Language
閲覧支援
文字サイズを変更する
拡大標準
背景色を変更する
青黒白
音声読み上げ
やさしい日本語

令和7年(2025年)7月25日 定例市長記者会見

最終更新日:
(ID:65497)

1 熊本西環状道路の開通について

2 学校給食調理室に対する空調の緊急整備について

3 火の国まつりの開催について

4 質問
(1)幹事社代表質問(西日本・TKU)
(2)各社質問


会見録



市長発表

はじめに「熊本西環状道路 池上工区」の開通についてお知らせいたします。
まず、こちらのモニターをご覧ください。
ご覧いただきましたとおり、「熊本西環状道路 池上工区」につきましては、令和7年10月19日の午後3時から開通することに決定いたしましたので、お知らせをさせていただきます。
まず、この道路の開通にあたりまして、ご理解とご協力をいただきました地域の皆さま、並びにこれまでご尽力をいただきました関係者の方々に対しまして、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
次のモニターをご覧ください。
今回開通するのは「花園インターチェンジ」から「池上熊本駅インターチェンジ」までの4.6kmの区間です。
この開通によりまして、本市北部方面から熊本駅周辺までの所要時間が大幅に短縮されることになります。そして、交通の分散化がここで図られることで、国道3号等の渋滞緩和にも効果が出てくると思われます。
熊本西環状道路ができるということで、これからこうした交通渋滞の緩和、ここの負荷が減ってくるということもありますが、災害時には、物資の輸送や救助活動に寄与するダブルネットワーク機能も構築されます。
この「熊本西環状道路」は、自動車専用道路で信号や交差点がありませんのでスムーズに移動することができます。これまでご利用いただいたことがない方も、通勤やおでかけの際など様々な場面で、お気軽にご利用いただければと思います。
加えて、本年4月には「熊本西環状道路」と「九州縦貫自動車道」、そして「中九州横断道路」を結ぶ「熊本環状連絡道路」の新規事業化が決定しましたので、今回の開通と合わせて、今後の熊本都市圏の慢性的な交通渋滞の解消にも大きく寄与すると思いますし、そして地域の経済活性化にもつながりますので、非常に有効な道路が開通して、西側の方も交通の行き来が良くなると期待しているところでございます。
本市では、引き続き、熊本西環状道路等の広域道路ネットワークをはじめとする都市基盤の整備について、関係機関の皆さんと連携しながら着実に進んでまいりたいと考えております。

次に、「学校給食の調理室に対する空調の緊急整備」についてお知らせいたします。
現在、本市の小中学校の給食調理室の多くは、エアコン等の空調設備がありません。特に夏場は調理室内が高温となりますため、これまでもスポットクーラーの設置など、様々な暑さ対策に取り組んでまいりました。
しかしながら、今年は例年になく早い梅雨明けもございまして、連日、猛烈な暑さが続いておりますことから、調理員の熱中症が増加しております。また、このような環境で食材を調理・保管することで、食中毒発生の危険性が懸念されておりまして、このままでは給食の提供が危ぶまれる状況と考えております。
そこでこの度、こどもたちに安全安心な給食の提供を続けていくためにも、空調設備のない全ての調理室に、エアコンを緊急整備することといたしました。
今後、機材の入手ができたところから、すぐに整備にとりかかりまして、夏休みの期間中に可能な限り給食調理室の空調を緊急に配備していきたいと思います。夏休み中に終わらなかった調理室についても機材の入手が出来次第、早急に整備してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
給食調理員の労働環境をきちんと整備するとともに、食中毒発生リスクを抑えて、こどもたちに安全安心な給食を提供し続けるためには、一刻も早く完了させる必要があると考えておりまして、全力で取り組んでまいります。

最後に、「第48回火の国まつりの開催」についてお知らせいたします。
こちらのモニターをご覧ください。
いよいよ、来週末の8月1日から3日にかけて、「第48回火の国まつり」が開催されます。
期間中は、1日(金)のオープニングセレモニーをはじめ、2日には、55団体、約4,800人もの皆様が参加するメインイベントであります「おてもやん総おどり」など、様々な催しを中心市街地で実施いたします。
また、今回は3年ぶりに開催される「TKUの日」と同時開催となっております。
新市街に設置されたメインステージではスペシャルゲストの方が多数出演されるということ、それから中心市街地の各アーケード内でこどもたちも楽しめるキッズジョブ体験ですとか、縁日、そして花畑広場にはプールが出現するということでございます。
各イベントの詳細につきましては、お手元の資料及び火の国まつりホームページでご確認いただければと思います。
今回の「火の国まつり」は、小さなお子さんから大人の方まで、例年以上に楽しんでいただける内容となっておりますので、ぜひご来場いただきまして、熊本を代表する夏まつりと、中心市街地の賑わいをお楽しみいただければと思います。

私からは以上です。


質疑応答

【記者】熊本西環状道路の10月19日開通について、具体的にどこからどこまでがこれまでより何分所要時間が短縮されるのか伺います。

【市長】例えば北部方面のエリアから熊本駅まで行こうとすると、3号線を使う方が結構多いと思いますが、3号線を経由していく場合と比べますと約30分の短縮ですから、劇的に短縮されることになります。それに伴う交通量の変化では、3号線の水道町交差点付近で約1割の交通量が減少することを見込んでいます。1日当たりにしますと約4,600台減少することになりますので、かなり開通効果はあると思います。
今、30分と申し上げたのは、ここができたことによってこの辺からこっちに行くのが30分短縮されるのですが、将来ここが繋がっていきますと、中九州横断道路などいろいろなものと繋がっていきますし、西側のエリアから、九州自動車道に乗ろうとするときに早く乗れることになります。ですから、新規事業化された熊本環状連絡道路は、短い区間ではあっても劇的に熊本都市圏の交通事情を変える効果もあります。それに繋がる西環状道路が、今後砂原インターチェンジまで(開通予定で)これも令和4年に事業化していますので、今、着々と進んでおります。
これができますと、今度は、熊本港まで半導体の集積エリアから今だと1時間半以上かかっているのが、60分短縮される。このエリアから熊本港まで物流で運ぶのに1時間短縮されることになりますから、この西側の大動脈が繋がるということは、熊本都市圏の交通事情も一気に変えるぐらいの大きなインパクトがあるとご理解いただければと思います。例えばこの北のエリアから熊本駅方面まで行こうとされる方は、3号線を使わずにこっちにどんどん乗っていただくことで、そのまま完全にバイパスの効果にもなります。3号線の負荷が変わることになれば熊本都市圏の中心市街地の部分の渋滞に良い効果が見られると思いますので、これはぜひご期待いただきたいと思います。

【記者】学校給食調理室への空調の導入に関する所要の予算を教えてください。

【市長】今、概算ではじいておりますが、約20億円と入っております。財源については、主に市債を活用しようと考えております。他のいろいろな事業の進捗を見ながら、そして進度調整をしながら財政的な影響を最小限に抑えていこうと思っています。命に関わる本当に大事なことでありまして、昨今の温暖化による夏の非常に暑い状況は、今までもいろいろ議会でもご指摘いただいていまして、もっと早くやるべきではなかったのかというご批判もあるかもしれませんが、今回、本当にこういう酷暑で1日も早い対応が必要ですので、財源については、かかってもこれやるべきだと判断したということでございます。

【記者】今回の参議院選挙について、熊本選挙区の結果、それから全国的には与党が過半数を割る結果になったこと、また、参政党の台頭なども併せて、どのようにご覧になったか伺います。

【市長】まず、今回の参議院選挙は、平成から令和にかけて行われてきたこれまでの参議院選挙の中で、非常に大きく構造的に変化したと感じた選挙でありました。というのが、若年者も含めて投票率が上がったことです。熊本市だけでも58%という数字は、前回の令和4年の参議院選挙が45.49%、それから令和元年の参議院選挙が43.4%で、なかなか上がっていなかったんです。平成22年が58.1%ですが、それを上回るような数字が出ています。政治に関心が薄くなっている、あるいは既成の政党や既存の今の政治に不満を持つ方々が、投票に行かないことで批判をされていたというか、そういう行動に出られていた方々が(投票をしたことで)、今回の選挙で10ポイント以上熊本市内で投票率が上がったということは、情報の受けとめ方が大きく変化したのだと私は思いました。それは、やはりインターネットの存在が非常に大きくなったということが言えると思います。特に今回の選挙ではいろいろな争点はあったと思いますが、参政党の躍進ということで、新しい政党に対する期待、そして、そこで述べられていることがどんどんSNSやインターネットで拡散されて、個人がどんどん発信していくことによってその輪が広がっていく現象が起こっていると思うんです。これは、今までであれば、情報を広げていくという意味では、組織が非常に力を大きく発揮したということでありますが、個の発信力がものすごく強くなっている。それと同時に、個人が得られる政治の情報が、かなり身近にカジュアルに触れられる。若い皆さん方には、参政党のYouTubeを見て共感した方が非常に多かったです。昨日も若い20代、30代の方が、選挙に行ったと言うんです。あまり今まで行ったことがなかったけれど行きました、とおっしゃった。それは何で行ったんですか、と話を聞くと、やはり情報にたくさん触れて、自分たちも何か声を上げなければいけないと思った。今までは、どこに入れても変わらないと思っていたけれども、今回、声を上げることでどんどん動きが起こるんだと思った、というようなことを20代、30代の方がおっしゃったことを考えると、やはりここはもう劇的に構造が変わってきた。だから、そこに対して、既成の政党といいますか、これまでの候補者も含めて、きちんと情報を届けられているのかというところです。だから、そこが多分差になったのではないかと思います。ある意味、選挙運動はどうしても表面的にならざるを得ないです。演説会場に多くの人達に来てもらって、直接話を聞いてもらうのが一番いいんです。我々もこうやって直接皆さんとリアルでお話するということが、やはり一番心にも響くし、それから感激されるというか、共感したりするということだと思います。いずれにしても、そうやって候補者がしっかり情報を届けられるかというところにすごく差が出てくる。だから、与党の候補者が非常に苦戦したと言われても、勝っている人はやはり情報の発信力がかなりあったのではないかと思います。私自身がいろいろ見ていて、目に触れる機会が多かったというのはあります。いろいろ見ていると圧倒的に参政党の方の動画などが入ってくることを考えますと、そればかり私は見てるわけではないですから、いわゆるネットメディアのアルゴリズムで、その人のことばかりやっているということはないのだけれども、それでも拡散力が非常にあったことはものすごく今後の政治に影響を与えることが今回示されたということです。だから、ある意味歴史的な構造変化を起こした参議院選挙だったと思います。ただ、私自身も危惧するのは、差別的な発言であったり、目立つような発言、エッジの効いた発言をどんどんしていくことで、選挙自体の投票行動に直接繋がるということがあります。兵庫県知事選で言われましたが、熱狂的なムードが押してしまうようなことが起こりやすいというのが、今のSNS時代の選挙なのではないかと私は受け止めました。だからこそ、冷静に考えるような情報や、そういったものを提示していくことが非常に重要だと改めて思った今回の選挙でありました。

【記者】市長の政治資金について、調査請求が政治倫理審査会で受理されて、これから調査が行われることについての受け止めをお願いします。

【市長】これは正式な法令等の規定に基づく手続きをされたということでありますので、今後、政治倫理審査会において適切に処理をされると思います。ですから、そこでのご審議をしっかり私自身も見守っていきたいと思っていてますし、これまでたびたび申し上げておりますとおり、適正に、そして法令、法律上も条例上も問題なく公明正大に対応してきていると思っておりますので、その点は今回、政治倫理審査会において、きちんとご審議いただけるものと考えております。

【記者】先日の市電の追突事故に関係して、(事故を起こした運転士については)前方に車両があった際の検査がされていなかったという報道がありました。これについて事実関係の確認と、市長の受け止めをお願いします。

【市長】事実関係については交通局から説明します。

【事務局】交通局でございます。事実関係といたしましては、運転士の免許を取って1年に1回実務検定を受ける中で、25項目ぐらい検定項目があるのですが、その中の1つの追従運転の確認が取れていなかったという事実はありました。速度関係の確認だとか、距離間隔だとか、そういった項目もありまして、そちらはクリアしていたといったところになります。

【市長】今のが事実関係でありますが、今回のこの事故もそうなのですが、しっかり検証しながら、例えばルールもそうなのですが、技能をどうやってきちんと確立するのかについて、今、市電再生プロジェクトの中のタスク・フォースでもいろいろなことを検討しています。事故の教訓をどう次に生かしていくのかということが、今、必要なことだと思っておりますので、本当に皆さん方から信頼していただける市電を作るためにも、真摯に向き合いながら取り組んでいきたいと考えております。

【記者】給食調理室の件でお尋ねします。予算は概算で約20億円かかるというお話だったと思いますが、いつ頃予算措置されるのかと、いつ頃整備されるのかをお願いします。

【市長】まず、整備に関してはすぐ取り組むということで、今、既決の予算のできる範囲の中でこれから夏休みにすぐやります。夏休み期間中は、全部の中でおそらく30場ぐらいはできるのではないかと見ています。これはメーカーさんや機器の在庫の関係もあります。それにも限りがあったり、それから工事の手配の関係もありますので、そう考えているところです。残りの64場についても、あらゆる手段を講じながらやっていきます。工事の手順など、例えば土日など学校が休みのときにしかなかなか工事ができないということもありますので、基本的には夏休み期間中などが一番いいのですが、この辺も環境を見ながらできるだけ早く付けていきたいと考えています。9月以降も厳しい暑さが続くので、30場ぐらいは何とかできると見てやっていきますが、もちろんそれ以外にできなかったところでも環境が厳しいところはいっぱいありますので、今までのスポットクーラーをもっと強化するなど、いろいろ暫定的なことをやりながらこの9月、10月をしのいでいきながら、例えば冬休みであるとか春休みまでの間にきちんと空調を整えていくことを計画的にやっていくということでございます。ですから、1年以内に全ての調理場、94場について空調を完備させるということで、今、私から指示をしています。

【記者】エアコン未設置の調理室が94施設ということですが、調理室は全部でいくつあるのでしょうか。

【市長】全部で98場です。ですから、設置されているところが4場しかないことになります。

【記者】調理員の方の熱中症が増加したという話があったと思いますが、例えば熱中症を訴えた方で救急搬送されたりとか、病院で受診された方はいらっしゃるのでしょうか。

【市長】6月30日から7月11日までの間で、病院で受診した調理員が8名でございます。うち2人は症状が重くて救急搬送になっています。現在は退院しています。この他、頭痛、目まい、吐き気、手足のしびれ、痙攣など、熱中症の症状を感じている調理員が多数いると報告を受けておりますので、こうした現場の状況もしっかり捉えながら早急にやっていかなければいけないと思います。

【記者】学校施設の中で、体育館の空調設置についても、避難所という機能の観点から環境整備を求める意見もあると思いますが、体育館の空調について今後の方向性を教えてください。

【市長】体育館の空調設置は、今、熊本市は0%です。全国で小中学校の体育館の空調設置率が22.7%というのが、私が手元に持っている数字です。熊本県内の設置率が13.4%、九州内の政令指定都市である北九州市・福岡市はいずれもゼロですので、まだ設置ができていない状況です。
今、ご指摘がありました通り、給食室だけに限らず、体育館も非常に酷暑です。グラウンドでも運動場でも暑くて運動ができない状況の中で、体育館もますます暑くて大変だということで、こどもたちの発育の環境にも非常に悪影響を及ぼすのが、今の酷暑の状況だと思います。
そこで、我々も財源がなかなか限られている、あるいは、先ほど申し上げたように工事など物理的なこともありますので、これをどのようにしていくのかを、今、実は検討しているところです。今までは、(義務教育学校整備のように一体的な更新の場合)更新して建て替える体育館にはその時に整備していきましょうと取り組んでいましたが、これからこういった体育館の空調に関しては国の補助(が必要です)。
先日、政令指定都市市長会を代表して、国の方に要望させていただきました。気候変動の影響で全国的に問題になっていますので、この体育館の空調設備の整備に関しては、文部科学省に対して補助単価や対象工事の上限の引き上げや、それから、今、時限措置になっているところを時限措置を撤廃して、例えば、リースを活用した空調の整備ができるようにしてほしい、移動式エアコンなどの備品購入も臨時特例交付金の対象にしてほしいなど、こういった制度改善を国に求めています。それが整えば、我々もできるだけ早く整備ができると思っています。それから、緊急防災・減災事業債というのがあり、これが非常に有利なものですが、これも政令指定都市市長会から国の方に、令和7年度までの時限措置だったので、これを延長して欲しいと、今、要請しています。これはこれから国会で議論されると思います。
こういった体育館の空調整備も、実は、防災の拠点としての体育館ということがあります。それから、つい先日の参議院選挙の投票所としての体育館ということです。開票所も市の体育館を使うところもあります。あらゆるところで、今、空調は必須だと思いますので、そこについては我々も財政的に許す限り、できるだけ早く整備をしていきたいと思っているところです。

【記者】先月猫の多頭飼育崩壊が熊本市で発生しました。熊本市は殺処分ゼロを掲げていますが、その一方で、ボランティアに頼りきりな部分があるのではないかというボランティア団体の皆さんの声が、取材を進める中で私たちの耳に入っています。それに関して市長はどのようにお考えでしょうか。

【市長】熊本市は、動物愛護センターの取組をこれまで行ってきたおかげで殺処分ゼロを達成してきました。ただ、これは熊本市の職員や市の組織だけでできるものではなく、やはり多くのボランティアの皆さん方からご支援をいただきながらできたと思っています。そして、市民の皆さんの理解があったと思っています。
今回、この多頭飼育の崩壊ということで、これもボランタリーで引き受けたということでしょうが、対象の方の自宅で非常に悲惨な状況になってしまいました。我々も行政として、ボランティアだけに頼るのではなく、もっと体制を強化するなど、もう少し手法を考えないとだめなんだと改めて思ったところです。
ただ、一方ではなかなか人員も限りがある中で、そして、今、動物の愛護の状態もタイトな状況の中で、どういったことができるかは、今、現場でも苦労しながらいろいろ考えてくれていると思います。ご指摘があるようにボランティア団体の皆さん方ともっと密に連携しながら、そして、例えばボランティア団体さんがもっと動きやすいようにするにはどうしたらいいのかというようなこともよく話をしながら、こういったことが二度と起こらないようにするということで、動物愛護センターとともに、それから県や他の機関とも連携をして取り組んでいきたいと思います。

【記者】給食室の空調について、先ほど調理員の熱中症の話がありましたが、実際環境的に何度くらいまで上がるのか教えてください。

【市長】今、調理室で揚げ物などを調理すると、大体40度以上になると報告を受けています。メニューによっても少し変わりますが、揚げ物などがあり、フライヤーや窯の前にいるととても気温が上がってしまいます。作業が終わるまでずっとその環境にいなければいけないので、それが非常に厳しいと思います。
この給食室の空調を整備するにあたっても、やはり空調が効くかどうかがすごく大事なので、今のウェットな環境の中で整備してもなかなか効かないのではないかという懸念がありました。ドライに環境を変えていく中で順次取り組んでいこうということも実は計画として元々考えていました。とはいえ、こういう現状を考えると、とにかく少しでも基本は室温を抑えていく、下げていくということで、緊急的に取り組むことになりました。

【記者】夏休みに30場は先に設置するという話でしたが、この30場はどういった括りでしょうか。

【市長】特に何か括りがあるわけではなく、物理的に設置するところを早くするということで、今、考えています。

【記者】市長の日本の核武装に関するXの投稿についてお尋ねです。7月8日に1度投稿され、それ以降7月21日と22日にも繰り返し投稿されていたかと思います。21日・22日の投稿に至った理由や、繰り返し投稿されている思いについて教えてください。

【市長】一部の参議院議員の候補者の方が、核武装が安上がりだというような発信をされて、そして、それが多く広まって、その後、当選されたわけですが、そういった状況を見たときに、私の考え方をきちんと伝えなければいけないと思いました。前回の記者会見でもこの投稿が話題になったということでお話しましたが、こういうときだからこそ、戦後80年で被爆80年という本当に歴史的な大きな節目にある中で、若い人たちが原爆・被爆の実相を知らずに、安易に核抑止、それから核武装を語られている状況に、今まで核廃絶をずっと自分の中の政治的なテーマとして掲げてきた人間としては発信すべきだと思いましたので、このような投稿をしました。
1つ目の投稿は思いのほかバズって、今見るだけでもインプレッションが800万回です。最初の7月21日、選挙の翌日の投稿ですが、インプレッション数という見た方の数が837万、リポストが2万8400、いいねが9万4500、リプライが2580。とんでもないバズり方をしました。
実は、長く書いたのであまり読まれないかなと思っていました。ただ、関心のある人にはぜひ読んでもらいたいなと思っていたら、かなり一般の人たちも読んで、参考になった・勉強なったという声もある一方で、そんなことを言っても市長が言っているのはお花畑のような平和ぼけした議論であって、もっと真剣に核武装は考えるべきだという意見も聞きました。賛否結構いろいろ出てきて、関心が非常に高まりました。
連続で投稿しようと元々実は私の考え方をいくつか書いていました。整理していた中で最初の投稿が余りにもバズってしまったのでどうしようかなと。
2回目は見方によってはふざけてると言われるかもしれないですが、少しやわらかく、皆さんに核廃絶や核武装は安上がりではないよねということを広げたいということで、2回目を7月22日に投稿しました。
そして、そのあと夜に、どうして核を保有することがリスクになるのか、そして、それが効果的でないのか、また、どうやって日本を守っていくのかについて、これまで整理してきたこと、勉強してきたことを含めて自分なりの考え方をポストしました。これが非常に長い文章でしたが、多くの方に響いたということはあったかなと思います。
これを踏まえて、選挙のときにそういう威勢のいいことを言って、現実的な議論として国会の中で正面で正々堂々とやってくださいねと、国会議員の皆さん。これだけそういう話題になったということも、国民的関心があるということです。
若い人たちがこういう投稿を8百何十万も見るとは思いませんよね。皆さんもそう思いませんか。おそらく記者の皆さんが核抑止や核廃絶のことをどんなに記事で書いても、それが大バスりすることはあまりないと思います。タイミングもあったんだと思いますが、いち地方の自治体の長が発信したことが、安全保障の専門家でも何でもない人間が発信したことが、これだけ一般の方に広がるのは、ネットの威力を改めて感じました。
そして8月、来週私も広島・長崎に行きますが、この時に多くの皆さんに考えてもらういい契機になったと思います。私としては賛成意見の方だけでなく反対意見の方々の考えるきっかけになって、正面でいろいろな議論をしてもらって、日本の行く末を考えることに繋がってもらえればなと思っています。

【記者】長く投稿を書かれていたかと思いますが、改めてどういったメッセージを伝えたかったのか教えてください。

【市長】日本はアメリカの核の傘に守られていることは事実だと思います。とはいえ、やはり唯一の被爆国として、実験はまた別でありますが、戦争においてこれだけ大量虐殺的な破壊兵器を使われた経験がある国は日本しかないわけです。これだけの被害や、今に至るまで多くの方々が傷ついて、そして、苦しい思いをされている。これだけ人類にとって無駄な経費はない。安全保障はいろいろな考え方、それから、国と国との思惑や力関係などいろいろなことがあって、難しいことはあります。しかし、日本が核保有を言うのではなく、やはり世界に向けて、唯一の被爆国としていかに核を1発でもなくしていくのかということにアクションをしていく。これは本当に地道なことですが取り組んでいかなければいけない。そういうところを皆さんがしっかり考えていただく。しかも、日本においてはそういうことは現実的にできませんよ、と。これはぜひ皆さんに知っておいていただきたい割と基本的な知識ですが、改めてわかりやすく整理して投稿することによって、多くの若い人達を含めて共感してもらえればと思っています。

【記者】投稿の中に「核を持たないからこそ築ける信頼が、実は最大の抑止力であり、安全保障の土台」とありましたが、そこの部分についてもう少しわかりやすく教えてください。

【市長】要は、核抑止という考え方自体がそもそも間違っていると思います。力で脅して攻撃させないようにするということなので、それはいろいろな軍備でもあるとは思いますが、しかし、政治の力で核は廃絶していけるんです。つまり、核を持たない国としてこれまで築いてきた日本の立場を最大限に利用するべきだと思います。利用という言い方は少し悪いかもしれませんが、しかし、それだけの犠牲を払っているということです。そういう国であると言えば、国際社会において日本はアメリカの核の傘に守られているんじゃないかと言われることもあると思いますが、いや、そうであっても、これは唯一の被爆国としては許せない、現状の安全保障環境からはそうせざるをえないので甘んじてこういう環境にいますが、やはり私たちは核保有国、NPTで認められた国に対しても減らしていきましょうという方向に、核削減に持っていく動きをしっかりしていただく。日本はそういう主張をするからこそ世界の平和の安定につなげる、貢献できる日本の強さになっていくと私は思っています。そういうことを噛み砕いて今回書かせていただきました。

【記者】女性用トイレの問題についてお伺いします。個数が男性トイレと比べて少なく、行列ができるという問題があって、これに関しては、政府の骨太方針に明記して改善していこうという動きがあるのですが、このことに対する市長の問題認識と、市有施設のトイレをどうされていくのかを教えてください。

【市長】現時点で、熊本市の市有施設で個室が足りないから困っているという問題が、にわかに起こっているということはありませんが、ただ、もともと女性用トイレの個室が少ないとか、市役所で言えば、和式を洋式に変えてくださいという声はありました。そういう中で、女性用トイレの数は、私は増やした方がいいと思っていて、熊本地震を経験したときにも、女性のトイレに関しては、お困りになる方が非常に多く、これは避難所でもそうですし、どこでもそうです。そして、その教訓を受けて作ったのが熊本城ホールです。
熊本城ホールは、非常に多くの女性用の個室を用意しています。皆さんがお感じになられているかはわかりませんが、休憩のときに、メインホールでも女性用トイレでそんなに待たなくてもよかったという声が、実は結構あるんです。(熊本城ホールは)あちこちにトイレがありまして、防災拠点となった時にも使えるようにということで、いろいろな内部での協議のうえで作っています。数が分かりましたのでお伝えしますと、熊本城ホールの女性用のトイレの数は、男性が171に対して女性用個室が194ということで、恐らく割合としては日本一多いホールだと思います。日常利用としても並ぶことなく早くトイレに行ける、そして災害が起こったときにはすぐ災害用として使える、イベント時の混雑緩和と防災拠点としての在り方という意味では、非常に高い評価をいただいておりまして、そういう機能を有しています。
今後、新しい施設に関してもそういう考え方を持ち入れて、いろいろな方とディスカッションしながら、女性トイレの問題や課題について、解決をしていきたいなと思っています。

【記者】今後つくる施設に関してですが、新庁舎について何かお考えがありましたら教えてください。

【市長】新庁舎については、ワークショップ等でいろいろなお話が出ていて、その中でもトイレを広く綺麗にして欲しいとか、職員と来庁者は別にして欲しいという話もあって、お客さんが優先だろうという声もいろいろあったりします。スタッフ用とどう分けるかという物理的な問題もありますが、要は数があればそんなに揉めないといいますか、多分待っている方からすると、名札を付けた職員が出てくると、こっちは待っているのにとおっしゃる方も時々いらっしゃいます。
それはさておき、このトイレ問題というのは、学校のトイレと同じように大きな問題ですので、しっかりと快適な環境を整えていくこと、それから防災上も非常に優れた施設にすることが、これからは大事になってくると思いますので、そこにきちんと予算をつけて、やっていくということが重要だと思っています。

【記者】今のお話からすると、現在の市役所よりも新庁舎は女子トイレが増えるという認識でよろしいですか。

【市長】単純にどう増えるかというのはキャパの問題がありますが、当然割合的には増やすとご理解いただいて大丈夫だと思います。そういう方向で検討すべきだと思いますので、いろいろなご意見を聞きながら、そこで問題が起こらないようにしたいと思います。

【記者】TSMCの第2工場についてお伺いします。今日一部報道がありましたが、このところずっと着工が遅れがちになっていたところに、稼働時期に関しても元々予定されていた2027年末から1年半ぐらい後ずれさせると。アメリカへの優先投資や民生用半導体市場の元気がないというのが理由とのことです。隣町の工場ではありますが、市の産業政策や経済政策にすごく関わってくると思います。西環状道路の発表でも1時間短縮されると言われていましたように、改めてこの件に対する市長の受けとめをお聞かせください。

【市長】私自身は非常に冷静に受けとめておりまして、おそらく年内に着工するという方向で、TSMCの代表の方が会見でおっしゃられたということですが、私も工場の設備を導入する仕事を、サラリーマン時代にやっていましたので分かるのですが、若干ずれるんですよね。
要は、お客さんのニーズがとても多くて急がなければいけないときは、早く稼働させなきゃいけませんから、それに合わせて、機械の研修というか、自分たちが納めた機械がきちんと、その精度どおりに動くかどうかは結構時間がかかるのでシビアにやるんです。ですので、結構前もって早く行うのですが、半導体の需要はかなり変動が大きいのでそれに合わせて、世界のトップ企業ですから、戦略的に考えていると思いますので、例えば稼動が若干遅れようが、熊本市の産業政策に大きく関わってくるとは思っていません。
むしろその間に、今間に合っていない道路も含めたインフラの整備など、そういったことを県と一緒になって、あるいは近隣の市町村と一緒になって、熊本都市圏全体が非常に投資環境に優れていると思っていただけるように、どんどん整備をしていくことが重要かなと思っています。ですので、この発表で一喜一憂するということではなく、しっかり世界情勢も見ながら、我々としては考えていかなければいけないなと思っています。

【記者】市電の実務検定についてお伺いします。追従運転の確認が取れていなかったとのことですが、一方で速度や距離間隔の確認は取れていたというご説明でした。未実施だった項目が、追突事故にどのくらい関連性があると思っていらっしゃるか、市長のご見解をお聞かせください。

【市長】まだ、運輸安全委員会の結果がしっかり示されていないということもあるので、明確なことは申し上げにくいのですが、未実施だったことが全く影響してないとは言えないと思いますので、これからしっかり検証していく必要があると思っています。
当然、追突事故を起こした要因は、いろいろなファクターがあるとは思うのですが、(運転士)本人のスキルに関わる検定ということですので、そういったところが、どうこの事故に影響を及ぼしたのかということは、かなりシビアに見ていく必要があると思っていますし、こういうことが今後も起こらないようにするために、どういうスキルを持ってもらうのか、そして、いかに必要な検定をきちんと受けてもらうかということに関しては、徹底をしていきたいと考えています。

【記者】核に関するお話についてお伺いします。冒頭の市長のお話にもありましたように、核武装が安上がりで抑止力になるという参政党のさや氏の発言に対する市長のご見解と、一方で、今後核については、党の方針に沿って政策として訴えていくという、選挙後にトーンダウンをした形になると思うのですが、先ほど少し触れらましたが、今後国会において、どのような議論が行われることを期待するのかということを教えてください。

【市長】私自身、当選された参政党のさや議員がどういう認識でおられるのかはわからないのですが、恐らく今の日本を取り巻く安全保障環境の中で、中国や北朝鮮などの核を持つ脅威が迫っている中で、こういうあり方がいいんじゃないかという、一石を投じる意味で発言をされたのだと思いますが、そこにどのくらいの根拠があって、そして私が示したことについてどのくらい反論できるのかということは、聞いてみたいなと思っています。
ただ、これだけのことを国政選挙の場で発言をしたということは極めて重いので、トーンダウンということよりも、きちんと表の場で、国会という議論する場があるわけですので、そこで正々堂々とその主張を、ちゃんと闘わせるということで、ご自身の職責を果たしていただければいいのかなと思っています。
私自身は、やっぱり核抑止は必要だよねと思っておられる多くの皆さん方の中でも、私の投稿を見てちょっと考え方が変わったとメッセージをくださる方もいらっしゃいますので、みんなでそういうことを表で議論していくということが大事で、それを中心的に行うのが国会議員の役割ですので、私は地方の首長も役割を担わなければいけないと思っていますが、しかしそれは国政において、安全保障環境も含めてどう日本のこれからの行く末を考えていくのかということを、真剣に、逃げずにやっていただきたいなと思っています。

【記者】市長の以前のご発言に、SNSでの発信が今回の参院選でもすごく大きな役割を果たした、正しく情報届けられてるかどうかも差になったとおっしゃられていましたが、市長が利用されているSNSは、X以外にありますか。

【市長】X以外に私が持っているアカウントはInstagram、それからFacebookのアカウントは持っていますが、乗っ取られたというわけではありませんが、アカウントがロックされていて、ログインできない状態で、そのまま面倒くさいから放置しているという状況です。
これから、You tubeをやろうかなと思っています。つまり、動画でわかりやすく発信をしていく必要があるなということと、私は時間の都合上Xぐらいしかできませんし、そこまで手が回りません。Instagramは水草の話や多肉植物の話などで、あまり政治的なことは書いていませんので、ほのぼのとした趣味のページみたいになっています。ですが、そこでも発信をしてもいいかなと思っていて、そういう意味ではいろいろなチャンネルをあわせてやっていくことは大事だと思っています。ですので、わかりやすく伝えること。
それから、Xであってもこれだけの長文をみんな読むんだと。通常は短文投稿がバズりやすいのですが、長文でも800万以上の人が読むんだなというのは、私も新鮮な驚きでもあったと同時に、伝わるんだっていうのはありました。それは伝えようとする気持ちで、結構広がっていくんだなと思いましたので、いろいろなチャンネルを使っていきたいと思います。

【記者】You tubeを始められるとしたら、どのようなテイストのものを投稿される予定ですか。

【市長】どうでしょうね、ふざけた感じじゃ駄目かなと思いますが、でもあまり硬すぎても誰も見ないかなと思います。短いバージョンと長いバージョンがあってもいいかなと思うので、ずっと見てるってわけにもいかないでしょうから、それはちょっとやってみます。
まだ、いつやるとは言ってませんので、ちょっとお待ちください。ただ1回やってみようかなと思っています。
(私と)記者さんたちとの座談会とかやっても面白い気もしますが、どうですか皆さん。例えばそういうものをやって、正しい情報かどうかを確かめるといいますか、自分の考え方がこうですからと言っても、本当にそうなのかなと思って確かめるということがすごく大事で、そのためにいろいろなメディアの皆さん方が、一生懸命取材をして、多角的な視点で見方を伝えているわけですよね。ですので、記者さんが書いた記事に対しても、賛成もあれば反対もあると思いますが、それを闘わせてどうやって建設的な議論までもっていくか、これが政治の力だと思っていますので、それを頑張っていきたいなと思っています。

【記者】ありがとうございます。楽しみにしています。
このページに関する
お問い合わせは
(ID:65497)
ページの先頭へ

〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号 代表電話:096-328-2111

[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)

© 2025 Kumamoto City.