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令和5年(2023年)11月22日 第4回定例会前市長記者会見

最終更新日:2023年11月22日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る
          1 第4回定例会提出議案について

          2 報告
          ・熊本マスターズジャパンについて

          3 お知らせ
           ・こどもの権利サポートセンターの開設について
           ・熊本都市圏3連絡道路に係る「住民参加型の道路計画」着手について
           ・街路樹および公園等の市有施設における樹木の総点検結果について

          4 質問
          (1)幹事社代表質問(朝日・KAB)

会見録


市長発表

令和5年第4回定例会提出議案についてご説明いたします。
まず、補正予算案につきましては、物価高騰対策や防災・減災、国土強靱化への対応など国の経済対策に対応した経費の他、上熊本駅東口駅前広場の歩行者通路の屋根設置に係る経費や、人事委員会勧告を踏まえた給与改定に係る経費などを計上しております。
補正額につきましては、一般会計、特別会計、企業会計を合わせた全体で132億6,532万円の増額となります。その主な内容についてご説明いたします。まず、「国の経済対策関連経費」として、住民税非課税世帯等に対する電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金の給付に要する経費や、LPガス価格高騰の影響を受けた方への支援に要する経費、防災・減災、国土強靱化のための道路・河川・公園等の整備に要する経費などを計上しており、全体で112億2,971万円の補正となっております。国の経済対策に呼応して、これらの取組を迅速に展開することで、物価高騰の影響を受けた市民の皆様への支援や地域経済の活性化、また、災害に強いまちづくりなどを着実に進めてまいります。
次に「その他の経費」につきまして、主な事業として、まず「採用試験(早期枠)実施経費」は、本市の職員採用試験受験者が減少傾向にある中、多様な人材の確保に向け、本市採用試験において、民間企業の就職活動に沿うスケジュールで早期枠の試験を新たに導入することに伴う周知広報等に要する経費です。

次に、「上熊本駅東口前広場歩行者通路改修事業」は、7月に発生した屋根の落下事故を受けて現在撤去している歩行者通路の屋根の再整備に要する経費です。次に、「西消防署移転事業」は、西消防署の移転を通じて、消防体制の充実強化と、大規模災害時における他の消防本部からの応援部隊の受入体制の整備を図るもので、西消防署の移転候補地の測量業務委託に要する経費を計上しております。
この他、人事委員会勧告を踏まえた職員等の給与改定に係る経費や、令和6年度当初から実施する必要がある事業に係る債務負担行為などを計上しております。以上が、補正予算の概要です。
次に、条例等の議案については、主なものとして「熊本市国民健康保険条例の一部改正」のほか、「熊本市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正」をはじめとした給与改定に関する条例などの議案の提出を予定しております。なお、詳細につきましては、先ほど開かれた議会運営委員会においてご説明を差し上げたとおりとなりますので、割愛させていただきます。以上、提出議案についてご説明をさせていただきました。

次に11月14日から19日の6日間にわたり開催されましたバドミントンの国際大会「熊本マスターズジャパン」についてご報告いたします。
本大会は世界バドミントン連盟公認のワールドツアーであり、世界各国のトップ選手が熊本に集い、来年のパリオリンピック出場をかけて迫力あるプレーが繰り広げられました。
こちらのモニターをご覧ください。こちら(のモニター画像)は、11月18日に行われました試合の様子ですが、大会期間中、会場の熊本県立総合体育館には、国内外から18,000人を超える方々にご来場いただき、熱い声援で大会を盛り上げていただきました。私も最終日の19日には試合を観戦し、スマッシュの初速が時速400キロとも言われる世界トップの迫力に圧倒されましたとともに、満員となった会場の盛り上がりを直接感じたところです。また、メダルのプレゼンターを務めさせていただきました混合ダブルスの表彰式では、熱戦を勝ち上がられた選手の皆さん達の清々しく晴れやかな表情を前に、スポーツの素晴らしさを改めて感じ、大変感動したところです。
本大会を通じて、多くの皆様にバドミントン競技の面白さや感動をお伝えするとともに、熊本の魅力や熊本地震からの力強い復興を国内外に発信することができたものと考えております。これも、大会運営に携わっていただきました全ての皆様方のご協力のおかげであり、改めまして心から感謝を申し上げる次第です。
本大会は、2026年まで毎年熊本で開催されますことから、選手の皆様から選ばれる大会となるよう、関係団体と連携を図りながら、大会の更なる充実に向けて取り組んでまいります。

次に、こどもの権利サポートセンターの開設についてお知らせいたします。
こちらのモニターをご覧ください。学校内外を問わず、いじめや暴力、貧困などのこどもの権利に関するあらゆる相談を受け、対応を行う「こどもの権利サポートセンター」を令和6年1月4日に開設します。このサポートセンターの開設に先行して、本年4月から「こどもホットライン」を設置いたしまして、児童福祉分野に携わってきた職員や教員等の経験を有する相談員による相談対応を行ってまいりましたが、それに加えまして、心理相談員や外部弁護士、福祉の専門家等を配置し、こどもの権利侵害事案に対して速やかに対応を行う体制を整えてまいります。
相談は、電話あるいはメールでいただくこととしておりまして、相談内容につきましては、学校に直接相談員が訪問し、面談などを行うことも想定しております。また、現在、熊本市立の小学校、中学校、高等学校のうち7校において、児童生徒に配布されているタブレット端末から、こどもたちが直接相談することができるモデル事業を進めておりまして、今後、効果を検証しながら事業の拡充についても検討してまいります。
本市では、こどもの権利侵害を絶対に許さないという理念のもと「こども第一」を掲げ、こどもたちが笑顔で安心して健やかに成長できる環境を整備し、こどもの最善の利益を確保する社会の実現を目指してまいります。
小さなことでも一人で思い悩まれることなく、ぜひご相談をいただければと思います。

次に、熊本都市圏3連絡道路に係る住民参加型の道路計画着手についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。熊本都市圏の新たな3つの高規格道路に関する、住民参加型の道路計画が11月30日よりスタートいたします。
熊本県と本市は、令和3年6月に策定しました熊本県新広域道路交通計画において「10分・20分構想」を掲げ、新たな3つの高規格道路として「熊本都市圏北連絡道路」「熊本都市圏南連絡道路」「熊本空港連絡道路」を位置づけておりますが、この度、この高規格道路の計画の具体化に向け、地域や事業者の皆様等からご意見を伺いながら、概ねのルート帯や基本的な構造等の検討を行います、住民参加型の道路計画に着手することといたしました。
こちらのモニターをご覧いただきますと、具体的には、地域や事業者の皆様に対しまして、検討の段階に応じて適切な情報提供を行いますとともに、住民アンケートなどで幅広くご意見をいただくようにしているほか、専門的・多角的な視点からの検討を行うために、有識者で構成されます「熊本都市圏3連絡道路有識者委員会」を県市共同で設置するということにしております。その第1回目の会合が11月30日にスタートするということです。委員の皆様は、都市計画・交通、環境など様々な分野における学識者や経済界の皆様方で構成しておりまして、オブザーバーとして国土交通省からも参画いただきます。
現在、熊本都市圏においては、高速道路や熊本空港等の広域的な交通拠点へのアクセス確保や、慢性的な交通渋滞の解消が喫緊の課題でありまして、新たな3つの高規格道路の実現は、これらの課題解消はもとより、TSMCの進出を契機とした、九州全体の発展にも繋がるものと考えております。住民参加型の道路計画において、地域の皆様をはじめ様々な分野における有識者の方々などからご意見を伺いながら、着実に検討を進めてまいりたいと考えております。

最後に、市内の街路樹および公園等の市有施設においてこれまで実施をしておりました樹木総点検の結果についてお知らせをいたします。
こちらのモニターをご覧ください。今回の樹木総点検において、令和5年7月10日に発生しました中央区三年坂での街路樹倒木を受けまして、街路樹および公園、市営住宅、区役所、保育園などの市有施設における樹木の点検を本年7月より実施をしてまいりました。
約52,900本の樹木の点検をこれまでに完了しまして、この内、約4,900本の樹木を倒木などの危険が高い樹木と判定をしたところです。当該樹木については、早急に撤去などの改善的処置をおこない、市民の皆様方の安全と安心を確保してまいりたいと思います。
次にこちらのモニターをご覧ください。危険性が高いと判断した要因として、寿命による老木化、要は樹木の寿命ですね。それから、根をはるスペースが不足している、それから病害虫による被害。そして、通行に支障となる枝の撤去に伴う幹焼けというもの。そういった起因するものが多くみられており、今後、早急に詳細な分析と検証を行いますとともに、今回の要因を踏まえた樹木再生の方針を検討するように、私の方から指示させていただきました。今後も、市民の皆様の安全と安心とともに、50年後も愛される緑づくりを進めてまいりたいと考えております。

私からは以上です。


質疑応答

【記者】住民参加型の道路計画についてお伺いします。通常、道路建設において住民参加といえば、地権者との交渉や周辺にお住まいの方への説明会といったイメージがあるのですが、今回、そもそも道路をどこに伸ばすのかというところから住民のご意見を聴くということだと認識しました。これは、具体的にどういうことを想定されているのかを教えてください。

【市長】まず一つは、地域の皆さんとの双方向のコミュニケーションを行うということにしておりまして、例えば検討のいろいろなステップに応じて適切な情報提供を行う、つまり大体こういうルートを通っていくように考えているということであるとか、住民アンケートや、オープンハウスを行って幅広くご意見をいただこうというものです。
『これに決めましたので』『このルートを通りますのでこうです』、ということではなくて、こういう形で今検討して有識者会議でもいろんな議論をしていますということを、地域の皆さんにもどんどん話をしていって、ここで検討のステップが、まず概略ルートが大体ここを通る予定であるから、乗り降りをする場所がこういうところになりますよねとか、もっとこういうところが便利じゃないか等、いろいろなご意見をいただきながら、これからけっこう長く時間がかかっていく話で、ほんの1、2年でできる話ではありませんので、そういう意味ではこの検討段階の中で、よりここのコミュニケーションをとることによって、構想案が計画に対して、住民の皆さんにもある程度納得のいただけるようなものになっていくということを尽くしていこうということです。そのことによって、構想から計画へのステップアップをして、概略計画の概ねのルート帯や基本的な道路構造をどうするか、例えば二階建てにしますとか等、いろいろあると思うのですが、そういったことを、ステップとして少し詰めていくことによって、それから先、非常に早い合意形成が図られていくのではないか、そういう狙いもございます。ですので、こういうコミュニケーションを事前に十分図ることによって、こんなはずではなかったとか、一部報道でもあっていますが、この道路はこのルートを通る予定だったのに違うじゃないか、といろいろな話があっていますので、できる限り皆さんのご意見を聴くことによって、よりよい道路計画ができるようにしていきたいということで、双方の納得感のあるようなもの、そしてそこに、きちんとした有識者の皆さん方からの専門的なご意見もいただくことになります。まず11月30日に開催しますので、ぜひ傍聴していただいて、そこから今後のステップについてはいろいろと見守っていただければなと思います。

【記者】樹木の総点検についてお伺いします。調査した結果、1割弱を撤去しなければいけない事態になり、それを3月までにというのは非常にスピーディーだと思うのですが、そもそも三年坂の倒木の件がなければ行っていないものだと思います。そこで、予算に関して、今回の12月補正に計上されていない気がして、結構な予算がかかると思うのですが、これは予備費などを活用する予定ですか。

【市長】事業費については現在精査中でありますが、きちんと計画を立てながら実施していきます。来年の2月の補正予算がありますので、そこにある程度計上していくと思っています。本数が(約)4,900本と特定が出来ていますので、どういう形で撤去していくのがいいのか、これは全てを撤去するということではなく、対策を講じる本数も含まれていますので、そういう意味では大体の詳細を今から詰めていって、遅くとも2月の補正予算あたりに予算措置ができれば、この4,900本を、これからある程度危険性のない状態に、迅速にできるのではないかと考えています。

【記者】こどもの権利サポートセンターについてお伺いします。改めて開設の意義と、相談員は増員される方針で変わりがないか教えてください。

【市長】こどもの権利サポートセンターの開設にあたっては、様々ないじめや虐待、それから貧困など、こどもたちを取り巻く社会課題が全国的にも非常に複雑になっていますし、熊本市においても、昨年学校でいろいろとありましたように、不適切な指導などによってこどもの権利が侵害されるといった事案、こういったものをより幅広くそういう声をスピーディーに聴けるようにするという意味で、こどもの権利サポートセンターをこども局に設置する、つまり、教育委員会ではなく市長部局に設置するということは非常に大きな意義があると思っています。
学校では解決出来ないようなこと、あるいは学校に言いにくいようなことも、こどもの権利サポートセンターに問い合わせをすることによって、例えば福祉的な支援がより必要になってくるというような、そういったことにも迅速に対応できると思いますし、または、学校とのいろいろなやりとりについて、教育委員会や学校に対する不信感がある方は、教育委員会や学校に相談をするということが難しい部分があると思います。ですが、そういったときに市長部局のこども局の中にこういう窓口があることは、深刻になる前に非常に幅広くいろんな事案をとらえて、解決に向けてサポートしていけるのではないかと考えています。
そして体制については、現在9人をサポートセンター準備室に配置しております。1月の開設に向けてなのですが、心理職等の専門職を新たに配置するということで検討して、調整をしているところです。それから職員以外にも、外部の弁護士の方や福祉専門家などと連携することによって、こどもの権利救済に向けた対応をしっかり行っていきたいと、このように考えています。

【記者】樹木の総点検結果についてお伺いします。今後の対応について改めて詳しく教えていただけますか。

【市長】樹木の総点検をさせていただいて、先ほど(モニターに)出しましたように、木の状況によっても少し違いますが、例えば桜は樹齢が40年から50年ぐらい経っているものが非常に多いです。この桜の危険判定が非常に多くなっていまして、これは昭和47年(1972年)の森の都宣言以降、多くの緑がその時期に集中して植栽されていったということから、樹木の老木化が非常に大きな要因と考えています。それから街路樹においては、根が張りきれていなかったり、地下埋設物の工事などによって、根が腐食したり切断されたりなど腐朽が進むことで、根の空洞化が起こってしまうということがあります。そこで、今回、こうしたことを踏まえて、まず、市民の皆さんの安全安心を確保するということが第一ですので、できるだけスピーディーにこうした倒木の危険があるようなもの、外から見ても分かりにくいものがあると思いますが、できるだけ速やかに撤去をしていくということで、一応年度内にと考えておりますが、先ほどの予算措置のことも含めて、危険を早く除去していくということが非常に重要ですので、その辺りはしっかりやっていきたいと思います。

【記者】給食費に関してお伺いします。給食費について、各自治体の対応が様々ある中で、大西市長のお考えを改めて教えていただけますでしょうか。

【市長】給食費については、学校給食法で定められていて、給食自体の調理費などについては無償でありますが、皆さんが食べられる材料費の一部について、保護者が負担するということになっています。それを(兵庫県)明石市や他の自治体でも無償化をしたり、負担軽減しようという動きがあっており、そうしたことについては、私どもも従来からいろいろ研究をしています。私のマニフェストの中にも、できるだけそういった負担を軽減していこうということで、子育て世帯の皆さんへの経済的な支援という側面も含めて、どういう在り方がいいのかという事については、内部でいろいろと検討しています。
ただ、これは非常に多くの財源を必要とするものでもありますし、現在、国においても、「こどもまんなか」ということで、いろいろな経済的な支援も含めて行うこととしていますが、例えば給食費を無償化するとか、あるいは医療費を無償にするために地方自治体に様々な財政措置を行うということはまだ明確にされていませんので、今後、国の動きをしっかり注視していきたいと思っています。(本市では)まず、12月からこどもの医療費について、高校3年生まで(を対象に)ということで、大幅に拡充されることになっております。ですから、そうしたステップを踏みながら、給食等についても他の自治体のいろいろな取組を参考にしながら(検討しています)。割と人口規模が小さな自治体、あるいは財政力が比較的豊かである自治体はできるかもしれませんが、これは毎年毎年のことですから、安定的にそれに見合う財源が捻出されなければ、簡単にはできないと思っています。したがって財政状況もしっかりと踏まえながら、そして、これは国の支援を求めているわけですが、こういったことも含めて拡充されることを、市長会等いろいろな場面を通じて、国にも要望させていただきたいと考えております。

【記者】高規格道路についてお伺いします。先ほど地域と双方向のコミュニケーションをとっていきたいというお話がありましたが、例えば「市長とドンドン語ろう!」のような対話の場を設けるなど、具体的にどういった形での意見集約を考えていらっしゃいますか。

【市長】まず一つは、先ほど申し上げたように住民アンケート、それからオープンハウスでご意見をいただこうと考えております。いろいろな構想がこれから出てきて、例えばこういうルートを通る(のはどうだろう)、いやこっちの方がいいんじゃないか、といった話が出てくると思いますので、そういうことに対して、住民の皆さんから幅広くご意見をいただくという意味では、アンケートやオープンハウスによって皆さんが自由に意見を言えるような場をつくっていきたいと思っています。それを反映して、また皆さんと一緒になって計画をつくっていくわけですが、場合によって「市長とドンドン語ろう!」のような直接市民の皆さんと対話の中からやっていくという手法も当然、将来的にこれからどんどんステップが出てきますので、やっていく必要があると私自身も認識をしています。ただ、まずは住民アンケート、それからオープンハウスなどからスタートをしたいと考えています。

【記者】こどもの権利サポートセンターについてお伺いします。具体的に何人増員されるのか教えていただけますか。

【市長】事務局より回答します。

【事務局】人事部門と心理職などの専門職の配置について調整をしている最中であり、具体的な人員数につきましては、現在調整中です。

【市長】1月4日から開設しますので当初で何人いるのか、また、その後拡充してどのくらいになるかということは、追って皆様にはお知らせをしたいと思います。現在は事務局からご説明しました通り、9名で準備室に配置をしておりますが、プラスアルファで増員をしていくということです。それと、相談の件数や内容等に応じて必要とする専門職や人員数が多少変わってくるかと思います。4月に開設以来、ホットラインで56件の相談を受けており、それに対して307件のやりとりをさせてもらっていますので、体制的には、今後これが正式にスタートすると、ニーズがどのぐらい増えるのかという点も注視しながら、そして1月にスタートしてその後4月からはまた新年度ということになりますので、人事異動等も、これから総務局人事部門と協議をしながら体制を整えていきたいと考えています。

【記者】樹木の総点検についてお伺いします。街路樹に関しては、そもそも熊本市域街路樹再生計画の改定があり、2029年度までに500本程度を切っていくという計画であったかと思います。その計画と今回の調査結果との整合性や、考え方などを教えてください。

【市長】これまで熊本市域街路樹再生計画については、500本程度の樹木を伐採、あるいは移植、植え替えが必要だということで、これは再検討もさせていただきながら、計画を位置づけたわけですが、今回は総点検ということで、区役所や公民館、保育所、保育園などの市有施設も含めたもので、街路樹の時よりもさらに幅広く点検をさせていただきました。街路樹は、当然倒れれば道路の通行が出来なかったり、実際に倒木で人が亡くなるようなケースも全国で多発していますので、台風などに対応するために早くやろうということで、特に幹線道路の目抜き道路に関しては、街路樹の再生計画をやってきたのですが、今回は全体として見たということですので、対象となる本数も52,900本と大変なものでありましたが、これは補正予算を組んで迅速に対応しようということで、これまでやってきたところです。早急に撤去が必要だというものは、先ほど見ていただきましたように、いろんな要因、ファクターがあるわけです。こういう事実は、一般の方が見ても分からないことが多いです。今回調べてみて愕然としましたが、4,900本もの樹木が早急に対策が必要だということ、これは、逆に言えば熊本市内だけでこれ(この本数)ですから、県下各地あるいは全国レベルでいうと、これは相当大きな命に関わる問題だと、私は捉えています。
ですので、そういう意味では、今回、我々が点検したことは、これからもしっかりやっていかなければいけませんが、一方で森の都推進部というものを創って、緑豊かな城下町を創っていこうということは、みんなで今考えているところです。例えば、植栽のやり方とか、今後管理や再生をする時、どうすれば50年後も皆さんに愛していただけるのか(ということを考えています。)。今、これを撤去して、さらに植え替えをして、また同じようなことに50年後にならないようにするために、もっと管理しやすい方法はどうしたらいいのか、あるいは、同じ植栽をするにしても、こういう根を張るようなスペースが歩道などの通行の邪魔になるようなところにせり出しているようなものがあり、こういうところは、植えるのにあまり適さないと私は思っています。十分に根が張れないようなところに、しかも通行に支障が出るようなことになればあれですし、あとは病害虫というのもなかなか難しいところですが、これも消毒をどういう形でやっていくのかなど、いろんな手だてが必要になってきます。森の都の再生をしていくことも一方でやっていかなければなりませんので、これはその一環だと皆さんに捉えていただければと思います。

【記者】いろいろなやり方があるという話もある中で、撤去という言葉がありました。撤去は伐採という認識でよろしいですか。

【市長】危険性の高いものに関しては伐採をしていくということですが、除去するということ(の意味)ですが、例えば、物によっては枝だけを除去するものもあれば、その樹勢が回復するように措置を行うものもあります。ですので、全部が全部伐採をするということではありませんが、そういった適正な管理をしていくということでご理解いただければと思います。

【記者】10分・20分構想に関連してお伺いします。11月30日に有識者委員会を立ち上げるということですが、委員会の目的と求める結果や期待していること、また、内容をまとめる時期などのスケジュール感についても、併せて教えてください。

【市長】有識者委員会は、11月30日の午前10時から熊本テルサで開催を予定しております。この委員会は全て公開ですので、どなたでも参加いただけます。有識者の皆さんも本当にいろいろな事例をご存じの方々であり、技術的・専門的な知見から助言をいただこうということで、これから計画策定のプロセスについて、どうしていけばいいのかということを、まずお聴きするというのが第1回目になるかと思います。その上で、住民の皆さんにこういうことをアンケートで聴いていくといいのではないか、あるいは、オープンハウスはこういう手法でやれば分かりやすいのではないか、ということをご議論いただいて、それを反映しながら、また住民の皆さんとのコミュニケーション。恐らくこの上の部分(モニター画像4枚目を指して)で繰り返しやりとりがあるのかなと思っています。そういった検討段階に応じて、市民の皆さんやいろいろな関係者の皆さんからご関心があることや心配、懸念していらっしゃることなど、いろいろなことを伺いながら、概略ルートの計画をだんだんと絞っていくようにしたいと考えているところです。

【記者】そうすると、有識者委員会において最終的に概略計画案のようなものをつくるイメージですか。

【市長】必ずしもそうではありません。事務局からご説明します。

【事務局】有識者委員会は、先程市長がおっしゃられたとおり、客観的、専門的な立場から多角的なご助言をいただくと考えており、答申のようなものではなく、まずはご助言をいただいて、計画に地域の皆様のご意見を反映させ、その意見を踏まえた上で、有識者委員会の方々からのご助言をいただき、よりよい計画に導いていくようなステップを設けていきたいと思っています。

【市長】ですので、あくまでも計画を練るのは市と県、それから国と連携しながらつくっていくというプロセスはあります。ただ、そこにこういった手法を入れるということが新しいことではないかなと思います。構想段階のパブリックインボルブメントと認識していただければと思います。

【記者】住民説明会、オープンハウスを行っていくということですが、開催時期の目処はたっていますか。

【市長】まずはここ(有識者委員会)でお話をしていただいて、素案といいますか、内容的なことは私もまだ聞いていませんが、こういうルートでいきましょうとか、こういうほうがいいんじゃないかという話を今から詰めていくと思います。ですので、まずは、どういう形で第1回目に皆さんにお聞きするのかということになりますので、年度内に例えばいろいろな素材というか、皆さんに考えていただくような、例えばアンケートだと、ルートがしっかり決まっていなくても聞けるようなことがあればお聴きすることもあるかもしれません。
オープンハウスについては、もう少し具体的な絵というか、きれいにきちんと線を引くということではなく、大まかなルートとしてこんな感じかなというのを(モニター画像3枚目を指して)ここにうっすらと見えますように何か漠然としたものが、例えば、これが産業道路を通っていきますとか、東バイパスのこの辺りをこのぐらいの感じで通っていきますとか、そういうことがある程度皆さんに分かるようにならないと、住民の皆さんも議論しようがないのかなと思うんです。ですので、そういったところはイメージできるように分かりやすく、お示しをするということが大事だと思っています。

【記者】関連してもう一点お伺いします。こういったコミュニケーションを図り、住民の納得を得ていくことによって早期の合意形成につながっていくのではないか、という部分に関して、もう少し詳しく教えていただけますか。

【市長】例えば、計画案はこうなりましたと言って、こういう形で決まりましたのでこれでご理解くださいって言っても、地権者の方々のもっとこうしたほうがいいのにというご意見が、なかなか反映されませんよね。ですので、できるだけ皆さんのニーズ(もお聞きして)、これから将来へ向けての10分20分構想というのは喫緊の課題ではあるものの、将来に向けてより良い道路構想にしていくということが非常に重要ですので、ここで丁寧にステップを踏んでいきたいということです。そのことによって、後からそんなこと聞いてなかったとか、こんなルートだとは思わなかったとか、それだったら反対だという話が、事前に話をしておくことで出にくくなりますよね。その結果、皆さんにはスムーズにいろんな話をいただける。ですので、できるだけ幅広く多くの皆さんとコミュニケーションを取るということが、肝かなと思います。まだ認知度はそんなに高くないということはありますが、だんだん具体化していくと、これは非常に関心の高いものになるかなと思いますので、そこはしっかり丁寧に進めていきたいと思っています。

【記者】樹木の総点検に関連してお伺いします。今回の議案の中に「訴えの提起」というものが盛り込まれており、これは私有地の樹木が倒れて通行中の車に衝突したことにより、運転手の方が亡くなってしまった事故が発生したことに対して、熊本市も連帯して損害賠償金を支払うという判決を受けました。この件に関しての市長の受け止めと、今回、賠償金全額を相手方に請求するという事ですが、その意図について教えてください。

【市長】この件については、司法の場で様々な対応をとっていますので、判決を受けた後に、責任の分担という中で(訴えの相手方に)お願いすると考えているところです。これは、民有地から(樹木が)出てきた中で、熊本市の道路管理についても問われたわけでありますが、その時点で(管理は)所有者の方が本来はやるべきことであったと私は思うのですが、裁判の中で、我々(本市)にも一定程度の責任がある、そういう判決が下されたわけです。しかしながら、賠償や様々なことを行っていく中では、まずはお亡くなりになられた方に対して、本当にお悔やみを申し上げるところですが、そのうえで、きちんと保険会社などと、しっかりとした対応を示さなければいけないと思っていますので、こういう形で議会に提起するということは、内部的にいろいろ整理をして判断したということです。

【記者】今回、全額を請求するという事ですが、その金額に関して市長はどのようにお考えでしょうか。

【市長】それも含めて、顧問弁護士さんを通じて、法的な観点でしっかり検討した上でということですので、私からの細かいコメントは差し控えさせていただきたいと思います。ですが、十分に精査をして我々は訴えを提起するということですので、あとは司法の場で、ご判断をいただくことが適当ではないかと考えています。

【記者】昨日、TSMCに関して第3工場が熊本県内に進出を検討しているという報道がありました。現在は第2工場についても話が出ていますし、そうなると、熊本都市圏域一帯で、交通渋滞などの様々な問題も出てくると思います。この件に関して、市長の受け止めをお願いします。

【市長】まず、第3工場が立地するという話は全く聞いておりませんし、オフィシャルにアナウンスされているものではないので、報道レベルで、私もたまたま昨日ツイッターの熊日(新聞)さんの記事を見て初めて知ったというのが、今の状況です。それで、今日のお昼のニュースでは、TSMCからのコメントとして、まだ第2工場立地の可能性すら評価をしている状況なので、何も決まっていることはなく、詳しいことはないというようなことで報じられています。ですので、私も第3工場について、今の段階ではコメントする材料がないというのが正直なところですが、第1工場が今回出来て、そして第2工場についても期待感が非常に高まって、恐らく熊本に立地するのではないかというようなことが囁かれて、現在検討されていると思いますが、一方で、それと関連して、第1工場もまだ稼働してない状況であるにも関わらず、例えば交通渋滞の問題や環境を心配する声もまだありますので、そういったものにしっかり対応できるように、今後我々としては十分情報をとりながら、例えば第2工場、第3工場が立地した場合に、例えばどのぐらいのインパクトがあるのか。これは経済的に非常に発展するというインパクトもある一方で、環境負荷や周辺の住民の皆さんの生活環境に応じて、例えば渋滞対策などいろいろなことで、急いで手を打たなければならないことが、次々出てくると思います。そういったこともよく想定をしながら、我々としてはこれから企業や国、関係各所の皆さん方の動きを注視していき、県ともしっかり連携をとっていく必要があると思っています。一般的には、熊本市も含めてシリコンアイランド九州ということで、オール九州で半導体産業の立地を非常に歓迎しているということ、そしてこれから将来を見据えた上でも、こういった世界トップレベルの半導体のファウンドリが、こうして熊本に立地をするということは、皆さんご承知のとおり、例えばロジック半導体などの委託生産という形が、今後恐らく増えていくことは容易に予想されることです。そういう意味では経済界やいろいろな科学技術分野の皆さんからも期待が膨らんでいくであろうと思いますし、我々もその経済波及効果によって、地域がプラスになるということは大いに期待をしています。ですが一方で、先ほど申し上げましたように、交通渋滞や生活環境に影響を与えないようにするために、我々行政としてどういった対策が必要なのかということについては、県や国、関係機関と十分連携をとりながら、対応していきたいと考えています。

【記者】自治体情報システムについてお伺いします。移行期限が25年度末となっている標準化についてですが、9月の閣議でベンダーが見つからないなどの事情で移行が困難な一部のシステムに限り、例外的に遅れることが容認されるという指針も示されました。もし既に移行困難として、抱えているシステムあるいはこれから申請が必要であるようなシステムがあれば教えていただけますか。

【市長】移行困難ということで、これはもう全国的にも、人員の確保も含めてですけれども、なかなか移行は難しいということもありました。そこで、指定都市市長会でも緊急要請をさせていただいておりまして、全ての指定都市で期限内の移行は非常に困難であるというコメントも出されたところです。熊本市に限って言えば、福祉関係のシステムが、令和7年度までの標準化移行の目途がついてないシステムがございます。例えば、福祉系であると、児童手当とか児童扶養手当とか生活保護とか、こういったもののシステムが目途がついていないということであります。移行困難システムについては、今、国とも協議をしながら、ベンダーからの意見照会も求めているところでありますので、できるだけ早い時期にシステムが移行できるように関係者の皆さんと協力しながらやっていきたいと思います。令和8年度以降になる部分もあると思いますので、この辺も、いろいろ情報提供依頼であるとか、今後そういう国の手続を踏まえて指定をされるということになっていくと思いますので、これについては、適切に対応していきたいと思います。やはり、全国で移行が集中しますので、そうするとベンダーの皆さんの要員が非常に不足をするということがありますし、指定都市要件というもの、標準仕様の中で指定都市がこういう要件をつくってくださいというようなものが、まだ、未確定なものが結構あるんですね。こういったものがあることによって、指定都市向けのパッケージの開発が遅れています。こういう事情もありますので、やはりそういうことを、できるだけ早く詰めながら移行ができるようにしたいと思います。

【記者】細かい点の確認ですが、児童福祉関係のシステムはもう申請されたということでしょうか。

【市長】後ほど確認をしてご連絡します。

【記者】もう少し詳しくお伺いしたいのですが、自治体からの申請を踏まえて、国が認定するだけでは根本的な解決にはならないので、国が円滑な移行のために自治体をサポートすることが必要だと考えています。このことについて、市長はどのようにお考えでしょうか。

【市長】やはり、移行を円滑に進めるためのサポート、アシスタントというものについて、国のほうでも努力していただく必要があると思っています。今、もう既にデジタル庁をはじめ、関係機関ともいろいろな協議をさせていただいて、指定都市市長会や全国市長会でも同じように、いろいろな要望、あるいは要請をさせていただいています。その中で、国には適切に対応していただけるものと考えていますし、そういう現場の困難な状況というのは、ある程度国のほうでも把握をされていると思いますので、これから、そういう状況に合わせて適切な対応が取られると思います。

以上
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