7月1日に熊本県内最大の食品流通拠点である熊本地方卸売市場(通称「田崎市場」)において、夏期食品一斉取締りを実施いたしましたので、その結果を報告します。熊本市保健所の食品衛生監視員など13名で54施設の立ち入り検査を行い、6件の違反を発見し、改善指導を行いました。詳細は下記の通りです。
1 実施日時 令和7年(2025年)7月1日(火)午前7時~8時
2 場所 熊本地方卸売市場(熊本市西区田崎町484)
3 出席者13名
内訳(1)熊本市職員 11名(熊本市保健所 食品衛生監視員:9名、消費者センター:2名)
(2)食品衛生指導員 2名(熊本市食品衛生協会)
4 施設及び食品の監視状況
(1)食品関係営業施設 54施設
内訳 飲食店営業 2施設、魚介類販売業 34施設、魚介類競り売り営業 2施設、魚肉練り製品製造業 1施設、食肉販売業 1施設、
そうざい製造業 2施設、届出業 12施設
(2)食品の延べ検査数 2,360検体
5 違反内容及び措置状況 6 件*
(参考)昨年の違反件数16件(内訳:保存基準違反7件、表示基準違反9件)
6 食品衛生に関する啓発事項
◎食中毒予防三原則について
「清潔(つけない)」
(1)調理前と用便後の手洗いの徹底。(石鹸をよく泡立てて2度洗い)
(2)まな板、包丁等の調理器具は原材料用、調理済み食品用に区別する。
(3)肉や魚介類の飛まつによる汚染を防ぐ。
(4)生で食べる食品や調理済み食品には素手で触らない。
(5)下痢や嘔吐などの症状がある時は、調理に従事しない。
「迅速又は冷却(増やさない)」
(1)食品の冷蔵保管の目安は10℃以下、刺身等の魚介類は4℃以下。
(2)購入した食品はできるだけ早く食べる。すぐに食べない場合は冷蔵庫などで適切に保管する。
(3)冷凍した食品の解凍は冷蔵庫で。(自然解凍は菌の増殖のもと)
(4)冷蔵庫・冷凍庫の詰めすぎに注意。(7割までとする)
「加熱(やっつける)」
(1)食品の中心部まで十分加熱。(75℃以上1分間以上、ノロウイルスに汚染している可能性がある食品は、85~90℃以上90秒間以上)
(2)使用後のまな板、布巾、タワシなど器具類は、熱湯や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使用して殺菌。
◎カンピロバクター食中毒予防について
昨年は、熊本市内の飲食店でカンピロバクターによる食中毒が2件発生しました。これらは鶏肉の生食や加熱不足が原因でした。食肉を生で食べることは危険です。食品、特に食肉は十分な加熱をして食べましょう。また、調理中に生肉に触れた後はよく手を洗いましょう。
◎病原大腸菌による食中毒予防について
夏場は腸管出血性大腸菌などの病原大腸菌による食中毒が発生しやすい時期です。病原大腸菌は十分に加熱すれば死滅します。焼肉やバーベキュー等、自分で肉を焼いて食べる場合も、十分加熱し、生焼けのまま食べないようにしましょう。また、生肉に触れた箸やトングなどで焼けた肉やサラダなどに触れないようにしましょう。若齢者、高齢者、抵抗力が弱い方は、重症化することがありますので、特に注意してください。
◎寄生虫による食中毒予防について
寄生虫を原因とする食中毒が、昨年は2件発生しました。今年に入ってからも、すでに2件の食中毒が発生しています。寄生虫による食中毒を防ぐためには、食品を十分に加熱または冷凍することが有効であると言われています。
(1)寄生虫(アニサキス)による食中毒予防として、未調理の魚を購入した場合は速やかに内臓を除去して冷蔵で保管し、刺身や酢じめで食べるときはよく見て確認し、寄生虫を除去すること。
(2)寄生虫(サルコシスティスフェアリー)による食中毒予防として、馬刺しは適切な冷凍処理が行われているものを購入すること。