Language
閲覧支援
文字サイズを変更する
拡大標準
背景色を変更する
青黒白
音声読み上げ

令和6年(2024年)10月8日 定例市長記者会見

最終更新日:
(ID:57908)
                            1 時差出勤の実績について

                            2 水道事業100周年について

                            3 くまもと花博の開催について

                            4 お知らせ
                             ・熊本市公共施設予約システムの運用開始について
                             ・海外訪問について

                            5 質問
                            (1)幹事社代表質問(毎日・RKK)
                            (2)各社質問

会見録


市長発表

まず、熊本市電のインシデントについてでございます。
去る10月2日に、電車信号が進行を示していないにも関わらず、交差点内に電車を進行させるという事案が発生いたしました。
乗客の皆様に怪我はなく、事故等の被害もありませんでしたが、利用者や市民の皆様に多大なご迷惑とご不安をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
私自身、9月30日に交通局に出向きまして、現場職員と課題や改善策を話し合った矢先のことでありまして、そのような中で今回の事案を発生させたことについて大変重く受け止めております。
交通事業管理者には、現在の市電の安全性における危機的状況を打破するため、再発防止に全力で取り組むよう改めて厳しく指示をしたところでございまして、市電の安全運行と市民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、発表に入らせていただきます。 

はじめに、県市共同で実施しております「時差出勤」についてでございます。
朝の通勤・通学時間帯に集中いたします交通量を分散し、交通渋滞や公共交通機関の車内混雑の緩和、快適な移動の確保を目的に取り組んでおります時差出勤の実施状況についてご報告をさせていただきます。
8月に本市が実施いたしましたトライアルでは、1日平均3,073人の職員が時差出勤をしたところでございますが、9月に県市共同で実施した結果、本市職員のみで1日平均2,535人が時差出勤に取り組みました。
県においては、現在、結果を取りまとめ中ではありますが、県市合計で目標の4千人を達成する見込みであります。
また、今回、官民一体となって実施しておりまして、肥後銀行及び九州フィナンシャルグループの皆様にも取り組んでいただきましたが、1日平均610人の方が時差出勤等を実施されたと伺っておりまして、取組へのご協力にこの場をお借りして感謝申し上げたいと思います。
次に、交通量の変化についてご説明いたします。
こちらのモニターをご覧ください。
こちらは、主要の渋滞箇所である市役所北側の交差点における朝7時台から10時の通過交通量について、昨年9月の実績、青色が昨年の9月の実績で、オレンジが今年の9月の速報値ということでありますが、この取組前、取組後ということでの変化をグラフにしたものでございます。
ご覧のとおり、7時から8時、それから9時から10時、それぞれの1時間で、通過交通量が約3%増加しております。一方で、朝のピーク時間帯というのが8時から9時までの間ですが、通過交通量が約7%減少しているということで、ピーク時間における自動車交通量の分散化が確認できたということでございます。
この結果から、時差出勤の取組が交通渋滞の緩和に効果があったものと考えております。
今後は、市民の皆様を対象にアンケートを行いまして、利便性や快適性についての効果も確認をしますが、近隣自治体でありますとか他の民間企業にも協力をお願いしながら、時差出勤に取り組みやすい職場環境の整備を進めるなど、更なる取組拡大を図ってまいりたいと考えております。
あわせて、先日ご紹介いたしました「渋滞なくそう!半額パス」などのキャンペーンもご利用いただき、ピーク量の交通量減少にご協力いただければと思います。
本市におきましては、引き続き、県や近隣市町村との連携のもとで、熊本都市圏の交通渋滞緩和に向けて全力で取り組んでまいります。

次に「水道事業100周年」についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
こちらの写真は、大正13年(1924年)頃の送水管布設工事の様子が写された貴重な1枚です。「蛇口をひねればミネラルウォーター」と称される、本市の大きな魅力の1つである水道事業ですが、それがスタートしたのが大正13年。給水を開始して以来、来月11月27日をもって100周年を迎えます。
私たちの日々の生活に欠かせない水道水を安定して供給できるのは、市民の皆様のご理解とご協力があってこそでありまして、100年という長い年月にわたりご支援をいただいた市民の皆様に、心より感謝を申し上げます。
この写真を見ますと、現場の布設工事の視察を多分されているのだと思いますが、皆きちんとシルクハットのようなものをかぶって、スーツを着て革靴なんです。当時はこういう状況でこの写真一枚見てもすごいなと思って見ておりました。長い歴史のもとでこうして100周年の喜ばしい節目を迎えることになりました。そこで、11月10日に熊本城ホールシビックホールにおいて100周年の記念式典を、また、あわせて花畑広場においては100周年の記念イベントをそれぞれ開催することといたしました。
11月10日(日曜日)に同時開催としておりますが、「100周年記念式典」は、関係者の方々をお招きいたしまして、100周年の節目を共にお祝いしたいと思っておりますほか、上下水道局の新たなシンボルマークの発表、それから熊本市親善大使のメッセージ紹介など、お祝いに花を添える企画も予定しております。
また、花畑広場で開催されます記念イベントですが、ワークショップやグルメ等を提供するブースの出店、それから出張水検定など、熊本の水に親しめるイベントを多数用意しておりますので、ぜひ多くの皆様にご来場いただきたいと思います。
イベントの詳細については、上下水道局のホームページをご確認いただきたいと思います。
100周年記念事業を通じて、市民の皆様にこれまでの感謝の気持ちをお伝えいたしますとともに、本市の水の豊かさについて、改めてご認識いただく機会としたいと考えております。 

次に、「くまもと花博2024」についてお知らせいたします。
10月19日から11月17日までの約1カ月間、「くまもと花博2024」を開催いたします。モニターをご覧ください。
こちらは、今年も本市のフラワーアンバサダーにご就任いただいておりますニコライ・バーグマンさんによりデザインされたメインビジュアルでございます。
今年は、ecologyとeconomyの調和を目指す「eco FIT eco」をテーマとしておりまして、そこからのインスピレーションのもと、枝を巧みに組み合わせたベースに、秋ならではの深みのある色彩の花をアレンジした華やかで洗練されたものとなっております。
また、10月20日には熊本城ホールで開催いたしますオープニングイベントで、ニコライ氏によるライブパフォーマンスが行われます。世界的に有名なフラワーアーティストのパフォーマンスを目の前で体感できる貴重な機会ですので、多くの方にご覧いただきたいと思います。
続いて、各会場の見どころについてご紹介いたします。まず、「街なかエリア」についてです。モニターをご覧ください。
中心市街地を会場とした「街なかエリア」では、例年ご好評いただいております「花のトンネル」のほか、ニコライ氏監修のインスタレーションを設置いたします。インスタレーションというのは、場所や空間全体を作品として表現する現代アートのことで、今回は、ニコライ氏の作品の写真を展示して、フラワーデザインの世界や花を生活に取り入れるアイデアを体感していただきたいと考えております。
続いて、水前寺江津湖公園・動植物園の「水辺エリア」です。
「水辺エリア」では、今回初の試みとして「熊本洋学校ジェーンズ邸」内で、花々に囲まれた特別な空間を演出して、まるでお花畑の中で食事をしているような体験ができる「ジェーンズ邸フラワーダイニング」や、江津湖リビング、それからみなも祭り、こういった他のイベントとのタイアップイベントを開催したいと考えております。
最後に雁回山一帯の「まちやまエリア」でございます。
今年の「まち山エリア」である雁回山一帯では、遊歩道のライトアップを行いまして、幻想的な世界を演出いたします。また、トレッキングツアーでありますとか、それからツリークライミングなど、雁回山の魅力を再発見できるような内容もご用意しております。
詳細については、市政だより、またはくまもと花博2024ホームページをご確認いただきたいと思います。
花と緑のある暮らしを目指して、市民の皆様や事業者の方々と共に作り上げるこの「くまもと花博2024」を、多くの皆様にお楽しみいただきたいと思います。 

次に「熊本市公共施設予約システムの運用開始」についてお知らせいたします。
現在、本市のスポーツ施設等の予約については、県市共同で運用いたします「熊本県・市町村公共施設予約システム、通称『よやくまくん』」といいますが、これは県市で共同運用ですが、これをご利用いただいております。今回、より便利にご利用いただくため、本市独自の新しい予約システムであります「熊本市公共施設予約システム」の運用を開始することといたしました。こちらのモニターをご覧ください。
新しい予約システムですが、これまで非対応でありましたスマートフォン、それからタブレット端末に対応しておりますほか、画面構成も見やすいものとなっておりまして、施設の予約が簡単にできるようになりました。
さらに、施設使用料のお支払いですが、これまでの現金、口座振替に加え、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンなどのキャッシュレス決済を導入することといたしました。
このシステムでは、来年1月の利用分を、12月6日から受付を開始しますが、その前にご利用にあたって、新たに「利用者IDの登録」が必要になってまいります。「利用者IDの登録」は、すでに始まっておりますので、ご利用を予定される方は必ず事前のご登録をお願いしたいと思います。
なお、予約システムが変更となるのは、本市の市有施設のみということになります。熊本県が所管する施設、例えば県立体育館であるとか、そういった施設につきましては、引き続き「よやくまくん」にてお申し込みいただくことになりますのでお気をつけいただきたいと思います。
このほか詳細につきましては、熊本市ホームページをご確認いただきたいと思います。
本市におきましては、引き続き、生涯にわたってスポーツを楽しめる環境を整え、スポーツを通じて豊かな人生を送ることができるよう様々な取組を進めてまいります。

最後に海外訪問についてお知らせいたします。
このたび、友好協力都市である韓国・蔚山広域市から「2024蔚山工業祭」にお招きいただきましたことから、明日、10月9日から11日にかけて同市を訪問いたします。また、その後、10月11日から17日にかけて、市議会の皆様とともに、中国の友好都市である桂林市及び交流都市である蘇州高新区を訪問いたします。
桂林市とは2029年に友好都市締結50周年となりますことから、半世紀という節目に向けた今後の交流について協議いたしまして、また、蘇州高新区とは交流都市締結10周年を契機に、青少年や観光分野での交流について協議をいたします。
今回の訪問を通じ、各都市との絆をより一層深め、更なる交流に繋げてまいりたいと考えております。

私からは以上です。


質疑応答

【記者】時差出勤に関してお伺いします。時差出勤の効果を確認されて、今後、近隣の自治体や民間にさらに広げていきたいということですが、時期の目途や規模感など、市長のお考えをお聞かせください。

【市長】まだ、時期や規模というものは申し上げるような状況にはありませんが、先ほど見ていただいたように、時間帯の分散ができるというのは非常にいいことで、今後、これが平準化されれば、当然のことながら全ての時間帯において、割と交通がスムーズになるという効果があります。
8時から9時の間に集中していることは、車の渋滞の状況を見ても明らかです。民間の皆さんも、それから連結する都市圏の皆さん方も都市圏域でそれぞれの移動はかなり頻繁にあると思います。例えばこの熊本市役所でも、合志市であるとか菊陽町であるとか、そういったところに在住の職員もたくさんいますし、宇土市や宇城市、こういったところから通ってくる職員もたくさんいますので、そういった人たちが少し時間をずらして通勤するということが非常に重要だと思っています。この結果を受けて、県の集計結果については知事会見において発表されるように伺っておりますので、そういったことを受けて、民間の皆さんへの働きかけは、県市連携で行っていきたいと考えています。

【記者】明日、いよいよ衆議院が解散し、15日に公示が見込まれています。地方創生などの地方に関する論点もあるかと思いますが、与野党にどのような論戦を期待されるでしょうか。加えて、石破首相は総裁選の際には予算委員会の開催に前向きな姿勢だったにもかかわらず、結局開催しないという方針になっています。この点について、どう評価されるのかを教えてください。

【市長】衆議院が解散し、総選挙に突入する、まだ明日になってみないと分からないですが、今そういう状況であるということです。石破内閣が発足して間もないということでありますが、これまで石破首相は、地方創生についてもかなり力を入れてこられていて、政治家として長年取り組んでこられた大きなテーマだと思います。
一方で現状を見てみますと、地方創生と言うには掛け声からもう随分時間が経ちましたし、いろいろな施策が行われ、地方創生の関連予算等々もあったわけです。それで、小池都知事が石破首相のところに行かれて、東京一極集中という言葉をずっと言うのはいかがなものか、もう少し中身のいろいろなことを議論すべきだ、ということをおっしゃったことは、報道等で私も承知しております。やはり、地方と中央、いわゆる東京や首都圏との在り方というのが、本当にこの国をどのように変えていって、今、過疎や人口減少で苦しむ自治体はたくさんあります。熊本市は、幸い政令指定都市という規模、それから近隣の市町村等のいろいろな交流の人口もあって、比較的緩やかな形で進んでいますが、それでも自然減はもう止められない状況にありますので、かなり危機感を持って自治体経営、自治体運営を我々は進めています。
ですから、そういう地方の声をどれだけ反映して、国全体としての活力を維持しながら、東京と他の地方との、ある意味リバランスですよね。地方にいても活躍できるような場、あるいは若者が生き生きとする、そして高齢者の皆さんが健康に過ごせる、安心していろいろなサービスを受けられる、そういった地域をどうやってつくっていくのかということについて、総理をはじめ、多くの国会議員の皆さん方にしっかり議論をしていただいて、我々に具体的にこう考えていくんだという方向性を示していただく。
それと、選挙の時は、どうしても一方的に主張することばかりになりがちですが、こういう機会に、石破首相も国民に信を問うとおっしゃっているわけですから、どこに今1番の課題認識を持っているのか国民の声をしっかり聞く、そういう選挙戦があってもいいんじゃないかと、私は以前から思っております。私もできるだけ対話をしようということで、自分自身の選挙のときは努めてまいりましたが、そういうことをぜひお願いしたいと思います。
それから、もう一つ大きなテーマとしては防災です。防災については、石破首相のおそらく1丁目1番地と言ってもいいのではないかと思いますが、これまで防災省の設置等々についても言及をされていて、所信(表明)の中でも触れられておりました。これをいかに具体的に進めていくのかということ、能登の現状を見ても、熊本市も含めて応援職員をどんどん派遣しているところですが、まだまだ復興が順調に進んでいるとは言えない状況にあります。こういうときに、復旧・復興というそれぞれのフェーズがある中で、まず初期の復旧に関して、特に基礎自治体が担う部分が多いわけです。しかし、小さな自治体では限界があります。ある程度の規模感のある自治体であれば、復旧についても、他(の自治体)からの応援職員も一緒になって、熊本もかなりの規模の被害ではありましたが、全国から多くの職員やボランティアの皆さん来ていただいて、何とか復旧・復興が進んでいったのですが、能登の現状を見てみますと、ある意味、防災における地方創生といいますか、復旧のスピードワークといったものが進んでいないというのは、もう明白であります。
もう10か月を過ぎていますが、まだ厳しい状況であり、そして豪雨災害ということで、さらに追い打ちをかけるような状況ですので、ここに国として全力を傾注していくという覚悟が見える、そういった論戦も期待をしたいと思います。その先の防災省の設置等々については、ぜひ具体的に新年度(予算)へ盛り込んでいただけるように、私も現在、市長会の防災対策特別委員長を務めておりますし、指定都市市長会では、危機管理担当の副会長を仰せつかっておりますので、そうした機会をとらえて、政府、あるいは石破首相にはご提言を申し上げたいと考えております。
それから、予算委員会等々を開いて論戦をしてから解散、というような話があり、それをしないで明日解散をするということについてどうかということですが、解散については、それこそ首相の専権事項ですので、首相になったその時の判断というのが求められていくのだろうと思います。ですから、実際に総裁選の前に言っていたことと、その後で違うとしても、それを最終的にどう評価するかは、総選挙で有権者が評価することだと思いますので、その結果を待ちたいと思います。
私自身は、先ほど申し上げましたように、地方創生においても防災の面でも、どういう国の在り様をつくるのかということについて、本当に大きな議論を総選挙では行っていただきたいと思います。特に、今後は内政だけでなく、外交問題が非常にこれから厳しい状況になってくると思います。今の安全保障環境を見てもそうですが、そこにどうやって立ち向かっていくのか、あるいは外交の力というのをどう発揮していくのか、そして紛争をできるだけ防いでいくという努力を、どういう形で皆でしていくのか、そういうことについても、ぜひ、国民に分かりやすく示していただきたい、このように期待をしております。

【記者】時差出勤についてお伺いします。今回分散が確認されたということですが、分散した結果、どの程度渋滞が解消されたのかなど、もう少し詳しく教えてください。

【市長】厳密にどこがどうということよりも、県警から提供いただいたトラフィックカウンターというもので交通量を見ていますので、この時間帯(8時~9時)だけで200台近く減っているということを考えますと、これがもう少し拡大しないと、なかなか混雑状況が改善したという実感までは至らないのではないかなと思います。実際に2,250台というのが、昨年と比べてどのくらいのインパクトなのかということは、もう少し精査する必要があると思います。
とはいえ、数字に明確に表れてきているということを見ますと、7%というのは、効果としては結構な数だと思います。ですから、200台から300台の車が減るだけでも、特に水道町交差点のところですので、随分効果は大きいのではないかなと思っております。
今後の検証については、今回の結果をもとに、県警や関係機関の皆さんとも協力をしながら、もう少し詳細な分析もさせていただいて。あとは時差出勤だけではなく、他のいろいろな取組を合わせると何かできるのか。例えば、バスレーンが設置されてないところにバスレーンを設置すれば、公共交通の移動がもっとスムーズになり、そうするともっと公共交通にシフトするという人たちが出てくるのではないかと、そういうこともいろいろと検証できるのではないかと思っております。
こういったことを続けながら、まだ1か月ぐらいの話なので結論めいたものは言えませんが、傾向は明確に出ているということを皆さんにお示しさせていただいたということで、今後も引き続きいろいろ検討していきたい思います。

【記者】時差出勤実施期間中に、市長ご自身が、例えば出勤されるときに感じた変化や、何か課題のようなものが見えたのであればお聞かせください。

【市長】出勤するときの変化というよりも、公共交通を利用したいと思う人が、結構増えてきているのではないかなと思いました。それともう一つは、渋滞なくそう!半額パスですね。これが結構売れ行きがいいということで、これは2,500円なのですが、500円はデポジット、要は預り金なので実質2,000円を払って半額になります。期間中は月々400円で半額になるということで、私がこれを買うときも行列ができていてびっくりしました。もう少しすれば落ち着くかなと思っていたら、10月2日時点で、想定の倍以上の売上げがあり、昨日の時点では、なんと4,500を超えたということで、どんどん売れて活用が増えているということです。今までこういうことはあまりないことでした。
こういった割と政策運賃的なこと、これは県の補助を使っていますが、このままだと補助のお金が足りなくなるといったことに心配が行くようなこともあると思いますので、これは県と連携しながら、これからもこういう取組をもう少し続けて、渋滞が少しでも減って、公共交通を利用しやすくするということが大きいのかなと思っていますので、そういう意味では、変化と言われればそういうことかなと思っています。

【記者】市電のインシデントについてお伺いします。繰り返し発生している状況で、その度に再発防止というご説明をされていますが、それでもなお繰り返されてしまうということで、より効果が強い再発防止策も検討する必要があるのではないかと思いますが、それに関する市長のお考えをお聞かせください。

【市長】市電のインシデントについては、私も現場に行って運転士さんたちとも、いろいろと議論をしてきました。皆さんは、いろいろなインシデントがあって、萎縮する部分もあるなと思いましたし、かなりのプレッシャーを感じて運行してるなというのを、肌で感じることができました。
その一方で、処遇の改善や、それから電車の運行のシフトがありますが、結構待ち時間があったり、長く勤務することが続いたりということで、このシフトの問題というのは非常に大きいなと思いました。これを解消するには、やはり人手不足を解消していくということが非常に重要だということ、もちろんそのためには、例えば、給与水準等々が今は低い状態ですが、こういったものを引上げていくようなことも必要だということで、交通事業管理者に、上下分離に移行する前であっても、採用の在り方や処遇の改善等々は急いで検討してほしいと私から言っていますので、今後、交通局の中でもいろいろな検討をするかと思います。
本当に申し訳ない状況が続いておりますが、現場でも必死にやっているところもあります。市民の皆さんにはご心配をおかけしておりますが、これからの熊本市電を見守っていただきたいと思います。
もう一つ、信号冒進については、基本的にきちんと確認することができてないということです。声出しで点呼するなど、そういったことがきちんとやられていれば、そこはうっかりということにならないはずですから、運転者の人的なミスをできるだけなくすためにも、きちんとした動作や再教育、こういったことを徹底していくということを、一方ではしっかり続けていきたいと思っております。

【記者】こうのとりのゆりかごについてお伺いします。先日、出自を知る権利の検討会が一段落し、公開質問状も提出されたかと思います。その質問状への回答について、いつ頃になりそうなのかということと、受け取った段階から考えが変わった部分などがあればお聞かせください。

【市長】特段、受け取った段階で何かが変わったということはございませんし、質問状に対する回答も期限までの間に提出したいということで、今準備をしています。出自を知る権利に関する検討会で様々な議論が行われて、これを取りまとめて、今後、我々にもご報告をいただくのではないかなと思っていますので、それを見て、またいろいろと判断をしていきたいと考えています。

【記者】以前、蓮田先生と直接協議できる場が設けられればとお話されていましたが、そういう場の設置については、現在どのようにお考えでしょうか。

【市長】まだ現時点ではアポイントが取れていませんし、私自身も明日から海外出張で、これから衆議院選などいろいろとありますので、日程的に今すぐというのは難しいのですが、いろいろな報告等々が出て、また意見交換をする場があったらいいなと思っています。
そういったことは担当とも、それから先方ともよく話しながら、させていただければなと思っています。

【記者】ライドシェアについてお伺いします。来月から一部タクシー事業者が参入を始めますが、これが今の熊本の交通事情の中でどのように機能するとお考えか、また期待する点などありましたら、お聞かせください。

【市長】タクシー協会から、複数のタクシー事業者が11月15日から、金曜と土曜の午後4時から翌午前5時までの時間帯で、日本版ライドシェアの運行を開始する予定とお聞きしました。コロナ禍で運転手の数が大きく減少したということですが、今は少し回復傾向にあると先日の前意見交換の中で伺いました。
一方で、街中における夜中の移動手段の不足が非常に大きくて、これは心配とご不満の声も、よく私のところに届きます。この度(日本版ライドシェアが)導入されることによって、そういった移動手段を確保するということ、例えば公共交通機関がないときにタクシーがしっかり緊急時等に来るのかどうかということは、命にも関わるような問題でもあろうと思いますので、そういった中で、タクシーはいないが何か移動手段は必要だという時に、こういうライドシェアが一つ生きるのかなと思っています。
もう一つは、夜の賑わいという面では非常に大きくて、例えば、今は一次会に行く前から帰りのタクシーを予約しておかないと来ないとか、宴会が終わって、じゃあタクシーを呼んで帰りましょうとなった時に、タクシーがしばらく来ませんとかいうようなことが起きているということが、繁華街の賑わいに水を差す状況になっていると聞いています。
二次会、三次会と遅くまであるんだったら、帰る手段がなくなるから止めようというような、飲み会自体に帰りの足がないから行かないと言う方も結構いらっしゃって、これは本当に深刻だなと思っています。もちろん、市電やバスなどの公共交通機関の充実というのも必要なのですが、ご承知のとおり、市電も終電を繰上げて運行しているような状況ですので、そういう意味では、私はライドシェアに非常に期待しております。
ライドシェアは、各地でサービスをされていまして、私も東京でライドシェアに乗ってみました。日中移動する時に乗ってみましたが、運転手さんたちの声を聞きますと、やはりまだスタートしたばかりでなかなかうまく馴染まないが、お客さんはアプリで呼ぶような形ですので、目的地も分かりやすいし、言葉が通じなくても決済はクレジットで終わっているので、割と慣れていない人でも運びやすいとのことです。
ところが、これを収入源として活用しようと思うと、時間帯も限られていて、足りない時だけ来てくださいと言われても、ライドシェアが全面的に解禁されない以上、これはビジネスとしては成り立たないんじゃないかと。その方は、自営でご自身でしっかりとした事業をやっておられていてその合間にやるということで、私が乗ってみた時にお話を聞いたらそういうことでしたので、やはり、そういう方でないとパートタイムでの収入で生活できるレベルにはならないところとか、あとはタクシー会社の運営事業主体の補償ですね、何かあった時の補償関係がきちんと出来るかなど、そういったことも課題があると言われてました。
ですが、これはまずスタートしてみてから、運転手さんたちが実際に運用する上でどのような課題があるのか、あるいはどういうところにメリットがあるのかということを、よく抽出していただいて、移動手段を多様化させるという意味では、非常に大きいことかなと思っていますので、私は期待しておりますし、そういうものが熊本でスタートしたら、ちょっと乗ってみたいなと思っています。

【記者】市として、何らかのサポートをする予定はあるのでしょうか。

【市長】現在、熊本市として、ライドシェアに関する何らかの支援というものはありませんが、今後スタートされるといろいろな課題が見えてくると思います。そこで、タクシー協会や関係者の皆さんからも、いろいろなご意見があると思いますので、そういったものを聞きながら、我々が政策的に何かサポートするようなことが必要であれば、ぜひそういった協力をしながら、皆さんの移動の足を確保するようなことを、全力でサポートできればと思っています。

【記者】市電のインシデントについてお伺いします。今年に入って市電のトラブルがずっと続いますが、市電開業100周年の式典の際、市長は、8月1日を安全運行の誓いの日にしたとおっしゃられました。また、9月20日に九州運輸局が交通局へ改善指示を出しています。しかし、そうした中でも、ドア開き走行や信号冒進などのインシデントが続いています。市長は、トップとしてどういう責任を感じているのか、安全確保に向けてどうしていきたいのかを、これまでの質問と重複してしまいますが、改めてお聞かせください。

【市長】本当に申し訳ない状況が続いていまして、私もトップとして、この交通事業が安全に運行されるためにどうしたらいいか、日々いろいろな検討をしておりますし、その責任が本当に重いものと感じておりますが、その中でも今改善できることを一つずつしっかり実行していくことが重要だと思っています。また、私自身も、先ほど申し上げましたように、現場に赴いて、運転士だけでなくあらゆる職員と意見交換をさせてもらいました。
こういう機会をできるだけ増やしながら、そして私自身も交通事業管理者とほぼ毎日のように連絡を取り合っていますが、トップとして覚悟を示しながら、現場の意見をしっかり吸い上げながらやっていく。それともう一つは、お客さんの不安を解消しなければいけません。そういう意味では、信頼を失っている今の状況というのは本当に申し訳ないと思います。安全というのは、お客さんにとっては当然であり当たり前のことですので、そうしたことが揺らがないように、以前も申し上げましたとおり、ガバナンスも含めて体制をしっかり構築していきたいと考えています。

【記者】熊本市と慈恵病院で共同設置されている、出自を知る権利の保障等に関する検討会についてお伺いします。10月5日と6日で最後の会合が行われ、会として一つの区切りになったかと思いますが、報告書の完成を12月末までにということで、まだ検討が続いている状況かと思います。報告書が完成した際、市長はこれをどのように活用されていくおつもりか、お考えがあればお聞かせください。

【市長】検討会は共同設置しており、検証結果についても、当然熊本市職員も入って検証しておりますので、そういう中で具体的な在り方が見えてくると思います。特に出自を知る権利に関しては、必ずしもどれが正解だということではなく、検討が今なされてると思います。
その中で、こどもたちの出自を知る権利を守りながら、一方では、厳しい環境にあるお母さんたちの匿名性の確保も含めて、皆さんが本当に安心してこどもを産んで、そしてその子どもさんたちが、自分たちのアイデンティティーをきちんと確立していくための開示の在り方であるかなど、そういったことについては、かなりいろいろな方面から検討された結果であると思います。ですので、我々はそれをよく吟味をして、そしてしかるべき時期には、恐らく国に対してこういう報告書が上がってきて、こういうことが課題として挙げられる、ですから、こういうことについてもぜひ一緒に検討していただきたい、と提言するようなことも、この結果の報告書を見てみないと分かりませんが、そういう形に繋げていきたいなと考えています。

【記者】国に対して報告できればとお話されましたが、これまでは内密出産やこうのとりのゆりかごは病院と自治体に運用が任せられている状況かと思います。そこに関して、国にも協力を求めていく上では、具体的にどのように求められていくのかを教えてください。

【市長】一つは、内密出産のガイドラインというものをつくっていただきましたが、これから法整備に向けていろいろな取組が必要になってくると思います。ですから、こういった具体的な報告書等々を踏まえて、例えばそういう制度設計につなげていけるような、そういった場を我々も国と一緒に共有しながらつくっていきたいなと思っています。国にはこれまでも、こうのとりのゆりかごについても、内密出産についても、私もすぐに上京し、当時の厚生労働省もしくはこども家庭庁に、それぞれ幹部の方への報告と情報交換を行ってきましたので、よく注目をされていると思います。
ですから、検証の結果を我々はまず現場の自治体としてどう評価するのかということと、示されたことに対して具体的にどういうアクションを起こせばいいのかということについては、その結果が出てからしっかり検討したいと思います。

【記者】公開質問状についてお伺いします。市長は、6月の定例会見において、秋頃までに回答する予定だとおっしゃっていましたが、具体的にいつまでに回答すると決まっていたら教えてください。

【市長】締切りが、10月の専門部会開催までにということですので、当然それまでに回答するように準備を進めています。

【記者】衆院選に関してお伺いします。熊本は1区から4区まで、候補者が出揃っています。選挙期間中と海外出張に行かれる日程が重なっていますが、具体的にどの候補を応援するとか、応援の依頼があるなどあれば教えてください。

【市長】基本的に私は、各政党とはフラットに付き合うということで市長選に臨んでいますので、これまでも1度も衆議院選の応援に行ったことはありませんし、参議院選の応援にも行ったことはありません。これは私のスタンスということであります。ただ、そのこともよく理解をしていただいてると思います。
その上で、これまでいろいろな関係で現職の熊本県選出の国会議員の皆さんには大変お世話になってきましたし、熊本地震以来、熊本の復旧・復興、それからコロナ禍やTSMCの課題もありますが、非常に多くの支援をいただいてきておりますので、私の後援会がそれぞれの候補者に対して独自に支援をしております。私自身は、市長として中立的なスタンスで、これまでと同様に臨んでいくということです。
ですので、マイクを握るとか、応援演説に立つ予定はございません。熊本にいないので。

【記者】市電についてお伺いします。これから超高齢者化社会を迎えることや、渋滞問題に対して、先ほど時差出勤は効果があったとお話されましたが、その解決策として市電も公共交通機関として一定の効果があるかと思うのですが、今後の市電に期待する役割や活路のようなものがあればお聞かせください。

【市長】市電は電気エネルギーを使ってクリーンであるということで、環境に非常に優しい移動手段であるということがまず一つあります。それと同時に、軌道をずっと行くので、バスよりもかなりシンプルで、公共交通へのハードルが非常に低い乗り物であると思います。それから、料金も比較的低料金です。そういう意味では小さいお子さんから高齢者の方まで、かなり乗りやすい公共交通機関であると思います。
このたび新しい車両を導入しましたが、今からはこの新型車両を増やしていきますので、どんどん更新をしていくことで、利用環境が非常に良くなります。それから、バリアフリーの面で電停等々の改良もしております。まだ十分ではありませんが、そういったことや、低床電車等によって、いろいろな障害がある方や高齢者の方々、それから小さいお子さんにも割と乗りやすい交通機関ですので、こういったものをしっかり充実させていくのが非常に重要だと思っています。
もう一つは、東町の方面に東町線ということで市電を延伸しますが、先々にもう少しネットワークを強化していくことです。市電の延伸も含めて、他の交通モードとの結節をよくする。それから、バスであろうが、電車であろうが、JRであろうが、タクシーもそうですが、いろいろなものを接続して乗りやすく、すぐ次の移動手段が確保できるという状態が、住民の移動を公共交通にシフトするための一番の鍵だと私自身は思っていますので、そういう意味では、延伸も含めて将来の絵姿を示していきたいと思っています。
これまでも、新規の延伸方面は5路線をお示しさせていただいているところですが、産業道路ルート、南熊本ルート、東町線(自衛隊ルート)、田崎ルート、沼山津ルート、それぞれが将来どういう可能性があるのかということも含めて、皆さんに期待していただけるようなことをお示していきたいなと思います。
ただ、今は、市議会の委員会でご指摘いただいたところであり、延伸のこともすぐに検討すべきだということもございますが、まずはこの東町線の延伸を確実に実施していくということが重要かと思っています。

【記者】時差出勤に関してお伺いします。実施内訳を見ますと、8月は3,000人ほど、9月は2,500人ほどとなっており、比較すると500人ほど人数が減っているように見えるのですが、どのように分析されているのかについて教えていただけますでしょうか。

【市長】(8月に実施した)トライアルと比較しますと、総人数で520人ほど少なくなっています。休暇をとった職員が大きく減少しているということですが、詳細については事務局よりご説明します。

【事務局】第1弾のトライアルと比較しますと、総人数が530人程度少なくなっています。先ほど市長からもお話がありましたとおり、休暇を取得した職員が8月と比較して1日あたり281人減少しているということで、これが一番大きい要因かと思っています。
トライアルを実施した8月は夏休みの期間であり、お盆あたりの期間でもありましたので、休暇を取りやすい環境であったと考えております。

【記者】今後、市民アンケートを取られるというお話があったかと思うのですが、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。

【事務局】これは熊本市の上位計画である第8次総合計画の中で、市民を対象としたアンケートをとっておりますので、そのタイミングでお伺いできればと考えています。




このページに関する
お問い合わせは
(ID:57908)
ページの先頭へ
市長室サイト

〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号 代表電話:096-328-2111

[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)

© 2025 Kumamoto City.