【記者】くまもと花博に関してお伺いします。一人一花運動を、福岡市と連携して始められていますが、花と緑について、市として今後どういうイベントを開催して、市民にどのようなことを感じて欲しいかをお聞かせください。
【市長】私が市長に就任をする前、ちょうど昭和の終わりから平成の初めぐらいの時期に、熊本で全国都市緑化フェアがありました。森の都熊本をさらに発展させていこうという思いで、その時に植物園もできて、様々なことがありましたが、その後、熊本もどんどん都市化が進んで、花と緑というものが少なくなってきました。ただ、熊本は比較的周りに自然環境が残っているということもありましたので、これはぜひ全国都市緑化フェアを誘致して、ここからさらに熊本が名実ともに森の都になっていくことを目指して、私が最初に出馬をしたときのマニフェストにも掲げさせていただいていましたが、ちょうど震災がありましたのでその後ということになりました。コロナの時期とも若干重なったのですが、花博を開催することができました。
くまもと花博の第1回目は、全国都市緑化フェアという形で、国の予算や補助、ご協賛もたくさんいただきながら大規模に開催したのですが、これが一過性に終わってしまっては何にもならない、花博を毎年継続していって欲しいと、住民の皆さん方、それからいろいろな関係の皆さん方からもご要望いただきましたので、これまでも続けてきましたし、今回も花博を実施します。
この花博自体は、今回も期間は短くしています。以前よりも短くしたのですが、凝縮をさせるということと同時に、花博はある意味年に1度の大きなイベントということになりますが、一人一花運動という日常での取組をさらに進めていこう、花博の大きなイベントだけではなくて、日常的に皆さんが花を愛でたり、あるいは緑に触れたり、そしてそれを地域に普及させていこうということを、もっともっと市民の間で自発的に行っていけるような取組はないかということで、福岡市が最初に進められた一人一花運動に、我々も参画をしようということで参画をして進めてきたということです。
そうしますと、これから花博というイベントは、1つの1年間の発表の場になりますよね。例えば、先ほどお見せしましたが、フラワーコンテストやミニガーデンのコンテストということで、皆さんが花や緑に対するいろいろな取組や1年間頑張った成果を、発表できるような場にするということも、1つの花博をこれからさらに広げていくという、大きなことになっていくんじゃないかと思います。日常的には一人一花運動ということで、繋いでいきながらやっていければなと、今考えているところです。
【記者】くまもとアプリに関してお伺いします。来年、熊本地震から10年を迎えることを踏まえて、くまもとアプリをどのように普及させていきたいかを、改めてお聞かせください。
【市長】くまもとアプリに関しては、11月5日時点の登録者数が3万1000人を超えたということですので、徐々に広がりを見せています。昨日の震災対処訓練においても、皆さんが受付をされる際、アプリを持っているからスッと受付ができたということもあって、持っていない方々もアプリを入れようかなという、そんな声も実際に聞きました。これは、いざというときもそうですが、やはり普段使いがきちんとできていないと、災害時だけアプリを開くということは、あまり効果はありません。例えば、(熊本)健康アプリが今、かなりいろいろなところで使われていて、熊本市で開発したわけですが、熊本市以外の県下各地の自治体でも活用されて、ネットワークのように広がっていきました。これは、非常に理想的な形だと思っています。
ですので、これから防災も含めて、こういったいろいろなキャンペーンを行いながら、例えば、皆さんに特典を得ていただくということも1つのインセンティブということですが、日常のボランティア活動などに参加する皆さん方が、アプリで気軽に自分の隙間時間や空いている時間で出来そうなことを選びながらやっていく、そういったことにかなり活用できるということもありますし、行政からの連絡やアンケート等々もこれでできますので、これらを連携させながら、来年の地震10年に向けて、さらに普及・拡大していきたいと思っています。
【記者】市長の任期が、あと1年余りですが、再選出馬への意欲があれば教えてください。もし、意欲がなければ、国政挑戦など別の意欲があるのかどうかを、教えてください。
【市長】やがて、私の3期目の任期が丸3年を過ぎるということで、12月3日以降にちょうど1年を切ることになります。私自身、これまで3期目の集大成として、いろいろな事業に取り組んできました。まずはマニフェストに掲げた項目、こういった政策を、来年度の予算や事業にしっかり生かしていって、お約束したことがちゃんと果たせるように、しっかりやっていくというのが、私の現時点でのスタンスですので、今この時期に、次どうするかということは、まだお答えするような段階ではないと思っています。
またしかるべき時期に、私の判断については述べさせていただきたいと思いますが、今は大雨災害からの対応や、それから政権も変わって、物価高騰対策や様々な対応を迫られている状況であり、交通渋滞対策や未来に向けてのまちづくりなど、かなり考えることがたくさんございます。
私が残された任期の中で、どれだけのことがやれるか、しっかり追求してまいりたいと考えています。
【記者】大雨からの復旧というお言葉がありましたが、間もなく8月の大雨から3ヶ月を迎えます。いろいろなルールや対応の見直しなど進められていると思いますが、暮らしの再建という部分で、現時点で借り暮らしをされている方が熊本市にどのくらいいらっしゃるのかを教えてください。
【市長】まず、8月の大雨では、本当に多くの皆さん方が被災をされました。やがて3ヶ月という節目でありますが、改めて被災された皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
発災当初から、災害廃棄物の回収や、り災証明の発行、災害サポートレンタカーの無償貸し出しなど、これは民間団体とも連携をして、スピード感を持って取り組んでまいりました。9月議会において、本市の独自支援策も含めた、およそ38事業40億円を超える規模の予算を計上し、被災者の皆さんのニーズに寄り沿った対応を進めて参りました。
一方では、サイレンの吹鳴などこういったものが遅れるという人的なミスが発生したり、それから排水機場の機能が一時停止をするという事態が起こったことから、検証委員会を設置しまして、今その原因や課題、それから今後の対策をどうすればいいのかということについて、検証いただく予定にしております。おそらく今週末には、それぞれの委員会から、中間での検証状況が報告されると思っておりますが、こうしたことを踏まえて、次の対策をどういう形で打っていけばいいのかということを、しっかり考えていきたいと思います。
被災者支援ということに関しましては、り災証明の申請を受け付けていますが、今、全体の発行件数が2133件です。申請件数に対する割合が98.5%ですので、ほぼ申請された皆さんにり災証明は発行できていると思っています。判定区分の内訳を改めて申し上げますと、大規模半壊が2件、それから中規模半壊が26件、半壊が722件、準半壊が247件、そして一部損壊が1135件です。ちなみに、床上床下で言いますと、一部損壊から大規模半壊までを含めた床上浸水の件数が1239件と、全体の58.1%を占めるということで、かなり被害が大きかったということがいえると思います。
私たちが判定をした後、住家の被害が多いということもありましたので、(要件に適合する方は、)みなし仮設も含めて、皆さんに入っていただくことになっています。皆さん方の生活がどうなのかということで、熊本地震の際も、仮住まいをされている方など、そういった皆さん方のフォローアップをずっとやってきましたので、それぞれの担当へ、被災して仮設住宅に入られた皆さん方に対して、フォローアップをするようにということで、すでに私の方から指示をさせていただいているところです。
今の入居状況の数も言ったほうがいいですかね、これは後ほど改めて、みなし仮設の入居者数や市営住宅の空き状況や提供に関しては、まとめてお知らせをさせていただきたいと思います。いずれにしましても、3ヶ月経って皆さんの生活は、どう立ち直っていけているのかということについては、しっかりとフォローしながら、必要な支援についても、今後またさらにいろいろ検討していきたいと考えています。
【記者】みなし仮設住宅に関しては、熊本市では賃貸住宅が被災した場合、半年という期間が設けられていますが、国の期限の指針となる災害救助事務取扱要綱が10月に更新されました。その更新内容は、最長2年であるということ自体は変わっていないのですが、そこは自治体の判断でという部分について、誤解のないよう明確化するために文章を変えたと、国から聞いています。要綱が変わったことでルール自体が変わったわけではありませんが、自治体の方からいろいろな問い合わせがあったことを受けて、国は要綱を変更したと聞いています。要綱変更にあたって、熊本市において入居期限を見直すなどの検討を行うお考えはあるのかどうかを教えてください。
【市長】実は今日、これから担当部局より皆さんに発表しようかと思っていたところなのですが、もともとの供用期間の6ヶ月というのは短いのではないかと、やはり被災者の皆さん方が生活して再建されていく中で、元々これを設定したときは、熊本市内で空いている賃貸住宅など、借りられるようなところもあったので、6ヶ月あれば何とか皆さん家を確保することができるんじゃないかということで定めていて、別に短くして不利にしようとかそういうことではなく、現状を照らし合わせるとそういうことじゃないかということで考えたわけです。
しかし、皆さん方の被災地域は限定的なんですよね。ということは、熊本市内に家やアパートやマンションなどがいろいろ空いていると言っても、自分が生活していた地域や学校の問題もあったり、いろいろなコミュニティの問題もありますから、そこに限っていうとなかなか、住居というのは簡単に探せないよねということもあります。
そして、いろいろなご指摘もいただいて、これはもう少し長く設定すべきではないかということでしたので、我々としても、再建先の選定のためにもう少し十分な時間を取っていただく必要があるということで、供与期間を6ヶ月から1年間に延長するという方針を固めたところです。
ですので、この後担当部局から改めて発表させていただきますが、これから供与の期間は1年間になりますので、その間、皆さんに持ち家等も含めたいろいろな再建をどうするかというのを考えていただければと思います。
【記者】こうのとりのゆりかごの専門部会に関してお伺いします。預入後に、家庭に引き取られた事例の検証が行われるという発表がありましたが、昨年の6月に蓮田理事長が質問状を送られるなどの経緯があったかと思いますが、今回の検証をしていくという決定について、市長の受けとめと、どういったところを期待していきたいかをお聞かせください。
【市長】慈恵病院の蓮田理事長から、本市と専門部会に対して、家庭引き取り事例の検証の意向を問う質問状が出されて、これに対して熊本市と専門部会共に、家庭引き取り行った家庭に対する何らかの支援が必要であると認識を回答させていただきました。そこで今回、熊本市と慈恵病院、こういったところで検証の手法等を検討して、アンケート調査を実施しようということで決定をさせていただいたところです。
やはり、なかなかそこから先がわからないという部分がありますので、こうのとりのゆりかご預入後の家庭の引き取りにおいて、どのような課題があるのか、そしてどういう支援を求められていくのかということも、このアンケートについて整理していきたいと考えているところです。
【記者】大阪府泉佐野市が、11月に熊本市へ視察に来られるという話を聞いたのですが、現時点で決まっているスケジュールなどがあれば教えてください。
【市長】大阪府の泉佐野市の方から、熊本市への視察の情報がもたらされています。11月の25日から27日までの期間視察を行いたいということですが、視察内容に関する詳細はまだ調査中です。熊本市としては、視察いただいた際には、当然いろいろな意見交換も行うと思いますので、これまでの対応や経験について共有させていただきたいと考えています。
その中で、例えば、医療機関等関係機関との連携をどうするのかということ、行政としての手続きや児童相談所との役割分担など、実現に向けてより具体的な課題が見えてくるんじゃないかなと思いますので、ぜひ参考にしていただきたいと思いますし、熊本市としても、いろいろな関係自治体や関係機関ともしっかり連携をして、情報交換しながら、よりよい制度になっていくように取り組んでいきたいなと考えています。
【記者】くまもとアプリに関してお伺いします。このアプリは平時だけでなく、災害時に活用できるということが特徴だと思いますが、8月の大雨のときに、このアプリはどのような使われ方をしたのか、具体的な実績がわかれば教えてください。
【市長】1つは、アプリを活用して避難情報をいろいろと出しました。当然、市のホームページやLINEの情報もそうなんですが、避難所の情報などについても、このくまもとアプリを経由して発信をさせていただきました。
それから、特にボランティアの募集に関しては、相当活用されたと思います。本来このくまもとアプリは、くまもとポイントをどうやって付与するかについて、市民や公益のために自分が頑張った、何かに参画をしたという時に、何かインセンティブがないかということで、ポイントを差し上げる仕組みで作ったものです。
このアプリがあれば、いろいろと市役所の窓口に連絡しなくても、都合のいいときに、24時間これを見ながらサービスが利用できますし、マイナンバーと連携しておけば、身元がきちんとわかりますので、いちいち紙に書いて申請する必要がないという、実はボランティアセンターの受付も、これを活用させていただいています。
このアプリは、熊本市民だけがダウンロードできるものではなくて、全国の方々にダウンロードしていただくことができます。特典は、マイナンバーで連携をして、熊本市民だと住所がはっきりとわかった方に、きちんと特典が届くようになっています。
多くの皆さんがこのアプリを使って、被災地の支援にも入ることができる。ボランティアセンターを設置すると、社会福祉協議会の受付がものすごく大変なんですね。多くの方々が、いろいろな地域からいろいろな時間にいらっしゃいますので。そこでアプリで受け付けておけば、デジタルなので申し込みをされる方も非常に簡単ということで、このアプリに関しては、これから力を発揮するんだろうなと期待をしているところです。
実際に、どういう情報をアプリ経由で発信したかということについては、また改めて担当部局からお知らせをさせていただきます。私も携帯にアプリを入れています。これがどんどん使われていくと、かなり便利になるだろうなと思っていますので、ぜひ多くの皆さん方に登録していただいて、そして少しでもこう眺めていただくと、自分もこういったボランティアの手伝いができるかなとか、あいぽーとという、ボランティア事業をやっておられるような所の、いろいろな清掃のボランティアであったり、障がい者の皆さんに対するボランティアなど、いろいろな情報が発信されていますので、非常に有益なものに繋がっていくものだと思っています。
【記者】県内のバス事業者における、全国交通系ICカードの利用終了から今月16日で1年になりますが、市電において利用を継続するかどうかは、まだ検討が続いていると思います。利用者へのアンケート等も行われましたが、改めて、どのような点を重視して判断をされるのか、また、どのタイミングでその判断をお示しなさるのかを教えてください。
【市長】実際に、市電に関するアンケートをさせていただきました。バス事業者さんがサービスを終了されてから1年ということで、当初は、いろいろと戸惑いや混乱があったと思いますが、現時点で大きく何か交通の利用に対して、混乱があっているとは伺っておりませんので、何とか順調に進んでいるのかなと。
一方で、クレジットカードタッチ決済に関しては、まだまだ伸びる余地があるんじゃないかなと、私も印象としては思っています。現金を使われる方もまだまだいらっしゃるということもありますので。市電に関するアンケートを実施しましたのは、皆さんにすでにお知らせをしたとおりでございます。その結果から、市電において全国交通系のICカードを廃止されたら困る、と回答された方が約56%いらっしゃったということなんですよね。この事実は非常に重いものでありまして、ここは真摯に受けとめたいと思っています。
それから、当時と比較しまして、更新費用が非常に高額になるということがあったわけですが、国の補助がその後いろいろと示されていたり、方針も示されていたりと、これが適用されるかどうかはまた別の問題ですが、そういったこともあります。また民間からのいろいろなお話の中でも、若干費用を少し抑えるような話もあるやに聞いていますので、そういう動きが出てくると、またこの環境も変わってくるのかなと思っています。
決済手段につきましては、市民の皆さんにとって非常に大きな影響を与えるものですので、このアンケート結果を受けて、議会、それから利用促進部会という専門部会がありますので、こういったところと精査をしながら、あとは今、費用を再精査しておりますので、利便性と費用の再精査、それからアンケート等結果を踏まえた上で総合的に検討して、今年の12月までには方針を決定していきたいと考えています。
【記者】一人一花運動に関してお伺いします。花購入時の5%割引分の負担、園芸店や生花店などの事業者が負担することに関して、戸惑いの声が出ていると聞き、実際に私が取材をしている中で、割引分の負担が出ないということに驚いたという方や、対象がボランティアに限られていること、広報の効果がわからないと言われている方もいらっしゃいました。それらについての市長の受けとめと、今後どのように対応していきたいかをお聞かせください。
【市長】ちょうど私からも伺いたかったのですが、取材されていてそういう方はたくさんいらっしゃいましたか。その戸惑いの声というのは、1社とか2社とかそのぐらいのレベルということで踏まえればいいでしょうか。
【記者】2,3社ぐらいでした。
【市長】分かりました。実は、この一人一花運動の園芸点での割引というのは、福岡市で一人一花運動を始められたときに、民間の事業者の方から、ぜひ一人一花運動に参画をしたいと、それで、自分たち民間事業者が参画をするにあたっては、ぜひ1企業として応援ができるようにしたいという申し出があって、貢献したいという自発的なことから、割引が行われているということが事実です。
例えば、今福岡市で一人一花割引に参加されているホームセンターさん、ナフコさんやグッデイさんは、今回熊本市での導入でもぜひ参画をしたいということでご快諾をいただいて、一人一花割引は、こちらから強制しているものでもないということなんですよね。
つまり、事業者の皆さん方の自発的な善意によって、こういった割引がなされるということが大前提だということを、ぜひご理解いただきたいと思います。熊本市では、まだ始まったばかりで、そういった趣旨もやはり十分にご理解いただけていなかったところもあると思いますので、その点は、我々も広報や周知の仕方に課題があったと思っております。
今回、事業の参加を見送った事業者が2、3社あったとおっしゃられたように、そういった事業者の方々がいるのも当然だとは思いますが、我々が強制的に割引をしてくださいと言っているものではなくて、あくまでも福岡市と同じように、福岡市の事業者の皆さん方が一人一花運動に参画をしたい、参画をするにあたっては、ぜひ5%の割引をしたいということで参画したということを、同じように熊本市でも取り入れたということで、ご理解をいただけたらなと思っています。
ですので、これから運動の盛り上がりを見て、じゃあうちも何か貢献していこうかとか、参画をしていこうかということがあれば、ぜひ参加をご検討いただけたらありがたいなと思っています。
【記者】一連の取材をとおして、福岡市の場合は民間からの導入で、熊本市の場合は行政からの働きかけになったということを伺っており、割引も、市の緑化事業として求められたのが初めてだからこそ、戸惑いがあったとお店の方からお聞きしています。今、花き業界は、物価高の影響を受けて、花の売り上げが伸び悩んでいるという状態の中でも参画をするお店の方は、割引があっても、協力をしたいと言って参加してくださっているんだと思います。そのような方々に対して、どのような広報行っていきたいかをお聞かせください。
【市長】今、花き業界は本当に大変で、特に燃料代が上がっているんですよね。お花の生産というのは、燃料を使ったり、時期的に例えばハウスを使ったりなど、かなりコストがかかってくるのですが、実際には値段をスライドさせて上げるわけにもいかないというようなこともあって、随分ご苦労されているということは伺っております。花博の実行委員会などいろいろなことで、花き業界の方とお会いしたり、それから父の日に毎年お花もいただいていますが、そういった時に意見交換をさせていただいて、花き業界がかなり大変だというお話でした。
ただ、一人一花運動もそうなんですが、例えば花の消費であるとか、皆さんがたくさん花を感じながら生活をするという部分を広げていくことで、市場が広がっていくわけですよね。そういう意味では、多くの皆さん方がそこに参画をされることによって、一人一花というものが普及をしていくことによって、ひいては割引を何%にするかどうかという話は、一旦別に置いたとしても、花き業界にとってもプラスになると、私自身は受けとめています。
そういう中で、お花の割引に関しては、こちらから働きかけたといいますか、こういう割引にご賛同いただけるならばご参加いただけませんか、というような呼びかけをさせていただいているとは思いますが、とはいえ、行政が5%割引を強制するようなことではありませんので、そこは誤解のないように、ご理解をいただけるようにしたいと思います。その辺を後程、もしそういう戸惑いの声があるということを教えていただければ、担当から丁寧にご説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【記者】実際に、一人一花割引を始めてから、参画しているお店やボランティアさんに対して、どのような効果があったのかという、効果測定の方法について、何か考えられていることはありますか。
【市長】まだ、これからどういう形で測定するかということを、考えていくことになりますが、例えば、花に関わるボランティアの皆さん方の数が増えていく、そして、それによって一人一花割引を活用された方がいらっしゃる、そういったことが数として把握できるようにして、効果を図っていければなと思っています。
ただ、例えば一人一花運動は、多くの皆さん方に参画をしてもらって、一人一花のロゴマークを、皆さんが花壇などいろいろなところに掲げて広がっていくことで、お花自体が目に見える形で街に広がっていくということが、1つのメルクマールになるのではないかと思っています。もちろん事業の効果というのは、当然予算を使ってやることですので、しっかり検証していく、そして議会にも報告をすることは必要なことだと思いますが、それと同時に、本当に花や緑を愛でる人たちが増えているのかどうか、ということがすごく大事だと思います。
私も、実際に福岡市に伺ってお話をお聞きしましたら、一般の方が一人一花はものすごくいい事業だということで、どんどん広げたり、民間企業の皆さん方が参画をしたりということで、かなり広がっているなと思いました。実際に、行かれたらわかると思いますが、福岡市内を歩いていくと、ロゴマークのついた花壇が広がっているなというのは実感としてありますので、そういったことを皆さんで実感できれば、その事業効果というのが明らかになっていくんじゃないかなと思っています。
【記者】みなし仮設の入居期間に関してお伺いします。持ち家であれば2年、借家であれば半年だったのが1年に延長されるということですが、2年と1年とで差があることもどうなのかという声があるのですが、その辺のことを市長はどう考えていらっしゃるのかをお聞きしたいのと、借家の方が、生活再建において持ち家に変えたいというニーズもあるかもしれません。そうなると、選択肢を狭めることにもなりかねないと思うのですが、そのことに対する市長のお考えをお聞かせください。
【市長】もともと賃貸型も含めた応急住宅というのは、長期的・継続的に住まうそういった住宅を確保するための一時的な応急的住まいのことです。熊本地震のときもそうでしたが、供用期間は、国の要領に基づいて2年と定めています。賃貸住宅の供給の実情については、例えば、仮設住宅を建てる場所もなかなか難しいとか、それから災害が起こった直後というのは、皆さん一時的にどこかで凌ぐということが非常に難しい中で、我々行政も、熊本地震の時もかなり苦労しましたが、プレハブ仮設もみなし仮設も活用しながら、できるだけ早く皆さんに住まいに移っていただくということが基本ですので、そういう意味では、2年という期間は、災害の状況に応じてということはありますが、妥当なものなんだろうと思っています。
ただ、熊本地震のときもそうですが、それがきちんと状況に応じて延長されたりと、弾力的に運用されていますので、そういう意味では、何も追い出しをするとか、そういったことには繋がりません。被災した皆さん方に寄り添って対応するということは非常に重要ですので、そこは熊本地震のとき以来心がけてきたところです。
ですので今回、供与期間が半年だったのを1年にしたりということはありますが、当然皆さん方のいろいろな実情や復旧の状況は違いますから、福祉的な支援が必要だったりということもありますので、そういった状況をしっかり踏まえて、これからも対応していきたいと考えています。
【記者】今回、借家の方が半年から1年に延長されましたが、2年まで延ばすべきだというお考えはありませんでしたか。
【市長】今整理する中では、特段そのような考えはありません。これは、県ともいろいろ合わせながら対応を考えております。先ほど申し上げましたように、被災して入居されている方々の状況を踏まえながら検討していきたいと思います。
熊本地震の時は、ささえあいセンターがあって、熊本市民病院が被災していたときに、看護士さん達に巡回をしてもらったり、そんなことが当時はできたわけです。今はそこまでの物理的なマンパワーがないので、いろいろと声を伺いながら、ご相談にしっかり乗っていきたいと思っています。
【記者】先ほど、任期満了まであと1年というお話がありました。現在3期目で、もし4期目もとなれば、星子市長と並ぶことになります。大西市長は、多選についてどういう考えをお持ちなのかお聞かせください。
【市長】多選に関して1つ批判が出るのは、そのことによって、執行機関や議会との関係が硬直化をしたり、それから、いろんな事業に関して独断で首長が先行していくのではないか、ということで、批判的なこともあるかなと思います。一方で、近年政治家のなり手不足みたいなこともある中で、必ずしも、多選だから悪くて任期短ければいいかというと、必ずしもそうでもないと。ある程度の経験や実績、そういったものを踏まえて、最終的には、それぞれ有権者の皆さんに判断されるべきものだと思っています。
ですので、長ければいいとか良くないとか、短ければいいとか良くないとか、あまりそういうふうに考えるべきではないんじゃないかなと。自治体によっても、それから政治状況によっても、恐らくそこは異なってくるんじゃないかなと思います。
ですので、例えば、私が生まれたときは石坂市長でしたので、私の母子手帳には石坂市長の名前が書いてありましたが、そのあとずっと私が高校卒業するぐらいまでの間、星子市長でしたので、当時はそんな感じだったのかもしれません。ただ、今は、政治家がいろいろな皆さん方との交流や、SNS等を通じて情報を発信できるような、インタラクティブな時代になってきましたので、任期ということに関しても考え方がかなり変わっているんじゃないかと思います。あとは、人によりますよね。この人に長く続けさせたいか、させたくないかという有権者の気持ちもあるんじゃないかなと思います。
私自身、何かのポストにずっとしがみつこうという気は全くないので、そういう感覚はないのですが、ただ少なくとも、そういった仕事単位で考えていくか、そしてそれが住民の皆さんに求められているかどうかというのを、ちゃんと政治家本人もどう受けとめるのかという、その判断力ということはあると思います。
長くなればいいという問題ではないことは、もちろんそうだと思いますが、とはいえ、この任期の問題は、やはり最終的には有権者の皆さんに判断されるべきものではないかと思っています。例えば、蒲島前知事が5期目をどうするかなど、いろいろな話がありましたが、あのような形で決断をされました。それから、福岡市で言えば、高島市長は現在4期目で次5期目はどうするかという話は、恐らく大きくクローズアップされるんじゃないかなと思います。多選批判があるのかどうかも含めて、有権者の皆さんや、それから行政や議会との関係というのも、非常に大きなものになってくるのではないかと受けとめています。
ですので、私自身、今まで多選がいいとかよくないと言ったことがないんです。私の過去の発言を確認されればわかると思うのですが、そういうことに関して批判してどうこう言ったことはありません。例えば、対抗馬が立つときに、よく多選批判をして、もう変わるべきだというパターンはありますよね。ですが、やはり私は、有権者の皆さんがどう判断されるか、ここに尽きるんじゃないかと思います。
【記者】市長は、来月お誕生日を迎えられますが、体力的にはどうなんでしょうか。
【市長】体力の衰えは、やっぱり感じますね。50代になって、50代半ばからちょっと体力が落ちたなと思ったので、筋トレを始めて、今は非常に絶好調です。絶好調だから続けるとか、続けないとか、そういう誘導尋問に答えるつもりはありませんが、心身ともにいつも健康でいるということは非常に重要なことですので、そこは心がけているところでありまして、今特段大きな問題はありません。
【記者】一人一花運動に関してお伺いします。先ほど、熊本市は行政からの働きかけで割引をお願いしているというお話でしたが、強制力はなくとも、花き業界からすれば、行政からお願いされると、しなければいけないのかなという気持ちになるのかなと思うのですが、どのようなお願いの呼びかけ方だったのかを教えてください。
【市長】呼びかけに関しては、強制的にお願いしたということはないと思いますので、後ほど担当課へご確認していただければと思います。私は、喜んで参加したいという方が非常に多かったと伺っています。しかし、無理にこれをやれと言われたんじゃないかと受けとめられた方がいらっしゃったとしたら、全く強制はありませんし、自主的に参加していただくものであって、何の心配もいりませんので、そこは参加ができるような状況であるとか、参加したくなったというときに、またお問い合わせやご参加をいただければ、いつでもウェルカムだということを、お伝えできればなと思っています。
【記者】今回、このような声が上がったということで、行政からの働きかけの際の声掛けに関して、配慮することや変更する点などはありますか。
【市長】依頼する際に、文章なのか、またどういう形であったかはわかりませんが、強制的であるという誤解を受けないようにすることはすごく大事だと思います。行政から何らかの通知が来たりすると、従わなきゃいけないんじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますので、そう思われないような方法は工夫したいと思いますが、今回、私も特段確認をしているわけではありませんので、担当課がどのような対応をしたのかについては、ちゃんと確認をさせていただいて、そしてその上で、皆さんに気持ちよく、この一人一花運動に参加していただくようにしたいと考えています。
【記者】下水道工事の視察についてお伺いします。国の方にも要望をしていきたいというお話があったかと思いますが、実際に要望されたことがあるのであれば、要望内容といつ頃だったのかを教えてください。
【市長】先週、日本下水道協会の会長として、下水道関連の管きょが非常に老朽化しているということで、このことに対して、財務省、総務省、それから国土交通省に対して要望を行いました。
実際に私が(下水道管に)入った様子の動画も見ていただいて、このぐらい老朽化しているものを、こういう形で工事を今やっているが、なかなか簡単ではなく、これは、予算がきちんと確保されていないと進みませんということで、各担当の省庁に要請をさせていただいて、国会議員の皆さんにもご説明をさせていただきました。
やはり埼玉県八潮市の事故があってから、国も緊急対策も今行っていますが、ここの必要性に関しては、特に下水管はよく見えないし、そんなに傷んでいるのかと、硫化水素でそんなひどいダメージを受けるのかと、一般の方は知らなかったことが、非常によくわかったということもありました。八潮市の事故について、命を落とされるに至ったことは本当に残念でなりませんが、そういうことが二度と起こらないようにするために、国として万全の体制をとって欲しい、こういったことを、先週ずっとお願いをさせていただきまして、十分ご理解をしていただきました。
驚くことに、国土交通省の金子大臣も、それから財務省主計局の中山次長も下水道管に入ったことがあるとのことで、私がドヤ顔で動画を見せたのですが、知ってるよそんなのという勢いだったので、あっ、て感じでした。
そうやって皆さんの理解が深まっていくということが非常に重要であり、市民の皆さんにも、先ほどの老朽化の状況も含めて、使用して50年を過ぎるものが今後20%以上になっていくということを考えると、こういう状況をぜひ皆さんにも関心を持っていただいて、そして皆さんが払っておられる水道料金や下水道料金は、こういったところの更新の財源になって、しっかり使われているんだということは、ぜひご理解いただきたいなと思います。
【記者】予算の拡充や充実を要望されたという理解でよろしいですか。
【市長】はい、主な要望はそのとおりです。
【記者】具体的ないくらぐらいというお話はあったのでしょうか。
【市長】国土強靱化の予算が今20兆円強で、5ヶ年の中で合意しているということですが、これまで国土強靱化を進めていてもまだまだ足りないという状況であり、国土強靱化の中でも道路の予算もあり、河川の予算もあったりといろいろな分野に渡るので、この部分をもっと増やして欲しい。総枠を増やすことによって、下水道のこういった部分に関しても、かなり予算がプラスになるのではないかなと見ています。
【記者】何日間にわたって、要望をなされたのですか。
【市長】下水道関係で言いますと、11月6日は1日ずっと回っていました。朝8時から自民党本部に行って、自民党の下水道議連の皆さんに状況をご説明しました。その後、要望活動をさせていただいて、国土交通省、財務省と回りました。
それから、全国から千人近い自治体皆さんが集まって、下水道事業促進全国大会もありましたので、そういったところでも声を上げさせていただきました。
【記者】以前の会見の際に、YouTubeチャンネルを開設したいというお話がありましたが、コンセプトが固まったり、開設時期の目処が立ったりなど、進展があればお聞かせください。
【市長】実は、自宅で実験的にいろいろやってるんです。自分でスマホのカメラをまわして、試しに撮影した動画を、YouTubeで誰にも公開しない形でアップして見てるのですが、ちょっといまいちなんですよね。デデン!とテロップが出たり効果音が入ったりするのが、ちょっといまいちよくわかんないし、自分でやっていたらとても無理だなと思ったので、ちょっと今やり方考えています。
逆にメディアの皆さんが、どんなものだったら見てみたいっていうのがあればですね、僕記者さんたちとトークする動画でもいいかなと思ったんです。取材している我々からすると、こんな声があるよと、先ほどあった一人一花運動の話も、恐らく私の認識と現場で捉えた認識は違っていて、それが記事になってこんなふうになっていた。ちょっと、これどういうことですかというのを、皆さんどう思いますみたいな、みんなこうやって、ちゃんと事実を頑張って伝えようとしているんだなというのを、わかるようなものが出したいなと、一方的に触れている話が非常に多いじゃないですか。
今、SNSもアルゴリズムで自分の都合のいいようなことばっかりで、最近私ギターの練習を始めたので、ギターの関連の動画をちょこちょこ見ていたら、どんどんギターのばっかり出てきて、政治関係の話はほとんど出てこなくなってしまったとか、これはよくないなと思っています。例えば、情報に触れるときに、こういう見方もあるけど、それとは別のこういう見方もあるよねというのを皆さんに知っていただくような、YouTubeチャンネルとしてそういうものができたらいいなと。よかったら一緒に出ませんか、実験でやってるんですけど、なかなかうまくいきませんね。編集をするのが上手な人が、誰かボランティアでやってくれないかなと思うのですが、なかなか難しいですよね。
ただ、動画に関しては、ショートの動画も含めて、今すごくスマートフォンが普及して、皆さん見られるのでこれは大きいんじゃないかなと思います。そういうものも活用して、今新聞社さんだって動画やSNSなど、どんどん活用されていますが、デジタルとの融合は非常に重要かなと思います。ちょっと、開設の目処はわからないです。できるだけ早い時期にやりたいなとは思っています。
【記者】先ほど、下水道の予算の話が出ていましたが、下水道の使用料などを値上げする自治体も出ています。熊本市はどのようにお考えか、お聞かせください。
【市長】今のところ、使用料金を上げる予定はございません。ただ、こうやって長期的にこれから更新を続けていかなければならないということで、当然、莫大な費用がかかってきます。その財源をどうやって求めるのか、国の補助であったり、予算措置がどのぐらいになるのかというのも非常に大きいですので、そういったものをしっかり捉えて、その上で総合的に判断していくことになるんじゃないかなと思います。
【記者】国の状況を見極めながら、将来的には使用料を上げるということでしょうか。
【市長】必ずしも上げることを前提にすることではなく、やはり料金は低いほうがいいに決まってますよね。ですので、できるだけ上げないで済むようにしたいと思っていますが、そういう将来のコストをどうやって皆さんに見ていただくのかということは、オープンな議論の中でやっていくべきです。ですので、仮にそういったことが必要になってくるとすれば、このぐらいの費用が将来的にかかるけれど、それを賄うお金がなかなかない。それを利用者にも、受益者の一定の負担として求めるかどうか、それが妥当かどうか、その幅がどうかということを、きちんと議会でご相談をしていく必要があります。
そういう意味では、丁寧なプロセスを経なければいけない。特に、値段に関しては、市民の生活を圧迫することでもありますので、そこは慎重に対応したいと思っています。
【記者】政治状況に関して、市長が掲げられたマニフェストがあると思います。今後精査されていかれると思うのですが、ご自身の感覚で、どのくらい達成できたと感じられているのかを教えてください。
【市長】3期目のマニフェスト120項目に関しては、まだ達成できてないこともいろいろとありますので、新年度の事業等々でどのくらい達成できるのかということは、少し考えたいと思います。今、私のマニフェストが、効果的にできているかどうかということに関して、市役所内部の事務局も含めて検証していますし、外部でも、青年会議所さんが、毎年ローカルマニフェスト型の検証部会をやられていて、22日に開催されますが、単に検証するだけではなく、去年から若者の提言ももらうという企画になっていますので、そういったことを踏まえてだと思っています。
私の感覚では、まだまだですね。ただ、できているものに関しては、6割ぐらいできているかなということで、青年会議所さんが評価したところ、70%ぐらいと出ていました。恐らく22日に検証結果が一定程度示されると思います。それは私というよりも、お手盛りにならないように、客観的に見ていただく方がいいのかなと思っています。