熊本市犯罪被害者等支援条例
犯罪被害に遭われた方やそのご家族、ご遺族(以下、「犯罪被害者等」といいます)は、命を奪われる、家族を失う、身体を傷つけられるといった目に見える被害に加え、精神的な被害を負うとともに、捜査や裁判過程における精神的負担、周囲の人々の誤解による中傷や噂、過剰な報道、などといった二次被害にも苦しんでいます。
そのような方々が、一日も早く再び平穏な生活を営むことができるよう、熊本市犯罪被害者等支援条例を制定しました。
◆条例の目的
犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援の基本となる事項を定め、当該支援のための施策を総合的かつ計画的に推進することにより、犯罪被害者等が受けた被害の軽減及び回復を図り、もって市民が安心して暮らすことができる地域社会を実現すること。
◆施行日
令和5年9月27日
◆基本理念
・全て犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。
・犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて、かつ、犯罪被害者等
が社会から孤立することのないよう配慮して行われなければならない。
・犯罪被害者等の支援は、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援を途切れることなく受けること
ができるように行われなければならない。
犯罪被害者等支援の取組み
近年、さまざまな犯罪や交通事故が跡を絶たず、被害に遭われた方やそのご家族、ご遺族は、これまで深刻な状況におかれてきました。このような現状を踏まえ、国では平成17年に「犯罪被害者等基本法」が施行され、それに基づき「犯罪被害者等基本計画」が策定されました。
熊本市ではこれまで、犯罪被害者等からの相談をふまえ、必要な支援につなぐ役割等を担ってきましたが、市民の皆様に最も身近な基礎自治体として、支援の充実が求められているところです。
そこで、令和4年度から外部委員会を設置し、犯罪被害者等支援も含めた本市の安全安心まちづくりの方向性について検討を進め、今般、「熊本市犯罪被害者等支援条例」を制定しました。犯罪被害に遭われた方やそのご家族、ご遺族が、一日も早く平穏な生活を取り戻すことができるよう今後も取り組んでいきます。