ご注意いただきたいこと
蚊が媒介する感染症の中には、国内にはなく、海外で流行しているものもあります。
海外で感染し、帰国後発症する例も報告されています。海外の流行地域へ行くときや国内でも、以下のことに注意しましょう。
予防接種のない感染症もあります。蚊に刺されないように気をつけましょう。
・肌の露出を避け、裸足でのサンダル履きは避けましょう。厚手の長袖、長ズボンの着用が推奨されます。薄手の繊維の場合には服の上から吸血されることもあること、足首、首、手など小さな露出面でも吸血されることがあることも留意しましょう。
・虫よけ効果があるディートやイカリジン成分を含む蚊の忌避剤の利用も効果があります。2~3時間おきに塗布した方が効果的です。
注:記載された使用上の注意を守って使用してください。
・室内でも、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使いましょう。
国内で感染する感染症もあります。蚊の幼虫の発生源をなくしましょう。
・蚊は水のないところには発生しません。1週間に一度は、住宅周辺にある雨水の溜まった容器を逆さにして水をなくしましょう、人工の容器などに水がたまらないよう逆さに保管したり、雨に濡れない所に保管しましょう。
ジカウイルス感染症について(特に妊娠及び妊娠の可能性のある方はご注意ください
ジカウイルス感染症について(特に妊婦及び妊娠の可能性のある方はご注意ください)
ジカウイルス感染症とは
ジカウイルス感染症(4類感染症)は、ジカウイルスをもった蚊(ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ)が媒介することで感染する疾患です。
また、妊娠中にジカウイルスに感染すると、母体から胎児へ母子感染することにより、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあるため、特に妊婦及び妊娠の可能性のある方は注意が必要です。近年、ギラン・バレー症候群との関係も明らかとなりました。
症状
潜伏期間は約2~12日(多くは2~7日)です。軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などが主な症状です。 これらの症状は軽く、通常、2~7日間続き、予後は比較的良好です。感染しても、全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気づかないこともあります。
感染経路
ジカウイルス感染症に感染した患者から血を吸った蚊がヒトを吸血することで感染します(蚊媒介性)。基本的に、感染したヒトから他のヒトに直接感染するような病気ではありませんが、輸血や性行為によって感染する場合もあります。
妊娠中の女性が感染すると胎児に感染する可能性があります。
治療
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
予防と対策
ジカウイルス感染症に対する予防接種はありません。海外の流行地域にでかける際は、蚊に刺されないように注意しましょう。長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また蚊の忌避剤などの利用も効果があります。
また、妊婦及び妊娠の可能性がある方については、流行地への渡航を控えた方がよいとされています。やむを得ず渡航する場合は、主治医と相談の上で、厳密に蚊に刺されないようにする対策を講じることが必要です。
また、 性行為による男性から女性パートナーへの感染事例が少数例ではありますが報告されています。性行為感染及び母体から胎児への感染のリスクを考慮し、流行地域に滞在中は症状の有無にかかわらず、性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えること、流行地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず、少なくとも6ヶ月(※)、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際に、コンドームを使用するか性行為を控えましょう。
※ジカウイルス感染症を発症した男性の精液から、最長188日までジカウイルスが検出された研究報告があります。検出されたウイルスから感染能力は確認されていませんが、注意が必要です。
(WHO暫定ガイダンス(9月6日改訂)を踏まえた対応)
ジカウイルス感染症に関するQ&A
ジカウイルス感染症に関するQ&A
(外部リンク)(厚生労働省ホームページ)
ジカウイルス感染症の流行地域
(外部リンク)(厚生労働省ホームページ)

ジカウイルス感染症に関する情報提供について(自治体) (PDF:93.9キロバイト)(厚生労働省)
医療機関の皆さまへ
ジカウイルス感染症は感染症法の「4類感染症」に指定されています。医師が患者を診断した場合は、最寄りの保健所に直ちに届出が必要です。
ジカウイルス感染症の可能性が考えられる患者を診察した場合には、最寄りの保健所に連絡をお願いいたします。
ジカウイルス感染症 届出基準
(外部リンク)(厚生労働省ホームページ)

(別添)蚊媒介感染症の診療ガイドライン第5版 (PDF:2.16メガバイト)(国立感染症研究所)

改訂のポイント (PDF:94.7キロバイト)(国立感染症研究所)
【医療従事者の方へ】発生を疑う場合、保健所に連絡をいただきたい感染症(ジカウイルス感染症、麻しん、中東呼吸器症候群(MERS)など)
(内部リンク)(熊本市ホームページ)
感染症法に基づく医師の届出基準・様式集(医療機関向け)
(内部リンク)(熊本市ホームページ)
関連情報
ジカウイルス感染症について
(外部リンク)(厚生労働省ホームページ)
ジカウイルスとは
(外部リンク)(国立感染症研究所ホームページ)
渡航時におけるジカウイルス感染症への注意について
(外部リンク)(厚生労働省検疫所ホームページ)
蚊媒介感染症
(外部リンク)(一般社団法人日本感染症学会ホームページ)
海外安全ホームページ
(外部リンク)(外務省ホームページ)
Zika virus
(外部リンク)(WHO ホームページ)
Zika Virus
(外部リンク)(CDC ホームページ)
デング熱について
デング熱とは
デング熱(4類感染症)は、デングウイルスをもった蚊(ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ)が媒介することで感染する疾患です。発症した場合も一般に症状は1週間程度で回復すると言われていますが、2回目の感染では出血熱をおこし重症化しやすくなるため注意が必要です。
症状
潜伏期間は、約2~14日(多くは3~7日)です。急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。通常、発症後2~7日間で解熱し、発疹は解熱時期に 出現します。デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。
感染経路
デングウイルスに感染した患者から血を吸った蚊がヒトを吸血することで感染します(蚊媒介性)。ヒトからヒトに直接感染することはありません。
治療
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法となります。鎮痛解熱剤にはアセトアミノフェンを使用し、アスピリン系は避けて下さい。
予防と対策
デング熱に対する予防接種はありません。海外の流行地域にでかける際は、蚊に刺されないように注意しましょう。長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また蚊の忌避剤などの利用も効果があります。
流行地で蚊に刺されてから3~7日程度で高熱のほか、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られれば、デング熱の可能性もあります。また、デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療を行わなければ死に至ることがあります。そのため、受診の前に電話で渡航歴や症状を伝えた後、早めに医療機関を受診してください。
主な流行地域
熱帯・亜熱帯地域(アジア、オセアニア、アフリカ、中南米、中東)など。
日本でも輸入症例だけでなく国内発生例も報告されましたので、国内でも注意が必要です。
海外感染症発生情報 デング熱
(外部リンク)(厚生労働省検疫所FORTH)
日本国内の発生について
流行地域からの帰国者が現地で感染し、帰国後発症した輸入症例が、年間200例前後報告されています。
2014(平成26)年8月、約70年ぶりに、国内でデング熱に感染した症例が確認され、8月~10月に流行しました。
くわしくはデング熱の国内感染事例の発生状況について
(外部リンク)(厚生労働省)をご覧下さい。
2016年、2017年には、海外から帰国した方がデング出血熱を発症し、死亡する事例が発生しました。
(ヒトスジシマカは青森から南に生息していますが、ネッタイシマカは国内に生息していないと考えられています。ヒトスジシマカは、日中、屋外での活動性が高く、活動範囲は50~100メートル程度です。国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までです。蚊は冬を越えて生息できず、また卵を介してウイルスが次世代の蚊に伝わることも報告されたことがないため、限定された場所での一過性の感染と考えられます。)
医療機関の皆さまへ
デング熱は感染症法の「4類感染症」に指定されています。医師が患者を診断した場合は、最寄りの保健所に直ちに届出が必要です。
デング熱の可能性が考えられる患者を診察した場合には、最寄りの保健所に連絡をお願いいたします。
デング熱 届出基準
(外部リンク)(厚生労働省)

(別添)蚊媒介感染症の診療ガイドライン第5版 (PDF:2.16メガバイト)(国立感染症研究所)

改訂のポイント (PDF:94.7キロバイト)(国立感染症研究所)
【医療従事者の方へ】発生を疑う場合、保健所に連絡をいただきたい感染症(ジカウイルス感染症、麻しん、中東呼吸器症候群(MERS)など)
(内部リンク)(熊本市ホームページ)
感染症に基づく医師の届出基準・様式集(医療機関向け)
(内部リンク)(熊本市ホームページ)
その他の蚊媒介感染症
ウイルス疾患であるチクングニア熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。これらの感染症は主に熱帯、亜熱帯地域で流行しています。
日本においては日本脳炎以外の蚊媒介感染症は海外からの輸入感染症としてみられていますが、デング熱に関しては 2014 年に国内感染例が報告されました。
屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意してください。
日本脳炎は不活化ワクチンによる予防接種、マラリアは医師の処方による抗マラリア薬の予防内服が有効です。
厚生労働省のホームページのリンクです。調べたい感染症をクリックしてください。↓
ウエストナイル熱
(外部リンク)
黄熱
(外部リンク)
ジカウイルス感染症
(外部リンク)
チクングニア熱
(外部リンク)
デング熱
(外部リンク)
日本脳炎
(外部リンク)
国立感染症研究所ホームページ↓
マラリア
(外部リンク)