1970年代から1980年代にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明にとなりましたが、日本の当局による捜査や亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致であることが濃厚であることが明らかになりました。平成3年(1991年)以来、わが国は、機会あるごとに北朝鮮に対して拉致問題を提起してきましたが、北朝鮮側は頑なに否定しつづけました。しかし、平成14年(2002年)9月の日朝首脳会談においてようやく初めて拉致を認めるに至りました。
国際的にも関心が高まる中、国家間の協議は進められていますが、いまだ解決には至っておらず、わが国は北朝鮮に対し、すべての拉致被害者の安全確保とすみやかな帰国を要求しています。
政府が認定した拉致被害者のうち、松木 薫(まつき かおる)さんは熊本市出身です。ご家族は、薫さんの帰りを待ち続け、誕生日には街頭で署名活動をするなど早期救出を求める運動を続けています。
また、政府は認定している17名以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方々が存在しているとして、国内外からの情報収集や捜査・調査を続けています。