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本日(12月1日)熊本県内最大の食品流通拠点である熊本地方卸売市場(通称「田崎市場」)において、年末食品一斉取締りを実施いたしましたので、その結果を報告します。熊本市保健所の食品衛生監視員など13名で51施設の立ち入り検査を行い、23件の違反を発見し、改善指導を行いました。詳細は下記のとおりです。
これからノロウイルスによる食中毒が起きやすい季節になります。トイレの後や調理・盛り付け前、そして食事の前には、よく泡立てた石鹸で十分な手洗いを心掛けましょう。
1 実施日時 令和7年(2025年)12月1日(月)午前7時~8時
2 場所 熊本地方卸売市場(熊本市西区田崎町484)
3 出席者13名
内訳
(1)熊本市職員 11名(熊本市保健所 食品衛生監視員:9名、消費者センター:2名)
(2)食品衛生指導員 2名(熊本市食品衛生協会)
4 施設及び食品の監視状況
(1)食品関係営業施設 51施設
内訳
飲食店営業 4施設、魚介類販売業 35施設、食肉販売業 1施設、そうざい製造業 1施設、届出業 10施設
食品営業車 1台
内訳
魚介類販売業 1台
(2)食品の延べ検査数 1,660検体
5 違反内容及び措置状況 23 件(参考)昨年の違反件数34件(内訳:表示基準違反34件)
6 食品衛生に関する啓発事項
◎食中毒予防三原則について
「清潔(つけない)」
(1)調理前と用便後の手洗いの徹底。(石鹸をよく泡立てて2度洗い)
(2)まな板、包丁等の調理器具は原材料用、調理済み食品用に区別する。
(3)肉や魚介類の飛まつによる汚染を防ぐ。
(4)生で食べる食品や調理済み食品には素手で触らない。
(5)下痢や嘔吐などの症状がある時は、調理に従事しない。
「迅速又は冷却(増やさない)」
(1)食品の冷蔵保管の目安は10℃以下、刺身等の魚介類は4℃以下。
(2)購入した食品はできるだけ早く食べる。すぐに食べない場合は冷蔵庫などで適切に保管する。
(3)冷凍した食品の解凍は冷蔵庫で。(自然解凍は菌の増殖のもと)
(4)冷蔵庫・冷凍庫の詰めすぎに注意。(7割までとする)
「加熱(やっつける)」
(1)食品の中心部まで十分加熱。(75℃以上1分間以上、ノロウイルスに汚染している可能性がある食品は、85~90℃以上90秒間以上)使用後のまな板、布巾、タワシなど器具類は、熱湯や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使用して殺菌。特に、ノロウイルス食中毒予防対策としては、「清潔(ウイルスをつけない)」と「加熱(ウイルスをやっつける)」が重要である。
◎寄生虫による食中毒予防について
全国的にアニサキスによる食中毒事例が多数確認されている。熊本市においては、昨年、飲食店で1件の食中毒が発生した。アニサキス以外にもヒラメに寄生するクドア・セプテンプンクタータ、ウマに寄生するサルコシスティス・フェアリーなどの寄生虫が知られており、これらの寄生虫による食中毒を防ぐためには、食品を十分に加熱または冷凍することが有効である。
(1)アニサキスによる食中毒予防:生食用と加熱調理用の表示を確認する。丸ごと1匹購入する際は新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く。内臓を生で食べない。目視で確認してアニサキス幼虫を除去する。食酢での処理、塩漬け、しょうゆやワサビを付けてもアニサキス幼虫は死滅しない。
(2)サルコシスティス・フェアリーによる食中毒予防:馬刺しは適切な冷凍処理が行われているものを購入する。
◎フグの素人調理の危険性について
(1) フグの調理には、非常に専門的な知識や技術が必要であり、適切な取扱いがなされずに喫食された場合、ヒトの健康に極めて重大な危害を及ぼす恐れがある。営業施設では県知事が実施する試験に合格した者しかフグの処理はできない。
(2) 自分で釣ったフグや譲り受けたフグが原因で重症事例や死亡事例が発生している。釣ったフグの素人調理は絶対に行わず、フグを取り扱う資格を持つ者に依頼するか、依頼できない場合は食べないこと。人にも譲らないこと。