【記者】交通局の市電乗務員の正規雇用化について、これは雇用主は誰になるのでしょうか。
【市長】交通局の職員ということになりますので、雇用主は交通事業管理者になります。
【記者】正規雇用化によって、給与面など何がどのように変わるのか、具体的な部分を教えてください。
【市長】交通局の職員として、非常勤職員から常勤職員に変わるということです。来年4月に正規化をして交通局職員として採用しますが、その後、上下分離によって、公社による運転士を追加するということに繋がっていきますので、そこにつながるまでの間、交通局の正規の職員として採用します。身分がきちんと正規の職員として保証されることで、安定した雇用形態になっていきます。
給与制度や休暇制度が常勤職員の制度となり、昇給幅の拡大や休暇の付与日数が増えるということで、大幅に処遇改善が見込まれます。正規化後の給与体系等の詳細な制度設計については、これから議会においてもしっかりご議論をいただいて検討していくことになっていきますが、これまでの経験年数を反映し、それぞれの職員のキャリアに見合った給与制度となるようにしていきたいと考えています。
【記者】上下分離までの間ということになるのでしょうか。
【市長】はい。交通局の職員として上下分離までの間きちんと採用して、その後は公社が独立した形になりますので、公社の正規の社員として転籍するという形になると思います。
【記者】上下分離の時期は、今、いつ頃と見通されていますか。
【市長】これはまだ見込めませんので、これからいろいろな計画も含めてですが、まずは、交通局の体制も含めて市電の体制、安全性を確立することを中心に取り組んでいます。これは国とのいろいろな協議、関係機関との協議も必要になってきます。まだ上下分離については見通せておりませんので、その間は交通局の職員として身分を安定化させるということです。
【記者】フランスでの視察についてお尋ねです。フランスの支援体制については、一般的な日本の体制とどういうところが最も違ったと感じましたか。
【市長】やはり、匿名出産が国の法律で1800年代からきちんとされているので、国、県、それから、市や民間の団体も含めて、スタッフが充実していたり、専門職の方がいらっしゃったり、かなり充実した体制がとられていると思いました。
私が訪れたときに、エクサンプロヴァンス市総合病院の院長先生が、なぜ自治体の首長がこの問題で来るのか意味がわからないということがあったそうです。私の話を聞いて、「日本では法律がないんですね。それで、一自治体の一民間病院がこのような内密出産に取り組んでいることで、今、それを新しく日本の中でどのように運営していけばいいのかということで来られたんですね」と改めて理解いただきました。実は、2年前に別件でエクサンプロヴァンス市総合病院に伺ったときも話を聞きました。内密出産のガイドラインをどうするかという話をちょうどしている頃でしたが、前院長から代わられて全く状況がわからない中で、なぜ熊本の一自治体の首長が来るのかと思われたようですが、理解をしていただきました。
そもそも法的に制度化されていないことが、フランスでは驚きを持って受け止められたということ。それと同時に、我々が必死で、今、慈恵病院さんやいろいろな機関と取り組んでいることについては、全面的にサポートしたい、といろいろな情報をいただきました。
実は、このディスカッションだけでも3時間くらい、かなり時間を割いて対応していただきました。写真には映っていませんが、後ろ側にはたくさんのスタッフの方、保健師さんや看護師さんなどいろいろな方がいらっしゃいましたので、人的な体制が全く違うなと私自身感じました。
また、匿名出産と内密出産で少し制度は違いますが、相談体制、それからフランスでは匿名出産に至る前の段階のいろいろな相談体制が充実していることは明らかでしたので、そこは我々の妊娠内密相談センターの取組などともリンクして十分できるなということと、我々がやはり専門職も含めて相談体制をしっかりやっていくことが必要だなと思いました。
それが一番体制的には大きいなと思いますが、やはり制度的にきちんと法律で位置付けられていることによって、その体制が充実していくのだなと今回の視察で改めて認識したところです。
【記者】これから法制化に向けての動きを取っていかれると思いますが、大阪で自治体主導での取組も始まる可能性がある中で、どのような法制度が必要か教えてください。
【市長】出自を知る権利の保障をしっかりやるという意味では、国家諮問委員会CNAOP(クナオプ)というフランスの機関の担当者が実母から身元情報聴取のうえで、厳重に保管をしています。国家がきちんと管理をするということ。それから、まずはお母さんとこどもの命を守ることが最優先になっていることはよくわかりましたが、そのように身元情報をきちんと残すことも選択肢であり、あるいは残さないこともここでは可能となっています。ドイツでは実母が妊娠相談所で出自証明書にきちんと記載をして残さなければいけないので、そういう意味ではフランスの制度やドイツの制度は少し違います。
日本は、今、出産した医療機関がきちんと保管することにガイドラインではなっていますので、明確に身分情報の収集や管理、それから、開示をどのような形でするのかについては、きちんと法的な整備をする必要があると思っています。そうしたことについて、このフランスやドイツでの視察をした我々の結果を国の方にもお伝えしたいと思います。
今、国は独自で海外の事例を調査すると仰っています。そうしたことについても参考になればと思いますので、我々が見て、聞いて、しかも我々自治体の現場として感じているもの、あるいは妊娠内密相談センターや慈恵病院の内密出産を一緒に取り組んでいる自治体として、どういう現場での感覚を持って、今回のこのフランスや先に行ったドイツの事例とあわせて考えたら日本に合う制度に繋がるのかというようなことを我々の目線から提言していきたいと考えています。
【記者】市電の乗務員の正規雇用化の件で、乗務員や運転手などいろいろな職種があると思いますが、対象の職種や人数の検討はこれからでしょうか。
【市長】予算も当然かかる話ですので、詳細については特別委員会が今後開かれますので、正規化の手法や給与体系、処遇等、対象の職員も含めて、どのくらいの規模になるのかご議論いただいて、そして、9月の第3回定例会に職員定数条例の改正案を上程しようと考えています。まず、次の議会の特別委員会で具体的なことを議論いただこうということになりますので、今、この段階ではまだ検討している最中です。
【記者】逆に、非正規のデメリットは何かあるのでしょうか。
【市長】例えば、時間的な問題など個人の状況に合わせて非正規で働きたいというライフスタイルもあると思います。市役所の中でも会計年度任用職員の方は当然いらっしゃいますし、正規ではなくてそのような働き方をするという選択肢もあります。その辺は職員それぞれの状況に応じた対応になると思いますが、それはいろいろ聞き取りをしながらこれから進めていくことになります。
【記者】現状、運転士の方や乗務員の方から正規化を求められているということでしょうか。
【市長】やはり非正規でずっとこれまでやってきて、待遇や身分が安定しないことで、離職に繋がっているというのが非常に大きいと思っています。職員アンケートなども今まで取ってきていますので、そういったことを分析しながら安定した待遇にしていくということが人員の安定的な確保に繋がっていく。特に運転士の方は市電の運行に非常に影響をおよぼしますし、減便などになっていきます。やはりきちんと人がそこで訓練をされて教育を受けて、自分はここの交通局で育ててもらっているんだな、育ててもらえるんだな、成長できるんだなと思ってもらうためには、正規化をすることによって雇用が安定することは非常に重要だと思っています。
その点では、これまでもいろいろな取組をやってきているのですが、特に正規職員化することは大きな転換ですので、職員にとってはいい提案になっているのではないかと我々は考えています。
【記者】大きな転換という発言もありましたが、これまでの方向性で言うと、人件費の抑制などそういった側面で非正規化を進めてきたと思います。今度正規化するとまたコストがかかってくると思いますが、この持続性はいかがでしょうか。
【市長】今回、市民の皆さんにも利用者の皆さんにもご理解をいただきながらということになりますが、値上げをさせていただいています。運賃の値上げでこの処遇改善に必要な財源を目指していきますので、今後、議会でも正規化でどのくらいのコストが上がるのかも含めてご議論いただきたいと思っています。
今までそこになかなか手をつけられませんでした。値上げをしない状況がある程度続いたり、運賃の体系をいろいろと考えていく中で、利用者をとにかく増やそうということで政策として一律の運賃を導入したり、いろいろな取組を今までやってきましたが、その時代時代での政策判断があったと思います。
あとは、運転士の方々がだんだん変わっていく中で、交通局は当時バス事業もありましたので、いろいろな人的な転換がこの間繰り返されています。そのような意味では大変バタバタしましたし、私がちょうど市長に就任したときにバス事業を完全に閉じるというセレモニーに出ました。そういう意味では、かなり変化も大きかった、この10年間ぐらいだったと思います。
その中で、今までの手法を変えて、きちんと運転士さんたちが安定的に安心して働ける環境を作っていくことは、やはり非常に重要なことだということで、我々も市電再生プロジェクトの中で重要なテーマとしてこれまで取り組んできました。まず今回第一歩を進めることが固まったということで発表いたしました。
【記者】乗務員は、今、全員非正規でしょうか。
【市長】1人を除いて全員非正規です。
【記者】今の人数は何人でしょうか。
【事務局】今は79名が会計年度任用職員。1名が再任用職員です。
【記者】その79名を全員正規雇用にすると決まったわけではないということでしょうか。
【市長】これから皆さんの意向も含めて確認をしていきます。
【記者】希望している人は正規雇用にしていくということでしょうか。
【事務局】そうです。基本的にはそのように考えています。
【記者】(正規雇用化は)4月とありますが、4月1日ということでしょうか。
【市長】そうです。
【記者】正規雇用にする理由ですが、インシデントが相次いだため、その再発防止のためという点もありますか。
【市長】もちろんそれはあります。市電はこれまで100年間の歴史の中でいろいろな取り組みを行ってきましたが、ずっと赤字も続いていますし、どのようにこの基幹公共交通を維持するかということは、ずっと前から試行錯誤してきました。
ただ、その中でいろいろな事故やインシデントが起こり、そして、乗務員の雇用が不安定になっていて、心理的な面もそうですが、運転手がすぐに辞めたり、その技術が継承されていかないということもあります。
そうなりますと先ほど申し上げましたように、育っていく組織と言いますか、技術が継承されていくことによって安全で安心な運行をきちんとしていくこと、それから、乗務員もそこで辞めないことによって、急に減便になったり乗務員不足に陥ったりすることがないように取り組むことはすごく重要なことだと考えてます。
ただ、以前から安全性云々の前に、非正規でいいのかという課題はありましたので、そこに抜本的に今回手を入れることになりました。
【記者】非正規であることが、いろいろ相次いだインシデントや事故の遠因になっていたということでしょうか。
【市長】それが全てではありませんが、それも1つの原因になっていると考えて、今回対策を考えました。
【記者】これまで直に聞き取りもされていますが、乗務員からそういう状況があるんだとお聞きになっていますか。
【市長】実際に、(雇用が)不安定なことが辞める原因になってしまった人たちがいたということは今いる職員から聞いていますし、やはり安定化することが非常にありがたいというような声もあります。あとは、公社化されて、自分たちは正規で採用されるということが、1つのモチベーションになって入ってくる人もいたので、非常に雇用体系は大きいです。
人生に大きく影響するものですので、そこについてはコストカットという視点だけではなく、しっかり予算もつけて人を大事にしていく。そのことが市電再生の大事な一歩になると考えての対応だとご認識いただければと思います。
【記者】市長からご覧になって、コストを重視して非正規にしたという判断は良くなかったと思いますか。
【市長】公営企業である以上、きちんと経営していかなければなりませんので、それはその時の経営判断だったと思います。それはその過去の段階においては必ずしも否定されるものではないと思います。ただ、どうしてもその状態が長く続いてくると、それが要因になっていろいろな問題・トラブルに繋がるということは間違いないわけです。
今回値上げをお願いした時に、多くの利用者の皆さん・市民の皆さんからも反応がありました。私のところには、「ぜひ運転士さんや職員の人たちの待遇をきちんと安定させて、我々がずっと愛しているこの市電を守ってください」という声をたくさんメールでもいただきました。そういう意味では、利用者の皆さんにもご理解いただいて、転換することができるようになったと思います。そういう利用者の皆さんにも理解をいただきながら、この市電をきちんとこれから構築していく大きな1歩になっていくのかなと思っています。
【記者】来年4月1日からは、新規採用者の方も正規雇用化の対象として検討されているのでしょうか。
【市長】事務方から申し上げましたように、これから採用方法、選考方法、こういったことについては議会でもご議論いただきながら決めていくことになります。当然、新しく採用される方は正規の職員として入っていただくということであります。
ただ、非正規と言いますか、会計年度任用職員の枠がなくなるわけではないということです。そういう選択肢もあるということですから、逆に言えば正規でガチガチに勤務時間をということではなくて、少し自由にというような選択肢もないことはないということになると思います。
【記者】正規採用されたらどれぐらい費用が上がるか、試算されている範囲で教えてください。
【市長】まだ現時点での概算なのですが、正規化の初年度で約3,000万円の人件費が増加すると見込んでおります。
実は正規化に先駆けて、今年度より独自の処遇改善を実施しています。職員の採用形態にかかわらず処遇の改善をしています。そこで人件費を約2,000万円、今年度予算に計上していますので、それと合わせると、一連の処遇改善により約5,000万円の人件費が増加すると見込んでいるところです。ここら辺も、今後、議会でもう少し精緻な議論をしていただくため、今は概算ですので、制度設計を進めていく中で詳細な額は精査をしていくことになります。
【記者】3,000万というのは79人全員を正規化した場合の試算でしょうか。
【市長】79人全員を正規化した場合の初年度の概算になります。要は令和8年4月からの1年間で3,000万ぐらいの人件費が増加するだろうと見込んでいます。
【記者】今年度と比べて3,000万増加ということでしょうか。
【市長】そういうことです。2年目以降は昇給等で額が変動してしまいますから、そういう意味では同じ額でというわけではないと思いますが、そこは今から精査していくことになります。
【記者】委員会で、年齢とか経験値によって給料が同じわけにはいかないだろうという指摘もあったと思いますが、どうお考えですか。
【市長】当然、経験年数や資格の状況など、そういったスキルの部分は給与にきちんと反映させるように制度設計をしていくということです。この辺も、こういう形でということは委員会等でご議論していただいて議会でまたお諮りさせていただきたいと思います。
【記者】参議院選について伺います。活動が進んでいく中で、一部では国籍に優劣をつけるような言説が広がっており、排他主義を懸念する声も出てきています。熊本は、TSMC等の外国人労働者が増えている中で、こういう議論の現状について市長のご見解を教えてください。
【市長】今、参議院議員選挙において外国人政策が1つの争点になっていることは十分承知しております。日本全体として少子高齢化が進んでいく中で、外国人の方々の受け入れとか、共生していくあり方がどうあるべきかは大変重要なテーマであるので、大いに各党、各候補者の皆さんで議論していただきたいと思います。オープンな場でいろいろな見解を話されることに関しては、いろいろな考え方がありますから、それは否定されるものではないと思います。ただ、熊本市でも、留学生や技能実習生、それから医療、介護の分野で働く外国人の方々は年々増えています。TSMCやいろいろな新しい企業の進出によって外国人の方も熊本で生活して、また納税もして、それから社会を支えているという側面もあるわけです。
ですから、熊本市としては排除ではなくて共生すること、その視点を大切にすることが非常に重要だと私は思っていますし、熊本市政はそのようにこれからも進めていこうと思っております。
具体的には例えば多文化共生で、今、国際交流会館で日本語の教室であるとか、それから行政情報の発信をしたり、外国籍のこどもの皆さんの学習支援とか、いろいろなことも通じて地域づくりをしているのですが、生活習慣の違いとかでどうしても戸惑う方々、例えばごみの出し方をよく言われますが、こういったものも実際にそのルールに慣れてしまえば皆さん守るわけです。むしろ、日本人の方が守っていない人がいるのではないかという声もあるぐらいです。皆さんに同じルールをきちんと認識してもらって、そして気持ちよく共生していくことが大事なので、そういう意味で私は対話が重要だと思います。
いろいろな党の主張はあると思いますが、外国人の方が急に増えて、そして自分たちの生活を脅かされるのではないかという漠然とした不安感が社会の中に一定程度あると思うんです。自分はたまたまそうではない、今の環境は変わっていないのだけれども、隣にもし外国人の方が来たら何かトラブルが起こるのではないかと不安になったり、例えば夜、大きな声で騒いでいる人がいたら、日本ではもっと静かにするんだということをどうやって伝えればいいのかとか、いろいろ細かな点を言えば多分皆さん不安は漠然としてあるのだと思います。そういう不安に対して、きちんと人として対話をしていくということです。
外国人は労働者という位置付けはおかしいと思います。要は、費用の安い労働者を人が足りなくなりますから日本に受け入れます、というのは違うのではないですか。実はインドネシアに行ってきたときに、介護の人材などいろいろな方とのディスカッションがあったんです。自分が例えば外国に行って生活することになったとすれば、やはりお友達、仲間が欲しいですよね。私はパネラーの皆さんとディスカッションしたときに、そういう感覚をきちんと持って日本社会は受け入れるべきであると思いました。そのことが多分、外国から来る人材の皆さんも日本は自分たちを安くこき使おうと思っているのではなくて、仲間として迎え入れてくれるような環境があるから、日本社会では大事にルールを守りながら一緒に共生していかなければいけないという精神にも多分繋がってくると思うんです。
だから、そういう意味では、外国人の受け入れは、制度的なものもそうですし、住民の理解と相互のコミュニケーションを取っていくしかない。
熊本市においては、今、外国人が急激に増えていて、全国の中でも伸び率としてはトップです。
ですが、特段何か大きなトラブルが起こっているということはありませんし、私も特に大きな混乱があるとは聞いていません。今後、地方自治体が混乱しないようにするための国の政策はどうあるべきかということです。国政の場では支援体制をどうするのか。一部、排外主義的な声が出てくるという政党の皆さんも、それぞれよく話を聞けば、必ずしも本当にそういうルールまでを無視してどうこうしようとか、排除しようとかということは多分ないと思うんです。だから、有権者の皆さんもしっかり主張に耳を傾けて、切り取られた部分だけで、要はネットで動画の一部分だけが過剰に過激な表現で回っているものがありますが、もう少しいろいろなメディアとか、それからいろいろな声、直接話を聞きに行くとか、いろいろなことをよく勘案しながら投票行動に結びつけていただければいいのではないかとい考えております。
【記者】7月8日に大西市長がX(旧Twitter)にポストをされた件についてお伺いします。トランプ氏が原爆を正当化する発言をしたという報道に対して、「アメリカ政府は原爆投下を正当化してはならないと強く思う」としたうえで、「日本政府は二度とこのような発言を許さない姿勢を示して欲しい」という発言をされていると思います。このことについては広島などでも怒りの声が上がっており、弊社としても大西市長の発言をすごく大事な発言だと思っています。この発言をするに至った市長の思いを改めて教えていただければと思います。
【市長】今、いろいろな地域での紛争や問題が起こっている中で、核兵器の使用をちらつかせながら紛争を抑止していこうと言いますか、イスラエルのこともそうですが、いろいろなことが起こっている中で、多くの人たちが戦後80年経つと、原爆の被害者・被爆地の思いを想像する機会もどんどん減って風化しているんだなと改めて思います。
以前であれば、恐らくこういう発言がアメリカの大統領から出たということになれば、広島・長崎での反応はもちろんのこと、全国でももっと声が上がっていたはずだと思います。私がこどもの頃は、そういったことには皆さんがかなり神経質になっていたような気がします。ただ、最近そういう声をなかなか上げなくなってきている。
さらには、核廃絶の条約(核兵器禁止条約)に署名をしないというような態度を、私は平和首長会議などでもこれは有り得ないと批判していますし、日本政府としてもすぐ対応していただきたいとこれまでも主張してきたところです。
やはり、力によってねじ伏せるということ、核抑止力というものはそういうことなんですよね。恐怖によって支配することは、このグローバリゼーションの世の中であってはならないと思っています。その中でも特に、原爆、あるいは核兵器は、大量に人々を一瞬にして虐殺してしまうようなものです。私もこどもの頃から広島や長崎の資料館に行って、つぶさにそういったものを見てきた中で、こういうものがあってはならないと強く思って、これまでも生きてきました。
自分が政治家になる中で、地方の議員だからなかなかこういったことが発信できないのではないかという思いは持っていました。国政に行かなければなかなかそれはできないのではないかと思っていましたが、私は県議員時代に核廃絶問題について蒲島知事に質問をさせていただいていますし、いろいろな意見書を採択したりしてきています。このテーマは私にとって政治家人生の中でも非常に大きなテーマの1つでもあります。
そういう中で、今回、特に国同士のいろいろな関税の交渉などがある中であっても、日本としては唯一の被爆国として、そして、世界平和を求める国として、きちんと発信しなければいけないという思いを強く持っています。私はあまりこういうことを長々とXに書くことはあまりしないのですが、今回、問題提起も含めて、あえて私の方で書かせていただいて投稿させていただいたものです。
イランの核施設の攻撃などを何とか成果としたいということはあるのかもしれませんし、それで紛争を止めたというロジックを作りたいのかもしれませんが、本当はそういうことで紛争が解決されるべきものではないと私は思っています。
平和ぼけと言われるかもしれませんが、あえて、そこは(言わせていただきます。)。戦後80年という大きな節目の年です。私も8月6日と8月9日は広島と長崎の式典に行ってきますし、平和首長会議の総会が長崎で開かれますので、これにも私は参加をしてきます。やはり地方をお預かりする立場としてもきちんと声を上げていく、アクションを起こしていくことはやはり重要です。広島・長崎で奪われた数十万もの命、そして、今なお被爆者の方々は苦しんでおられるわけです。80年たってもまだ当時のことは言えないという人がいっぱいいます。語り部の方もいらっしゃいますけれども、言いたくもないし、口にも出さないし、聞かないという世界がそこにあります。
人類の歴史や未来に本当に思いをはせるときには、これはしっかり発信をしていくべきだなと思ったので、あえて発信しました。
ただ、ありがたいことに多くの皆さんから共感していただけたということは非常によかったなと思いますし、自治体の長であればこういう発言はそんなに広がらないことが多いですが、結構な方々に見ていただいたということは、私としてはよかったなと思っています。
【記者】関連してもう1点お尋ねします。このポストの中で、「今、参院選の真っ只中で、国政を担おうとする候補者の方々にもこういったトランプ大統領の発言についてどう思うのか、自らの考えをしっかり示して欲しい」と投稿されています。これは熊本選挙区だけに限らずに、今、行われている参院選の候補者の方にも、こういった発言についてどう思うのかをしっかり選挙活動の中でも示して欲しいという思いでしょうか。
【市長】はい、そのように思っています。つまり、安全保障をどう考えるのかということ、それから、核兵器に関してもどういう考え方を持っているのかということは、私はかなり大きな有権者の判断基準になるんだろうと思いますし、これは、今、各地で紛争が起こってる中で非常に重要なテーマだと私自身思っています。
これはこの選挙区だけではなく、全国の国政を担う国会議員の皆さん、あるいは各政党の代表の皆さんが、しっかりこういった問題にも目を向けて発信をしていただける、発言をしていただける、考えを聞かせてもらえると。
いろいろな考え方があると思います。市長はそう言うかもしれないが、やはり核の傘に恩恵を受けているではないか、これは抑止になっているではないかというようなことを主張する方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方々の声がどういうロジックなのかは、きっと有権者としても判断基準は聞いてみたいと思います。今は外国人問題や経済政策がテーマになっているなどいろいろありますが、いろいろな視点を生み出していくのも、この選挙の時期が一番、国民の関心を広げるという意味でも大きいことですし、シングルイシューの選挙ではないわけですから、そういうところも重要かなと私は思っております。
【記者】東京世田谷区などでマイナ保険証がなくても資格確認書を独自に交付するという動きが出ています。これに関して国も最終判断は自治体でというような見解を示していますが、熊本市では現状検討していますか。
【市長】資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない方、持っていても保険証利用登録を行っていない方、例えばDVの被害者の方で支援措置を受けている方など、こういった方々に対して資格確認書を熊本市としても送付対象として送付しています。
この確認書を世田谷区や渋谷区では全ての被保険者に送られたということですが、熊本市は、後期高齢者の方には皆さんにお送りします。(国民健康保険の方で)マイナ保険証を持っている方には原則交付しないことになっていますが、先ほど申し上げた皆さんにはきちんと資格確認書を交付しています。あとは、例えば要配慮者の方でそれが欲しいという方は申請いただければお送りするようになっています。特段、大きな問題にはなっていないのではないかと思っています。