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令和7年(2025年)11月6日に、熊本市内の医療機関から熊本市保健所に対して「日本紅斑熱発生届」が提出されました。患者は熊本市在住の70歳代の女性です。熊本市在住の患者としては、令和7年(2025年)においては初めての事例となります。 この感染症は、病原体(リケッチア)を保有するマダニに咬まれることで感染するため、予防対策としてマダニに咬まれないようにすることが重要です。
1.患者に係る情報
70歳代、女性、熊本市在住
2.経過
10月26日 畑で除草作業を行う。
10月30日 右膝裏の痛みあり。
11月1日 発熱(39.5℃)あり。
11月3日 発疹が出現。
11月4日 医療機関Aを受診するも症状改善せず、解熱なく、悪寒、ふらつきもあった為、夜間に医療機関Bを受診、入院。
11月5日 医療機関Bから熊本市保健所へ日本紅斑熱の疑い患者として検査依頼。
11月6日 熊本市環境総合センターにてPCR検査を実施、日本紅斑熱陽性判明。医療機関Bから熊本市保健所へ発生届提出あり。
3.日本紅斑熱発生届出状況
令和7年(2025年)第1~44週(1月1日~11月2日)時点
全国 620件、熊本県 22件、熊本市 5件
※発生届は医療機関が所在する管轄の保健所に提出されます。上記熊本市5件は全て市外在住者でした。
4.日本紅斑熱について
日本紅斑熱は、病原体(リケッチア)を保有するマダニに咬まれることで感染します。
潜伏期間は2~8日、発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、倦怠感、頭痛を伴います。マダニは、衣類や寝具に発生するヒョウダニなどの家庭内に生息するダニと異なり、主に森林や草地に生息、全国的に分布しています。
5.ダニ媒介性疾患の予防対策
・今回確認された日本紅斑熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)はダニ媒介性疾患です。
・ダニ媒介性疾患の感染予防対策としては、ダニに咬まれないようにすることが重要であり、以下の点に注意して下さい。
(1)森林や草地などマダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴などを着用し、肌の露出を少なくすること。虫よけスプレーも有効です。
(2)屋外活動後はマダニに咬まれていないか確認してください。
(3)吸血中のマダニに気がついた場合、マダニに咬まれた後に発熱等の症状があった場合は、医療機関を受診してください。
(4)動物にもマダニが付いていることがあるので注意が必要です。