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行政情報
・予防接種歴の確認を行う
・渡航先の確認を行う
・麻しんまたは風しんと診断した場合には保健所へ届け出る※
・感染力の強さに鑑みた院内感染対策を実施する など
※臨床診断の段階、患者様の診察時や診察が終了する前にすぐに保健所へご一報ください。
また、麻しん及び風しんの検査診断にはPCR検査が有用です。行政検査が可能ですので、保健所へご相談ください。
保健所から患者様に学校等の調査を行うことがありますので、患者様へのご説明をお願いいたします。
厚生労働省 麻しん・風しん検査及び調査にご協力ください (PDF:510.6キロバイト)
国立感染症研究所ホームページ 医療機関での麻しん対応ガイドライン(第六版)(外部リンク)
国立感染症研究所ホームページ 麻しんQ&A(医療機関での麻しんの対応について)(外部リンク)
厚生労働省通知 ヨーロッパ地域における麻しん患者報告数の増加に伴う海外渡航者への注意喚起について
厚生労働省通知 「麻しんの広域的発生について(情報提供)」(平成28年8月24日付)(外部リンク)
厚生労働省ホームページ 「麻しん・風しん」(外部リンク)
国立感染症研究所ホームページ 「麻しんとは」(外部リンク)
麻しん(はしか)感染症届出数 2023年5月28日現在
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2023年
熊本市
1
0
熊本県
2
全国
462
35
165
186
279
744
10
海外からの帰国者・旅行者を診療し感染症が疑われる場合には、下記の目安を参考に保健所へ連絡をお願いたします。
ここには、海外で流行が見られるなど特に注意いただきたい感染症について記載しています。
載せている情報は過日のものです。
最新の海外での流行情報は下記のリンクをご確認ください。
「FORTH」厚生労働省検疫所ホームページ(外部リンク)
外務省 海外安全ホームページ(外部リンク)
それぞれの診断基準・報告基準に沿ったご報告をお願いいたします。
厚生労働省ホームページ 「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」について(外部リンク)
厚生労働省ホームページ 「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」について(外部リンク)
※原則として、特定感染症指定医療機関または第一種感染症指定医療機関にて診療します。流行地から帰国し、疑う症状のある方についての情報があった際は、受診前に最寄の保健所へご連絡ください。
疾患名
参考
アフリカ中央部~西部
コンゴ民主共和国
臨床的特長が認められ、過去1ヶ月以内の滞在歴が確認出来た場合。
[連絡の基準となる滞在歴]過去1ヶ月以内の滞在
[感染経路]コウモリや霊長類などが媒介している可能性が指摘されているが、自然界からヒトへの感染経路は依然不明。感染源になるのは、患者の血液、体液、排泄物、唾液などで、これらとの直接接触および医療機関や家族内での濃厚接触により感染が成立している。
[臨床的特長]潜伏期間は2~21日(平均約1週間)で、発症は突発的である。症状は発熱(ほぼ必発)、疼痛(頭痛、筋肉痛、胸痛、腹痛など)、無力症が多い。2~3日で急速に悪化し、死亡例では約1週間程度で死に至ることが多い。
[届出基準] エボラ出血熱(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] エボラ出血熱について(外部リンク)
[厚生労働省通知] 平成H27年10月2日付け
[厚生労働省検疫所FORTHホームページ] エボラウイルスについて(ファクトシート)(外部リンク)(医療関係者向)
[国立感染症研究所] エボラ出血熱とは(外部リンク)
[感染経路]ウイルスを保有したマダニに咬まれたり、感染動物(特にヒツジなどの家畜)と接触したりして感染する。患者との濃厚接触でも感染する。
[臨床的特長] 潜伏期間は2~9日。初期症状は特異的ではない。時に突発的に発生する。発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐がみられ、続いて咽頭痛、結膜炎、黄疸、羞明及び種々の知覚異常が現れる。点状出血が一般的にみられ、進行すると紫斑も生ずる。特に針を刺した部位から拡がる。重症化するとさらに全身出血、血管虚脱を来し、死亡例では消化管出血が著明である。肝・腎不全も出現することがある。血液と体液は感染力がきわめて強い。
[届出基準] クリミア・コンゴ出血熱 (外部リンク)
[厚生労働省通知] 平成29年6月22日付け
[国立感染症研究所] クリミア・コンゴ出血熱とは(外部リンク)
・アフリカ、アジア、アメリカ大陸の山岳地帯などを中心に発生がみられる
・3大流行地はマダガスカル、コンゴ民主共和国、ペルー
[感染経路]
腺ペスト:菌を保有するネズミなどのげっ歯類からノミを介して感染する。肺ペスト:咳などによる飛沫感染でヒトからヒトに伝播する。腺ペストから続発する場合もある。
[臨床的特長]
腺ペスト:腺ペスト(ヒトペストの80~90%を占める)潜伏期は2~7日。感染部のリンパ節が痛みとともに腫れる。菌は血流を介して全身のリンパ節、肝や脾でも繁殖し、多くは1週間くらいで死亡する。
肺ペスト:ペスト菌による気管支炎や肺炎を起こし、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の弛張熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示し、2~3日で死亡する。
[届出基準] ペスト(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] ペストについて(外部リンク)
[厚生労働省通知] 平成29年10月4日付け
[国立感染症研究所] ペストとは(外部リンク)
※原則として、第二種感染症指定医療機関にて診療します。流行地から帰国し、疑う症状のある方についての情報があった際は、受診前に最寄の保健所へご連絡ください。
中東呼吸器症候群
(MERS)
※対象地域;アラビア半島及び周辺諸国
渡航歴や感染経路、臨床的特長から当該患者と疑われる場合。
[連絡の基準となる滞在歴]
帰国後
14日以内
[感染経路]ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており、ヒトコブラクダとの濃厚接触が感染リスクであると考えられている。一方、家族間、感染対策が不十分な医療機関などにおける限定的なヒト-ヒト感染も報告されている。中東諸国を中心として発生がみられている。
[臨床的特長]潜伏期間は2~14日(中央値は5日程度)。無症状例から急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を来す重症例まである。典型的な病像は、発熱、咳嗽等から始まり、急速に肺炎を発症し、しばしば呼吸管理が必要となる。下痢などの消化器症状のほか、多臓器不全(特に腎不全)や敗血性ショックを伴う場合もある。高齢者及び糖尿病、腎不全などの基礎疾患を持つ者での重症化傾向がより高い。
[届出基準] 中東呼吸器症候群(MERS)(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] 中東呼吸器症候群(MERS)について(外部リンク)
[厚生労働省通知]平成29年7月7日付け
[国立感染症研究所ホームページ] MERSトップページ(外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] 中東呼吸器症候群(MERS)積極的疫学調査実施要綱 (外部リンク)
鳥インフルエンザ
(H7N9)
中国
38℃以上の発熱及び急性呼吸器症状があり、症状や所見、渡航歴、接触歴等から鳥インフルエンザA(H7N9)が疑われると判断した場合。
10日以内
鳥類(主に水禽類)ヒトは、 感染した家きんやその排泄物、死体、臓器など に濃厚に接触することによってまれに感染することがある。
[届出基準] 鳥インフルエンザ(H7N9)(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ ] 鳥インフルエンザ(H7N9)について(外部リンク)
[厚生労働省通知] 平成30年6月14日付け
[国立感染症研究所] インフルエンザA(H7N9)(外部リンク)
[検疫所(FORTH)海外感染症情報] 鳥インフルエンザ新着情報(外部リンク)
[検疫所(FORTH)海外感染症情報] 「鳥インフルエンザ(H7N9、H5N1)」(外部リンク)
※診断後、発生届にてご報告いただきます。
届出基準を満たす患者を診療した場合は、直ちに最寄りの保健所へご連絡ください。(発生届の提出前に、電話連絡をお願いいたします)
※診断のための行政検査を行う場合があります。検査内容や検体の種類については、直接検査施設へおたずねいただくか、最寄りの保健所へお問合せください。
対象国又は患者の発生のあっている
地域
保健所への連絡を行う際の
目安等
アフリカ(主に中心部)、中南米
流行地への渡航状況、予防接種の有無等疫学情報や症状等から黄熱を疑い、検査を必要とする場合。
[感染経路]ネッタイシマカなどにより媒介される。
[臨床的特長]潜伏期間は3~6日間で、発症は突然である。悪寒又は悪寒戦慄とともに高熱を出し、嘔吐、筋肉痛、出血(鼻出血、歯齦出血、黒色嘔吐、下血、子宮出血)、蛋白尿、比較的徐脈、黄疸等を来す。普通は7~8病日から治癒に向かうが、重症の場合には乏尿、心不全、肝性昏睡などで、5~10病日に約10%が死亡する。
[届出基準] 黄熱(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] 黄熱について(外部リンク)
[厚生労働省通知]平成29年5月1日付け
[国立感染症研究所] 黄熱とは(外部リンク)
[黄熱の予防接種について]WHOは黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を義務付けていない。流行地域へ渡航する場合も、生後9ヶ月以上の渡航者に対し黄熱の予防接種を受けることを推奨しています。※平成29年2月2日現在ブラジルにおいて151例の黄熱確定例と、708例の疑い例が5つの州から報告されています。
アフリカ地域、アメリカ地域、東地中海地域、東南アジア地域、西太平洋地域の熱帯・亜熱帯地域(日本でも発生例あり)
[厚生労働省検疫所ホームページ]
デング熱(外部リンク)
流行地への渡航状況、臨床症状や所見からデング熱が疑われる場合。
帰国後14日以内
[感染経路]ネッタイシマカ、ヒトスジシマカにより媒介される。
[臨床的特長]2~15日(多くは3~7日)の潜伏期の後に突然の高熱で発症する。頭痛、眼窩痛、顔面紅潮、結膜充血を伴う。発熱は2~7日間持続する(二峰性であることが多い)。初期症状に続いて全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈する。発症後3~4日後胸部、体幹からはじまる発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。
[届出基準] デング熱(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] デング熱について(外部リンク)
[厚生労働省通知]平成28年12月14日付け
[国立感染症研究所] デング熱とは(外部リンク)
ジカウイルス感染症
アフリカ、中南米、アジア太平洋地域(特に、近年は中南米等で流行)
[厚生労働省ホームページ]
ジカウイルス感染症の流行地域(外部リンク)
次の1~3にすべて該当し、かつ他の感染症又は病因によることが明らかでない場合
1.「発疹」又は「発熱(ほとんどの症例で38.5度以下との報告がある)」を認める
2.「関節痛」「関節炎」又は「結膜炎(非滲出性、充血)」のうち少なくとも1つ以上の症状を認める
3.流行地域の国から出国後2~13日以内に上記の症状を呈している
帰国後2~13日
性行為により男性から女性パートナーへ感染した事例が報告されている。
[臨床的症状]
・ジカウイルス病:一般的に2~12日(多くは2~7日)の潜伏期の後の発熱(多くは38.5度以下)、発疹等で発症する。感染者のうち、発症するのは約20%とされている。関節痛、結膜充血、頭痛、後眼窩部痛、筋痛、関節腫脹等を伴うことがあるが、大半の患者においては重症化することなく数日程度で回復する。疫学的にはギラン・バレー症候群との関連性が指摘されているが、因果関係は明らかでない。
・先天性ジカウイルス感染症:ジカウイルスに感染した母体から胎児への垂直感染により、小頭症や頭蓋内石灰化、その他の先天性障害を来す可能性があるとされている。
[届出基準] ジカウイルス感染症(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] ジカウィルス感染症について(外部リンク)
[厚生労働省検疫所FORTHホームページ]
ジカウイルス感染症について(ファクトシート)(外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] ジカウイルス感染症とは(外部リンク)
(SFTS)
当該症状が認められ、指定の検査方法により診断した場合。
14日以内にSFTS患者がこれまでに報告されている地域に居住または滞在歴がある。
疑い例では、報告されていない地域に居住、滞在歴でも、右記の臨床的特長を呈する場合。
[感染経路]主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染する。
[臨床的特長]潜伏期間は6~14日。発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。血液所見では、血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。致死率は10~30%程度である。
[届出基準]
[厚生労働省通知]平成29年7月24日付け
[国立感染症研究所] 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは(外部リンク)
[熊本市ホームページ] マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意しましょう(内部リンク)
[国立国際医療研究センター・国際感染症センター・国際感染症対策室]令和元年
これらは、まれな事例ではありますが、発症したネコやイヌの体液等からヒトが感染することも否定できません。
熊本市では重症熱性血小板減少症候群がH25年3月4日届出対象疾病となって以降R2年10月に初めて1件報告がありました。
熊本県ではH18~26年6件、H27年1件、H28年1件、H29年1件、H30年5件、R1年2件 R2年6件(熊本市の1件含む)(R2.12.13現在)の報告が出ています。(内5件死亡、別に感染症死亡疑い者の遺体からのウイルス検出が1件)[熊本市ホームページ] マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意しましょう(内部リンク)(熊本市)
※麻しんについては、臨床診断でも届出が可能です。診察時や診察が終了する前に、直ちにご連絡ください。
保健所への連絡を行う際の目安等
全域
流行地への渡航状況、臨床症状や所見から麻しんが疑われる場合。
帰国後12日以内
[感染経路]簡単に人から人に感染する(空気感染、飛沫感染、接触感染などの様々な経路で感染する)。
[臨床的特長]潜伏期は通常10~12日間であり、症状はカタル期(2~4日)には38℃前後の発熱、咳、鼻汁、くしゃみ、結膜充血、眼脂、羞明などであり、熱が下降した頃に頬粘膜にコプリック斑が出現する。発疹期(3~4日)には一度下降した発熱が再び高熱となり(39~40℃)、特有の発疹(小鮮紅色斑が暗紅色丘疹、それらが融合し網目状になる)が出現する。発疹は耳後部、頚部、顔、体幹、上肢、下肢の順に広がる。回復期(7~9日)には解熱し、発疹は消退し、色素沈着を残す。肺炎、中耳炎、クループ、脳炎を合併する場合がある。麻しんウイルスに感染後、数年から十数年以上経過してSSPE(亜急性硬化性全脳炎)を発症する場合がある。 なお、上記症状を十分満たさず、一部症状のみの麻しん(修飾麻しん)もみられることがある。これはワクチンによる免疫が低下してきた者に見られることが多い。
[届出基準] 麻しん(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] 麻しんについて(外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] 麻しんとは(外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] 麻疹対策・ガイドラインなど:⿇しん発⽣状況に関する注意喚起 (外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] 麻疹Q&A(医療機関での麻疹の対応について)(外部リンク)
流行状況や臨床症状、所見等から風しんが疑われる場合。
[感染経路]飛沫感染が主たる感染経路であるが、接触感染も起こりえる。
[臨床的特長]潜伏期は通常2~3週間であり、全身性の小紅斑や紅色丘疹、リンパ節腫脹(全身、特に頚部、後頭部、耳介後部)、発熱を三主徴とする。皮疹は3日程度で消退する。リンパ節腫脹は発疹出現数日前に出現し3~6週間で消退する。発熱は風しん患者の約半数にみられる程度である。カタル症状、眼球結膜の充血を伴うことがあり、成人では関節炎を伴うこともある。風しん患者の多くは軽症であるが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病を合併し入院を要することがある。 妊婦の風しんウイルス感染は、先天性風しん症候群の原因となることがある。
[届出基準] 風しん(外部リンク)
[厚生労働省ホームページ] 風しんについて(外部リンク)
[国立感染症研究所ホームページ] 風疹とは(外部リンク)