【記者】街路樹の総点検に関連してお伺いします。熊本市内のビッグモーター付近には、市の街路樹はないということでよろしいでしょうか。
【市長】今話題となっております、ビッグモーターの店舗の状況について、私も確認をさせていただきました。熊本市内にはビッグモーターの店舗が3店舗ございまして、1か所は東バイパス店で、国道57号線の東バイパスに面しており、これは国の直轄管理です。それから、2か所目が熊本浜線店で、国道266号線の通称浜線バイパスと呼ばれる道路に面しており、これは熊本市が管理しています。それから、3か所目が熊本北店、これは国道3号線沿いにあり、国の直轄管理です。
いずれにしましても、国道3号、国道57号も含め、熊本市が管理する国道266号沿いの店舗について現地確認を行いましたところ、店舗前にそもそも植栽帯が設置されていないという、そういう区間でありますことから、報道等で報じられております全国で見られるような対象の事案というものには、該当しないという事で確認しております。その他の二つの国直轄管理の道路に関しては、国で調査をされるということになっております。国道3号線と国道57号線の東バイパス沿いの店舗の前も、本市で確認したところ、植栽帯がないということを確認しております。
【記者】自治基本条例の「外国籍含む」という文言の削除についてお伺いします。今後、外国籍の方々との友好やまちづくりへの参画に向けては、市としてどのような姿勢を示していかれるのでしょうか。また、敢えて(「外国籍含む」という文言を)発することで、新たな誤解を生む可能性もあるという認識なのでしょうか、以上2点をお聞かせください。
【市長】特に、外国の国籍を有する者を含むというようなことを、括弧書きで第2条の第2号のところに書いていたところ、外国人に参政権を与えるものではないかといった様々な誤解、そういった認識に基づく不安の声や、反対のご意見も寄せられた所でありますが、そこの部分に関しては今回、現行の条例案のとおりにしますと敢えてさせていただきましたが、議会においてもご意見が様々ございまして、3月の定例会でもお話がありましたけれども、やはり改正によって外国籍の方々と、熊本市に在住する日本人の方々との間に分断があってはならないというご指摘もいただきましたし、そもそも住民というものが、本市に住むすべての人を指すということであれば、特記をする必要はないというご意見もいただきました。また、これを機に、熊本市が外国人の住民の皆さんにも、すばらしい都市であるという認識をしていただける様な取組が必要だという、ご指摘もいただいております。
そこで、これまでも私自身、直接外国人市民の皆さんと、いろいろと意見交換をしたり、いろいろな要望や熊本についてのご意見を聴く機会「市長とドンドン語ろう!」の、外国人市民の皆さんを対象としたものを開催してきましたが、こういったことも踏まえて今年の秋に、外国人の方との「市長とドンドン語ろう!」の開催を予定しております。また、これからTSMCの工場等に従事する皆さんも含めて、この熊本に引っ越してきて、お住まいになる外国人の方々も増えてくることが予想されています。そうしたことも踏まえますと、やはり条例の内容もそうなのですが、多文化共生に関する皆さんの理解を、さらに深める必要があるということを、今回の改正案に関するパブリックコメントや、議会においていろんな方々のご意見を受けている中で、非常に強く感じました。
ですので、そこをさらに積極的に行っていくということで、交流の機会をこれから増やしていって、多文化共生というのは、実際に会って話して、あとはお互いに理解が深まっていない部分を近づけていくといいますか、相互理解を深めていく事が非常に重要になってきますので、そういう意味では、この条例の改正のことでいろいろな誤解や、それからいろいろな多文化共生に対する理解に対しては、もっと取組を強化していかなければならないと改めて感じたところです。ですから、具体的なその交流の機会「市長とドンドン語ろう!」もそうですし、例えば、自治会やいろんな地域の皆さんとの交流の場であるとか、そういったこともこれから積極的に増やしていって、多くの皆さん方が快適に生活できるようにするということ、そして対立や分断を生まないようにするという事を心がけて、これから取組を進めていきたいと考えております。
【記者】自治基本条例に関連してお伺いします。今回誤解に基づく反対意見がたくさんあったという事ですが、これは市の理念を示す条例ということで、きちんと説明を尽くして、外国籍の方と明記したまま条例を出すという方向性もあったのではないかと思うのですが、そういう方法ではなく、削除という方針転換になった理由を改めてお聞かせください。
【市長】今申し上げましたとおり、もともと自治推進委員会で様々な検討がなされ、(答申が)出されて、それを素案にして、それを基にご説明してきたところですが、やはりそれで分断を生んでしまっては何もならないわけです。元々この市民の定義の中には、外国人を含めた本市に住む全ての人を指すということで、あえてそこを特定することで、分断や誤解を生じるようなことがあってはならないという判断で、こういう形にさせていただいたという事ですので、そこについては、やはり今後、より多くの外国人の方を含めた市民の皆さんとの交流の場、そして相互理解の場を深めていく事が非常に重要だと認識し、今回こういう対応を取りました。
今後9月に開催を予定されている市議会の場でも、条例の案についてはご議論があると思いますので、そこでのご意見も踏まえて、今後の取組を進めていきたいと考えています。
【記者】関連してもう1点お伺いします。こうした右側のスタンスから強い声を出していく方というのは、全人口の中でもそんなに多くはなく、全体の1%から3%ぐらいという研究があるのですが、今後いろいろ市の政策を進めていく上で、恐らく市外も含めて強い声が寄せられることは想定されると思うのですが、その際にどういう対応をしていかれるのか、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】今は多くの皆さんが、多様なご意見を寄せることができますので、そういうご意見は一つ一つお聞きすることが非常に重要だと思っています。一方で、考え方がいろいろ偏っているからという話はあるかもしれませんが、ご質問の中にありました右とか左とかということではなくて、多様なご意見が元々にあって、例えば今回は、外国人参政権をこれで認めさせようというような動きにつながるようなものじゃないかという、これは本当に誤解で、全くそういうことはないにもかかわらず、そういうところの理解が深まっていないことに対して、我々もすごく理解が出来たわけです。
そこで、分断を生むのではなくて、本質的な取組、つまり、そういう交流をしたり相互理解をしていくような場を、行政としてもしっかり作っていく事が、よりよいことにつながっていくと思います。そういう意味では、いろんなご意見がたくさんあると思います。不安の声もあれば、いやいやそれはきちっと明記してほしいという声もあります。
例えば、自治会の方からのご発言が自治推進委員会で出て、外国人の皆さんにその地域のルールを認識してもらい、また市民としての自覚を持ってもらうという意味合いで、ぜひ入れてほしいというような意見が交わされた結果として、こういった形になったという話もあったところですが、そういうことも含めて、やはり、多様な不安のご意見をはじめ、いろいろあると思います。それを我々が1回全部受けて、そうすると、賛成もあれば反対もありますので、それを総合的に判断しながら行政としての姿勢を示していく、そしてきちんと議会にもお諮りしながら、議会でのご意見を踏まえて決していくということ、行政におけるいろいろなルールはこのように決めていきます。それが、熟議型の民主主義といいますか、そういったことにつながっていくということになるのではないかと思いますので、そういう意味では、いろんなご意見がたくさん、しかもパブリックコメントで、なかなか普段、あまり市政に関するいろんなものに関心が持たれない部分が多い中で、関心を持っていただき、いろんなご意見をいただけたことは、私はトータルとしては好ましいことだと思っています。
今回のご意見は、県外の方からも多かったのですが、一方で市民の方からも400件以上の意見が寄せられており、これは今までのパブリックコメントの事例の中でも、非常に多いご意見をいただいております。ですので、より多くの市民の皆さんが声を寄せていただくということが、これから非常に重要になってきますので、市民の方からのご意見がどうだからと言って、排除するようなことはありません。
多様なご意見を聴く中には、誤解に基づくもの等いろいろとあります。ただ、こういう認識をしているんだという市民の皆さんの思いを我々が理解するためには、できるだけ多くの意見をお聴きすることは、すごく大事なことだと思います。それが、私が目指す市政ということにつながっていくのかなと思っています。ですので、これで対立を生んでしまったら本当に本末転倒ですので、そういう誤解や不安、懸念を持っておられる方々がいらっしゃるのであれば、そういった方々が不安を覚えないようにしていく事が大事ですし、一方では、そういう差別的な扱いになってしまったり、外国人の方に対する配慮といいますか、対応というのは、より必要になってきます。そういう意味では、多くの意見を合わせていくという事が非常に重要であると思いますし、あとは判断だと思います。
【記者】自治基本条例についてお伺いします。今後、多文化共生に向けての取組を強化していきたいとおっしゃいましたが、現時点で削除の意図であったり、誤解に基づく意見が多く寄せられたことに関して、市民に対して誤解を招かないような説明を尽くしたかという点について、市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】寄せられたパブリックコメントに対して、説明をそれぞれにさせていただいています。熊本市としての考え方というのもお示ししており、こういったことを、皆さんに読んでいただいて、理解していただくことになるかと思いますので、そういった意味では、議会の場でもそうですし、我々は説明を尽くしていると思います。
このような記者会見でも私のスタンスをお話しをし、それはユーチューブ等の動画で、どなたでもご覧になれるような状況ですので、そういう意味では誤解がないように努めていきたいと思いますし、担当部局も取材等々も含めて、あるいは市民個人の方からの問合せについても丁寧に対応させていただいていますので、問題はないと思っております。
【記者】先ほど反響の大きさについて、多様な意見が多く寄せられることに対しては、好ましく受け止めているとおっしゃいましたが、他に何か思われていることなどありますか。
【市長】やはり、外国人の方々がどういう考え方を持っているのか、自分たちとは違う地域で生まれ育って、そして政治的な背景も含めて違う人たちがたくさんいらっしゃることに対して、触れたことのない不安もあるんだろうなと思いました。一方で、逆に不安だとか懸念だという所をしっかりと捉えて、そういうことではないということで、交流をしながら相互理解を深めていくと、多文化共生とただ言葉では言いますが、そんな簡単なことじゃありません。
やはり、自分たちが生まれ育った文化と、違う地域で生まれ育った文化というのは、日本人の中でも各地域で随分違いますし、それを理解したり醸成していくことは、時間も一定程度かけて、丁寧にやっていく必要があるなと思いますので、そういう意味では、こういうご意見が多数寄せられたことに対して、そういった我々の取組を、外国人の皆さんや、受け入れる側の皆さんに対するアプローチが、誤解や偏見、差別につながらないようにするための、行政側の努力や、そういう場をつくっていくことが非常に重要だと感じました。そういう意味では、ポジティブに受け止めて、良い地域づくりのために生かしていく姿勢が重要ではないかと考えています。
【記者】自治基本条例に関してお伺いします。まず今回の改正素案で、外国人を市民に含めると明文化したかと思うのですが、その段階で、市長は明文化するべきであるというお考えだったのでしょうか。その時点での市長のお考えをお聞かせください。
【市長】ここまで誤解に基づく反応があるとは理解しておりませんでした。先ほど申し上げたとおり、この条例の改正については、条例の条文にも規定をされておりますので、期限を見て改正をしようということで、随分と時間をかけて、一年以上前から、自治推進委員会の中で検討されてきました。この自治推進委員会の中での検討から答申をいただいたわけですが、そのことをしっかり踏まえて、こういう改正案を出したらどうかということで、自治推進委員会の皆さんのご意見を尊重したということです。先ほど申し上げた通り、括弧書きで外国人市民の方を特記したということは、自治推進委員会の皆さんのご意見を尊重したということでありまして、そのことが望ましいだろうと、最初は受け止めて改正案を出したのですが、こうやってその文言だけで分断が起きてしまうことは好ましくないという事で判断いたしました。
本質的には、条文の括弧書きをどうするかということだけではありません、ということを今まで申し上げてきたとおりですが、そういうことで、判断に至ったという事です。
【記者】素案をつくった段階では、答申を尊重し、望ましいということで明文化されましたが、結果的に明文化しないという方針に変わったということについて、当然熊本市としては多文化共生をより一層進めていく、深めていくという目的で、今回明記したかと思うのですが、それが出来なかったことに対しての、市長の所感をお聞かせください。
【市長】やはり、これからが大事なんじゃないかと思います。自治基本条例の改正をすることによって、いろいろな議論が起きました。そのことによって、先ほどから申し上げておりますとおり、条例の趣旨や経緯などが十分に理解されてないことによる誤解や誤認識が分かり、それを踏まえて、未来に向けた多文化共生の取組を、より進めていかなければいけないなと受け止めていますので、今回の改正のいろんなプロセス(これは12月からずっとこういう議論になっているわけですが)がしっかり出たということは、私はそれでよかったのではないかと思っています。
むしろ、これからの未来に向けて多文化共生が進むように、さらに具体的な取組を進めていくことが1番重要な点ですので、そういう意味では、この条例の理念が失われるものではありませんし、そして外国人の皆様を含めた多文化共生という事について、より進化させていくというプロセスになったと、前向きに受け止めるべきだと思っています。
【記者】第2条2号の特記した文言だけで分断が起きてしまうことは好ましくないという事ですが、今日公表された意見公募の件数でいうと、大半が誤解に基づくものも含めて、第2条2号に関することに集中していて、反対するものが多くありました。先ほど件数の多さも、通常のパブリックコメントに比べてもかなり多いとおっしゃられましたが、その件数の多さが、今回判断をする上で、大きな理由になったのでしょうか。
【市長】件数が多いだけで判断をするということではなく、その中身です。誤解してる方が非常に多いということもそうですし、そのことによって激しいご意見もある中で、分断などが起こっては何にもならない、本末転倒だと判断しましたので、件数だけでなく、寄せられたご意見のその中身に関しても、慎重に判断させていただいたという事になります。
【記者】パブリックコメント制度に関してお伺いします。誰でも行政に対して多様な意見を提出できるという事について、時には極端に偏った意見が大量に集中したりすることや、逆に計画や素案に賛成する立場であれば、あえて意見をしないという事も見受けられます。特に今回は、誤解に基づく反対が多かったとのことですが、市として判断を下すうえで、誤解に基づく反対意見というものを考慮しすぎではないかという気もするのですが、その点について、市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】その意見だけで判断してるわけではありませんので、それは市議会のご意見やいろいろな情勢を踏まえて最終的に総合的に判断したという事ですので、その事には当たらないかなと思います。
【記者】その上で、今回の改正素案をつくった段階では、市長としても外国人という文言を特記することが望ましいというお考えだったかと思います。そうであれば、反対の意見や議会での意見、あるいはそういった誤解に基づくものに関しては、行政として、また市長ご自身としてその誤解を解くための努力をもっと尽くすべきではないかと思うのですが、その点についてはどう思われていますか。
【市長】そこは3月も含めて、ずっと議会においても、質問を受けた中できちんとお答えをさせていただいていますし、それからこのような記者会見の場でも、この案件については相当たびたび発言させていただいて、私のスタンスというものをお示ししています。今日も30分ぐらい時間をとって、この件に関してお話をさせていただいていますので、メディアの皆さんを通じて、私の考え方や意図は説明が尽くされていると思いますので、説明を尽くすべきだというご質問に対しては、私は説明を十分に行っていると思います。
【記者】パブリックコメント制度については、先ほど市長もおっしゃっていましたが、制度の趣旨として必ずしも多数決ではないと考えます。ただ今回、誤解に基づく反対意見が多かったことも踏まえて決断をされたかと思いますが、今後熊本市が同じように、パブリックコメントを募った際に、当然市としては、公益に資する目的で提案したとしても、それが意見公募で変えることができる、止めることができるという前例になってしまわないかという懸念があるのですが、その点について市長はどのようにお考えでしょうか。
【市長】市民やいろんな皆さんからのご意見が出たから、それによって政策判断や意見を変えるということがおかしいとは、私は思いません。それは、逆に変えないのであれば、何のためにパブリックコメントするのか、つまり、判断のためのいろんな材料を受けるためにパブリックコメントをするわけであって、例えば、この判断・意見を出したから、変えるつもりはないけれども、ガス抜きでパブリックコメント制度を使うようなことではありません。そう考えますと、今のご指摘のようなことには、当たらないのではないかと私は思います。
【記者】特に今回の場合は、誤解に基づく意見が多かったと聞いているのですが、政策判断や意見を変える材料が、誤解に基づく意見であったとしてもという認識でよろしいですか。
【市長】誤解を解き、そして本質が変わらないのであれば、その部分を削除しても市民の定義は変わらないわけです。その分、誤解をしている皆さん方に対して理解を深めていき、多文化共生社会をより充実させたものにするために、交流の機会や交流の場をどんどん創っていこうということで、政策の判断に対していろんなご意見が出たから、より良きものに修正をしていくという事で、今回判断をしておりますので、それはパブリックコメントというものを逆に形骸化させないためにも、この件を踏まえてもっといろんな多様なご意見がある中で、いわゆるサイレントマジョリティ、つまり声を上げない人たちの声も含めて、それを議会やいろんな皆さん方のご意見を踏まえて総合的に判断するという姿勢が私は大事だと思います。
ですので、例えばそこにわーっと、いわゆる文句を言えばどうにかなるんじゃないかということを、聞かれたいのかなと思うのですが、そうではありません。あくまでもこれはただ単に意見を募集するだけではなく、総合的に条例や素案、または計画などに(いろんなパブリックコメントがありますが)皆さんがどのように感じておられるのか、そこで意見が来なければ、議会やいろんなところとの調整の中で最終的に決めていくということになりますが、例えば、平成20年のごみの有料化に関しても、200件程度のご意見が寄せられました。やはり生活に身近で、自分に関心があるところに関しては、意見を言おうとする動きが出てくると思うので、それを最終的には、総合的に判断するというのが、我々行政や議会の仕事だと思いますので、何か特定の意見が偏って寄せられたから、行政がゆがめられてしまうということはありません。
ただ、それは状況を全ていろいろと判断し、内容を精査しながらやっていくという慎重な姿勢が、一方では必要だと思います。ですから、それは最終的な判断でありますので、その判断のプロセス、あるいは考え方については、今、記者会見でも縷々述べさせていただいたとおりですが、これは非常に重要なポイントだと思います。市民の皆さんが、いろんな合意形成を図っていく中で、多様なご意見を行政が聞いている姿勢というのは、十分尽くされるべきだと思いますし、その結果、適正な判断がなされたかという事については、議会やメディアの皆さんを通じて、示されるものであると思いますので、何か特定の意見が集中すれば判断が変わるとか、変えられるといった、そういうものではないと思います。
【記者】街路樹に関してお伺いします。全国で話題になっているビッグモーターの件で、薬剤による被害だという可能性も出てきていますが、今回の点検において、そういった薬剤の可能性を考慮し、土壌の調査も行う可能性があるのかということと、人的に枯らしてしまったということであれば、街路樹があることに対する是非というものが問われるかと思うのですが、市長の受け止めをお聞かせください。
【市長】街路樹の是非に関してですが、街路樹は市民の皆様の生活の潤いにもつながりますし、自然環境をよくする働きもあります。我々は森の都推進部もつくって、森の都を復活させようと推進しておりますので、街路樹には重要な意味があって、なおかつ皆さんに大切にしていただく公共財であるということです。そこはぜひ皆さんにもご理解いただきたいと思います。とはいえ、危険を及ぼすようなことになってはいけませんので、今回は根が腐食していたことから、腐朽菌の繁殖が原因と考えられるということで、樹木医の方やいろんな樹木の専門家の方も含めて、今回点検をさせていただきます。今までも同じような点検は行っていますが、そういう意味では、安全に管理をしていくということも、一方では必要なことだと思っています。
それから、ビッグモーターの件も含めて何か薬剤を散布されたのかどうかというお尋ねですが、一般的な街路樹についても、こういった検査や、定期的に目視等で確認していますので、急に枯れた、または樹勢が衰えたというのは大体把握ができます。ですので、作為的に何かされたということは、その手前の段階で異変に気づくことができますので、今回いろいろ点検をしていく中で、総合的にいろんな検査や確認をしていくと思いますが、先ほど申し上げましたように、危険を予知していく事が非常に重要かと思います。
皆さん方の、緑に対する愛情といいますか、これから街路樹をどのように適正に管理していくのかということに関して、これまでも委員会等でご検討いただいておりますので、そういう方針に基づいて、緑を大切にする、そういった熊本市政をこれからも推進をしていきたいと考えています。
【記者】台湾に関してお伺いします。米中の争いの中で、早ければ2025年に、衝突の可能性があるという話も出てきていて、台湾有事の可能性も非常に高まってきていると思っています。今後TSMCの進出もある中で、熊本市として想定しているものや対策など、現在何かお考えがあればお聞かせください。
【市長】今お尋ねされたことに関して、特にお伝えすることはございません。台湾有事だといろいろ言われておりますが、当然、国における外交関係の中で適切に対応していかれると思いますので、そういった中で、民間の様々な経済交流等に関しては、十分そういったものにも考慮しつつ、対応を慎重にしていくべきだと思います。
ただ今回、TSMCやいろいろな進出を受けた対応については、適切に滞りがないような対応をしていくということ、また工場進出による環境への影響等を、皆さん心配されていらっしゃいますので、その部分に対しては自治体として十分に対応をしていかなければならないと思いますが、台湾有事に関して、我々が特段何か行うということはございません。
【記者】情報公開条例に関してお伺いします。熊本市の運用上、懲戒に至らない処分については、内容を非公開にされるということですが、条例の趣旨に市民の市政への監視を促すという文言もある中で、実際の運用が条例の趣旨とかけ離れているのではないかと感じるのですが、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】市民の皆さんへの情報公開はこれまでも適切に行ってきましたが、特に市民生活に直接影響を及ぼすような事案や、社会的に影響を及ぼすような事案が発生した場合は、総合的な判断をした上で適切に公表、積極的に公表していくべきだと思っています。
一方で市民への情報公開ということに関して、例えば懲戒処分等の公表の基準や、情報公開条例などいろいろな取組に従って適切に措置等を行っておりますので、それが直ちに条例違反ということにはつながらないと考えています。いずれにいたしましても、情報公開というのは市民の皆さんに影響が及ぼされないように、適切に公表がなされるべきものだと考えておりますので、それぞれ判断をしながら適切に行ってまいりたいと考えています。
【記者】内容の部分については公開する、また個人名の伏せてない部分は公開するというような、運用の変更を行うお考えはあるのでしょうか。
【市長】先ほど申し上げたとおり、市民生活に直接影響があるようなものに関しては当然、積極的に公表していくという姿勢に変わりはございませんので、それぞれ個別に対応を考えていく事になろうかと思います。
【記者】7月から始まっている「市長とドンドン語ろう!」についてお尋ねします。今回、次期総合計画が大きなテーマではあるのですが、本庁舎の建替えのことについても、市民の方と対話しているかと思います。これまでの対話の中で、本庁舎建替えに関しては、市民の方からどういった意見が出ているという印象を受けてらっしゃいますか。
【市長】これまで中央区、西区、それから南区と東区で合計4回「市長とドンドン語ろう!」を開催し、多くのご意見をいただきました。その中でも特に庁舎問題については、いろいろと反対のご意見もありますし、一方では、建設すべきだ、建替えるべきだという声や、防災拠点として非常に不安があるので、それをそのまま放置するべきではなく、そういうリスクに対処すべきだというご意見など、それぞれに様々なご意見が出ていると思います。今日も北区で開催しますが、取材していただけると分かりますとおり、本当に幅広にいろんなご意見が出ていますので、そういったものをしっかり捉えながら、そして私からのいろんな説明、これまでの経緯についても説明させていただいていますので、参加者の皆さんには一定程度ご理解いただけているのではないかと思います。一方で、ご質問や慎重にやるべきだというご意見等を踏まえた上で、当日回答出来なかったご質問に関しても、後日きちんとお伝えしながら、こういうプロセスを何度も経ていくことで、より市民の皆さんの熟度が高まっていくのだと思っています。
それから、参加できない方もたくさんいらっしゃいますので、そういった方々へアンケート調査を行ったり、「市長とドンドン語ろう!」の中でやり取りをした部分に関して、動画も撮っておりますので、それが市民の皆さんの疑問やご質問に答えることになる可能性が高いので、そういったものを例えばホームページやYouTubeなどで動画を見ていただいたり、熊本市からの回答をさせていただくことで、熟度が高まっていくのかなと考えております。
【記者】バス事業者の運賃改定に関してお伺いします。熊本市内を走る路線バスの運賃を改定するという方針を示しましたが、これは、利用者における市電との需要のバランスを考慮した結果だと思いますが、この件に関しての市長の受け止めをお願いします。
【市長】路線バス事業者5社の皆さんが、共同経営の中でいろいろ検討をされた取組の一つとして、熊本中心部のエリアを均一料金にするということで、7月24日の公共交通協議会でお示しになられたものです。これは非常に好意的に受け止めておりまして、やはり利用者の皆さん方が利用しやすいように、現状の中で取り決めを進めようということですので、今後さらに利用者が増えていくことにつながっていくのではないかと思います。
ただ、運賃の分かりやすさや、均一料金にすることによって利用者が増えるかどうかというのは、少し推移を見ていかなければいけないとは思いますが、こういった取組は共同経営における大きな成果につながると考えておりますので、今後も次々に、利用者の方が利用しやすいような取組、そして、バスも含めた公共交通を長く持続可能なものにしていくためには、今、自家用車で移動している方々を、出来るだけ多く(公共交通を利用いただけるよう)転換していくという事は、いろいろな取組を行うことで促進されると思っております。一部ではもっと安くしてほしいとか、いろんなお話があると思いますが、それは今後の利用状況を踏まえて、各社考えていただければと思っています。