市販薬も危険?若者のオーバードーズが急増中
10代~20代の若年層を中心に、咳止め薬・風邪薬などの市販薬の濫用等のおそれのある医薬品の濫用が増加しています。
市販薬の不適切な使用により、健康を損なう事例が発生しており、嘔気嘔吐や腹痛等、意識障害や不穏興奮、イライラ等、不整脈等、ふるえや頭痛、耳鳴り、重い依存症につながる可能性もあり命に関わる場合もあります。
薬局やドラッグストアでは適正使用していただくために、くすりの販売のときに情報提供を行っています。大量服用すると健康被害のリスクが一気に高まります。薬の飲み方で困っていることがあったら、薬剤師や登録販売者の方に相談して、正しく使いましょう。
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一般用医薬品の乱用防止に関するポスターについて(厚生労働省) |
令和5年4月1日より「濫用等のおそれのある医薬品」の指定範囲が変更されました
令和5年2月8日付け薬生発0208第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知により、「濫用等のおそれのある医薬品」の指定範囲が変更されました。コデイン、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンについては鎮咳去痰薬に限る指定範囲でしたが、令和5年4月1日より、鎮咳去痰薬に限らず指定範囲となりましたので、ご留意ください。
令和5年4月1日以降の「濫用等のおそれのある医薬品」の指定範囲は次のとおりです。以下に掲げるもの、その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤
・エフェドリン
・コデイン
・ジヒドロコデイン
・ブロモバレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン
販売時の注意点
これらの成分を含む総合感冒薬等においても、不適切な使用を目的とした複数購入や用法・用量を超える多量服用等の実態が報告されていることから、このような濫用等を未然に防ぐことを目的に、「濫用等のおそれのある医薬品」は、販売する際に以下の事項を確認しその結果を踏まえ、原則として薬効分類ごとに1人1包装単位(1箱、1瓶等)を販売することが法令等で規定されています。(医薬品医療機器等法施行規則第15条2)
・氏名と年齢(若年者の販売時の場合等)
・他の店舗からの購入状況
・購入理由(適正使用のために必要な数量以上の購入希望時)
☆市販薬の乱用を防止し、みなさんの健康を守るため薬局やドラッグストアで若年者に濫用等のおそれのある医薬品を販売する際には、購入者の氏名を確認する等の義務があります。ご協力お願いします。
乱用の実態について 市販薬の依存患者が急増しています
☆医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の調査結果では、令和4年度1万人を上回り、女性が7割を占め10代~30代が急増しています。
※調査対象:熊本市消防局など全国の主要52消防本部
(参考:厚生労働省 第11回医薬品販売に関する検討会)
☆全国の精神科医療施設における薬物依存症の治療を受けた10代患者において市販薬を「主たる薬物」とする患者の割合が増加しています
2014年 0% → 2016年 25.0% → 2018年 41.2% → 2020年 56.4% →2022年 65.2%
若年層において、市販薬乱用が近年増加しており、市販薬の過量服薬による救急搬送が急増しています。
日本国内でも市販薬を濫用し、意識障害、横紋筋融解症、セロトニン症候群を発症した急性中毒症状や死亡例が報告されています。
(参考:国立精神・神経医療研究センター)
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