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令和8年第1回定例市議会 市長提案理由説明

最終更新日:
(ID:69308)

 提案理由の説明に先立ちまして、お詫びと御報告を申し上げます。

 去る十二月二十五日、セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント等を行った経済観光局の職員を懲戒免職処分といたしました。

不祥事の根絶に向け、全庁を挙げて取り組んでいる中、市政への信頼を大きく失墜させる事案が発生したことを大変重く受け止めており、改めて綱紀粛正の徹底を指示いたしました。

さらに、去る一月二十一日、軌道用信号が進行可能の表示を示していなかったにも関わらず、熊本市電の電車が交差点に侵入する事案が発生しました。

 市電再生プロジェクトを立ち上げ、再発防止策等に取り組む中、重大事故につながりかねないインシデントが発生したことに、議員各位をはじめ、市民の皆様に対し、深くお詫び申し上げます。

 引き続き、再発防止と市民の皆様からの信頼回復に全力で取り組むとともに、改めて乗務員教育を徹底するなど、皆様に安心して御利用いただける公共交通機関となるよう取り組んでまいります。

 次に、二点御報告を申し上げます。

まず、海外訪問について御報告いたします。

去る一月二十五日から二月二日にかけて、米国及びカナダを訪問いたしました。

一月二十八日から二十九日にかけては、全米市長会から招待を受け、米国・ワシントンDCで開催された「第九十四回冬季会議」の「国際関係常任委員会」にゲストスピーカーとして参加してまいりました。

全米市長会は、米国全土千四百以上の都市が加盟する日本の全国市長会に類似する組織であり、私が登壇したセッションでは、各都市が抱える諸課題について、幅広い視点から議論が行われました。

私からは、「協働と連携による強靱で持続可能なまちづくり」をテーマに、熊本地震から十年の復興の歩みや地域コミュニティの強化、地下水保全、半導体企業の熊本進出による地域経済の活性化など、具体的な事例を交えて本市の取組を紹介いたしました。

発表後には、多くの市長からお声掛けをいただき、熱心に御質問いただくなど、本市を強く印象付けることができたという確かな手ごたえを感じました。

また、一月二十六日には、カナダ・オタワの在カナダ日本国大使館において山野内特命全権大使と今後の海外展開に向けた意見交換を行うとともに、一月三十日には米国・ニューヨークにおいて国連日本政府代表部及び国連防災機関を訪問し、国連主催の防災に関する国際会議の誘致や、熊本地震十年関連事業の情報発信について、協力をお願いしてまいりました。

今回の一連の訪問を通じて、米国各都市、大使館や国連関係機関等とのネットワークを構築することができたと考えており、得られた知見や提案を、防災や国際交流、経済分野をはじめとした様々な政策に具体的に生かし、本市の更なる発展につなげてまいります。

 次に、学校給食費について御報告いたします。

学校給食費の無償化については、これまで、令和八年四月からの小中学校の給食無償化を目指し、庁内プロジェクトチームを立ち上げ、様々な検討を行うとともに、国に対しては、全国一律の制度を構築し、全額を国費で措置するよう要望してまいりました。

このような中、昨年末に示された国の制度設計において、地方財政支援の対象が公立小学校のみに限定されたことを受け、本市では、小学校の給食費を令和八年四月から完全無償化とすることといたしました。

一方、中学校につきましては、保護者負担額を据え置き、独自の無償化は実施しないものの、これまで行ってきた物価高騰支援策を継続することで、子育て世帯の負担軽減を図ってまいります。

学校給食は義務教育に紐づいた普遍的な制度であることから、中学校の給食費の無償化についても、義務教育課程に係る負担軽減の観点で、国が確実に措置すべきと考えており、国の財政支援の対象を中学校まで拡充するよう、引き続き全国市長会や指定都市市長会を通じて、国に対して強く要望してまいります。

 なお、体育館等への空調整備につきましては、近年の猛暑により熱中症のリスクが高まっていることを受け、中学校から先行して進めることとし、教育環境の安全確保に取り組んでまいります。

それでは、改めまして、令和八年度当初予算編成にあたっての考え方について、御説明いたします。

 令和八年度は、平成二十八年熊本地震から十年を迎える節目の年度となります。この十年間、議員各位をはじめ、多くの方々に支えられながら、復旧・復興に取り組んでまいりました。

改めて復興を支えてくださった皆様への感謝をお伝えし、本市の着実な復興の姿を広く発信するとともに、地震の記憶や教訓を次世代へ確実に伝承し、「安全・安心で、災害に強くしなやかなまち」の実現に向けて重要な一年であると考えております。

また、令和七年八月豪雨では、市内各地で甚大な被害が発生し、本市としましても発災直後から、被災者の生活再建に必要な支援を迅速に実施するなど、被災した方々に寄り添った対応を行ってまいりましたが、近年、激甚化・頻発化する自然災害の脅威を改めて痛感したところであります。

こうした経験と教訓を踏まえ、災害への備えと対応力を一層強化していくことが、今後の市政運営において極めて重要と考えております。

 そこで、令和八年度当初予算の編成につきましては、令和七年度のアクションプランにおける重点事項を発展させた「総合的なこども施策の推進」「交通渋滞の解消及び公共交通施策の加速化」「半導体関連企業の熊本進出に伴う諸課題への対応」に加え、熊本地震十年関連事業を含む「災害への備えと対応力の強化」に関する施策を新たな重点事項として設定し、重点的な予算配分を行うなど、徹底したビルド&スクラップを進めながら、国の経済対策を含む令和七年度二月補正予算と一体的に編成いたしました。

 それでは、「“結(ゆい)を力に、次の十年をつくる熊本”~つながりを結んで、ともに歩む未来へ~」をテーマに編成した令和八年度当初予算について、総合計画における八つのビジョンに沿って御説明いたします。

 まず、ビジョン一である「こどもが輝き、若者が希望を抱くまち」については、「すべてのこどもの健やかな成長と家庭の幸せへの支援」として、妊娠を希望される方が不妊治療において保険診療と併用して実施する先進医療費への助成や、子育て応援アプリ「くまっと」の電子クーポン活用による地域での子育て支援の促進と子育て世帯の経済的・精神的負担軽減を図るとともに、こどもの性被害の未然防止・早期発見を図る取組として、学校・公立保育園の出入口や児童福祉施設等へのカメラ設置、施設の巡回点検、研修等の関連事業を対策パッケージとして展開してまいります。

 また、「困難な状況にあるこどもや子育て家庭への支援」として、こどもの居場所支援事業において、新たに心理相談員を配置するなど、体制の強化を図るとともに、小児慢性特定疾病を有するこどもとその家族に対する相談体制の充実に取り組んでまいります。

さらに、「こどもを主体とした教育の推進」、「まちを支える人材の確保・育成」として、先ほど御報告しました小学校の給食費無償化等や小中学校の体育館等への空調整備に加え、ペーパーティーチャーによる教育現場の体験を通じた教職員人材確保を図る取組も進めてまいります。

次に、ビジョン二である「市民に愛され、世界に選ばれる、持続的な発展を実現するまち」については、「半導体関連産業等への新たな投資の後押しや中小企業等の振興」として、半導体関連企業の誘致強化や、地場企業の販路拡大支援のほか、スタートアップ等の成長段階に応じた伴走型支援や設立中のスタートアップ支援ファンドとの連携による熊本版スタートアップエコシステムの構築に向けて取り組んでまいります。

また、「世界を魅了する都市ブランド力の向上」、「交流人口拡大によるにぎわいの創出」として、新庁舎整備を契機としたまちづくりをはじめ、本年七月から導入する宿泊税を活用し、さらなる観光客誘致や効果的な観光情報の発信、戦略的なMICE誘致活動の推進に取り組んでまいります。

さらに、「活力と魅力に満ちた持続可能な農水産業の振興」として、農業の競争力強化や自然災害等に対応するために、農業者が主体的に実施する取組に対する支援に加え、本市の観光資源と農水産物のさらなる魅力発信のため、新たに開催する「熊本食の祭典」や、半導体関連企業の熊本進出を契機とした海外への販路拡大・プロモーションの支援に取り組んでまいります。

次に、ビジョン三である「市民生活を守る強くしなやかなまち」については、「防災・減災の推進」として、新庁舎整備については、積極的な情報発信やオープンハウス等を実施し、市民の皆様のご意見を踏まえながら、基本計画、そして基本設計を進めてまいります。

また、九州市長会防災部会等と連携した総合的な特別防災訓練を実施するとともに、大雨による浸水対策強化のための排水機場の機能強化や、内水ハザードマップの作成による適切な避難行動促進、土砂災害リスクの高いエリアからの居住誘導促進に取り組んでまいります。

また、「保健衛生体制の強化と医療提供体制の確保」として、災害時の医療提供体制確保のため、平時からの関係機関との連携強化や確実な通信手段等の確保を図るほか、近隣市町村の火葬場を使用する市民への管外使用料の助成に取り組みます。

さらに、「総合的な消防・救急体制の強化」として、消防行政におけるDXの推進や活動現場の環境改善等を通じて持続可能な消防体制の構築を図るとともに、近年の激甚化・頻発化する災害に対応するため、安心・安全で迅速な消防活動を支える資機材の充実等を図ってまいります。

次に、ビジョン四である「だれもが自分らしくいきいきと生活できるまち」については、「だれもが生きがいを持ち、お互いに支え合える社会の実現」として、高齢者の認知症予防や社会参加促進等を図るため、新たに補聴器の購入費助成を始めるほか、歩行訓練士の養成事業を通じて、視覚障がい者の方が安心して暮らせる環境の構築に取り組んでまいります。

また、「多文化共生の推進」として、在住外国人を対象として実施している従来の地域日本語教育に加え、熊本の生活に密着した中級レベルの日本語教育プログラムの開発・提供を行い、教育の質の向上を図るなど、外国人受入環境の充実に取り組んでまいります。

次に、ビジョン五である「豊かな環境を未来につなぐまち」については、「カーボンニュートラルの実現」として、市民や事業者による電気自動車、太陽光発電設備、省エネ機器等の導入に対する補助を行うとともに、再配達の減少につながる宅配ボックスの設置や置き配を促進することで、運輸部門の温室効果ガス排出削減に取り組んでまいります。

また、「生物多様性の保全と自然との共生」、「快適で安全・安心な生活環境の保全」として、本市で開催されるグローバルネイチャーポジティブサミットを契機に、個人・企業等がネイチャーポジティブを目指して連携できるよう、広報やサイドイベント等を実施することに加え、社会情勢が変化する中、将来にわたり地下水を保全していくため、「熊本市地下水保全条例」の見直しや、水田湛水、水源かん養林整備等の地下水かん養の推進、PFAS等の調査の拡充を含めた地下水及び公共用水域の水質監視強化に取り組んでまいります。

次に、ビジョン六である「すべての市民がより良い暮らしを営むまち」については、「地域コミュニティ活性化の推進」として、くまもとアプリの利用促進に向けて大型イベントでの広報や協賛企業との連携を実施し、ポイント等のインセンティブを付与するとともに、地域活動への参加を「見える化」することで、活動の活性化を図ってまいります。

 また、「人生一○○年時代を生きるための健康づくりの推進」として、各種がん検診の受診率向上に取り組むとともに、大腸がんへの対策として死亡抑制効果の高い全大腸内視鏡検査の無償実施人数を二千人に拡大するほか、脳卒中等を含む循環器疾患の予防対策の推進にも取り組んでまいります。

 また、「生涯にわたる学びやスポーツの推進」として、熊本市全体のスポーツ施設のあり方検討や藤崎台県営野球場の移転再整備への対応に取り組んでまいります。

 さらに、「文化芸術が持つ多様な価値の活用」として、令和九年の西南戦争百五十年に向けた企画展の開催や、関連する史跡の整備に取り組んでまいります。

 次に、ビジョン七である「安全で良好な都市基盤が整備されたまち」については、「持続可能で魅力的な都市づくり」として、誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通を実現するための官民連携した組織体制、いわゆる運輸連合の設立検討をはじめ、JR新水前寺駅の結節機能強化や、公共交通空白地域等におけるAIデマンドタクシーの運行エリア拡大など、公共交通の利便性向上に取り組んでまいります。

 あわせて、熊本西環状道路の砂原工区の早期開通に向けた整備推進や「一○分・二○分構想」の調査検討のほか、JR豊肥本線の輸送力強化を見据えた南熊本駅周辺のあり方検討など、都市基盤の整備を着実に進めてまいります。

 また、「豊かな住生活の実現」として、今後増加することが見込まれる空き家の発生抑制や利活用、適正管理等の促進に取り組んでまいります。

 次に、ビジョン八である「市民に信頼される市役所」については、「行政サービスの質の向上と持続可能な行財政運営の推進」として、本年一月に五つの区役所に導入した「書かない窓口」を着実に運用していくとともに、生成AIの積極的な利活用などDXをさらに推進することにより、業務の効率化と市民の皆様の利便性向上の両立に取り組んでまいります。

 また、将来を見据えた政策形成を支える組織としてEBPM推進センターを設置し、データ利活用の高度化・多角化により、エビデンスに基づく政策形成を推進してまいります。

 最後に、合併三町における新市基本計画につきましては、令和八年度におきましても、道路や農業基盤、上下水道などの都市基盤の整備に加え、義務教育施設の整備等に、総額約九十九億円の事業費を計上しており、各事業を着実に進めてまいります。

 令和八年度当初予算に関する説明は以上でありますが、予算の規模としましては、一般会計では四千三百七十八億四千万円、特別会計では二千五百三十一億七百八十万円、企業会計では九百六十億五千九百四十六万円となり、全会計の総計は七千八百七十億七百二十六万円となりました。

これを前年度当初予算と比較いたしますと、一般会計は四・四%の増、特別会計は二・五%の増、企業会計は六・四%の増となり、総計では四・〇%の増となりました。

続きまして、令和七年度の補正予算について御説明いたします。

 今回の補正予算は、昨年十二月十六日に可決成立しました国の補正予算に連動して対応する四十八億円を含む、総額約百四十二億円を計上しております。

 まず、「生活の安全保障・物価高への対応」については、追加交付された「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した、LPガス価格高騰の影響を受けた世帯及び事業者に対する支援や、社会福祉施設等の光熱水費等に対する支援経費などでございます。

 次に、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」については、農業者が行う高性能な機械・施設の導入等に対する支援経費などでございます。

このほか、国庫補助内示額の減や入札残などに伴う減額等に加え、決算見込みに伴う過不足調整等でございます。

続きまして、条例等の議案でありますが、主なものといたしまして、まず「熊本市長の給料の特例に関する条例の制定」について御説明いたします。

これは、熊本市特別職報酬等審議会の答申に基づき、今議会で、市長、副市長及び常勤監査委員の給料月額を増額する議案を上程いたしますが、そのうち私自身の給料については、市政を預かる最高責任者として、物価高騰などにより厳しさを増している市民生活を、ともに乗り切る覚悟を示すため、令和八年四月一日から同年十一月三十日まで、これを据え置く特例を定めるものであります。

次に、「熊本市学校給食費条例の一部改正」についてでありますが、これは、先ほど御報告しました学校給食費に関し、令和八年四月一日から、小学校及び特別支援学校の小学部の児童に係る給食費を無償化するため、所要の改正を行うものであります。

続きまして、補正予算に関する専決処分について御説明いたします。

 これは、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、令和七年度住民税非課税世帯等に対する一世帯当たり一万円の給付に要する経費として、一月二十一日に十二億七千万円、また、衆議院の解散に伴う衆議院議員総選挙に要する経費として、同月二十三日に二億千七百二十万円を専決処分したものであります。

この専決処分については、地方自治法第百七十九条第三項の規定に基づき市議会に報告するとともに承認を求めるものでございます。

 その他の議案につきましては、末尾に簡単な理由を付しておきましたので、説明を省かせていただきます。

 以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。


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