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令和7年(2025年)5月30日 定例会前市長記者会見

最終更新日:
(ID:64562)

1 令和7年第2回定例会提出議案について

2 「熊本市電 再生プロジェクト」について

3 米国の関税措置に対する市内企業への支援策について

4 LINEを活用した市民通報機能について

5 「飲酒運転根絶啓発活動」について

6 質問
(1)幹事社代表質問(日経・時事・NHK)
(2)各社質問



会見録



市長発表

はじめに、令和7年第2回定例会提出議案についてご説明いたします。
まず、条例等の議案として「熊本市長等の給料の特例に関する条例の制定」に係る議案の提出を予定しております。
これは、本年3月に発生いたしました市電による追突事故、あるいは昨年度、交通局において市電のインシデントや不適切な事務処理等の不祥事が相次いだことを受け、市の最高責任者として、また交通事業の経営を統括する責任者としての責任を明確にするとともに、今後の安全・安心な交通事業の再構築を行っていくという覚悟を示すために、令和7年7月1日から同年9月30日までの間、私自身とそれから交通事業管理者の給料月額につきましては20%、両副市長の給料月額につきましては10%を減額する特例を定める条例でございます。
このほか「熊本市立学校部活動支援基金条例の制定」に係る議案等の提出を予定しております。
次に、補正予算案につきましては、先ほど申し上げました、これまでの市電における事故等を受けまして、「軌道整正経費」や「車両速度計設置経費」など、安全運行確保のための対策経費に加えまして、「安全の再構築等検討経費」を計上して、市民・利用者の皆様方の信頼を取り戻すため、交通局の運営に係る全てについて抜本的に見直しを行い立て直しを図ってまいります。
また、「埋立処分場PFAS対策事業」や、企業版ふるさと納税を活用して、理系人材、デジタル人材を育成する「熊本市版みらいの科学者・DX人材共創プロジェクト」などを計上しております。
補正額については、一般会計、特別会計、企業会計を合わせた全体で8億8,928万円の増額となります。
このほか公共施設の指定管理の更新に伴います債務負担行為の設定を行っております。
なお、詳細につきましては、先ほど開かれた議会運営委員会にてご説明申し上げたとおりとなりますので、割愛させていただきます。
以上、提出議案の概要についてご説明させていただきました。

次に、「熊本市電 再生プロジェクト」についてお知らせいたします。
熊本市電におきましては、昨年の開業100周年に合わせて8月1日を「安全運行誓いの日」と定め、専任の安全統括管理者の配置や安全対策チームの設置など、安全・安心で信頼される市電を取り戻すため、検証委員会等のご意見を伺いながら取組を進めてきたところです。 
しかし、この間も収まることなくインシデント等が続き、さらに今年3月には、乗客14名が負傷する重大な事故を引き起こしました。
そこで、かねてより申し上げてきました「解体的出直し」を行い、このような危機的状況下にある熊本市電が生まれ変わるため、本日「熊本市電再生プロジェクト」を立ち上げます。
こちらのモニターをご覧ください。
このプロジェクトのミッションなのですが、人・モノ・組織・経営、交通局の全てを立て直して、熊本市電を将来に渡って持続可能な公共交通機関とするために、国や検証委員会等からの指摘事項を踏まえた対策を着実に実行いたしますとともに、「誰もが安全・安心に利用できる熊本市電」へと生まれ変わることを目指したものでございます。
そこで、次のモニターをご覧ください。
このプロジェクトを推進するために、6月1日付けで交通局内に、交通局職員と市長事務部局から派遣する各業務に精通した職員の総勢16名で構成する「市電再生タスク・フォース」を設置いたします。
次のモニターをご覧ください
このタスク・フォースでは、人事、組織体制、施設整備、経営等すべての分野において必要な情報収集や、それから分析を行い、また解決策の提案を行います。私自身も積極的にここに関与しながら、この提案に基づき抜本的な改革を進めていきたいと考えております。
随時、議会や地域公共交通活性化協議会にお諮りしまして、ご意見をいただきながら、年内には改革の方向性をとりまとめる予定としています。
私自身、先頭に立って、1日も早く市民・利用者の皆様に安全・安心にご利用いただける、そしてまた信頼される熊本市電を再生するという強い覚悟を持って取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします。 

次に、「米国の関税措置に対する市内企業への支援策」についてお知らせいたします。
米国によります関税措置が及ぼす本市への影響は、現時点では不透明ですが、今後、輸出関連事業者や中小企業・小規模事業者等の皆様に深刻な影響が及ぶことが懸念されております。
そこで本市では、4億8,000万円相当の融資枠の確保をはじめとした4つの支援策を講じることといたしました。こちらのモニターをご覧ください。
まず、支援策1として「資金繰り支援」です。ここでは、生産性向上などの経営基盤強化に取り組む事業者が融資をお受けになる際、信用保証料の4分の3を本市が助成するという融資制度として「補助金活用支援資金」を先月4月に創設したところです。まず、そういうことで資金繰りの支援を行う。
そして、「小口資金」でありますとか、「経営向上小口資金」というような借換の要件を緩和しまして、借入の一本化を促すことで二重債務による返済負担の軽減も行っていきたいと考えております。
次のモニターをご覧ください。
次に支援策2「DX環境整備事業補助金」では、DX環境整備にかかる経費の補助と併せて、米国を除く海外市場に向けたデジタルプロモーション費への助成を実施して、事業者の競争力を強化するということ、そして新たな挑戦を後押していきたいということでございます。
さらに、支援策3「展示会等出展支援事業補助金」ですが、これは米国以外の海外販路開拓を目的とした展示会出展に要する経費への補助制度を創設するということでございます。事業者の皆さん方が新たな販路開拓を目指すことを支援いたします。
最後に、支援策4「米国関税対策専門家派遣」ですが、現在設置しております「特別相談窓口」では対応が困難な、例えば米国関税措置に起因する市内中小企業の資金繰り、それから経営相談そういったものに対して、様々な分野の専門家を無料で派遣させていただいて、課題の解決を支援させていただきます。
なお、支援策2から4については、6月上旬からの開始を予定しております。このほか詳細については本市ホームページをご確認ください。
本市では、今後も事業者等の皆様のお声を聞きながらニーズを的確に把握して、必要な支援策を迅速に打ち出すことで、事業者等の皆様を支援してまいりたいと考えております。 

次に、「LINEを活用した市民通報機能」についてお知らせいたします。
本市では、道路の損傷や斜面の異常、水道の漏水などについて、市民の皆さまがスマートフォンから直接通報できます「LINE通報機能」を導入しておりまして、皆様からいただく情報が、対応を必要とする箇所の把握、それから速やかな対応に繋がっております。
こちらのモニターをご覧ください。
こういう形で熊本市の公式アプリの中に市民通報のボタンがありますが、中でも、道路の路面の損傷・河川・公園の損傷などに関する通報は、令和3年4月から運用を開始しておりまして、令和7年3月までの4年間で約1,700件、令和6年度だけでも606件の情報をお寄せいただいております。
LINE通報では、正確な位置情報や損傷の規模が確認できますので、緊急性が高いものについては、通報があった当日や翌日には初期対応が完了しています。 
そしてこのたび、より誰でも簡単に通報できるよう、道路・河川・公園の損傷に関する通報機能を改良いたしまして、令和7年6月から本格運用を開始したいと考えております。
次のモニターをご覧ください。
今回の改良で、実は今までの通報は結構画面のタップ数が多かったということで、いくつもタップしなければならなかったのを約3分の1削減して、分かりやすい入力手順や説明に変えたということです。そして、本市からの返信機能も入れたんです。通報はしたが、どうなっているのか、きちんと受けてくれたのか、どう対応したのかよく分からない。ただ、現場に行ってできたところは、皆さん、すぐやってくれたと思われるが、なかなかなんで時間がかかっているのかわからない、いつ頃着されるのか分からないといういろいろなお声がありましたので、こういう本市から返信する機能を今回追加させていただきました。
この通報機能は、24時間利用可能で、対応が必要な箇所を迅速、正確に把握することによりまして、市民の皆様の安全・安心な生活にも繋がるものでありますので、皆さまには、ぜひこの機能をご活用いただきまして、本市への情報提供にご協力いただきたいと思います。
ちなみに、私もこれで通報したことがあります。すぐに改善されました。私だとは分からなかったと思います。きちんとやってくれました。ありがとうございました。実は、信号機のところに木が生い茂っていて、(道路を)渡ろうとしていたら全く歩行者用の信号が見えなくて、これはまずいということで写真を撮ってこれで通報したんです。そしたら、2日後くらいにきれいになったので、すごいなと思いました。市民の皆様からいろいろな通報をいただくのですが、私たちの気づきにもなるので、これはぜひ積極的に活用していただきたいと思います。一生懸命現場の土木センターの担当者も頑張って今やっていますので、後ほど担当の方から詳しくは説明させていただくと思いますので、よければメディアの皆さんもぜひたくさん取材していただいて、そして現場で対応に当たっている、頑張っている職員にも声をかけていただけたらと思います。皆になかなか褒められることがない状況にありますので、ぜひ皆さんからいろいろな取り上げをしていただけるとありがたいと思います。

それでは、最後ですが「飲酒運転根絶啓発活動」についてお知らせいたします。
去る5月27日、本市職員が犠牲となった昨年6月の飲酒運転事故の被告に対しまして、懲役12年の判決が言い渡されました。
あらためて、この事故でお亡くなりになられた横田千尋さんに対しまして、衷心より哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。
本市では、このような悲惨な事故を根絶するため、これまでもSNS等の情報発信、あるいは啓発チラシの配布、飲酒運転根絶啓発動画の制作など、様々な啓発活動を行ってまいりました。
そこでこの度、事故から約1年となります6月13日(金)に、下通アーケード内で、私も含めた本市の有志が熊本県警の皆様と共に啓発活動を実施して、飲酒運転の根絶を呼びかけたいと考えております。
詳細については、報道機関の皆様には改めてまたこの時期にお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
飲酒運転は、一瞬で人の未来を奪う重大な犯罪であります。
本市では、引き続き、関係機関と連携して飲酒運転の根絶に向けて取り組んでまいります。

私からは以上です。

質疑応答

【記者】泉佐野市が赤ちゃんポストの設置や内密出産ができる施設を作ると発表しましたが、改めてこのことに対する市長の受けとめをお聞かせください。

【市長】熊本の一病院である慈恵病院から始まった、こうのとりのゆりかごや内密出産、こうした取組は、こどもたちの命をとにかく守っていこうということでスタートしたわけですが、設置されてから18年、先日発表されましたとおり、預入が193件にのぼっており、また、全国各地から多くの預入が行われているという事実が判明しているところです。全国各地に予期せぬ妊娠で悩む方、そして孤立した方が非常に多くいらっしゃるという現実を踏まえて、こういう皆さん方の相談窓口が増えることや、支援体制が充実するということは望ましいことだと私は思っています。
これまで私どもが訴えてきたように、ゆりかごや内密出産の問題は、一自治体、一民間病院では解決できない問題だと思っています。泉佐野市の取組に関して詳しい内容を承知しているわけではありませんが、お昼に、泉佐野市の千代松市長と電話でお話をさせていただきました。2年前にも、(泉佐野市の)担当者の方が、熊本市の担当者にいろいろな情報の調査に来られましたので、情報はご存知ですが、私から千代松市長には、「熊本市のいろいろな事例について協力させていただきますので、何でもご相談ください。」ということを申し伝えました。千代松市長からは、以前から非常に強い思いを持っておられるということは私も存じ上げておりましたが、「いろいろな情報をいただけるとありがたい、少しでもこどもたちの命を守るための最後の砦ということで、そういった取組をしっかり進めていきたい。」ということを電話でおっしゃられていました。
また、今後この件に関しては、両市の市長同士、あるいは事務方もあわせて、一緒にいろいろな情報共有やディスカッションをしていきましょうと、私から提案をさせていただきました。リモートか対面かはわかりませんが、そういう形で連携を取っていこうということで一致させていただきました。ただ、千代松市長も今、いろいろなことを対応されていると思いますが、まだそのスキームの全体を、短い時間での電話の中でお聞きできたわけではありませんので、どういう課題があるのか、それからどういう取組をしていかなければならないのか、自治体同士どういう連携をしていくべきかということについては、ちょっとまだわからないことがあります。
それと、熊本市との規模の違い、熊本市は政令指定都市で、児童相談所設置市でもあります。それがない泉佐野市は、大阪府やいろいろな関係機関との連携が重要になってくると思いますので、そういった点で、何か我々がアドバイスできることがあれば、お手伝いをしていきたいと考えています。

【記者】熊本市として、人員を送り込むことや情報提供以外の手助けをしていきたいというお考えはありますか。

【市長】そういうご相談があれば、我々としても検討していきたいと思っています。
私から千代松市長に申し上げたのは、慈恵病院が取り組んでおられる、こうのとりのゆりかごにしても、内部出産にしても、慈恵病院でも、事前相談に一生懸命寄り添って対応されてきました。我々熊本市としても、事前のいろいろな相談について、妊娠で悩んでいる方、あるいは本当に急なことで動揺して、自分の名前を明かさずに相談できる所はないかと考えていらっしゃる方が本当に多いというのが、妊娠内密相談センターを設置して、相談件数が非常に多いことからも明白なように、寄り添った支援や相談する機能が必要だなと思います。ですので、そういった取組について、ぜひ力を入れていただきたい、ここが大事ですよということを、私から申し上げたところです。
ですので、設置すればいいということではなくて、いろいろな機関との連携や相談体制をきちんと整えていくこと。そして、ある意味では敷居を低くと言いますか、悩んでる方々が気軽に行政の窓口で相談できるような体制を作る、そこに対するノウハウは、私たちも2年間で随分蓄積もありますので、そういったものに関しては、ぜひ協力をさせていただきたいと考えています。

【記者】市電再生タスク・フォースに関してお伺いします。設置が6月ということですが、期間はいつまでというのは決まっていますでしょうか。

【市長】期間をいつまでとは決めておりません。ですので、きちんとした改革を成し遂げるというところまで、人的な面も含めてですが、先ほど、市電再生タスク・フォースのご説明の中でお出ししました、人事、組織体制、施設整備、経営、こういったものが1つ1つきちんと解決していく中で、タスク・フォースの役目が一定程度終えたということになりますと、これが解散といいますか、また違う形に戻るということになると考えています。

【記者】先ほど抜本的な改革とおっしゃられていましたが、今までの改善を図られてきた体制とどのような部分が大きく変わるのかをお聞かせください。

【市長】今までは、インシデントや事故が起こったときに、個別にそれぞれのことにフォーカスして対応してきたのですが、やはり人事の面、それから組織体制などは、抜本的にどこに課題があるのかをもっともっと掘り下げていく必要があり、そして実際に今回、16人派遣、あるいは併任をかけるということですので、市長部局と一緒になって、これは市政全体の課題だということで、私も積極的に関わりながら動かしていくという意味では、大きな違いがあると思っています。
インシデントの根本原因の追及や再発防止の徹底、効果検証については、不十分であったと言わざるを得ないと、私もずっと思っていたところでありまして、やはり、公共交通を運営する組織としてしっかり立て直していくということ、これに尽きるかなと思っています。
特に、安全運行を常に安定して提供していかなければならないという公共交通機関は、少しのミスが重大なものに繋がっていきますので、組織全体を見直さないと、1個1個切り離されてそれぞれ問題が起こっているというよりも、全部繋がっているんだという、そういう意識で運行していかなければならないと思っておりますので、1つ1つ徹底的にクリアにしていく、解明していく、改善を図っていく、という目的で体制を作ったとご理解いただければと思います。

【記者】市電再生タスク・フォースに関してお伺いします。市長の積極的な関与とありますが、もう少し具体的に教えてください。

【市長】当然のことながら、様々な改善をして、そのうえで人をたくさん投入しますし、市長事務部局の職員も投入しますので、そこから、今の経過や状況が私のもとに入ってきます。熊本市として、交通事業を企業局(である交通局)の中だけでやるということではなく、市政全般として意思決定しながら、例えば予算にしても、いろいろな組織改変をやっていかなければならないという中では、私がきちんと報告を受けながら判断をしていくということが、非常に重要なってくると思います。
ですので、一義的には交通事業管理者が、当然日頃の運行も含めて、この改革についてもしっかり責任を持ってやっていくということは重要なのですが、それに合わせて、私が1つ1つ報告を受けながら、改善に向けての指示も含めて、私の方でも強く関与していきたいということです。

【記者】それは、予算措置などがしやすくなるということでしょうか。

【市長】予算措置もそうですが、根本的な原因を追究しながら、市政の中で交通事業をしっかり改革していくんだという、交通局だけに任せることではないことを強く意識しています。

【記者】市長等の給料の特例に関する条例案についてお伺いします。これは、今までの運行トラブルや事故、不祥事などを全部含めたことに対する、市長自身の処分という理解でよろしいですか。

【市長】はい。

【記者】今回は幹部の方々(の処分)ですが、今後原因が明らかになり、必要であれば職員の処分という事もあり得るという事でしょうか。

【市長】運輸安全委員会やいろいろな調査結果が出てくると、自ずと誰にどういう責任があるかということが出てきますので、その都度、処分等の必要な対策をとっていくということです。

【記者】市長ご自身の減給に関する条例案についてお伺いします。事故調査委員会の結果が出てからというお話も、以前の記者会見でおっしゃられていたと思いますが、どうしてこのタイミングなのかということと、3ヶ月の2割減という重さになった理由を教えてください。

【市長】これまでも、すべての事故調査委員会の結果が出ないままに、全ての対応をとるとか責任取るということを言っているわけではなくて、3月25日にあれだけ多くの皆さんに対して、大変なご迷惑をかけた事故を起こしてしまったことが、本当に大きいところでもありました。もちろん、これまでいろいろなものが累積をしてくる中で、しかるべき時期にきちんと対応するべきだろうと思っています。
なぜこの時期かといいましても、3月議会は閉会していましたし、こういう条例議案を提案するのは、次の6月議会になります。これは、条例事項でしか提出できませんので、議会へ提案するタイミングなども当然踏まえたということで、対応させていただいています。

【記者】予算に関してお伺いします。交通局の安全の再構築に向けて、経営計画の見直しに3000万円が計上されていたかと思います。これは、外部コンサルに委託されるということですが、解体的出直しであれば、まずは内部で議論すべきではないかという意見もある中で、外部活用という判断に至った理由を教えてください。

【市長】当然、内部で徹底して行っていく事はもちろんですが、そのうえで外部からの様々な視点を入れていく。いろいろな所が建て直しをする時、例えば、大きな航空会社が、経営上非常に問題になった事がありますが、あれも外部の力を経て、それと同時に、内部も改善をしていくということですので、外に丸投げしろということではありません。外の目を入れながら改善をしていくということで、ご理解いただければと思います。

【記者】熊本市電再生プロジェクトは内部でいろいろと改革していこうということだと思いますが、16人のうち何人が市長事務部局から派遣されるのでしょうか。

【事務局】市長事務部局からは5人の職員が派遣されます。

【記者】市電の全国交通系ICカードの決済手段についてお伺いします。国が決済機器の単純更新にかかる費用について鉄軌道事業者にも費用の3分の1を補助するという通知が、事業者に出されたと伺っています。国のこの補助制度の見直しについての受けとめと今後の対応方針を教えてください。

【市長】まず、国が地方の地域交通を支えていくということで、今までなかった補助を創設していただいたことは、非常にありがたいと思っていますし、国の姿勢に感謝したいと思います。
そのうえで、今回、九州運輸局から交通局宛てに要綱等の資料が提供されまして、要望調査の連絡があったと聞いております。地域の交通事業者のそれぞれの実態を踏まえて、今後、いろいろな制度設計をされていくと思いますので、しっかり我々の声を聞いていただけたらと思います。

【記者】今、全国交通系ICカードを使った決済手段を維持されるか廃止されるかを検討されていると思いますが、この検討の今後のスケジュールについて伺います。

【市長】以前から申し上げておりますが、予算化のこともありますので年内にある程度決定をする必要があると思います。
これから、いろいろなアンケート調査等もさせていただこうと思っています。今、スケジュールと、それから国の動向もまだ明確にいつということが分かりませんので、そこを踏まえて適宜進めていきたいと考えています。

【記者】市電再生タスク・フォースは、熊本市電再生プロジェクトの一環だと思いますが、タスク・フォース以外にこのプロジェクトで計画されていることなどがあれば教えてください。

【市長】基本的には、再生プロジェクトということでタスク・フォースが人事や組織体制、施設整備、経営、それぞれの問題点を全部洗い出しながら、この全体のプロジェクトとしてまとめ上げる、そういうイメージでご理解いただければと思います。

【記者】市電再生タスク・フォースのメンバーをもう一度教えてください。

【市長】市長事務部局から5名、そして交通局から11名の合計16名です。

【記者】分野ごとに割り振りするのではなく、16人全員で一緒に取り組んでいくということでしょうか。

【市長】ある程度人選はできていますので、それぞれ今からしっかり対応していくということです。当然、連携していかなければいけませんから、どれかが単独でということではないと思います。もちろん、それぞれの専門で人は配置いたします。

【記者】外部コンサルの委託も一部行われるかと思いますが、そのコンサルとこのタスク・フォースとの連携をどうとっていくのでしょうか。

【市長】当然のことながら、それは連携しなければできないので、このタスク・フォースがいろいろな中心になって内部で考えていく。そして、外部のコンサルの皆さん方とも協議をしながら、いろいろなアイディアや、ここはこういうふうに変えたほうがいいのではないかということが出てきた場合には、当然いろいろな検討をするでしょうし、私の方にその辺が多分上がってくることで、どんどん回っていきながら改革をもっと進めていくということで、再生プロジェクト全体が再生に繋がるスキームになっています。

【記者】タスク・フォースの中のリーダーは16名の中から選ばれるのか、それとも市長が務められるのか、伺います。

【市長】特にリーダーを決めるということではなく、もちろん責任は皆で負っていきますが、最終的には交通事業管理者、そして私がリーダーとしてやっていく。この体制の中で、それぞれ常に連携しながら、年内を目途にいろいろなことを考えていきますので、常に私も関与しながら進めていく、そういうイメージです。ですから、経営の課長とか係長が就くとか、そんなことではないです。

【記者】最終的なゴールは、例えば経営計画の見直し等について報告書のようなものを作るイメージでしょうか。

【市長】紙を作ればいいということではないですが、再生プロジェクトと銘打ってやるわけですから、どこに課題があってどう改善をしていくのか、そのプロセス、そして、将来に向けてこういう対策をとりますということがまとまらなければいけないと思っていますので、報告書的なことには多分なるだろうと思います。ただ、まだそれは決まっていません。
それを踏まえて、例えば来年度以降の予算をどうするのか、事業をどうするのか、そして、その先に例えば延伸だとか交通体制について考えなければいけないことがたくさんあるわけですが、それが今、止まっています。上下分離はどうするのか等、いろいろなことがありますので、そういったことも次々に対応していかなければいけません。まず、短期的に集中してやって、それを全部洗い出すということに尽きると思います。

【記者】市電再生タスク・フォースに市長事務部局から投入される職員について、主な役割、市長が期待されている部分について伺います。

【市長】交通局の今までの101年の歴史の中で、文化、風土があると思うんです。市長事務部局から見るとそれは少し違うのではないかとか、それから、これは今どきどうしてこのぐらいの改善になっているのかとか、やはりチェックしていくという視点はあると思います。人事とか組織とか体制とかは、いろいろな経験のある人間が行きますので、そういう職員が組織の中で当たり前だと思っていた文化を変えていく。1つ1つの気づきを与えていくことになっていくのかと思います。
一方で、11人の交通局の職員がここに入ってくるということは、当然、専門性としての見方、ここをしっかり議論し、ぶつけ合いながら課題を掘り下げていく、そこに期待しています。

【記者】派遣される市長事務部局の職員は、今持っている仕事もありながら、例えば集まってミーティングをしたり、お互いに意見交換をしたりしながら、再生へプロジェクトを進めていくということでしょうか。

【市長】タスク・フォースのメンバーとして主体の責任を負いつつも、客観的な視点も持ちつつ、そして、今の業務の中で併任をかけてやる場合もありますので、そういう職員はそういう仕事もこなしながらやっていくということですから、外からの目は気づきに繋がるかとは思います。
当然、必要に応じて、専任の職員を派遣しなければいけない場合には、人事当局とも相談しながら積極的に行っていくというふうにイメージとしては考えているところです。

【事務局】市長事務部局から来る職員については、併任ではありますが、タスク・フォースの業務をメインとして、体自体も交通局に入って一緒になってやっていくということで考えております。

【記者】泉佐野市の赤ちゃんポストなどの取組についてお伺いします。行政主導で進めていかれると思われますが、その際には公費も負担されることについては、これから市民や議会への理解を深めていかれると思います。行政主導で進めていくということでは初の取組になると思われますが、そこについての市長の見解をお願いします。

【市長】行政主導と言っても、当然いろいろな機関の協力がなければできません。千代松市長がこの分野に関して強い関心を持っておられて、非常に強いリーダーシップを発揮されているということは、行政主導という形で言われていると思いますが、実際には、これを実現しようと思えば医療機関や関係機関との連携がなければできません。何をもって行政主導と言うのかということは、まだ私もスキームが分からないので、はっきりコメントをしづらいところです。
ただ、1つ言えることは、今回、予算措置をして調査を徹底的にされるということですし、それから、お金の問題についても、ふるさと納税の話だけが出ていましたが、そうではなく、もともとの福祉基金を使って活用しながらやりたいと模索されているとお聞きしましたので、どのような制度設計になるのかはこれからかなと思っています。
ただ、行政が積極的に取り組もうとしていることに関して、予期せぬ妊娠等で悩む皆さん方、そして、そのこどもの命をどのような形で守っていくのか、お母さんの命も守っていくのかということも、自治体として向き合う覚悟を示されたことは、すごく私は尊いことだなと思っています。

【記者】例えば、内密出産の費用に関して、東京での取組の中では女性との相談の状況として芳しくない部分もあり、慈恵病院に改めて相談されるなどいろいろな状況があります。有料であるとか、無料であるとか、そういった部分に関してもいろいろな考え方があるかと思いますが、市長のお考えを教えてください。

【市長】いろいろな考え方と言っても相談される方の状況が全然違いますので1つではありません。まだ私も詳しくお聞きしたわけではありませんが、例えば賛育会病院の方で、費用負担のことだけをすごく強調されているようですが、まずはしっかりとした相談体制をとられると聞いていますので、一概にお金の問題だけをトピックスにするのは不適切だと思っています。
むしろそれよりも、どのようにして赤ちゃんや孤立した妊婦の方など、いろいろな方の悩みに寄り添っていくのかということに、もっとフォーカスをしていかないといけません。
ケースごとに課題はあると思います。先ほどおっしゃったように、どのようなケースなのかは分かりませんが、例えば賛育会病院のケースが慈恵病院に移ったということもあるようですが、それぞれの役割の中でニーズに応じたというところがあると思います。
熊本の慈恵病院は18年取り組まれていますが、まだ発表されてから数ヶ月というレベルでそこまでの評価をするのは難しいと思っています。

【記者】法制化されていない中で行政主導で取組を進めていくうえでの、熊本市としてもこれまで18年間連携してしてきた中で思われることはありますか。

【市長】どういう形であっても孤立した女性に徹底的に寄り添うこと、そして、生まれてくる赤ちゃんの命を守って、そのあと、出自を知る権利も含めてですが、出自の情報をどうするのかという非常に重たい課題があります。これは簡単なことではありません。私も市長になってからこの任務と言いますか、この取組に積極的に関与する中で、本当にそのように思っているので、そうした覚悟をしっかり持っていただくことが重要ではないかと思っています。

【記者】泉佐野市の件で伺います。熊本市と泉佐野市の連携のお話はありましたが、今回このような自治体主導の取組が出てきた中で、熊本市側から見て慈恵病院のゆりかごなど内密出産への取組に対する関与の仕方が今後変化する可能性はあるのか、見解があれば教えてください。例えば熊本市がより関与を深めるなど何か自治体主導のニュアンスが増すような変化はありえるのか。

【市長】自治体主導と言うのかどうかは別としても、妊娠内密相談センターを設置したのは熊本市としての強い主導的な取組であると思っています。何をもって主導と言うのかは判然としませんが、やはりこのようにいろいろな制度を改善していくことが必要だと思っています。全国の事例が出てくれば出てくるほど、どのように向き合っていけばいいのか、改善すればいいのかがより明確になっていきます。要は問題の深刻化です。今までは慈恵病院の取組、そして熊本市の関与・取組ということだけがフォーカスされてきたわけですが、全国でいろいろなパターンの事例が出てくることによって、これは大きく変更していく。
泉佐野市の千代松市長の取組のように、積極的に問題に関与する自治体が今後増えてくるのではないかと思っていますので、そういう皆さん方と一緒になって、我々のノウハウもそうですが、皆さん方の課題やいろいろなものを共有しながら、いい制度に解決する。それがひいては、我が国の中での法制度の改革、あるいは、新たな法制度を作ることに繋がっていくと思います。自治体の動きやいろいろな事例が増えていけば増えていくほど、国の検討も急がなければならないと言うことになっていくのではないかと考えています。

【記者】タスク・フォースについて伺います。チームを作って検討・分析していくということですが、過去の発生した事故やインシデントを見ながら検討分析していくのか、まず何か焦点を作って分析していくのかなど、現時点で決まっていることがあれば教えてください。

【市長】今までのインシデントなどいろいろなものが起こったことは大きいことなので、報告書などがある中で第三者の視点もすでに入れていただいていますが、こういったものがきちんと動いてるかどうかということはもちろんあります。
また、先ほど申し上げましたように、この熊本市交通局の組織風土や体制をどのように変えていくのかということに関しては、新たな視点がいろいろ入ってくると思います。
今ここで何か一概に、具体的に申し上げることではなく、人事組織や体制、施設整備、経営というこの4つは非常に大きな項目です。これをしっかり深掘りしていくということと、この横の連携をどうしていくのか。それぞれの管理をしっかりやっていくということになると思います。

【記者】現状を見て分析していくという流れになるのでしょうか。

【市長】現状はもちろん見ながらも、他の交通事業者での取組など、先進的な取組はキャッチアップしながらやっていくことになると思います。

【記者】泉佐野市の件で伺います。行政主導とは言いながら結局医療機関が運用することになると思いますが、実際、慈恵病院を見ると、相当負担が大きく大変だと思います。実際手を挙げるところがあるのだろうかという懸念を抱きましたが、市長はどのように感じていますか。

【市長】当然ハードルは高いだろうと思います。慈恵病院さんのようにあれだけスタッフを揃えて、そして、24時間365日体制であれだけのことを献身的にされているということは本当に頭の下がる思いです。そこまでのことを今まで取り組んだことのない病院がどのように取り組めばいいのかということはもちろんあると思いますが、ただ、全てが慈恵病院さんのようにやらなければいけないということではないのかもしれません。
もっとこういうやり方があるのではないかと医療機関が協力するなど、新たな方策を見つけていく必要があると私は思います。まだ私もどういうふうに考えておられるのかスキームが分かりませんが、ここは詰めが甘いのではないかということがあれば、私たちの方から、こういったところはもう少し詰めたほうがいいのではないかと申し上げますし、それは新たな視点だということがあれば、我々の方にもフィードバックしていただいていろいろとまた慈恵病院さんとも相談していく、仕組みを変えていくことはあり得ると思います。それは先ほどの質問にも繋がると思います。

【記者】東京都がこの夏に水道料金の基本料金を無料にすることを発表されましたが、市としてそのような予定はありますか。地方と財源の差があり、これは東京だからできることだと神戸市の久元市長などが苦言を呈されてるようですが、市長はどのように評価されますか。
【市長】自治体のやり方についてはそれぞれの自治体の長や議会の判断なので、私がコメントすることは全くありません。
まず、熊本市がそのような検討をしているかということは、現時点では検討しておりません。そのようなことをいろいろな我々の考え方の中でお示ししていくということですし、我々は水道料金を管路の安全性や耐震化、こういったものを積極的に進めていく費用にしています。そういうところで、東京都さんは東京都さんなりのお考えの中でされるのかなと思います。
ただ、全国的に住民の負担に対する差がいろいろなところで出てくることが果たしてどうなのかというのは、当然議論としては必要だと思います。例えば、こども医療費にしても給食費にしても、そういう負担を軽減しようとするときに、財政的に豊かなところはできるけれども、豊かではないなどいろいろな課題があるとできないということになってきます。その差が起きたことに対して国がどう思っているのか。我々は市長会でもそういう地域間格差がないように取り組んでほしいと常々要望していますし、給食費やこども医療費も国の方で一律に財源を整えて取り組んでくださいと主張しています。
ある意味では、ナショナルミニマムをどう考えるかということは非常に重要な視点かと思います。それならば独自でいろいろなことに取り組めばいいのではないか(という声については)、それはその通りだと思いますが、ただ、最低限どこを皆さんに保障していくのかという国の1つの考え方は、やはりしっかり示されるべきだろうと思っています。
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