◆「戦後80年人権啓発講演会」のお知らせ
今年は戦後80年を迎える節目の年です。戦争の悲惨さと平和の尊さについて改めて考えてみませんか?
■第1部
必由館高校生徒による平和に関する探究の発表
■第2部:講演会
講 師:ノンフィクション作家
梯 久美子(かけはし くみこ)さん
テーマ:「戦争とアンパンマン
~やなせたかしからのメッセージ~」
趣旨
21世紀になって四半世紀を過ぎようとしているいまも、日本に、世界に、おなかをすかせたこどもたちがいます。そのみんなを助けたいという思いが、アンパンマンには込められています。自分の顔を食べさせるアンパンマンは、若い兵士として戦争を体験し、飢えに苦しんだやなせたかしの経験から生まれました。人権をおびやかし、生命さえ奪うのが戦争です。戦後80年の今年、アンパンマンを通して、平和の大切さを考えてみませんか。
講師プロフィール
熊本市生まれ。2005年のデビュー作『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。著書に『昭和二十年夏、僕は兵士だった』、『昭和の遺書 55人の魂の記録』、『百年の手紙 日本人が遺したことば』、『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』、『原民喜 死と愛と孤独の肖像』、『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』、『この父ありて 娘たちの歳月』、『戦争ミュージアム-記憶の回路をつなぐ』、『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』などがある。
■その他、ジョー・オダネル(米従軍カメラマン)写真展(「焼き場に立つ少年」など)を開催
※写真展は8月20日(水)12時00分~22日(金)18時00分まで熊本城ホールエントランスロビーで開催します。
※写真展の見学は申込不要。
開催日:令和7年(2025年)8月20日(水)
時 間:【開場】13時00分
【開演】13時30分~15時00分(予定)
会 場:熊本城ホール 2階 シビックホール
(中央区桜町3番40号)
※会場に駐車場はありません。公共交通機関または周辺の駐車場をご利用ください。
※申込は終了しました。
開催報告
平和や人権について考える「戦後80年人権啓発講演会」が、8月20日(水)に熊本城ホールで開かれ、当日は約550名の皆様にご聴講いただきました。
第1部では、熊本市立必由館高校の生徒による、平和をテーマにした探究活動の発表が行われました。
広島市の平和記念式典や全国平和学習の集いに参加するにあたり事前に調査した熊本の戦争被害の状況や、広島での体験も含めて活動内容を発表いただきました。これらの経験を通じて、記録や記憶の重要性を学び、次世代へ伝えていくことが「価値のある平和の継承」であると考え、自分たちの言葉で平和の大切さを伝えたいという思いを語られました。
第2部では、ノンフィクション作家・梯久美子さんが「戦争とアンパンマン〜やなせたかしからのメッセージ〜」と題して講演されました。アンパンマンはやなせさんの戦争体験から誕生したことや、作品には「本当の正義とは自己犠牲を伴うもの」というメッセージが込められていることなどが語られました。講演の最後には、「戦争に正義はなく、『生きる』という人権の最たるものを守るには戦争のない社会が必要だ」との言葉で締めくくられました。
講演後のアンケートでは、「若者が自分の言葉で未来への思いを語っていて心に残った」、「戦争と人権について改めて考える機会になった」といった感想が寄せられました。
また、同時開催をしました「ジョー・オダネル写真展」も、多くの方にご見学いただきました。