麻しん(はしか)に関する注意喚起
麻しん(はしか)は世界各地でみられますが、特に東南アジア、ヨーロッパ、アフリカで流行がみられます。
現在、国内では排除状態にありますが、海外で麻しん(はしか)に感染した人が帰国後発症する事例や、そこから地域的に流行する事例が報告されています。
茨城県・東京都における麻しん事例の状況
・ 令和5年4月27日、海外渡航歴のある茨城県内居住者が麻しんと診断されました。患者の行動や接触者について調査したところ、周囲へ感染させる可能性がある時期に、県外への公共交通機関を利用した移動や、不特定多数の人が集まる施設の利用歴が判明しました。
・ 当該患者と同じ交通機関を利用した者を中心に、東京都において麻しん
患者の発生が5月12 日の時点で2例報告され、接触者の調査を行っています。
・ 二次感染例が報告されていることから、今後、過去数年間、麻しんの報告
が見られなかった地域でも症例が発生する可能性があります。
◆茨城県「麻しん(はしか)患者の発生について」(令和5年4月28日)(外部リンク)
◆東京都「麻しん(はしか)患者の発生について」(令和5年5月12日)(外部リンク)
◆過去の事例としては
・2019年1月関西地方で麻しん患者数の増加がみられました。(終息しました。)
・2018年3月23日、沖縄県内を旅行中の台湾からの旅行客が麻しん(はしか)と診断され、以降、この患者(初発例)と接触歴のあった二次感染例を中心に、沖縄県内を中心として、麻しん(はしか)患者の発生が続いた事例がありました。(終息しました。)
初発例は、感染性のある期間中に広く沖縄県内を移動していたため、感染拡大へとつながりました。
麻しんは感染力が非常に強く、空気感染、飛沫感染などにより感染します。麻しんの予防には予防接種が有効です。流行地域へ行く際には、予防接種を検討されることをおすすめします。
流行地域などで麻しん患者と接触した可能性があり、発熱、風邪症状、皮疹等の麻しんを疑う症状が出た場合、帰国時は空港にある検疫所へ相談をしてください。
帰宅後は受診前に医療機関へ連絡し、指示に従ってください。
また受診の際は可能な限り自家用車等を使用し、公共交通機関の利用を避けてください。
受診の際は、
(1)流行地域での滞在歴
(2)麻しん含有ワクチンの接種歴(麻しん単独ワクチン、MR(麻しん風しん混合)ワクチンなど)
(3)麻しん罹患歴(過去にかかったことがあるかどうか)を確認し、麻しんにかかった可能性があることを伝えてください。
【参考】麻しん(はしか)ワクチン接種時期 ※学年ごとになります。
麻しん(はしか) | ワクチン接種状況 |
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1972(昭和47)年9月30日より前 | 接種していない可能性が高い ※1 |
1972(昭和47)年10月1日~1990(平成2)年4月1日 | 幼児期に1回接種 |
1990(平成2)年4月2日~2000(平成12)年4月1日 | 1回接種または2回接種 ※2 |
2000(平成12)年4月2日以降 | 2回接種 (生後12~24ヶ月に至るまでに1回、小学校就学前の1年間に1回) |
※1 「風しんの追加的対策」(内部リンク)の対象者(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性)の方でMRワクチンを接種された方は、1回接種済になります。
※2 この年代の方は、期間限定の特例措置で中学1年生または高校3年生の時にMRワクチンの追加接種を受ける機会がありました。
親子(母子)手帳がある人は確認を。任意接種希望の人はかかりつけ医に相談してください。
子どもの頃感染した記憶があっても、検査で感染確認以外は違う感染症の場合もあります。