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歴史文書資料室(4/1更新)

最終更新日:2024年4月1日
総務局 行政管理部 総務課TEL:096-328-2092096-328-2092 FAX:096-359-7689 メール soumusoumu@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る

熊本市歴史文書資料室とは

新熊本市史 室内

新熊本市史

室内の様子(入口から)

室内
室内

室内の様子(新聞棚)

室内の様子(閲覧室)


 

熊本市は、市政施行百周年記念事業の一つとして、昭和63年に『新熊本市史』の編纂事業に着手し、平成14年度までの15年間で全21巻22冊を発刊しました。
熊本市歴史文書資料室は、この新熊本市史編纂事業に伴って収集した歴史資料や書籍、約10万点の整理・公開や、熊本市の歴史に関するお尋ね・資料の提供にお応えする施設として、平成16年10月に開設しました。
市域を中心とした歴史に関するさまざまな疑問解明や研究などに、どなたでもご利用いただけます。



更新情報

2024年4月1日

  • 利用できる資料(書籍「熊本市域外の資料」更新・「新着」追加)
  • 歴史サロン花畑「歴史講座」(2023年度第6回講座当日様子)

2024年3月11日

  • 利用案内 開室日・時間(2024年度開室日カレンダー追加)
  • 歴史サロン花畑「歴史談話室」 対象・場所・日時(2024年度開催予定日追加)
  • 歴史サロン花畑「歴史講座」 2023年度講座(第5回講座当日様子、第6回講座紹介追加)

2024年1月9日

  • 歴史サロン花畑「歴史講座」 2023年度講座(第4回講座当日様子、第5回講座紹介追加)

利用案内

どなたでもご利用いただけます(体調不良時の入室はお控えください)
入室にあたっては、「資料利用申込書」への記入が必要です。
貴重品以外の御手荷物は、荷物棚のご利用をお願いしています。

 

開室日・時間

○開室日  月曜日~金曜日(祝日、年末年始を除く)

○開室時間 9時~17時

PDF 2024年度開室日カレンダー 新しいウィンドウで(PDF:126.2キロバイト)

 

資料等の複写について

  • 複写サービスは、コピー1枚白黒10円・カラー30円、マイクロフィルム1枚30円となっております。両面コピーの場合は、表面・裏面のそれぞれに料金がかかります。
  • コピーのご利用は、セルフサービスにてお願いしています。
 

複写の郵送サービス

当室では、県外在住の方など直接来室することが難しい方への、所蔵資料(熊本市域に関する歴史資料等)のコピー郵送サービスを行っております(コピー枚数は50枚位まで)
お申し込みは、電話、文書、メール等でお願いいたします。

 手順

  1. 資料名や必要個所等を職員にお知らせください。
  2. 職員が資料の確認後、コピー枚数、送料を含めた金額をお知らせいたします。コピー料金は1枚あたり白黒10円・カラー30円、郵送にはスマートレターまたはレターパックライトを使用します(サイズや枚数によります)
  3. お報せした金額を、定額小為替(無記名)で当室に郵送してください。
  4. 当室に定額小為替到着後、職員が指定の送付先にコピーを郵送いたします(残金がある場合は切手でお返しいたします)
 

出版物への掲載・放映等による資料の利用について

資料所蔵者の許可が必要です。日程に余裕を持って、先ずは当室に利用方法等をご相談ください。


ダウンロード 資料掲載等許可申請書( エクセル エクセル:14.7キロバイト)
記入例:ダウンロード 資料掲載等許可申請書 記入例( PDF PDF:138.9キロバイト)

利用できる資料

新熊本市史編纂事業に伴って収集した歴史資料、古文書(永青文庫など)、絵図、地図、古絵葉書、新聞、書籍など。

※資料・書籍の貸し出しや、室外への持ち出しはできません。

 

書籍・地図・写真以外の資料

※永青文庫などの多くは複写資料です。
※新聞は縮刷版で、明治7年の白川新聞から、平成7年までの熊本日日新聞です(一部欠本)

 

 

絵図・地図

 

書籍

書籍は以下の目録以外にも所蔵がありますので、熊本市関連でお探しの書籍がある場合はお問い合わせください。


郷土史関連

  • PDF  郷土史関連書籍 新しいウィンドウで(PDF:236.4キロバイト)

    ※熊本市域の歴史や身近な地域のことを調べるにあたって、当室で先ずお勧めするおもな書籍をテーマ別にピックアップしました

  • PDF  学校・校区史関連書籍目録 新しいウィンドウで(PDF:377.5キロバイト)
  • PDF  社史目録 新しいウィンドウで(PDF:160.7キロバイト)
 

熊本市域外の資料

 

新着

新着図書コーナー

寄贈等により、新たに利用可能となった図書をご紹介いたします

 

新熊本市史

『新熊本市史』全21巻22冊では、熊本市域の歴史を先史の時代から現在まで、政治、経済、文化、教育、福祉等あらゆる分野にわたってご紹介しています。
同書は、歴史文書資料室や県・市立の図書館、区役所、まちづくりセンターなどでご覧いただけます。

 

各巻の内容紹介

 

通史編 全9巻・別編 全3巻

詳細は、『新熊本市史』ホームページ(外部リンク)をご覧ください。

 

史料編 全9巻10冊

 巻

 書籍名

 目次

 第1巻

 考古資料

 第2巻

 古代・中世

 第3巻

 近世(1)

 第4巻

 近世(2)

 第5巻

 近世(3)

 第6巻

 近代(1)

 ―

 第7巻

 近代(2)

 ー

 第8巻

 現代

 ―

 第9巻

 新聞 上 近代

 ―

 第9巻

 新聞 下 現代

 ―



正誤表

PDF  新熊本市史正誤表(平成30年10月更新) 新しいウィンドウで(PDF:83.5キロバイト)



購入方法

 

直接お求めの場合

下記窓口でご購入ください。

  • 熊本市役所地下1階 情報公開窓口
  • 熊本県書店商業組合事務所(熊本市北区大窪1-7-47)

 

配送(宅配)ご希望の場合

熊本県書店商業組合(『新熊本市史』販売委託先)にお問い合わせください。
書籍代金のほかに配送料金、振込手数料が必要となります。

熊本県書店商業組合
住所:〒860-0083 熊本市北区大窪1-7-47 (株)熊本県教科書供給所内
電話:096(344)3831
FAX:096(344)5420
E-mail:t-supply@kumakyo.co.jp


価格

 

 区分

 書籍名

 販売価格(税込)

 通史編

 第1巻 自然・原始・古代

 5,000円

 通史編

 第2巻 中世

 4,300円

 通史編

 第3巻 近世(1)

 4,300円

 通史編

 第4巻 近世(2)

 4,300円

 通史編

 第5巻 近代(1)

 4,300円

 通史編

 第6巻 近代(2)

 4,300円

 通史編

 第7巻 近代(3)

 4,300円

 通史編

 第8巻 現代(1)

 4,300円

 通史編

 第9巻 現代(2)

 4,300円

 史料編

 第1巻 考古資料 

 5,700円

 史料編

 第2巻 古代・中世

 3,700円

 史料編

 第3巻 近世(1)

 3,700円

 史料編

 第4巻 近世(2)

 4,800円

 史料編

 第5巻 近世(3)

 4,800円

 史料編

 第6巻 近代(1)

 4,800円

 史料編

 第7巻 近代(2)

 4,800円

 史料編

 第8巻 現代

 3,700円

 史料編

 第9巻 新聞 上 近代

 3,700円

 史料編

 第9巻 新聞 下 現代

 3,700円

 別編

 第1巻 絵図・地図 

 10,300円

 別編

 第2巻 民俗・文化財

 5,300円

 別編

 第3巻 年表・索引 

 4,300円


市史関連刊行物

熊本市史関連刊行物のご案内

  • 熊本市史関係資料集(全6集)
  • 市史研究くまもと(全14冊)
  • 市史編さんだより(全22号)
 

熊本市史関係資料集(全6集)

新熊本市史の編纂にあたり、収集史料の中から紙幅の都合で本編収録には至らなかったものの、是非とも刊本として残しておきたいものを更に選別し「資料集」として発刊。
平成9年~平成14年、全6集。

  1. 近世町役人名附
  2. 神社明細帳
  3. 熊本市の植物・動物目録
  4. 肥後古記集覧
  5. 熊本市都市計画事業産業調査資料(大正・昭和初期)
  6. 熊本市工業生産物調査・熊本市職業調査(明治後期)

※各巻の目録 PDF  熊本市史関係資料集目録 新しいウィンドウで(PDF:148.8キロバイト)

 

市史研究くまもと(全14冊)

新熊本市史の編纂にあたり、事業の進捗状況を紹介するとともに、情報の提供や調査・研究の発表の場として発刊。
平成2年~平成15年、全14冊。

 
 

市史編さんだより(全22号)

 号

 発行年月日

 内容

平成元年3月1日 新熊本市史編纂計画の概要/足利直冬と詫摩氏~詫摩家文書の紹介にかえて~/川尻町支配之定式~馬原家文書の紹介にかえて~
平成2年3月1日 中世文化文化財調査から木造雷神像/大熊本市の成立/占領行政と熊本/神園山瓦窯址/細川藩御召船の文書
平成3年3月1日 市史編纂市民アンケート結果/熊本の産物帳/小山城跡/曲輪と町と在/縄文時代の熊本人/古閑惟満日記~古閑家文書紹介/植木市の今昔
平成3年11月1日 金峰山は噴火するか/六箇庄/新発見の熊本城下町絵図/新聞広告の存在意義/熊本の花街1
平成4年3月1日 減税布告直後の「殿様祭り」/白藤町出土の甕棺/熊本市域の荘園公領/メディカルリハビリテーションの勃興/熊本の花街2
平成5年3月1日 現代に生きるリデル、ライトの精神~記念老人ホームの資料調査を終えて~/山田武甫の読み方について/熊本の花街3/写真にみるくまもと
平成5年10月1日 特別対談(劇作家木下順二・歌人安永蕗子)/「代用附属」池が小学校の「学校中心自治民育」の実践(池田村民育系統一覧)/初期細川家の家督問題/熊本の花街4/リデル、ライトのFAMILY HISTORY
平成6年3月1日 長嶺城(神園山城)/平山神社の祭り/熊本の花街5/弓削小坂横穴群出土の鳥形瓶
平成6年10月1日 森と水に恵まれた都熊本の自然/熊本の花街6/晩年の徳富蘇峰~徳富敬太郎氏に聞く
平成7年3月1日 熊本市の帰化植物の今昔/小堀長唄と『茗理正伝』/真言律宗西大寺派末寺長原天福寺の所在について/薩軍の熊本城水攻め~古写真からみた状況/熊本の醤油醸造の発達
平成7年10月1日 緑川河口近海の漁業・熊本と北海道・生馬土馬・熊本市白石町の観音講と地蔵講
平成8年3月1日 横井家の人々の思い出1/熊本町の揚酒本手/熊本市におけるラジオテレビ放送/熊本に帰化したオダカユウレイグモ/川尻神宮祭典考
平成8年10月1日 「麦稈真田」考/戦前と戦後の県青年団の相違点/横井家の人々の思い出2
平成9年3月30日 座談会:市民生活とスポーツ/池辺寺跡発掘調査の概要/横井家の人々の思い出3
平成9年10月1日 縄文時代の熊本の顔/木造阿弥陀如来坐像(硯川町字庄・庄阿弥陀堂)/昭和二年現在熊本県下の新聞雑誌
平成10年3月30日 空知集治監と移民/近代感染症病棟の併設/加藤清正使用の黒印判「履道應乾」/戦前の熊本の歌あれこれ
平成10年11月30日 西唐人町の見図帳/『通史編第一巻自然・原始・古代』付図の植生図について/熊本市岫雲院の木造如意輪 観音坐像と猪熊仏師
平成11年11月30日 六〇〇号を越えた『詩と眞實』/二種類の壬申地券/新発見「田辺籠城図」の史料的価値~もう一つの関ケ原合戦/熊本の中心新市街交差点の雑踏
平成12年12月1日 横井小楠没後130年記念・幕末の思想家五人の立像/郷土研究をめぐる人々1/熊本地域における水循環機構解明のこれまで/小笠原家文書・熊本県酒造組合所蔵文書
平成13年12月1日 山田武甫の読み方について/郷土研究をめぐる人々2/甲斐青萍画「明治風俗図」/熊本県立図書館蔵書・池田家文書・宗祇の連歌付句集「北国下向」・村上家文書
平成13年12月1日 東京・村川家文書・村川堅固・堅太郎/隠密の描いた熊本城と城下図/郷土研究をめぐる人々3/東京市政調査会資料・石光真清関係文書・井上家文書・ダルトンプラン関係史料・小学校所蔵史料
平成15年3月20日 新熊本市史編纂事業完了記念特集号:記念講話要旨ほか/郷土史をめぐる人々4
 

歴史サロン花畑「歴史談話室」

「新熊本市史」及び歴史文書資料室の活用促進のため、歴史専門家による「歴史サロン花畑」を開催しています。
「歴史談話室」では、熊本市の歴史や、古文書・掛け軸の文字等についての質問や相談に専門家がお応えします。

 

対象・場所・日時

  • 対象 どなたでも(定員12人/無料)
  • 場所 歴史文書資料室(住友生命ビル4階)
  • 日時 毎月第2火曜日 14時~16時(~2024年3月)
       偶数月第2火曜日 14時~16時(2024年4月~)

PDF 2024年度開催予定日 新しいウィンドウで(PDF:126.2キロバイト)

 

講師

  • 猪飼隆明さん(大阪大学名誉教授)
  • 森山秀吉さん(元熊本大学教授)・林孝子さん(熊本県漢詩連盟常任理事)
  • 松崎範子さん(肥後医育ミュージアム研究員)
  • 柳田快明さん(熊本中世史研究会代表)
 

参加方法・注意事項

  • 電話予約制(096-328-2038)

※2024年4月開催分までは前月開催日の翌日午前10時から受付を開始しております

2024年6月開催分からは開催前月の20日(20日が土日祝日の場合は翌開室日)午前10時から受付を開始いたします

予約のない当日の来室ではご参加いただけません

  • 相談時間の15分前にご来室ください。
  • 相談資料の複写を2部ご用意ください。
  • 相談時間は上限30分です。相談後の速やかな退室にご協力ください。
 

注意事項など

  • 当日に発熱・咳・くしゃみなどの風邪症状がある方、体調がすぐれない方はご参加いただけません。
  • 対面近距離での会話となりますため、相談中はマスク着用にご協力をお願いしております。
  • 混雑状態を避けるため、来室時間・相談時間の順守、ご相談後の速やかな退室にご協力ください。
  • 会場には、駐車場、駐輪場がございませんので、公共交通機関をご利用下さい。市役所の駐車場、駐輪場をご利用の場合は有料となります(詳しくは「場所・交通アクセス」をご確認ください)
  • 歴史談話室開催中は、通常の資料利用はできません。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 


歴史サロン花畑「歴史講座」

新熊本市史」及び歴史文書資料室の活用促進のため、歴史専門家による「歴史サロン花畑」を開催しています。
2024年度の「歴史講座」は、「公文書が語る熊本の歴史」をテーマに6人の専門家が講話します。

 

対象・場所・日時

 

参加方法・注意事項

  • ひごまるコール新しいウインドウで(外部リンク)にてお電話(096-334-1500)またはインターネットでお申し込みください。
  • 各先着順になります(定員60人)
  • 各講座ごとに受付期間内の事前申込みが必要です。
 

注意事項など

  • 当日に発熱・咳・くしゃみなどの風邪症状がある方、体調がすぐれない方はご参加いただけません。
  • 有料駐車場はありますが、台数に限りがありますので、可能であれば公共交通機関をご利用ください。
  • 変更等が生じた場合はHPに掲載しますのでご確認ください。
 

2023年度講座

第1回 5月23日開催(終了)

2023年度第1回講座の様子

演題 「軍事教育 美當一調」

講師  安田宗生さん(熊本大学名誉教授)


▶▶ 美當一調 とは ◀◀

 日清・北清・日露の戦争談を引っ提げて全国各地、韓国、中国、ハワイでも公演し、「老幼男女その名を知らざる者なし」といわれ、一世を風靡した軍談師。
 本名を尾藤新也と言い、弘化4年(1847)12月、藩の雅楽師範(禄高150石)である尾藤家に生まれる。藩校時習館に学び、第二次長州征伐・戊辰の役に従軍。明治10年の戦役では熊本隊に参加し、田原坂の戦闘で捕虜となって100余日獄に繋がれる。その後、得意の軍談で身を立てるため営業鑑札を得ようとするも、芸人は国家に益なき遊芸の徒とみなされていた当時、士族が芸人になるとは正気の沙汰ではないと猛反対に合う。
 平民となって芸人活動を開始した一調は、後年、宮崎滔天をして「蔑如されたる浪花節を今日の地位に高めたのは金鵄勲章もの」といわしめ、敬称付き、本名で呼ばれる唯一の芸人となる。

(参考『美當一調・桃中軒雲右衛門関係新聞資料』安田宗生編)

 

第2回 7月25日開催(終了)

2023年度第2回講座の様子

演題 「九州における観応の擾乱~河尻幸俊と足利直冬~」

講師  柳田快明さん(熊本中世史研究会代表)


▶▶ 観応の擾乱 とは ◀◀

 観応年間(1350~52)を中心に戦われた、室町幕府中枢の分裂による大規模な内乱。将軍足利尊氏の弟直義と、尊氏の執事高師直・師泰兄弟の対立を発端とする。
 足利直冬は尊氏の長子。母越前の局の出自が低かったために早くから疎まれ、直義の養子となる。貞和5年(1349)長門探題に赴任途中師直の追撃にあい、備後国鞆の浦から肥後国御家人河尻幸俊らの導きで川尻津へ下る。

▶▶ 河尻幸俊 とは ◀◀

 肥後の在地領主。経済力を駆使して京都に館を所有し、幕府要人とも接点を持つ。直冬から守護職に任じられる。

(参考『新熊本市史 通史編第二巻 中世』)

 

第3回 9月26日開催(終了)

2023年度第3回講座の様子

演題 「熊本藩医学校『再春館』と村井見朴・椿寿父子」

講師  松﨑範子さん(肥後医育ミュージアム研究員)


▶▶ 村井見朴・椿寿 とは ◀◀

 熊本藩は全国に先駆けて宝暦6年(1756)に医学校と薬園を設立する。藩主重賢の命を受け、開講に尽力し、初代筆頭教授となったのは村井見朴である。
 見朴は新鍛冶屋町で医業を開いた父に次ぐ二代目。名医の呼び声高く、町医でありながら藩主重賢の治療に当たることもあった。医学への大いなる関心と探求心に富み、医生の教育にも熱心で、開いた家塾復陽洞は再春館設立の母体となる。
 椿寿は見朴の長子。再春館設立時すでに失明していた父を支えて、実質的な基礎固めをするが、在任期間は長くない。見朴死後再春館を辞し、日本漢方医学を体系づけたとされる京都の吉益東洞門下となる。熊本に戻った椿寿は家塾で多くの門人を指導し、その活動が評価されて寛政8年家臣に召し抱えられ、藩医として医学教育に関わることとなる。

(参考「熊本藩の医学校と薬園-村井椿寿(琴山)の薬物会をもとに-」松﨑範子)

 

第4回 11月28日開催(終了)

2023年度第4回講座の様子

演題 「横井小楠の暗殺」

講師  猪飼隆明さん(大阪大学名誉教授)


▶▶ 横井小楠 とは ◀◀

 幕末維新期の思想家で、経綸の人。「仁政」の実現を目標とし、堯舜孔子の道を日本だけでなく世界に実現させようと、その生涯を捧げたひと。
 天保10年(1839)、時習館改革の半ばで江戸遊学を命じられ、江戸で水戸の藤田東湖や幕府要人らと交わり多くを学ぶも、酒失により帰国、ついで謹慎を命じられたが、その間猛烈に旧来の学問を問い直し、天保十四年ごろに家老の長岡監物らと実学派を結成した。
 肥後藩権力の中枢から排された小楠を、安政5年(1858)福井藩主松平春獄がブレーンとして招聘。殖産貿易による富国策を進め、幕政改革にも関与する。しかし文久2年(1862)に一度目の暗殺未遂事件が起きる。宴席で刺客に襲われ逃げたことが士道忘却とされ、帰国後士籍を剥奪され蟄居。
 熊本・沼山津で思索、諸国の志士との交流を続け、王政復古クーデターのあと新政府の徴士・参与となったが、明治2年1月5日攘夷派により暗殺された。

(参考『横井小楠と小河一敏』『人物叢書横井小楠』ほか)

 

第5回 1月23日開催(終了)

2023年度第5回講座の様子

演題 「中国上海の新聞人・井手三郎」

講師  木山貴満さん(熊本博物館学芸員)


▶▶ 井手三郎 とは ◀◀

 明治期~昭和初期のジャーナリスト。
 文久3年(1863)5月、池田手永中島村(現西区中島町)に生まれる。幼いころから漢籍を学び、済々黌入学後は中国語を修めた。明治20年(1887)より清国に留学し、上海・長江・漢口から更に朝鮮各地を巡る。明治27(1894)の日清戦争では通訳官として従軍する。
 明治30年(1897)、乃木希典(当時台湾総督)の招きで渡台し、前田彪らとともに新聞「福報」を買収。福建省福州で中国語新聞「閩報」と改題して発行した。明治31年(1898)にはアジア主義団体の東亞同文会の上海支部長となり、特に対中問題専門家の育成に尽くす。井手はその後30年余りにわたって上海を中心に活動し、漢字新聞「同文滬報」、邦字新聞「上海日報」などを発行・経営。現地の世論形成をリードした。明治45年(1912)には衆議院議員選挙に当選するなど、後年は政治家としても活動した。

 

第6回 3月26日開催(終了)

2023年第6回講座の様子

演題 「社寺の復興と鹿子木寂心~被災文化財からの再考~」

講師  松永直輝さん(文化財課文化財保護主任主事)


▶▶ 鹿子木寂心 とは ◀◀

 室町時代から戦国時代にかけての肥後の有力国人。
 生年不詳~天文18年(1549年)。名は親員(ちかかず)。北区北迫町には寂心の墓石を巻き込んでいると伝わる大楠があり、『寂心さんのクスノキ』として親しまれており、一国人でありながら寂心の知名度は高い。寂心は鎌倉時代の鹿子木西荘地頭の鹿子木氏の子孫と言われている。寂心の事績は多岐にわたり、阿蘇山衆徒と彦山の紛争の仲介、隈本城(古城)の築城などがよく知られている。このほかにも西区松尾町の霊巌洞に和歌を遺したほか、三条西実隆から秘蔵の源氏物語を購入するなど文事にも功績を残している。また、藤崎八旛宮の復興や勅額下賜についての尽力、自らも関わった戦乱によって炎上した大慈寺の再興など、領内社寺の振興にも大きな功績を残している。

 



2022年度

2022年度のテーマは「熊本市のあゆみ」


2022年度第1回(終了)

2022年度第1回講座の様子

演題  「熊本市の原点、熊本城下町
       ~清正期から熊本市の成立まで~」

講師   松崎範子さん
      (肥後医育ミュージアム研究員)

開催日時 2022年12月1日(木)14時~15時30分

場所   桜の馬場城彩苑 多目的交流室

概要   PDF  2022年度第1回講座概要 新しいウィンドウで
      (PDF:242.8キロバイト)

 


2022年度第2回(終了)

2022年度第2回講座の様子

演題  「熊本は維新のバスに乗り遅れたのか」

講師   猪飼隆明さん
      (大阪大学名誉教授)

開催日時 2023年2月9日(木)14時~15時30分

場所   桜の馬場城彩苑 多目的交流室

概要   PDF  2022年度第2回講座概要 新しいウィンドウで
      (PDF:337.9キロバイト)

 


場所・交通アクセス

場所・交通アクセス情報新しいウインドウで

(住友生命ビル4階)

歴史文書資料室地図


お問い合わせ

熊本市 総務課 歴史文書資料室

〒860-0806 熊本市中央区花畑町9番24号 住友生命ビル4階
電話 096(328)2038
FAX 096(359)7689
E-mail soumusoumu@city.kumamoto.lg.jp

 

レファレンスサービス

 

レファレンスサービスとは

  • 探している資料の所蔵があるかどうか
  • あるテーマについて調べているが、当室にはどのような資料があるか。あるいは、どのように調べれば良いか

このような質問・ご相談には、当室のレファレンス回答基準内規に沿ってお応えしています。ただし、以下の要件につきましては、受付・回答しておりません。

  • 個人のプライバシーに関わる事柄
  • 調査研究の代行
  • 古書・古文書等の解読
  • 調査に半日以上の時間を要すると予測される場合
 

資料提供のお願い

熊本市歴史文書資料室では、熊本市域の学校・校区史、地域誌、社史を収集・公開をしています。以下に掲げる資料がありましたら、ぜひご寄贈ください。

  • 当室に所蔵がないもの
  • 熊本市域の学校・地域刊行物(記念誌・要覧、校区史等)
  • 熊本市域の会社や団体の刊行物(社史、団体史等)

※当室がすでに所蔵している資料は以下の目録にてご確認ください。

 


連絡先

 熊本市 総務課 歴史文書資料室

〒860-0806 熊本市中央区花畑町9番24号 住友生命ビル4階
電話 096(328)2038
FAX 096(351)7746
E-mail soumusoumu@city.kumamoto.lg.jp

(ID:3436)
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※資料としてPDFファイルが添付されている場合は、Adobe Acrobat(R)が必要です。
PDF書類をご覧になる場合は、Adobe Readerが必要です。正しく表示されない場合、最新バージョンをご利用ください。
熊本市役所〒860-8601熊本市中央区手取本町1番1号代表電話:096-328-2111(代表)096-328-2111(代表)
[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)
肥後椿
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