実験を始めたばかりですので、まずは利用者の皆さんの乗り心地だとか、安全運行で間違いないか、課題の抽出をするということです。
イメージとしては、それがある程度、熟度が高まった段階では当然定期運行であるということ。
それから、有料の路線として運行できるようにしていく。例えば、そういう路線を考えていくこともその次の段階としては出てくるかと思っています。

【記者】市電の全国交通系ICカードに対しての判断の今の状況について伺います。国の負担割合などについての通知等は、市はどのように受けているのでしょうか。

【市長】まだ実際にそういった制度について、国から、補助対象がこうなりますとかいうことはありませんので、わからない状況です。ですから、今の段階ではそういったことが適用されるかもという状況でしか判断できないので、確定的なことがまだ言えない状況であると。国のそうした補助対象になるのか、ならないのか、そして熊本市がそれに合致するのかどうなのかが確認できないとそのメニューは使えないことになります。
まず我々がやるべきことは、今バスが移行して1ヶ月半ぐらい経っていますので、これから利用者の皆さんからのアンケートや、それから地域公共交通に関する特別委員会が市議会でもありますし、熊本地域公共交通協議会もありますので、こういったところでの議論を踏まえて、今後の方針を決定していくことになろうかと思います。ただ、時期的にはまだもう少し時間があるかと思っていますので、それを踏まえてからになるかと思います。

【記者】時期的にはいつぐらいまでが判断の期限でしょうか。

【市長】リミットは来年の3月末なのですが、どういう形で機器の更新をすればいいのかに関して、いつの時期までにそれを判断しなければいけないのかは明確ではないです。判断時期についてもう少し猶予があるから、しっかりアンケートをとったり、協議会や審議会のご意見を聞きながら、市民の皆さんの声を聞きながら、今の状況をとらえていくと。
国の制度は、国会で予算も通りましたので、もう少したらある程度はっきりしてくると思いますので、その辺をよくにらみながらになるかと思います。6月にも議会ありますし、また9月にも議会がありますので、そういった節目節目できちんとご議論をいただきたいと思っています。

【記者】2点質問です。1点目に、今日も交通事業管理者とやりとりがあったと先ほど伺いましたが、改めてやりとりの内容を伺いたいです。また、もし新たに指示されたことがあれば教えてください。
もう1点は熊本アプリのことについて、最終的なダウンロード目標数や、改めて市としてどのようなアプリにしていきたいという思いがあれば教えてください。

【市長】まず、市電については今日も朝から交通事業管理者と打ち合わせをし、被害者の皆さまの状況や、きちんとフォローができているかどうかの確認を行いました。先ほど発表したとおり前の電車に乗っていた方もいらっしゃったということですが、14名の方には、今一度アポイントを取って謝罪を行い、そして今後の対応についてしっかり協議をさせていただいています。お1人の方だけが先方の都合もあってかまだお会いできていなかったのですが、今日中には全ての方と面会ができるということです。ほかの13名の乗客の皆さんには全てお会いして、今後の補償等について誠実に今対応している。そういう状況を今日は確認しました。
そのうえで先ほども申し上げましたが、監査での指摘事項も含めて、1つ1つをもう1回徹底するようにということです。今日副市長もいましたので副市長にも入ってもらって、幹部、ニ役も含めてみんなで共有していくということ。全庁的に対策を取っていくということを確認しました。

それから熊本アプリについてですが、1万9000ダウンロードは私はまだまだだと思っています。
74万市民がいらっしゃって、しかも、マイナンバーの取得も7割から8割の皆さんが取得されていることを考えますと、数十万というオーダーであるべきだと思います。ただ、なかなかアプリをどう使えるのかなど、まだ認識をしていない方もたくさんいらっしゃると思います。実際私自身も橋磨きのボランティアやごみ拾いに参加し、ポイントを少し貯めまして、今1139ポイント貯まっています。
まだこれから本格運用になっていきますので、店舗とかいろいろなお店でこういったものに交換できますよとか、それから、どのようなボランティア・地域活動があるのか。実は、今まで自治会の役員等になっていない、あるいは、関わりがない人があまり自治会の活動等に、参加できておらず、一部の役員さんとか特定の人たちにずっと集中してきた。これを地域活動も含めていろいろなボランティアをシェアしていこうと。そうすることによって、自分がやりたいときにできるときだけやって、そして、地域や社会に貢献し、ポイントが還元されて、自分もお得になるという、そういったものにしていきたいなと思っています。
企業の皆さんにもどんどん参加していただいて、プレミアムな体験や電子クーポンなどお得なものが出てくれば、これが活性化されて、多くのみなさん方がボランティアや活動を支えていただけるようになれば、人口が減少しても本当に上質な地域社会がつくれるのではないかと期待しています。
数十万ダウンロードを目指していくということで、頑張っていきたいと思います。

【記者】先ほどの質問の確認です。市電について、怪我をされた方に交通事業管理者が謝罪に伺った際に、どのようなことを熊本市に仰っていたのか教えてください。

【市長】私が聞いてる範囲で、特段何か大きなクレームがあったということはございません。ただ、やはりみなさんから運転士のことを心配したり、気遣う言葉をいただけてるのは本当に申し訳ない、ありがたいと同時に本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。10数名の中で、複数名の方からそういった声をかけていただいています。
ただ、私から交通事業管理者や交通局の幹部には、こういう声に甘えるなと言いました。やはり、先ほど申し上げたとおり、市電廃止というような厳しい声があるのも一方で事実です。被害を受けた方々や普段利用してくださっているみなさんのお言葉は本当にありがたく思いますが、それに甘えることなく、先ほど申し上げたような指摘も含めて1つ1つクリアをしていくことが非常に重要だと思っています。

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