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持続可能な地域公共交通の実現に向けた取組と市電延伸について

最終更新日:2024年2月9日
都市建設局 交通政策部 移動円滑推進課TEL:096-328-2522096-328-2522 メール idoenkatsusuishin@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る
本市では、持続可能な地域公共交通の実現に向け、中心市街地から各地域拠点の方面に伸びる基幹公共交通軸の機能強化、コミュニティ交通の導入など、公共交通の利便性向上や利用環境改善等、交通政策における様々な取組を検討・実施しているところであり、その取組の一つとして市電延伸に取り組んでいます。

1.熊本市の交通の現状と課題

 

道路交通の課題

  • 熊本市では慢性的な交通渋滞が発生しており、市内中心部の平均速度や主要渋滞箇所数が、三大都市圏を除いて、政令指定都市でワースト1位で、高速道路のインターチェンジから市中心部までの所要時間も福岡市の約4倍かかる状況となっています。

  • この渋滞による市民一人あたりの経済損失額は、約17~24万円/年と非常に深刻で、交通渋滞解消は、本市にとって喫緊の課題です。 



                                       ▲県道28号熊本高森線における交通渋滞の状況

公共交通の課題

  • 近年、全国各地で路線バスや鉄道の廃止・減便等が相次いでおり、本市の公共交通においても、人口減少や自動車の普及等により、公共交通利用者数の減少が続いていることに加え、新型コロナウイルス感染症影響によるライフスタイルの変化もあり、公共交通を取り巻く環境が年々厳しくなっています。
  • バス利用者数の減少は特に著しく、鉄軌道の利用者数が概ね横ばいで推移する一方で、昭和50年に約1億人あった利用者数は、5分の1程度まで減少している状況です。
  • バス交通の利用者数減少や路線バス運転手の減少から、バス事業者の経営悪化や公共交通の更なるサービス水準の低下を招いており、郊外部における路線の廃止や運行本数の減少により、公共交通ネットワークの縮小が進んでいます。
  • 本市でもバス停留所や鉄軌道駅からの距離が1km以上離れた、「公共交通空白地域」等がありますが、このまま公共交通ネットワークの縮小が進めば、地域公共交通サービスを受けることができなくなる地域住民の増加や、自家用車での移動が困難な高齢者等が日常生活に必要な移動ができなくなるおそれがあることから、「誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通の実現」が喫緊の課題となっています。

▼路線バスの輸送人員と走行キロの推移

  • 特に、路線バスの輸送人員は年々減少し、直近6年間でも約33%減少。
  • 実車走行キロは6年間で約24%減少。
  ※共同経営推進室公表データより作成。

▼路線バス業務に従事した運転士数の推移

  • 熊本地震以降、運転士不足が深刻化。
  • コロナ禍による貸切バス等の需要減により、運転士が一般路線バス業務に従事したことで、一時的に緩和しているが、今後も減少する見込み。
  ※共同経営推進室公表データより作成。

2.持続可能な地域公共交通の実現に向けた取組(各区・各方面における今後の取組)

  • 様々な課題がある中でも、今後の人口減少・超高齢社会に対応したまちづくりを進め、将来にわたり、日常生活に必要な通勤、通学、通院、買い物や行政サービスの利用等の移動ができるよう、「誰もが安心して移動できる持続可能な公共交通の実現」に向けて、公共交通の再構築を進めていく必要があります。

  • 公共交通の再構築に当たっては、幹線・支線の役割分担の明確化を進めていく必要があり、熊本市中心部と地域拠点等を結ぶ8方面を基幹公共交通軸に設定し、各軸の基幹公共交通となる鉄道・軌道・幹線バスの定時性・速達性・輸送力の向上に向け、各方面で機能強化を図っていきます。
  • 基幹公共交通軸と一体的に機能する、日常生活を支えているバス路線(支線)については、将来にわたり持続できるよう運行の効率化等を進めながら、支線と幹線の結節強化、乗換拠点における待合環境改善やAIデマンドタクシーの導入等、市民のみなさまの日常生活に必要な移動を支える取組を、各区・各方面で進めていきます。 
基幹公共交通軸:公共交通ネットワークの骨格を担う、中心市街地と15箇所の地域拠点を結ぶ8方面の公共交通軸。鉄軌道と幹線バスで構成。

地域公共交通再構築(将来イメージ)


基幹公共交通軸の強化に向けた市電延伸の取組

  • 市電の延伸ルートは、南北に、主要渋滞区間があり、深刻な渋滞が発生している地域ですが、区間周辺の人口密度が高く、多くの市電利用者が見込まれており、外来患者の皆さんが市電で市民病院通院が可能となる等、市電延伸は基幹公共交通軸の強化に向けた事業効果が高い取組です。

  • 市電延伸は、交通渋滞緩和や温室効果ガス削減等の脱炭素に向けたまちづくりにも効果を発揮する取組であり、8方面の基幹公共交通軸の強化に向け、先行的に取り組み、令和11年度(2029年度)の一部開業を目指しています。

各区・各方面における今後の取組

 
  ※BRT:速達性、定時性、輸送力で従来のバスよりも高度な性能を発揮するなど、利用者に高い利便性を提供する次世代のバスシステム。
 

東区


      ▲市電延伸ルート
 市電延伸を契機とした東部方面の渋滞緩和に向けた交通政策の推進

  • 市電延伸の一部単線化での早期事業化により、市民病院前に新たな交通結節点を設けることで、健軍町電停前に集中している市電利用者を分散化し、健軍町電停の混雑解消を図り、安全性を確保します。
  • 東部方面での渋滞緩和等、延伸効果の最大化を図るため、パークアンドライド・サイクルアンドライドを促進、新設電停・健軍町電停と周辺地域を結ぶコミュニティ交通導入等、健軍地区活性化を図ります。
  • 交通結節点である健軍町電停における乗換環境整備を進め、市電・路線バス対面乗換等を検討します。
    

※1:実質負担額:国庫補助金等の収入を控除した市の実質的な負担額。
※2:費用便益(B/C):事業費用に対し、事業の実施により社会的に得られる便益(渋滞緩和や温室効果ガス排出量の削減による環境の改善、利用者の移動時間の短縮効果等)を測るものであり、1以上であれば総便益が総費用より大きく、一定の費用対効果が得られる事業と評価できます。
 

中央区


▲ 新水前寺駅前電停混雑状況
 JR豊肥本線との結節強化

  • 将来の空港アクセス鉄道整備や新水前寺駅での乗り換え時の積み残し対応として、バス停新設による結節機能強化を図ります。

北区


▲ 植木駅混雑状況
 植木駅へのアクセス強化による公共交通利用促進

  • 植木駅は公共交通によるアクセスが困難であり、同地区で運行するゆうゆうバスも通勤通学に適した時間帯の運行が少なく、朝夕の送迎で駅周辺の混雑が発生しています。
  • AIデマンドタクシー等、JRへの接続を強化し、渋滞緩和や公共交通利用促進を図ります。

※AIデマンドタクシー:AI(人工知能)を活用した効率的な配車で、予約に対し、リアルタイムに最適配車を行うシステム搭載の乗合タクシー。

西区


▲AIデマンドタクシー
 上熊本駅へのアクセス強化による交通結節機能強化

  • 城西・花園・池田地区といった上熊本駅周辺地区であるにも関わらず、同駅へのアクセスが困難な地区にAIデマンドタクシー等の導入を図り、結節を強化します。
  • 植木駅等出発地のアクセス強化を図ることで、交通結節点である上熊本駅の活用を推進します。

南区


▲AIデマンドタクシー

 AIデマンドタクシー・路線バス結節による地域交通再構築

  • AIデマンドタクシーによる日常生活移動手段を提供するとともに、利用者の利便性向上・結節強化を図りつつ、路線バスを再編し、地域交通需要に応じた、持続可能な地域公共交通を構築します。

3.誰もが安心して移動できるための公共交通の取組

 

こどもや子育て世代

▲チョイソコくまもとキッズ
 【10小学校区で実証実験中

  • AIデマンドタクシー「チョイソコくまもとキッズ」の実証実験中。
  • 子育て世代の支援を目的に、自宅と習い事先・学習塾・児童育成クラブ等までの間を複数の児童が乗り合わせ、それぞれの希望の場所に送り届けます。

 
 

通勤や通学

▲シェアサイクル(チャリチャリ)
 令和6年度から本格導入

  • シェアサイクル「チャリチャリ」の実証実験中。

  • 公共施設や駅前、コンビニなど290か所以上の駐輪ポートと1100台の自転車が稼働中で、「ちょっとそこまで」の移動にぴったりです。

 

 

高齢者等

▲グリーンスローモビリティ
 【1月より実証実験開始

  • 今冬「グリーンスローモビリティ」の実証実験を実施。

  • 電動車を活用した小さな移動サービスで、手を挙げれば乗車できる区間も。また、南区・西区では、日常生活の買い物や通院に使える「AIデマンドタクシー」の実証実験中です。


4.地域公共交通および市電延伸に関するアンケート

 

アンケート調査について

 今後の交通政策への市民意見の反映に向け、各区及び益城町において、地域公共交通・市電延伸に関する市民等アンケートを令和5年(2023年)10月10日~11月9日の期間に実施しました。

 

回答者属性・市電利用状況について

 

交通政策について 

 

市民病院までの市電延伸の必要性について 


市電延伸要否理由


市電延伸後の市電利用見込・主な利用目的


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