農業集落排水施設の今後について地域説明会を実施しました
地域説明会での説明概要 熊本市の汚水は、3つの事業(公共下水道・農業集落排水・合併浄化槽)で処理されており、このうち市内にある4つの農業集落排水施設は、農水局で管理・運営しています。 農水局では、農業集落排水施設の健全な運営に向けて検討を行ってきましたが、将来的には、さまざまな課題があることから、令和元年(2019年)10月から11月にかけて関係集落を対象に「農業集落排水施設の今後」について説明会を実施しました。 説明概要は次の(1)~(5)のとおりです(詳細については、地域説明会における資料をご覧下さい)。 (1)農業集落排水施設の現状 農業集落排水施設は、整備されてから20年程度経過したため、電気・機械設備の老朽化が進み、施設の大規模な改修が必要となっており、また人口減少等による使用料金の減収など、経営状況の悪化が懸念されています。 汚水処理施設を長期的に運営していくためには、施設の適正な管理を計画的に行うことや、雨水混入などの不明水対策、維持管理費の削減対策のほか、接続率向上のための啓発活動を行っていく必要があります。 なお、不明水対策に関する調査については、本年度から着手しました。 (2)公共下水道への接続検討 施設の適正管理のための計画として、今後40年間の農業集落施設の保全整備費用を算出し、その他の対策として隣接する公共下水道への接続及び運営に関する費用を算出しました。 その結果、公共下水道へ接続し、排水処理場を統廃合することが経済的にも効果的であると判断され、また、事務の一元化による運営の効率的にもつながることから、公共下水道への接続及び事業移管について検討を行うとともに、上下水道局と協議を実施しています。 これまで、農業集落排水施設を公共下水道施設に接続するため、接続ルート、マンホールポンプの設置位置などについて検討を進めてきましたが、接続管の大きさやポンプ容量を決定していくためには、「排水処理予定区域」を設定する必要があります。 (3)排水処理予定区域(案)の設定について 排水処理予定区域(案)の設定の考え方を説明し、参加者と排水処理予定区域(案)の確認を行いました。 なお、「排水処理予定区域(案)の設定の考え方」については、排水処理予定区域(案)のページに記載しています。(左側メニューから選択) (4)区域設定に伴う影響について 排水処理予定区域においては、農業集落排水施設の利用状況に応じて次のような影響があります。 ア | 現在、農業集落排水施設をご利用中の方(休止を含む)は、公共下水道事業への移管に伴う影響はありません。 | イ | 農業集落排水施設を利用されていない方(公共桝を設置済みで未接続の方、公共桝未設置の方)は、次の1)~3)の影響が発生します。 1)受益者負担金が発生します 公共桝を設置されていない方については、公共桝を設置される際に費用負担が必要となります。敷地面積(平方メートル)に200円を乗じた負担金が必要となります。 2)接続義務が発生します 公共桝をすでに設置済みで、農業集落排水施設に未接続の方について、供用開始の公告後に接続義務が発生します。 現在、汲み取り槽をご利用の方は、供用開始の公告後3年以内に接続をお願いします。 現在、浄化槽(単独・合併)をご利用の方は、供用開始の公告後6か月以内に接続をお願いします。 3)使用料金が発生します 使用を開始されると使用料金が発生します。(料金の算定は下水道使用料金と同じです) |
なお、説明会において出された質問については、「地域説明会での主な質問と回答」を参照願います。 その他、影響に関してご質問がありましたら、お問い合わせ下さい。(左側メニューの「お問い合わせ先」を参照ください) (5)調査等への協力のお願い 施設を適切に維持管理するためには、各種台帳の整備を行うとともに、雨天時に流入する不明水を遮断するための調査等を行う必要があります。 各種調査では、道路の交通規制を行うほか、公共桝の位置・深さ測定のため、設置個所である敷地内に一時的に立ち入る必要があります。調査の実施にあたっては、地域への回覧板や必要に応じてチラシ等による周知を行います。また、調査員は市が発行する身分証を携帯します。 ご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いします。 地域説明会での主な質問と回答地域説明会での主な質問と回答は次のとおりです。 (1)主な質問事項と質問に対する回答
質問・要望内容
( )内数字は同様内容の質問数 | 回答内容 |
1 | 管路の延長はできないのか。(1) | 新たな管路は整備(延長)しない方針です。 |
2 | 将来、家を建てる可能性があるので、農地を下水道区域へ含められないか。(5) | 現時点で汚水の発生がない箇所を下水道区域にすることはできません。
ただし、家を設計中や建築中などの具体的な事例がある場合は検討しますので、ご相談下さい。 |
3 | 今回区域に含まれない場合は、下水道へ接続することはできないのか。(2) | 区域外で将来家を建てる場合、発生する汚水量が、管きょや処理場の能力に影響がないかを確認し、能力に余裕があれば下水道に接続することは可能です。
ただし、この場合、公共桝から下水道本管までの接続費用は個人での対応(負担)となります。 |
4 | 下水道移管は決定事項か。現状ではだめなのか。(2) | 既存の施設をそのまま利用する場合と公共下水道へ接続した場合の費用を比較したところ、公共下水道へ接続した方が経済的であったため、公共下水道への接続について検討しています。 |
5 | 公共下水道への接続費用はどこから出るのか。個人負担はあるのか。(2) | 個人負担は発生しません。移管に伴う公共下水道への接続工事は、国庫補助金等を活用する予定です。 |
6 | いつ移管が行われるのか。
移管による影響はいつから発生するのか。(1) | 接続工事や不明水対策等の課題を整理した後に移管となり、現時点では令和6年度の移管を目標としています。
移管による影響については、令和6年度以降に発生する予定です。 影響があるのは、設定区域内で汚水の発生がある建物で、移管後も未接続の方となります。 (現在利用中の方及び、移管までに接続される方には影響ありません) |
7 | 移管に伴い、利用料金の変更はあるのか。(2) | 農業集落排水施設の利用料金は下水道使用料金と同一であり、移管による利用料金の変更はありません。 |
8 | 受益者負担金(加入料金)の算出について、雨水排水ではなく汚水排水であるのに、土地の面積によって算出されるのは納得できない。(2) | 家屋の大きさや居住人数は変わることが予想されますが、一方で土地の面積については、登記により客観性を担保することができます。
このため、利用価値の増加は、土地の面積を基準にすることが最も公平であることから、受益者負担金(加入料金)は土地の面積で算出することとしています。 ※上下水道局と同様の取り扱いです。 |
9 | 農集を利用していたが、地震により移転することになった。この場合も受益者負担金(加入料金)は支払わなければならないか。 | 受益者負担金(加入料金)は、「土地」に対し一度限り負担していただくものです。移転された場合、移転先が賦課済み地であれば再度賦課することはありませんが、未賦課地であれば受益者負担金(加入料金)の支払いは必要です。 ※上下水道局と同様の取り扱いです。 |
10 | 不明水調査の結果はどうだったのか。(4) | 本年度(2019年度)は、流量調査、誤接続調査、マンホール調査の3つの不明水調査を実施しました。 流量調査の結果、地下浸入水より地表面浸入水の影響が大きいことが判明しました。また、不明水の流入エリアを絞り込むことができました。 誤接続調査の結果、間違った配管をされた世帯(誤接続世帯)は少なく、誤接続が不明水の主な原因ではないことが判明しました。 マンホール調査の結果、マンホールの破損等は少なく、地表面水や地下水の侵入はごくわずかであることが判明しました。 本年度実施した不明水調査では、原因の特定には至りませんでしたが、不明水流入エリアが絞り込めたことから、今後も不明水の原因特定のために、詳細調査を実施する予定です。
また、今回調査で誤接続が確認された世帯や、宅地内の桝に不具合(蓋のない桝・破損している桝)が確認された世帯について、個別に修理等の依頼を行います。 |
11 | 下水道区域に含められると接続が義務になるとのことだが、合併浄化槽から下水道へ切替えは必要か。(3) | 接続には個人負担が伴うため、浄化槽の更新、建物の建替えの際に切替えをお願いします。地域環境の保全、施設の維持管理のための財源確保のためにも、ぜひ接続をお願いします。 今後、未接続の世帯に対して、職員が接続のお願いに伺いますので、ご検討をよろしくお願いします。 | (2)その他、参加者からの意見(未利用者からの意見) ・合併浄化槽を更新する際には接続を行いたい。 ・単独浄化槽を使用しており、接続にはリフォームが必要となるため、住宅建替えの際に接続したい。 ・接続工事費の見積を取り、接続を検討する。 【接続に関して】 排水設備工事は熊本市の指定工事店で実施する必要があります。 (熊本市農業集落排水処理施設条例第8条) 指定工事店につきましては、こちら(外部リンク)を参照ください。 なお、接続に関するご相談・申請につきましては、関係する農業振興センターへお願いします。
排水処理予定区域(案)説明会での意見等も踏まえ、次のとおり排水処理予定区域(案)を作成しました。 (1)【排水処理予定区域(案)の設定の考え方】 ●現状の農業集落排水区域を基本とし、管路延長(新規整備)による区域拡大は行わない。 ●区域として設定する箇所 1)受益者の土地(主に公共桝を設置された箇所) 2)整備された管路沿い(※1)の1筆の土地で、現況で家屋がある箇所(公共桝未設置箇所を含む) 3)整備された管路沿い(※1)の1筆の土地で、地目が宅地である箇所(現況農地は除く) 4)上記により、周辺を区域に囲まれた土地 ※1 自然流下管のみ(圧送管には接続できないため、自然流下管に限定する) ●区域として設定できない箇所 1)農業振興地域の「農用地」 2)地目が田・畑などの農地または、山林である箇所 3)現地の状況から下水管への接続が困難な箇所
(管路が埋設された道路より低い土地で、自然流下による下水管への排水が困難な箇所) (2)【排水処理予定区域(案)】 排水処理予定区域(案)のPDFデータです。 図面の緑色着色部分が今回設定した排水処理予定区域(案)です。赤線は埋設されている下水道管です。 田底中部地区(熊本市北区植木町田底地内ほか) (PDF:3.38メガバイト) 山東東部地区(熊本市北区植木町古閑地内ほか) (PDF:2.94メガバイト) 塚原藤山地区(熊本市南区城南町塚原地内ほか) (PDF:4.1メガバイト) 鰐瀬陳内地区(熊本市南区城南町鰐瀬地内ほか) (PDF:3.43メガバイト)
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