市長発表
まず初めに、海外訪問についてご報告いたします。
フランス・エクサンプロヴァンス市との交流都市締結10周年及びドイツ・ハイデルベルク市との友好都市締結30周年を記念し、9月30日から10月8日にかけて市議会の皆様とともに、熊本市代表団として両市を訪問いたしました。こちらのモニターをご覧ください。
これはフランス・エクサンプロヴァンス市での様子ですが、エクサンプロヴァンス市では、熊本市造園建設業協会をはじめとした関係機関の皆様のご協力により2021年に整備が完了したサンミトル公園というものがあるのですが、その中に日本庭園があります。これを視察しました。今回、エクサンプロヴァンス市の緑地部や地元の皆様、それから株式会社ちかけんプロダクツの皆様のご協力のもと「竹あかり」をこの日本庭園で実施いたしまして、(モニターの写真を)ご覧のとおり、大変多くのフランス、地元の皆様にお越しいただき、日本文化を楽しんでいただきました。
会場には、本市黒髪小学校の児童やエクサンプロヴァンス市のこどもたちが作った三角灯篭も設置しまして、ワークショップなども行われたわけですが、非常に多くの三角灯篭が彩りを添えました。
次に、こちらのモニターをご覧ください。フランス・エクサンプロヴァンス市交流都市10周年記念のレセプションにおいて、村田優久夫在マルセイユ総領事より、エクサンプロヴァンス市に対し、友好親善関係の増進への多大な貢献に関する外務大臣表彰が行われました。これは、エクサンプロヴァンス市がこれまでフランスにおける日本文化の普及に尽くしてこられたことに敬意を表し、授与されたものでありまして、交流都市の市長として同席させていただきましたが、大変嬉しく思ったところです。皆さんご承知と思いますが、両市の交流のきっかけを作られたのは能楽師、狩野琇鵬先生でありまして、狩野琇鵬先生をはじめ関係の皆様方により築かれた絆というものを未来に繋いでいく決意を新たにいたしました。
次に、こちらのモニターをご覧ください。こちらは、小学校におけるオーケストラを通じた教育プログラムが行われておりまして、それを視察した模様(です)。それからこちらは学校給食におけるベジタリアンメニューなのですが、こちら食材を地元の野菜やオーガニックの食材を使った学校給食で試食をさせていただいた様子です。小学校1、2年生からクラリネットやフルート等の楽器を演奏するなど芸術文化に触れる環境づくりが充実しておりまして、こども達が意欲的に取り組む姿が非常に印象的でした。
次に、こちらのモニターをご覧ください。エクサンプロヴァンス市の総合病院であります。予期せぬ妊娠をした妊婦の方への支援体制や匿名出産の実態などについて情報交換をさせていただきました。
フランスにおいては、匿名出産を希望する妊婦に対しては、心理士によるカウンセリングや社会福祉部門の担当者が、女性とこどもの権利について話をするなど、母子の権利を保障する仕組みがあることについてご説明をいただきました。
今回の視察で得られたコネクションを活かし、今後も継続して情報交換を行い、取組の検討に役立ててまいりたいと考えています。
次に、こちらのモニターをご覧ください。ドイツ・ハイデルベルク市における両市協議におきましては、未来を担う若い世代の交流機会の創出等活発な意見交換を行ったほか、中断をしておりました医療交流とスポーツ交流の再開についても合意し、調印してまいりました。
次に、こちらのモニターをご覧ください。こちらは、ライフサイエンス分野などのイノベーション拠点として整備が進められている「ハイデルベルクイノベーションパーク」内に立地するビジネスディベロップメントセンターでの様子です。
スタートアップをはじめとする地元企業や産学連携などを通じて企業を支援する皆様にお集まりいただき、本市及び本市におけるビジネス環境についてご紹介する機会をいただきました。経済分野でも今後の交流が更に活発化することを期待しています。
次のモニターをご覧ください。これは、ハイデルベルク市役所において友好都市締結30周年記念の展示がなされている様子でございます。30年の交流の歴史や、昨年、熊本市民の皆様からハイデルベルク市へ送られた友好のお手紙が展示されておりまして、これを拝見しながら、ヴュルツナー市長の体調が悪かったこともありまして、オチュック副市長、第一副市長になられますが、副市長と一緒にこれまでの歩みを振り返る、そういったひとときを過ごしました。
次にこちらをご覧ください。これは私が自転車に乗っているところですが、ハイデルベルク市では、自動車交通から自転車利用へシフトする取組がかなり強力に進められておりまして、今回、代表団全員で実際に自転車専用道を走りましたが、安全で快適な環境が整えてられておりました。使用したシェアサイクルも乗り心地がよくて、熊本市のCharichariと同じように皆さんが気軽に利用できるものですが、年間30万台活用されているとのことです。(私を含め)往復10kmくらいみんなで走ったのですが、自転車の交通量がすごく多いんですね。今まで道路だったところを、自転車専用という形で新たに設定して、自動車専用道として整備しており、今後各所へ拡大していくということでした。環境面や健康づくりにも寄与する取組でもありますし、特に交通渋滞の対策等にも非常に効果があるということですので、本市の施策に活かしてまいりたいと考えております。
次に、こちらをご覧ください。今回の欧州訪問では、内密出産に関する視察も行っており、こちらは、ドイツ連邦家族・市民社会局を訪問した際の様子です。内密出産の法制度についてドイツ連邦当局の皆さんからご説明いただき、出自証明書の実物もご提供いただきました。これがその実物です。内密出産を行った母の情報は、こちらのカードに記載されます。これを、連邦機関が保管することで、こどもの出自を知る権利を保障しているということです。こういう形式のものですが、少し説明しますと、こういうもの(出自証明書)に母の情報、名前や生年月日が記載されて、一部の限られた人しかわからないように入れられて(封入されて)、そしてここに生まれたこどもの生年月日と母の仮名(かめい)が記載され、色々な行政手続きを含め仮の名前で運用されていくということで、こういった出自証明書を実際に見て色々な話を伺うことができました。これを連邦機関が保管することで、こどもの出自を知る権利が保障されているということがわかりました。
また、この機関は、妊娠に関する悩みに対し、電話等で24時間対応する相談窓口、ホットラインを運営しておられることから、その運用状況についても伺ってまいりました。
加えて、同席いただきました連邦保健教育センターの方からは、より早い年代から行う性教育の重要性、それから、性に関する体の仕組みでありますとか、妊娠などのテーマ以外に、パートナーとの関係や性被害の防止などの幅広いテーマについて学習を促す包括的性教育の取組についてご説明いただき、その必要性について再認識いたしました。
次にこちらのモニターをご覧ください。また、NGOで運営されている妊娠相談所プロフェミナも訪問しました。これはドイツのハイデルベルク市です。ここでは、妊娠に関する悩みを抱える女性との信頼関係を築いて、女性に寄り添いつつ本人の自己決定を促していくような支援が行われていました。
この視察で、ドイツ連邦の機関やNGOとのつながりを持つことができたことは、本市が今後の政策を検討していく上でも大変大きな成果であり、多くの関係機関の皆さんから、非常に協力的に何でも聞いてくださいということで、後からまたこちらから色々な問い合わせができるような関係性を構築してまいりました。国に対しても、ドイツでの内密出産の状況を報告いたしますとともに、内密出産の制度化に向けた法整備の検討を引き続き要望してまいりたいと考えています。
今回、対面での交流によってこのように実りある視察となり、より一層、エクサンプロヴァンス市、ハイデルベルク市との絆を深めるとともに、内密出産関連で大変意義のある視察が出来たと考えております。
今回の訪問を契機に、今後さらなる友好・交流を促進し、各分野における施策展開に生かしてまいります。
次に、第133回九州市長会の開催についてお知らせします。
明日18日から19日の2日間にわたり熊本城ホールにおいて、「第133回九州市長会総会」を開催いたします。
九州市長会は、九州119市間の連絡調整を図るとともに、都市に関する諸般の事項の調査研究や積極的な提案活動を通じて、地方自治発展に寄与することを目的として活動しています。
今回の会議には、112市の市長等をはじめ、約360名の皆様にご出席いただき、国への要望として全国市長会へ提出する議案等について議論するほか、熊本城やXOSS POINT.(クロスポイント)等をご視察いただく予定です。
今回は、私が本年5月に九州市長会会長に就任後、初めての総会であり、本市で開催ができますことを大変嬉しく思っております。熊本地震の際、本市に多大なご支援をいただきました九州各都市の皆様方には、熊本城をはじめ熊本地震から力強く復興している本市の姿をご覧いただくとともに、熊本の魅力を存分に味わっていただけるよう真心のこもったおもてなしでお迎えしたいと考えております。
次に、「熊本藩川尻米蔵」の開館についてお知らせします。こちらのモニターをご覧ください。10月21日(土)に、国指定史跡である「熊本藩川尻米蔵」が開館いたします。
「熊本藩川尻米蔵」は、江戸時代の物資の集積拠点として、熊本の歴史を語るうえでも欠かせない施設です。本市では平成22年に国指定を受けて以来、外城蔵跡の修復、熊本地震からの震災復旧、展示制作など、公開に向けた準備、整備を進め、開館の運びとなりました。翌週の28日(土)、29日(日)には、「米蔵」等の夜間ライトアップ、また29日(日)には「米蔵」にちなんで、新米のおにぎりを振る舞うなど、オープニング記念イベントを開催するほか、地域の皆様とともに川尻の歴史的建造物を体感するイベントなどを開催いたします。今後、まちづくりや教育、観光振興等の分野にも寄与するよう、積極的に活用してまいりますので、是非多くの皆様にお越しいただきたいと思います。
最後に、「熊本マスターズジャパン」国際バドミントン大会の開催についてお知らせします。こちらのモニターをご覧ください。
熊本で初めての開催となります「熊本マスターズジャパン」の開幕まで、いよいよ一カ月を切りました。
熊本県立総合体育館を舞台に、11月14日(火)から19日(日)にかけて開催されるこの大会には、30ヶ国・約1700人の選手の方々にエントリーをいただいており、ここ熊本に世界トップレベルの選手が集結し、パリオリンピックの出場をかけた熱い戦いが繰り広げられます。
大会期間中は会場にファンゾーンも設置いたしますので、迫力ある世界トップレベルの試合とともにお楽しみいただきたいと思います。
本市では、選手の皆様が大会で素晴らしい成績が残せるよう、万全の体制を整えるべく、日本バドミントン協会や県など関係機関との連携のもと準備を進めているところです。
チケットも現在発売中でございますので、是非会場で、選手たちの躍動感、熱量を感じていただければと思います。
なお、本大会の会場には駐車場がございませんので、試合会場へお越しいただく場合は、公共交通機関をご利用いただきますようお願い申し上げます。
私からは以上です。
質疑応答
【記者】海外視察についてお伺いします。ドイツを視察された際に、内密出産の制度化に向けて国へ法整備の検討を進めてもらうよう要望したいとお話しされていましたが、要望について具体的な時期などがあれば教えてください。
【市長】今はまだ、要望の時期等について具体的に定まったものはございません。ですが、内容をしっかり精査をして整理し、また慈恵病院や関係機関の皆さんともよく協議をしながら、今後内密出産の法制度化に向けた取組を要望してまいりたいと考えています。
【記者】(同じくドイツへの視察に関しては、)包括的性教育の重要性を痛感されたとお話しされていましたが、具体的にどういった場面をご覧になってそう感じられたのかを教えてください。
【市長】例えば、内密出産やこうのとりのゆりかごについての話題が、熊本では出ていて、全国的にもそういったものを創ろうということですが、やはり望まない妊娠をするに至る背景には、性教育やパートナーとの関係性であるとか、自分をどうやって守るのかとか、性被害から自分を守るやり方など、そういった包括的な性教育が必ずつながっているんだな、ということが今回よく分かりました。
特に、(ドイツの)連邦家族・市民社会局に伺ったときに、連邦保健教育センターの方も同席されていろいろとお話を伺ったのですが、性教育の資料やパンフレットなどの教材がたくさんあるのですが、見せていただき、相当具体的に、年代ごとに内容を変えるということではありましたが、日本では少し考えられないような割と踏み込んだものもありました。これは、必ずしも性交に関することだけを取上げているのではなく、人間関係であるとか、断る断らないなども含めていろんな葛藤がありますよね。そういったことも含めて、パートナーとの関係性や、それから性被害を防止するようなこと、いろんなことを情報としていただきました。
やはり、ここまでいろいろなことがオープンにされていることは、そういう望まない妊娠などをその手前の段階で予防をしていこうということで、性教育と非常につながりが深いものだと改めて実感しましたし、そういう機関同士がかなり緊密に連携をされているということ、それからネットワークがしっかり構築されて、相談体制も充実しているということを考えますと、例えば生物の時間などでも性教育に関連して教えているというようなお話もお伺いしましたので、非常に参考になったと思っております。
【記者】内密出産の視察に関連してお伺いします。熊本市の実態について、ドイツの方々からはどのような評価であったのか、また課題のご指摘等があったのであれば、その内容について教えてください。
【市長】日本においては法制化出来ていないという事実があり、またドイツやフランスとは制度上も違うということがありますので、一概に何か先方からこうだという評価はなかったのですが、これから熊本市や、日本の中においてそういった制度をしっかり充実をさせて、相談体制やいろんな機関同士の連携、それから主体を増やしていくということ、妊娠相談所や妊娠葛藤相談所等が、(ドイツやフランスでは)公的に保障されてる部分に関して法律のバックボーンがあってそういったものが設置されていますので、その辺りが日本との大きな違いでもあります。
こういったところは、先ほどご質問にもお答えしましたとおり、国に対して(要望するにあたって)、ドイツやフランスなど他の国の事例がありますので、そういったことを参考にしながら、熊本だけではなく日本においてどういう形でこういった体制を整備していけばいいのか、これは法制度化にも影響してくる話ですので、そういったことについてのいろいろなご示唆をいただきました。
個別には、我々が疑問や日本ではなかなか事例のないようなことも、質問書をあらかじめ送らせていただいた上でご回答いただき、その場でフリーのディスカッションをさせていただきましたので、そういう意味では、非常に熱心に日本のこういった取組をサポートしてあげようというような姿勢が、やはり先進地、先進国だなと感じました。先ほど申し上げましたように、何でも相談をしてください、質問してくださいというようなことで、窓口が開けましたし、関係性も築けましたので、今後も定期的にいろんな形で交流や情報交換を行って、アドバイスもいただきながら進めていきたいと考えています。
【記者】内密出産に関しては、関東圏でも取組を行うという話も出てきていますが、行政間の連携について何かお考えがあれば教えてください。
【市長】内密出産やこうのとりのゆりかごのような事例を、これから取り組もうという自治体もいろいろ出てきているようです。自治体における医療機関など、そういった施設が実施しようということで、情報としては報道ベースですが伺っております。我々としては、いろいろな経験やこれまでの蓄積情報もありますので、できる限りの中で、いろいろなお問合せやご相談があった場合には、協力をさせていただきたいと考えています。
【記者】本庁舎の耐震性能について、今年も国の調査が始まるかと思いますが、どのような回答にするかという点については今後協議するということでしたが、現在協議がスタートしているのかどうか、または庁舎内にとどまるのか否か、現在の状況を教えてください。
【市長】本庁舎の耐震性能に関する国、消防庁の発表項目について、我々としてはまず庁舎の問題に関して内部的にどうするのかということは、現在検討させていただいています。国においてもこういったことは、報道やいろんなことを通じて情報はご存じですので、国からもいろいろな話が今後あるのではないかと思います。ですが、今はまだ具体的にこうだということで、ここ1か月程度の間に何か動きがあるということではありませんが、内部的には考え方をいろいろ整理している状況です。
【記者】取りまとめ次第、国への報告という形になるのでしょうか。
【市長】国ともいろんな形で情報を共有し、国の考え方がどうなるのかということもありますし、我々のように深い調査を全ての自治体が行っているというわけでもありませんので、そういう意味では濃淡はあると思います。
そういったものを、国としても今後の発表の仕方や、いろんなことをどうするのかということは、国においてまたお考えになるんじゃないかと思っておりますので、本市として今の段階でどうこうと明確なものはありませんが、国の判断も今後示されるのではないかと思っております。
【記者】海外訪問についてお伺いします。内密出産に関すること以外で、エクサンプロヴァンス市とハイデルベルク市への訪問で得られた成果を教えてください。
【市長】一つは、これまでコロナ禍もあって十分な交流が出来ていなかったということで、エクサンプロヴァンス市もハイデルベルク市も、両市の市長を初めとする訪問団の皆さんのお迎えを、今年、本市でさせていただきましたが、その時より、さらに交流の裾野を広げるためにどうあるべきかという協議が今回進んだということは、非常に大きな成果であったと思います。
エクサンプロヴァンス市もハイデルベルク市も、やはり若い人たちの交流というものが非常に大きな成果を生むわけです。例えば、ハイデルベルク市とはもう30年という長い歴史の中でお互いの交流が育まれています。今、日本の若者たちが、なかなか海外へ留学するチャンスがなかったり、そういう意向が我々の学生時代と比べると少し内向きといいますか、経済的な理由もあるとは思いますが、様々な点で海外のいろんな多様な文化や考え方に触れる機会が非常に喪失している中で、青少年間の交流であるとか、それから文化やスポーツ、経済面での交流が深まることが非常に大きな成果につながるということは、それぞれ両市と本市との間で一致したことです。
それと同時に、内密出産のような先進的なそれぞれの国の取組がありますけれども、(ハイデルベルク市の)交通政策についても先ほど申し上げたような自転車の政策であるとか。これは数年前から転換しているので、すごく古くから行っているのではなく、実は3年くらい前から、道路を規制して車の通行を抑えて、自転車専用道をどんどん広げています。これを進める中では、市民の皆さんからの反対の声、『車が通れなくなって不便になるんじゃないか』という声もある中で、議会においてもいろいろと議論しながら進めてきたそうです。それが今3年ぐらい経つ中で、全体の交通の30%程度が自転車交通ということで、非常にその割合の多さに驚いたところですが、ちょっと油断をしていると自転車がどんどんやってきてしまうというような状況でしたので、(ハイデルベルク市における)自転車政策は相当大胆に進めておられると思いました。
今、熊本では渋滞やいろんな課題がありますが、既存の道路をどう変えていくのか、あるいは自転車専用道路を拡充していくにはどうしたらいいかということなど、そういう具体的に我々へと突きつけられている課題も、こういう先進事例を見ることによって成果があったと思いますので、そういう意味では、海外にいろんな事例を見ながら進めていく、それから若い人や市民レベルでの交流を深めていくということが、これから非常に大きな成果を生んでいくのではないかと思っているところです。
【記者】ハイデルベルク市とは30年、エクサンプロヴァンス市とは10年という歴史がありますが、これまでの交流で何を築いてきたか、そして、今後に向けてどういった関係性へと発展させていきたいか、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】一つはやはり、10年、30年といいますが、エクサンプロヴァンス市に関して言えば、90年代の初頭から狩野琇鵬先生が能舞台を寄贈するという話が30年ほど前からあって、そういう交流の歴史の過程の中で、10年前にようやく両市同志が協定を結んだということです。ハイデルベルク市においてはもっと長い歴史がありまして、30年どころか60年近い歴史がございます。昭和39年(1964年)に当時の石坂市長(第20代熊本市長)が、全国市長会の訪問団として訪問をされた時に、河川やお城、歴史、文化、こういったものが熊本と共通項が非常に多いということから両市の交流が始まっていますので、そこに至るまでの間というのは、10年や30年どころではなく、もっと長い交流、市民レベルの交流も含めてですが、行われているということが非常に大きいです。
これまでの成果で1番大きいのは、両市にそれぞれの自治体に対するファンの方が非常に多いということです。ハイデルベルク市もエクサンプロヴァンス市も、ぜひ熊本に行きたいという方がいらっしゃいますし、それから訪問団としてこれまで来られた方々は、また熊本に来たいから是非呼んでくださいというような声も、今回いただいたわけでありますが、いろいろな機会があるごとに日本の中でも特にこの熊本というのは、規模的にも非常にすばらしい規模だということで、両市からも評価されていますし、特に歴史やコンパクトな町を評価されていますので、そういう意味では市同士の交流が深まることによって相互理解も非常に深まっているのと(同時に)、人的なネットワークがどんどん広がっています。
例えば、ハイデルベルク市との青少年交流について、数十年前に行った若者で現在40代ぐらいになっている人から、私に直接X(旧ツイッター)経由でDM(ダイレクトメッセージ)が来まして、「今ドイツに行かれてるんですね。私が高校時代に行って、それから、自分で3回も4回もこどもを連れて訪れたりしています。そうやって今でも、ドイツのハイデルベルク市の皆さんとの交流が、自分の人生の形成にとって非常に大きなものになっているので、ぜひ青少年交流を続けてほしい。」というような、日本からの、熊本の元学生さんからの要望もいただきました。そういった長い交流の歴史の中には、相当市民間同士の交流が培われているなというところが大きな成果かなと思っています。
もう一つは、ハイデルベルク市のビジネスディベロップメントセンターにおいて、熊本のDAIZ株式会社の皆さんから先方へプレゼンをしていただいて、これが実際に商談に繋がって具体的な話になっているということで、これ以上はビジネスのことですので言えませんが、今回かなり注目を受けたということで、経済面においてもこれからさらに交流が深まっていくのではないかという期待をしているところです。
【記者】エクサンプロヴァンス市で行われた竹あかりについてお伺いします。日本庭園に熊本の風景が再現されたということで、現地の方々からも大変好評だったとのことですが、改めて市長の所感をお願いします。
【市長】(今まで)全国共通と思っていましたが、最近、竹あかりのオブジェが日本のあちこちで見られるようになりました。フランスの皆さん方が非常に感動され感激されていたのは印象深かったです。それから、フランス在住の日本人の方を含めてこどもから大人まで非常に多くの皆さんが集まっていらっしゃいました。
そういう意味では、市民レベルでつくり上げたこういう文化が、海外でも評価されるというのは、非常に有意義で大きなことではないかと思いますし、他の国や地域で行っても(いいと思います)。(熊本の水あかりの)写真などをお見せしたりすると、多くの皆さんが日本文化(に興味がある)や、熊本の水あかりにぜひ行ってみたいという方がいらっしゃいましたので、熊本へ訪れるファンの皆さんをつくるという意味でも、非常に大きい出来事であったかと思います。
【記者】内密出産制度、妊娠相談センターの視察に関してお尋ねします。熊本の慈恵病院では出自証明書を病院で保管していたり、また救急搬送に関しても病院が担う部分が大きいかと思いますが、ドイツの国や行政における保管や救急対応への関わり方を、実際に視察されてどう感じられたか、市長の受け止めをお聞かせください。
【市長】一つは、そういったことの整備がきちんと整えられており、法制度というものがしっかりと基盤になっているから、それぞれの機関が対応することが出来ているんだなと思いました。
ひるがえって我が国における内密出産に関しては、熊本市の一病院での取組という形ではじまって、それがまだ国レベルでは、ガイドラインということで、現行法の範囲の中でこういう形で解釈しながらやってくださいという事になっておりますので、そういう意味では病院に、かなりの負荷や依存をしているという状況にあるかなと思います。やはりこれは地方自治体の一民間病院だけで担える問題ではないなということが、ドイツに行って改めて意を強くしたところでありますし、また国も救急搬送の問題や運用の問題、出自の取扱いに関する検討会が進められていますが、これは非常に重要で、こういったものの取扱いというのをしっかり連携しておられるということは、今後日本の制度を構築していく上で、非常に重要な視察になったと受け止めているところです。
ですので、国に対してもそういった制度的な確立をお願いしていきたいと思います。(ご質問の中に)救急搬送等の具体的なことがありましたが、仮名で運用していくということで行政手続が進められるというのは、非常に大きな気付きであったと思います。それが日本の現行法上どこまでできるのかというと、またそれは別の問題になりますが、そういったこともしっかり、これから国やいろいろな関係機関と協議をしながら進めていきたいと思っています。
【記者】(ドイツでは)妊娠相談所が1600か所以上あるということでかなり多い印象を受けましたが、日本への必要性などはどのように感じられたか、お聞かせください。
【市長】熊本市では妊娠内密相談センターを開設していますが、こういう機関が全国に1600件あるとするならば、恐らく望まない妊娠で悩んでいる方々が厳しい状況に置かれることはないのではないかと改めて思いました。
つまり、こういった相談機関は、自治体や行政で設置するだけではなく、民間のNGOやいろいろなところが協力しながらサポートする体制がものすごく出来ており、そのネットワークもかなり充実したものであるということ、これが非常に重要なことだと思っております。ですので、我々が試行的に4月から始めた妊娠内密相談センターですが、9月末現在で相談件数が延べ281件来ております。そういう意味では、少しずつ認知が進んでいるんだろうなと思いますが、ということは全国で考えると、もっと多く悩みを抱えている人がいて、その救済の窓口がなかなか無い。そして行政の窓口は非常に敷居が高く感じられると思いますが、やはり内密で相談できて、相手を責めることや追及をするというような形ではなく、その人の立場に立って上手にカウンセリングや相談を受けておられるということを、(訪問先で)かなり具体的に細かく聞いてこれたのは、非常に大きな成果だったと思っています。
【記者】内密出産に関連してお伺いします。国への要望も、やはり法整備の有る無しは大きいということで当然だと思うのですが、今回の視察を通して、妊娠内密相談センターですぐに生かせるようなこと、さらに慈恵病院との出自に関する検討会において、これは生かせると感じられたようなものがあれば教えてください。
【市長】まず、すぐ生かせるだろうということに関して言えば、相談を受ける体制を充実させるということでは、ドイツの様々な連邦の機関、それからNGOなどの相談機関のノウハウが非常に生きるなと思いました。これはすぐに生かせるという意味では、内密相談センターに関しては、実際のカウンセリングをどういう形でやっているのか、相談をどのように受けているのかということをかなり細かく聞いてきました。(例えば)こういうケースについて、こういう形でメールでのやりとりをされていて、メールの原文まで全部見せていただきました。ドイツ語で読めなかったので、携帯で翻訳してみましたが、(最終的に)通訳していただいたので、かなり分かりやすかったです。そこで、本市の(妊娠内密相談センターで)実際に相談を受けているスタッフが、かなり細かくいろんな質問をしまして、短い時間の中でいかに相手に寄り添って支援につなげるのかというノウハウがあるという、ここが非常に今回の訪問で大きな成果だったなと思うのが一つで、これはかなり生かせるだろうなと思います。相談のスキルとか、それから受け方とか相手への返し方など、非常に微妙なことなのですが、これは横で聞いていて、そうなのかと私自身かなり勉強になりました。
それと、慈恵病院とやりとりをする中で、慈恵病院もどういう形で出自の保管をするか、お母さんの情報をどうやって守るかということは、ガイドライン上は病院に課されており、そこのお悩みもあるかと思いますので、仮名での運用なども含めてですが、こういった情報をしっかり慈恵病院へと提供して、そして運用がよりスムーズにできるように、我々としてもいろんな情報提供やサポートもできるのではないかと考えています。
【記者】上熊本駅の屋根の落下についてお伺いします。先日、記事を掲載し報道を行いましたが、設置からわずか2か月で雨漏りしていたこと、またわずか7年という期間で撤去になってしまったことについて、駅利用者の方も不安に思われていると思います。改めて市長の考えをお聞かせください。
【市長】まずは、今回の事故で非常に不便を強いられてる利用者の皆様方、市民の皆様方に、改めてお詫びを申し上げたいと思います。今回の事故では被害者はいなかったのですが、本当に一歩間違えれば大きな命を失うような大事故になった可能性もあると考えており、今回の件は、市長としても大変重く受け止めています。それで、できるだけ迅速に対応するようにということで、私からも指示をして、現場の視察へも直接行きましたが、できる限り早期に屋根の改修をしていくようにしたいと思います。
以前も雨漏りがあったり、今回、落下が起きてしまったということで、平成28年(2016年)5月は熊本地震の直後だったのですが、雨漏りを確認後、地震の影響がどのくらいあるのか、安全性に問題がないかなど、いろんな形で当時の施工業者や関係各所と協議をしながら進めてきていたということがあります。
ただ今回、報道でもありましたとおり原因が明確ではないということもありますので、構造上の問題がなかったか、あるいは施工の問題がなかったのかも含めてしっかり検証しながら(進めていきたいと思います)。一方では、こういった落下の危険性がないように、また現在は雨ざらしになっている状況であり、交通の不便にもつながっていますので、ここをできるだけ早く元に戻していくということが必要だと思っております。議会へも適宜、きちんと状況をご報告させていただき、議会とご相談しながら今後の対応については検討してまいりたいと思っております。
【記者】公共施設でもあるので、庁舎設計の際には、耐震基準であったり、建付けに間違いないかなど確認された上で建設されたとは思うのですが、公共施設の管理や整備の在り方について、市長のお考えをお聞かせください。
【市長】ここの構造はハニカム構造といいまして、蜂の巣のような形で、上のパネルをできるだけ軽くするような構造にして、支柱を少し細めにするといったことをしながら、全体的に軽量化を図ったりと、施工がしやすいように、恐らくいろいろ考えて設計されたのだろうと思います。
ただ一方では雨が入ってしまうといった、実際に設置してみないと分からないこともいろいろあったということもあり、そういう意味ではどこに今回の原因があったのかを突き止めないと、誰の責任でどういう課題があって、それを次繰り返さないためにどうしたらいいのかというのが、今、明確に言えない状況です。ですので、そこをしっかり検証することが、私は必要だと思っていますので、徹底するようには指示しておりますが、一方ではとにかく早く、かつ安全に復旧するということが非常に重要ですので、その点についても並行して取り組んでまいります。
【記者】現在来春の設置に向けて検討されていると思いますが、設置に向けた再発防止の観点から、費用面や安全面など重点的に検討されることや、取組についての市長のお考えも含めて教えてください。
【市長】まず安全に設置されるというのが最優先の項目であります。ですので、時間を急ぐということももちろんありますが、再設置するわけですから、安全性が担保されなければ、安易にゴーサインを出す訳にはいきません。市民の皆さんを危険にさらすわけにはいかないと思っています。
一方で、上熊本駅前というのは交通の乗換えの要衝であり、多くの方が利用されているところですので、そういう面での機能に不便がないよう、できるだけ早く改善することが非常に急がれることであると思っています。安全がとにかく最優先ということになると思います。
【記者】議員バッジに関してお伺いします。今県外でレプリカが返還されるなど問題視されている部分もありますが、熊本県議も務められた大西市長ですが、これまで事務局に返還を求められたことがあるのか、また返還の実績について教えてください。
【市長】議員バッジというのは皆さんご承知のとおり、国会議員の場合は通行証になっています。あれを持って各議場に入ったり委員会室に入って色々なことを行うわけで、身分証みたいになったりしているわけですが、県議会地方議会のそれぞれの記章というのも、それぞれの規定に基づいて厳格に運用されていると思います。
私は県議会議員時代は、本会議場やいろいろ公的な会議の際にはできるだけつけていましたが、普段はつけないことが多かったです。私自身、返還を求められることは今まではありませんでした。ただ、議員バッジ自体が熊本県議会の規定によると貸与ということになっていたので、私は県議に5回当選していますので、(当選して)1回ずつバッジを貸与していただくときに、(今持っている議員バッジは)返さなくていいのかなと思ったというのはあるのですが、実は5個の議員バッジを全て保管しています。議員バッジに関する報道があった際は、ちょうど出張に行っていたので存じ上げずに先ほど知ったところですが、そうであるならば返還をできるように、私は全部保管しております。。
ただ(ご質問にもあります通り)、全国的にそういうものに対するいろいろな課題があるということですが、バッジの扱い方が一体どういう意味を持つのかということは、先ほど国会においては、何百人という議員が行ったり来たりする中で、勝手に議場に入られたら困りますので、恐らくそういう身分証としての扱いは地方議会でも同じようにあるのだろうと思います。ですが、本来のバッジの位置づけといいますか、在り方については、こういう機会に考えてもいいのではないかと思っています。
県議会では貸与ということになっていますので、いつ返せばいいのかなと思って大事にとってあります。少しこう、そぜる(熊本弁で摩耗すること)といいますか、少し傷んでぼろぼろになったりしているのですがそのままにしてあります。(県議会議員時代は)バッジの布の部分がすり切れてしまうので、自費で修理したこともありました。ただ、これも議会によっては貸与ではなく、付与して議員をやめたら効力を失うと規定している議会もありますので、県議会の場合も、そういったことをこれから決めていけばいいのではないかと思いました。
【記者】規定はあるけれども、実態としては返還を求められていないということでしたが、その規定の存在意義のようなことも含め、そもそも規定が必要なのかどうかについて、市長の所感をお聞かせください。
【市長】例えば、たしか弁護士バッジを失くしてしまうと、何か懲罰というか、始末書のようなものを書いたりして記録に残るという事があったかと思いますが、公的機関で扱うものというのは、そういう規定に従って厳密に運用されるべきものだと思いますので、そういう意味では今後、各地方議会においてこういう問題提起があって、報道もなされているということであれば、いま一度議員の皆さんで、それぞれの議会における規定でありますので、検討していただくのがよろしいのではないかと思います。
【記者】内密出産に関連してお伺いします。内密出産の制度について、出産前後の総合的支援により成り立つものという記載もあることから、熊本市は妊娠内密相談センターを開設して出産前の支援について取り組まれていますが、現在慈恵病院と熊本市の取り組み方ですと、出産後に妊婦さんが県外へ出られたりして、その後の支援につながってない、そこで切れているのではないかという指摘もあります。この点について、市長の所感をお願いします。
【市長】今ご質問いただいたことは、非常に重要なご指摘だと思っています。(視察を行った)ドイツや色々な地域では、(出産)後のフォロー体制がかなり充実しているということがありました。ですので、我々は今、妊娠内密相談センター(を開設し取り組んでおりますが)、ドイツの事例でもやはり途切れてしまう場合もあるそうですが、そこでできるだけコンタクトを長くとり続けて支援につなげていくこと(が重要であり)、特に、福祉的なサポートや経済的なサポートなど、女性を取り巻く環境はかなり変わっていきますし、母子を取り巻く環境も変わります。あとは、養子縁組などで、きちんと養育されているかどうかというのは、今の制度の中で出来ていくわけですが、お母さんとお子さんとの関係性といったことについては、今ご質問の中で言われたとおり、そのあとの体制は長く続いていきますので、こどもの人生はお母さんよりも長く続いていきますので、そういう課題は、今後病院やいろんな関係機関と連携しながら取り組んでいきたいと思っています。
【記者】出自を知る権利についてお伺いします。出自の権利は非常に重要なことだと思うのですが、日本では内密出産に関する法整備が進んでおらず、動きが見られない中で、出自を知る権利について具体的に検討を進めている熊本市は、先進的な事例だ思っています。改めて今回の視察を通して、検討会の中身や現在の進捗状況を含めた市長の所感をお聞かせください。
【市長】内密出産で生まれたこどもを含めて、多くのこどもたちがどのような事情で生まれようとも、社会に必要な存在であると感じるためには、出自を知る権利を保障することが極めて重要であると感じています。今回ドイツ、フランスを視察していろいろと状況を聞く中で、そこに対する配慮や対応というのが、しっかりなされているなと改めて実感したところです。
現在、出自を知る権利に関する検討会が開かれておりますが、出自情報の範囲など具体的なことについては、出自を知る権利に関する検討会において、今、議論をしていただいていますので、引き続き慈恵病院と緊密に連携を図っていきたいと思っております。その内容についてこの場で申し上げることはございません。ただ、そういった議論も含めて国に対してもいろんな提言をしていくということは、非常に重要だと思います。ですので、今、いろんな検討会等で時間をかけてやっていきますが、ただそのプロセスの中で、我々が見たり知ったことの中から、こういう論点、こういう問題点、こういう課題がありますよということを、国とも共有しながら、これから進めていかなければならないと改めて感じたところです。
【記者】東京で内密出産や赤ちゃんポストの導入を検討されている病院があるということで、もし導入できれば非常に大きな位置づけになるかと思うのですが、一方で熊本市が取り組んでいる相談業務については、病院と行政との連携は切っても切り離せないと思っています。この件について、市長の所感をお願いします。
【市長】一つは、ゆりかごや内密出産の問題というのは、一自治体、一民間病院の取組だけでは限界があると常々思っていましたので、こういった取組が全国に広がるということは、私は好ましい状況だと思っています。
特に、東京都の墨田区の病院で検討されているということですので、(首都圏の)病院が検討されていることに大きな意義があるなと思っています。と言いますのも、熊本に寄せられる相談も、首都圏や大都市圏から寄せられている件数が非常に多いと推察されるからです。そのように考えますと、今熊本に一極集中しているような状況が、各地で、身近なところで相談できるようになれば、命を救うというところで言えば、わざわざ新幹線や飛行機に乗って熊本まで来て、相談をしたり出産を行うことに伴うリスクが、相当減ってくるということでもあると思います。
相談体制などのノウハウも、我々は今、妊娠内密相談センターを運用していますが、こういったノウハウを、できるだけ他の自治体にも提供させていただいて、私は政令指定都市市長会でいろいろ提言していますが、少なくとも指定都市20市に一つずつそういったものがあれば、かなり相談体制というものが確立されて、望まない妊娠に悩む女性を救済することができ、ひいては生まれてくるこどもたちの健全な育成につながっていくのではないかと期待しているところです。