報道資料
9月26日に、熊本市内の医療機関から熊本市保健所に対して「マラリア発生届」が提出されました。患者は熊本市南区の40歳代の男性です。熊本市保健所の聞き取り調査の結果、感染地域は南西アジアと推定しています。 マラリアは、蚊に刺されることで感染するため、感染予防対策として蚊に刺されないようにすることが重要です。特に熱帯・亜熱帯地域に渡航予定の方は、長袖、長ズボンを着用し、定期的に虫除けスプレー等を使用し、蚊に刺されないよう注意してください。 |
1.患者に係る情報
40歳代、男性、熊本市南区
※熊本市の患者としては、令和6年(2024年)1月以降において初めての事例となります。
2.経過
9月17日まで南西アジアに滞在
9月18日 発熱(38℃台)の症状あり。南西アジアから日本に向け出国。
9月20日 入国。
9月21日 発熱継続のため、市内の医療機関Aを受診。解熱剤の処方あり。
9月26日 発熱、倦怠感、関節痛の症状あり。
医療機関Aの紹介により、市内の医療機関Bを受診。
医療機関Bにて検査を実施した結果、マラリアの陽性判明。
医療機関Bから市保健所へ発生届が提出される。その後、入院。
9月27~29日 医療機関Bにて抗マラリア薬の処方あり。
9月30日 症状軽快のため、退院。
※感染地域は、南西アジアと推定
3.患者の発生状況 ※令和6年(2024年)第1~38週(1月1日~9月22日)時点
全国 38件、熊本県 0件、熊本市 0件
4.【注意喚起】熱帯・亜熱帯地域に渡航される方へ
マラリア原虫を媒介するハマダラカは、主に夕暮れから明け方にかけて活動します。長袖・長ズボンを着用し、できる限り肌の露出を
少なくしましょう。また、定期的に虫除けスプレー等を使用し、蚊に刺されないよう注意してください。
5.マラリアについて
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。マラリアは、世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、
2022年12月に公表されたWHOの最新の世界マラリア報告によると、2021年の1年間に約2億4700万人が感染し、推計61万9,000人が
死亡しています。マラリア原虫を媒介するハマダラカは、日本国内にも生息していますが、蚊の生息地が自然豊かな場所(湿原、沼や水田)
であり、近年では、環境変化、一般家屋への網戸の普及、マラリア患者の多くが都市部に居住している等の状況から、国内感染の可能性は
低いと考えられています。潜伏期間は1週間から4週間ほどで、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。