標記の件につきまして、下記のとおりお知らせします。
1 概要
(1)探知
令和7年(2025年)5月15日(木)、熊本市内の医療機関から熊本市保健所に「5月15日(木)午後1時頃受診した患者からアニサキスを摘出した。」との連絡がありました。
(2)調査
調査の結果、患者は5月14日(水)に熊本市外の魚介類販売施設で購入したブロックの刺身用の真いわし及びきはだまぐろを、同日午後8時頃自宅にて調理し、家族4名で喫食しました。その後、患者は翌5月15日(木)午前1時頃から胃の不快感・吐き気の症状を発症し、同日、熊本市内の医療機関を受診。診察の結果、患者の胃内からアニサキスが摘出されたことが判明しました。
(3)断定
患者を診察した医療機関の医師からアニサキスによる食中毒の届出があったこと、患者の胃からアニサキスが摘出されたこと、患者の症状がアニサキスによるものと一致すること、患者は自宅で調理した刺身以外に生の魚介類を喫食していないことから、この自宅で調理した刺身用の真いわし又はきはだまぐろを原因とするアニサキスによる食中毒と断定しました。
2 有症者の状況
(1)発症日時 令和7年5月15日(木)午前1時頃
(2)主な症状 胃の不快感、吐き気
(3)喫食者数 4名(同居家族)
(4)有症者数 1名(男性、年齢40代)患者の症状は回復しています。
3 原因食品 5月14日(水)に自宅で調理した刺身用の真いわし又はきはだまぐろ
4 病因物質 アニサキス
《アニサキス食中毒の予防法について》
アニサキスは、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生する約2~3cmで白色の少し太い糸状の寄生虫です。通常、魚介類の内臓に寄生しているアニサキスですが、寄生している魚が死亡し、時間が経過すると内臓から身の部分に移動することが知られています。
アニサキス幼虫が寄生する生鮮魚介類を食べた後、数時間から十数時間後に、激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐などを生じます。その他、アニサキス幼虫が胃壁等に刺入しない場合でも、アニサキスが抗原となり、蕁麻疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状を示す場合もあります。なお、アニサキス幼虫は一般的な料理に使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても死にません。
●まずは、鮮度を徹底!目視で確認!
・新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く。
・魚の内臓を生で食べない。
・目視で確認して、アニサキス幼虫を除去する。
●さらに、冷凍・加熱が有効!
・冷凍する。(-20℃で24時間以上)
・加熱する。(70℃以上、または60℃なら1分)