提案理由の説明に先立ちまして、御報告とお詫びを申し上げます。
まず初めに、十一月十八日に発生しました「大分市佐賀関の大規模火災」によりお亡くなりになられた方に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての皆様に心からお見舞い申し上げます。
先日、大分市の足立市長に直接電話で現地の被害状況をお伺いし、被災された皆様が一日でも早く元の生活に戻ることができるよう、本市はもとより、私が会長を務めます九州市長会としても、できる限りの支援を行っていくことをお伝えいたしました。
次に、お詫びを申し上げます。
去る七月、校内において、女子生徒に対してわいせつな行為を行った本市中学校の教諭を九月二十六日付で懲戒免職処分といたしました。
この事案を受け、すべてのこどもが安心して過ごせる社会を実現するため、速やかに庁内関係局からなる「こどもの性被害防止プロジェクトチーム」を設置し、性被害防止に資する取組を検討するよう指示したところです。
さらに、十月二十七日には経済観光局の職員が不同意わいせつで逮捕される事案が発生いたしました。
逮捕された職員につきましては、現在も警察による捜査が続いておりますが、今後、事実関係を確認したうえで、厳正に対処してまいります。
不祥事の根絶に向け全庁を挙げて取り組む中、このような事案が相次いで発生したことを大変重く受け止めており、改めて、全職員に対し、法令順守はもとより、常に全体の奉仕者としての強い自覚と緊張感をもって行動するよう指示したところです。
改めまして、議員各位をはじめ市民の皆様に御心配、御迷惑をおかけしておりますことに対し、深くお詫び申し上げます。
次に、熊本市電における決済手段の整備方針について、御報告申し上げます。
機器の更新に伴う決済手段につきましては、これまで、市民や利用者の皆様からのアンケートなどで御意見をいただき、各会議の委員や市議会の皆様と議論を重ねてまいりました。
その結果、本市では、現行ICカード決済機器の更新にあたり、市民や利用者の皆様にとっての利便性の向上と、コストの適正化を総合的に判断し、全国交通系ICカードが利用可能な機器に更新することといたしました。
今後も、熊本市民の安全性を最優先に、利便性の高い公共交通機関を目指し、様々な取組を進めてまいります。
それでは、提出議案について、説明に入らせていただきます。
今回の補正予算案は、令和七年八月豪雨災害への対応として、水没車両への支援等に対するニーズが高い状況や、サイレン吹鳴の遅延、排水機場等の機能停止等の課題に対する検証委員会からいただいた答申内容等を踏まえ、今後の災害への備えを強化するための経費のほか、人事委員会勧告を踏まえた給与改定に係る経費など、速やかに対応する必要があるものを計上しております。
また、来年度当初から業務を開始する施設の維持管理経費等について、今年度中に入札等の契約事務を実施するための債務負担行為を計上しております。
まず、補正予算案の概要について申し上げますと、一般会計において四十六億千七百七十九万円の増額、補正後の予算額四千三百十八億二千八百九十二万円、特別会計において八十一億千二百六万円の増額、補正後の予算額二千五百五十二億三千八百七十四万円、企業会計において四億三千四百七十三万円の増額、補正後の予算額九百十億七千七百四十四万円となり、全会計の合計では補正額百三十一億六千四百五十八万円、合計の補正後予算額は七千七百八十一億四千五百十万円となりました。
補正後の予算を前年同期と比較しますと、一般会計では五・七%の増、特別会計では四・二%の増、企業会計では五・四%の増、全会計の合計額では五・二%の増となっております。
主な内容について分野別に申し上げます。
まず、政策部門では、河川水位と連動したサイレン吹鳴の自動化に係るシステム更新等に要する経費を計上しております。
次に、文化市民部門では、漱石文化の振興施策と一体になった、民間事業者による夏目漱石ミュージアム設置への補助に要する経費を計上しております。
次に、健康福祉部門では、令和七年八月豪雨災害により浸水被害を受けた軽自動車等に対する軽自動車税相当額の給付に要する経費のほか、被災した世帯の住宅再建に対する助成に要する経費を計上しております。
次に、こども部門では、小学校に入学する新一年生への黄色い帽子の配布に要する経費を計上しております。
次に、都市建設部門では、建物への浸水被害を防止するための止水板の購入や設置費用の助成に要する経費を計上しております。
次に、教育部門では、富合小学校内で新たに受入拡大する児童育成クラブの初度備品購入等に要する経費を計上しております。
次に、交通部門では、熊本市電再生プロジェクトに関する専門家会議の運営に要する経費を計上しております。
以上が、補正予算の歳出の説明でございますが、これを賄う財源として、それぞれの歳出に見合う国・県支出金等の特定財源や市債を計上しますとともに、一般財源として繰越金を充当しております。
続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず「熊本市附属機関設置条例の一部改正」について御説明いたします。
これは、市長の附属機関として、「熊本市地下水保全条例見直し委員会」及び「熊本市有機フッ素化合物対策検討委員会」を設置するものであります。
次に、「熊本市証紙条例を廃止する条例の制定」についてでありますが、これは、証紙による収入の方法により徴収していた手数料について、市民の利便性の向上を図るため、証紙に代えて、キャッシュレス決済に対応したセルフレジによる収入の方法を導入することから、熊本市証紙条例を廃止するものであります。
なお、熊本市一般職の職員の給与に関する条例など、給与関係条例七件の一部改正につきましては、施行日の関係で先議をお願いしたいと考えております。
その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。
以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。