新しいバイオテクノロジーで作られた食品(遺伝子組換え食品、ゲノム編集食品)
新しいバイオテクノロジーで作られた食品とは?ここでは「遺伝子組換え食品」や「ゲノム編集技術応用食品(ゲノム編集食品)」のことを言います。 生物の働きを活用して、役に立つ物質や農作物などを生産する技術を「バイオテクノロジー」と言い、 しょう油やお酒を発酵によって造ることもバイオテクノロジーの一種です。 そうした昔ながらのバイオテクノロジーと区別するため、遺伝子組換え技術とゲノム編集技術を「新しいバイオテクノロジー」と呼びます。 遺伝子?ゲノム?遺伝子とは 生物のかたちや特徴を決めているものです。あらゆる生物が遺伝子を持っていて、親から子へと受け継がれていきます。 遺伝子はDNAという物質からできていて、タンパク質を作り出す働きをしています。 植物の花の色や形を決めているのも遺伝子の働きによるものです。
ゲノムとは DNAのすべての情報こと。ゲノムの中で生物の性質を決める部分が遺伝子です。
(出典:厚生労働省ホームページ)
遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品ってどんな食べ物? ほかの生物から取り出した遺伝子を目的の作物のゲノムに組み込み、新しい性質を持たせた食品のことです。 特定の除草剤に強い作物や害虫に強い作物などがこの方法で開発されています。 現在、日本国内では遺伝子組換え作物の商業栽培は行われていませんが、アメリカなどから加工用や飼料用として輸入されています。 日本で安全性が確認され、販売・流通が認められているのは、食品9作物、添加物24種類です。(令和5年7月4日現在) 1.食品 (1)じゃがいも(害虫に強い、ウイルス病に強い) (2)大豆(特定の除草剤で枯れない、特定の成分(オレイン酸など)を多く含む) (3)てんさい(特定の除草剤で枯れない) (4)とうもろこし(害虫に強い、特定の除草剤で枯れない) (5)なたね(特定の除草剤で枯れない) (6)わた(害虫に強い、特定の除草剤で枯れない) (7)アルファルファ(特定の除草剤で枯れない) (8)パパイヤ(ウイルス病に強い) (9)カラシナ(特定の除草剤で枯れない)
2.添加物 α-アミラーゼ、リパーゼなど(生産性の向上) ※添加物は遺伝子組換え微生物により作られます。
ゲノム編集食品 DNAの特定部位を切断し、狙った遺伝子に突然変異を起こすことで、効率よく品種改良を行った食品のことです。 現在、日本で届出されたゲノム編集食品は6品目で、そのうち3品目が市場に出ています。(令和5年10月31日現在) (例)GABA含有量を高めたトマト 可食部増量マダイ 高成長トラフグ など
食べても大丈夫?遺伝子組換え食品 遺伝子組換え食品は、安全性審査で問題がない場合にのみ、製造・輸入・販売することができます。 審査を受けていない遺伝子組換え食品等や、これを原材料に用いた食品等の製造・輸入・販売は、食品衛生法に基づいて禁止されています。
遺伝子組換え食品を食べ続けても問題はありせん。 最新の科学的な根拠に基づき、組み込んだ遺伝子によって作られるタンパク質の安全性や、組み込んだ遺伝子が間接的に作用して 有害物質などを作ったり、アレルギーの原因になる可能性がないことが確認されています。 ゲノム編集食品は基本的に、厚生労働省への届出を経て、安全性に関する情報の公表の手続きが行われます。 ゲノム編集でDNAに起こる変化は自然界や従来の品種改良でも起こりえる変化です。 したがって安全性もそれらと同程度と考えられ、安全性審査は必要ないと判断されましたが、 新たな技術であることや消費者への配慮も必要なため、届出と一定の公表が求められています。 安全性を確保するための仕組み (出典:厚生労働省ホームページ)
新しいバイオテクノロジーで作られた食品の表示はどうなっているの? 消費者庁のホームページをご覧ください。
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