臓器移植のこと、知っていますか?
臓器移植は、臓器提供者の方々はもとより、広く社会の理解と支援があってはじめて成り立つ医療です。
臓器移植とは?
臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、他者の健康な臓器と取り替えて機能を回復させる医療です。
第三者の善意による臓器の提供がなければ成り立ちません。
日本で臓器の移植を希望して待機している方は、およそ16,000人です。それに対して移植を受けられる方は、年間およそ600人です。
臓器提供とは?
臓器提供は、脳死後あるいは心臓が停止した死後にできます。
2010年7月17日に改正臓器移植法が全面施行され、生前に書面で臓器を提供する意思を表示している場合に加え、ご本人の臓器提供の意思が不明な場合も、ご家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました。これにより、15歳未満の方からの脳死後の臓器提供も可能になりました。
脳死のこと、知っていますか?
脳の構造と役割(機能)
大きく以下の3つに分けられます。
・大脳:知覚、記憶、判断、運動の命令、感情などの高度な心の働きを司る。
・小脳:運動や姿勢の調節をする。
・脳幹:呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など生きていくために必要な働きを司る。
大脳、小脳のある程度の損傷は回復の可能性もありますが、脳幹はその機能を消失すると生命を維持することができなくなります。
脳死とは
出典:(公社)日本臓器移植ネットワーク
脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態です。
回復する可能性はなく元に戻ることはありません。
薬剤や人工呼吸器等によってしばらくは心臓を動かし続けることはできますが、やがて(多くは数日以内)心臓も停止します(心停止までに、長時間を要する例も報告されています)。
植物状態とは
脳幹の機能が残っていて、自ら呼吸できることが多く、回復する可能性もあります。
脳死と植物状態は、全く違うものです。
脳死と人の死について
世界各国の考え方はいろいろですが、日本では脳死での臓器提供を前提とした場合に限り「脳死は人の死」とされます。
意思表示について
臓器移植をすすめるためには、皆さんの臓器提供の意思確認から始まります。
「臓器を提供する」という意思だけでなく、「臓器を提供しない」という意思も表示できるようになっており、どちらの意思も尊重されます。
その意思表示は何度でも変更が可能です。
なお、提供する意思表示は民法上の遺言可能年齢である15歳以上が有効ですが、提供しない意思は何歳からでも有効です。
基本的に本人の意思が尊重されますが、家族の承諾がなければ臓器提供は行われません。
ご本人の意思が不明な場合でも、ご家族の承諾があれば臓器提供が可能ですが、日頃から臓器提供について家族で話し合い、意思を伝え合っておくことが大切です。
意思表示の方法
臓器提供の意思表示には、以下のような方法があります。
・マイナンバーカード・運転免許証の意思表示欄に記入する
・インターネットで意思登録サイトに登録する
・臓器提供意思表示カードに記入する
マイナンバーカード・運転免許証の意思表示欄への記入
マイナンバーカードや運転免許証の裏に意思表示欄があります。
身近に意思表示ができるようになっていますので、自分のマイナンバーカードや運転免許証の意思表示欄を確認してみましょう。
インターネットによる意思登録
意思表示カードが手元にない場合でも、日本臓器移植ネットワークのホームページからインターネットを通して臓器提供の意思が表示できます。
臓器提供意思表示カードへの記入
臓器提供意思表示カード付リーフレットが配布されています。必要事項を記入して携帯します。
日本臓器移植ネットワーク
臓器移植に関する詳しい情報は下記のサイトからご確認ください。
日本臓器移植ネットワーク
(外部リンク)