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令和6年(2024年)1月18日 定例市長記者会見

最終更新日:2024年1月18日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る
                1 市電におけるインシデント(ドア開け走行)の発生について

                2 令和6年能登半島地震に係る本市の対応について

                3 お知らせ
                 ・海外訪問について
                 ・バス・電車100円ウィークについて
                 ・グリーンスローモビリティの実証実験について

                4 質問
                (1)幹事社代表質問(朝日・KAB)



会見録


市長発表

まず、去る1月5日に発生いたしました熊本市電のドア開け走行についてでございます。先日、発生原因等について担当課の方からご説明をさせていただいたところですが、乗車ドアが開いたまま市電を走行させるという、重大事故につながりかねない事案が発生をいたしました。この事案は、運転士の確認漏れが直接的な原因ではありますが、ドア開き走行を防止する安全装置の動作不良も確認され、1月6日から7日にかけて運輸安全委員会による調査が行われました。
公共交通の利用促進に努めるなか、重大なインシデントが発生したことを大変重く受け止めておりまして、交通局に対しては、再発防止に向け、乗務員教育と設備保全の両面で取組を徹底するよう指示をいたしました。
利用者の皆様並びに市民の皆様に多大なるご迷惑、ご不安をおかけしましたことを、改めまして深くお詫び申し上げますとともに、交通局において再発防止に取り組み、市民の皆様に安心してご利用いただけるよう努めてまいります。大変申し訳ございませんでした。

次に、令和6年能登半島地震に係る本市の対応についてお知らせいたします。
本市におきましては、災害マネジメント支援の職員をはじめ、これまで、災害廃棄物支援や応急給水活動並びに下水道の復旧支援、避難所運営支援や健康管理支援を行います職員を延べ83名派遣をしております。派遣した職員からは、避難所運営支援や応援職員の体制整備など、熊本地震の経験を生かした対応を行っていると報告を受けております。
私も引き続き、全国市長会などの関係機関や、被災地および被災地を支援する自治体の首長の皆様、また、被災地に支援物資を届ける団体や企業の皆様方と密に連絡を取りながら、必要な支援について、調整、支援を行ってまいります。
加えて、被災者の本市への受け入れ等の支援に関しましては、支援メニューの全体像が見える形で作成をいたしまして、既に報道の皆様方や本市ホームページにおいてもお知らせしているとおりです。今後も、刻々と変化する状況に応じた支援を追加するなど、被災者の方々に寄り添った対応を進めてまいります。
引き続き、関係機関と連携をいたしまして、被災地の復旧・復興の段階に応じた支援に全庁一丸となって取り組んでまいります。

次に、海外訪問についてお知らせをいたします。
令和5年第4回定例会においてご報告いたしましたが、1月29日(月)から2月2日(金)の予定で、市議会の皆様とともに、台湾の台北市、新竹市、台南市、高雄市をそれぞれ訪問いたします。
今回の訪問目的は大きく3点ございます。
まず1点目は、「半導体関連企業進出に伴う行政課題などの調査」です。半導体関連企業の熊本進出に伴いまして、本市においても大きな経済波及効果が期待される一方で、環境への影響や交通渋滞・住環境の問題が懸念されておりまして、本市の半導体関連産業推進本部において、様々な検討を行っているところです。今回の訪問では、台湾の現地を視察し、半導体関連企業や行政機関と意見交換等を行うことで、想定される課題を具体的に把握し、今後の施策に生かしてまいりたいと考えております。
2点目は、「熊本―台北定期便就航に伴うビジネス交流拡大に向けた機会の創出」です。昨年9月の定期便就航を本市と台湾とのビジネス交流拡大の機会と捉えまして、現地の企業等を訪問し、トップセールスを行うことにより、ビジネス分野での関係強化を図ってまいります。
3点目は、「友好交流都市である高雄市との交流の更なる促進」です。コロナ禍がある程度の落ち着きをみせ、台湾との交流が盛んになる中で、高雄市を訪問し、両市の交流の更なる促進を図りますとともに、高雄市においても半導体関連企業の工場が建設中でありますことから、これに伴う課題や対応についての意見交換等を行い、本市の施策への参考にしたいと考えております。あわせて、台南市や新竹市とも行政課題の調査に係る訪問を通じて、今後の交流の機会の拡大に繋げていきたいと考えております。
この訪問を通じまして、今後、本市が取り組むべき課題を明らかにし、より効果的な施策の展開へと繋げてまいります。

次に、「バス・電車100円ウィーク」の実施についてお知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
本市では、昨年度から、公共交通を利用しやすく、そして多くの方に利用していただくきっかけづくりとして、おでかけの多い週末に「バス・電車無料の日」を実施しておりましたが、今回は、日常生活での公共交通の利用促進を図りますため、新たな取組として、平日を含めた1週間、バス・電車の運賃を100円とする実証実験を行います。
期間は、2月5日(月)から2月11日(日)まででございまして、対象となる路線は、バス・電車無料の日と同じで熊本市を一部でも通過する路線バス、市電、熊本電鉄の全線となります。
今回の実証実験において、運賃を割安にすることで、日常生活における公共交通の利用促進を図るとともに、その利用データを収集、分析することで、今後の公共交通の利用者増加に向けた施策展開につなげてまいりたいと考えております。
通勤や通学、お買い物などお出かけの際には、ぜひ公共交通をご利用いただきますようお願いいたします。

最後に、グリーンスローモビリティの実証実験について、お知らせいたします。こちらのモニターをご覧ください。
先週、1月13日(土)から、中心市街地の上通エリアにおきましてグリーンスローモビリティの実証実験を開始し、1月13日には出発式を執り行いました。
グリーンスローモビリティとは、時速20km未満で公道を走行することができる電動車、並びにそれを活用した移動サービスの総称のことを言います。環境への負荷が少なく、狭い路地も通行可能で、高齢者の皆さん方の移動手段の確保、あるいは観光客の周遊に資する新たなサービスとして期待されているところです。
運行期間は、3月12日(火)まで上通エリアにおいて毎日運行しております。その後、3月中旬からゴールデンウィークを含む5月中旬までは下通・新市街エリアにおいて毎日運行する予定でございまして、運賃は100円でご乗車いただけます。
今回の実証実験を通じまして、中心市街地での回遊性向上や賑わいを創出いたしますとともに、熊本電鉄との結節強化や高齢者の方など長距離移動が困難な方の移動支援等の確保に取り組んでまいりたいと考えております。まちなかにお出かけの際には、ぜひこのグリーンスローモビリティをご利用いただきたいと思います。

私からは以上です。



質疑応答

【記者】バス・電車100円ウィークに関連してお伺いします。しろめぐりん号が、2月1日から平日全便が運休します。残念ながらこれも人手不足であり、2024年問題です。公共交通利用促進をされている一方で、春からのダイヤが、改正によりバスは減便になる可能性が高いとも言われているので、市としてその辺をどう対策され、市長ご自身はどうお考えかを教えてください。昨年11月に市電が減便した際も同じ質問をしておりますが、改めて今どのようにお考えか教えてください。

【市長】まず、バスの運転手不足というのは、非常に深刻で危機的な問題だと受け止めております。本年3月末時点のバス事業者5社における、乗り合い、高速、貸切りを含む運転手の必要数が1070名ということですが、これに対して在籍数は990名で、既に80名の不足が生じていると伺っております。そして現在、バス事業者各社は大変厳しい経営環境にあり、そういった中で積極的に人や設備に投資をするということが大変難しい状況にあります。一方で、バス事業者が連携してさまざまな合同の説明会を行うなど、新たな動きも出ているところですが、こうした今、共同経営推進室等との今後の取組も含めて、運転手不足に関する対応策についての検討を進めているところです。
しろめぐりん号に関しましては、3月23日から通常どおりの運行を再開する予定としております。実は2月に、必要人数から約17人不足する予定ということになっており、これは突発的な退職等々もあったということも伺っています。今は都市バスが運行事業者になっていただいていますが、主な要因は、必要人員から13人程度不足しているということで、残業、それから公休の出勤等で何とか維持している状態ということでしたので、これは非常に深刻な問題です。こうしたことから、バスの運転手さんは特に大型二種の資格を持っていなければなりませんし、いろいろな制約もあるわけですので、こうした人的な確保、それから、できるだけ今ある人員の中で、皆さん方が安心して(利用できるように)、そして皆さんのニーズに合うような形で運行できるように、様々な路線の見直しであるとか、運行の在り方についての見直しは、今後も日々検討していかなければならないということだと思います。熊本市として、そうしたことに対しても全力でサポートさせていただきたいと思っています。一方で、割と気軽に運転ができる、そして皆さんに乗っていただけるような、グリーンスローモビリティということに関しましては、大型二種の免許がなくても大丈夫ということで、今、運行していただいていますが、こういったいろいろな手段を組み合わせながら、皆さんの移動を保障していくということが非常に重要になってくると思いますので、バス電車の100円ウィークもそうですが、できるだけ多くの方々に、そういうバス、公共交通に親しんでいただきながら、そして多くの方々にご利用いただければ、当然経営も安定につながってくることになります。ですので、今、どちらかというとマイナスに動いているものを、反転して好循環にしていくためには、こういう新たな取組をしながら、多くの市民の皆さんや利用者の皆さん方に公共交通に、より乗っていただくということが、現在の一時的な運転手不足も含めて、克服するために非常に重要なことだと思いますので、ぜひ皆さんにもご利用いただきたいと思いますし、キャンペーンもしっかり、頑張っていきたいと思っています。

【記者】令和6年能登半島地震に関連してお伺いします。能登半島へ派遣された応援職員から報告を受ける中で見えてきた課題や、今後追加、拡充したい支援など、具体的に教えてください。

【市長】現時点で能登半島へ1月3日から本日までに83名の職員を派遣してきました。この中でもやはり深刻なのは、道路やライフライン、こういったものの被害によって、復旧が非常に遅れていることです。熊本地震と比較しましても、家屋の倒壊等々の被害が相当大きなものだという報告を受けていますし、また、道路の損壊状況は報告を聞く限りでも、1ヵ月や2ヵ月で果たして通れるようになるのかということは、かなり疑問に思う場所もありますので、これは長期化が避けられないと思います。ですので、石川県をはじめ、各自治体では、二次避難という形で被災地を離れて皆さんに避難生活をしていただくという、苦渋の選択をなさったのだろうと思います。
やはり1番深刻なのは、道路という交通が寸断されてしまったということと同時に水です。水道管や浄水場等々がかなり破損しているような状況ということと、それを修理しようにも、そこに行く道がやられているということもあって、かなり厳しいなというのが、私がいろいろと報告を受けていることです。それからもう一つは、水道管の耐震適合率というものがあるのですが、十分に耐震化がされていなかったということもあって、石川県が大体36.8%と伺っており、管路自体も耐震性がやはり少し低いということもあり、かなりの管路がダメージを受けているのではないかと思います。
参考までに申し上げますと、熊本市は熊本地震で相当被害を受けて、管路についても耐震化を急いできましたので、現在79.5%の耐震適合率になっています。政令指定都市の中でも20市のうち3位の耐震適合率になるのですが、例えば全国の自治体でも、いつそういった大きな災害が起こるか分かりませんし、ライフラインが寸断されてしまうと、本当に復旧復興がかなり遅くなってしまうということでありますので、ここについての対策を、ぜひこれは、まだ被災をしてない自治体も含めて、急いでいただく必要があると認識しています。私たちも耐震適合率を、さらに高めていくための努力をしていきたいと思っています。
あとは、教育面においても、小中学生たちも含めて、学校が被災をして非常に大変な状況になっていることは、県の教育委員会の学校支援チームの派遣後の報告等々も伺いましたが、そういうことでも見てとれるということです。学校が早く戻るということも、復旧復興においては非常に重要なことです。熊本地震のときは、4月14日と16日に被災をして、それからずっと体育館等々が避難所になっており、数か月にわたる長期間、皆さんが避難生活を続けられました。そういう中で学校を再開するということは非常に困難だったのですが、避難者の方が発災からちょうど2週間を過ぎたぐらいから、避難所の人数が減ってきたということもあって、ちょうどあの時はゴールデンウィークが挟まったのですが、明けた頃には、3週間ほどかかりましたが、ほぼ全ての学校を再開することができました。学校が再開すると生活がだんだんと戻っていきますので、こどもたちがそうやって健全に教育を、学びを止めないで進めていくということは、復興の局面でも非常に大きいことですし、そのことによってご家族を含めて「さぁ早く自宅を修理したり、解体したり、次のステップに行こう」ということに対しての1つの大きな動機づけにもなっていると思いますので、ここは非常に重要な局面なのかなと思っています。
これから、道路や水道も含めて家屋被害調査等々がかなり出てくる、そしてこれらを再建していく。解体に当たって、本市の環境局職員も(現地へ)行って、一時仮置場をどうするか、それから災害瓦礫など、そういったものをどう処理するのかということは、環境省や他自治体の専門の皆さんと、今、計画を作成しているわけですが、仮置場にすら行けないとか、その確保が難しいということもありまして、これも非常に大きな課題だと思っています。
それと健康。高齢者の方、それからこどもたちも、今は学校(の体育館等)へ集団的に避難している状況になっていますが、メンタル面も含めて、こどもたちのそういったケアというものが非常に重要になってくると思います。そうしたことについては、我々もかなり熊本地震の後に取り組んでまいりました。アンケート結果を受けても、まだまだ地震のことを思い出して怖いとか、夜寝られないとか、そういったこどもたちがかなり多かったです。発災後1年、2年と過ぎてもなお、そういうこどもがいましたので、こどもたちに対するケアも継続的にやっていかなければなりません。ですから、そういうことをどう対応していけばいいのかということも、熊本から被災地の自治体の教育委員会や学校関係者の皆さんにもお伝えしていきたいと思っています。

【記者】現地では、ニーズに沿ったボランティアが求められる中、熊本市民への呼びかけを改めてお聞かせください。

【市長】熊本市民の皆さんも、ボランティアに行きたいという方は、石川県のホームページ等々で登録が始まっていますので、ぜひ登録していただいて、既に金沢市内にはボランティアの方が入れるような状況になっています。だんだん加賀から能登そして奥能登と、道路やいろいろな状況が復旧していくごとに人手も必要ですし、奥能登に行けば行くほど、これからまだまだボランティアの手が必要になってくると思います。恐らく発災直後よりも、これから段階的にボランティアの数が必要になってくると思いますので、夏ぐらいまでの間に、ぜひ多くの皆さんには、能登の方にボランティアに行ける方は行っていただきたい。それができない方も、義援金などの支援をお願いしたいと思います。
実は熊本地震の時、輪島市にふるさと納税の代理の収納をしていただいて、たくさんの義援金をいただきました。そういうこともありまして、熊本市でも、輪島市のふるさと納税の代理の収納を受け付けさせていただいています。これは、熊本市の方も寄附ができるということですし、当然のことながら返礼品はありませんが、それがまた寄付につながっていきますし、クレジットカードで2000円から受付可能となっていますので、ご協力していただければと思います。
ボランティアについては、自分ができる時にできるだけのことをやっていただければと思います。これから順次、現地へと入っていくと思います。最初のころ、私も石川県の馳知事や、ボランティア団体の方々といろいろな調整をしておりまして、早く皆さん方がスムーズに入れるようにするためにはどうしたらいいかということで、石川県でも、かなり積極的に調整をしていただいています。最初は能登半島の特に奥能登は道路も厳しい、渋滞も激しいということで、救助にかなり支障が出る、あるいは自衛隊の活動等に支障が出るということで、少し待ってくださいというアナウンスをされていましたが、これからだんだんと可能な箇所、つまり金沢市や恐らく七尾市など、そういった地域にどんどん北上していくような形で、人手が必要になってくると思いますので、ぜひそういった時にタイミングを見てご支援をいただければと思います。

【記者】熊本県知事選挙に関連してお伺いします。1月9日に、熊本県副知事を務められた木村氏が立候補を表明されて、元熊本市長の幸山氏と木村氏の2人が名乗りを上げている状況です。大西市長ご自身はどちらかを支援するのか、あるいは中立の立場をとられるのか、その辺りのお考えをお聞かせ下さい。

【市長】熊本県知事選挙については、蒲島知事が4期で勇退をされるということから、その後、前熊本市長の幸山さんが立候補を表明され、そして年明けすぐに、前熊本県副知事の木村さんが立候補を表明されたということで、知事選については短期決戦ということになりますが、これから本格的にいろいろな運動なり動きが出てくると思います。以前の会見で申し上げたかもしれませんが、今度の知事選においても、これまでもそうだったのですが、県都、県の中心市の市長としては、中立的なスタンスで、一切そういった選挙の応援など、どちらかの方にどうするということはしないということで、私としては、今は県全体の非常に重要な時期でもありますし、以前も申し上げたとおり、熊本市との連携、熊本都市圏との連携というのは、今後の県政を進展させる上でも非常に重要なことですので、そういったことの主張も含めて、しっかり政策論争を行っていただき、そしてより良い熊本県のリーダーとして活躍できるように、報道等でも少しずつ皆さんの主張が出されていますが、メディアやSNS等を使って県民の皆さんの関心を高めていただければと思います。

【記者】中立の立場でということですが、市長になられてからこれまで、一貫してそのお考えだと思います。中立の立場をとられてきた理由を、もう少し詳しく教えてください。

【市長】個人的には私も政治家ですから、いろいろな場面で特定の候補者を応援するということは、当然あり得ると思っていますが、熊本市長という立場は、私も非常に多くの政党や団体からご推薦をいただいて、そしていろいろな団体の皆さん方のお考えを受けながら(市長選に臨みました)。ただ、市政運営の中では、選挙に当選した後は、やはり市全域のために、各政党やいろいろな団体によらずに市長としての活動をしていく職責がございます。
そういう中で、特に県政においては私自身、幸山前市長も県議時代から大変親しくさせていただいていますし、木村前副知事も県議時代から一緒に仕事をした仲間でもありますので、それぞれに関係性がございます。ですので、そこは政策論争の中できちんと戦わせていただくことが必要だと思いますし、あえて私がどちらかを支援することは、非常に大きな影響を与えると私自身思っていますので、それは結果が出た上で、当選された方としっかり連携をとっていくことが非常に重要だと、このような認識でおりますから、政治的な判断も含めて、そういった中立的な立場でこれからも対応をとらせていただきたいと思っています。

【記者】中立的な立場での対応というのは、例えばマイクを握って応援をしたり、為書きなども行わないという理解でよろしいですか。

【市長】過去の選挙でも為書きであれば出していたような気がします。ただ、それは求められればといいますか、それぞれ応援される方が私の後援会の中にもいらっしゃいますので、例えば幸山さんに出してくれとか、木村さんも出してくれなど、依頼はあるのではないかと思いますので、その辺は事務所や後援会の皆さんと判断をしながら、それぞれ出させていただいて。エールを送るということは蒲島知事もなかったわけですが、それぞれの皆さんに頑張っていただきたいという気持ちはあります。ただ、私自身がマイクを握って選挙に関与することは一切ないということは申し上げておきます。

【記者】県知事選について冒頭に少し触れられましたが、改めて県のリーダーが16年ぶりぐらいに変わるということで、大西市長はどのようなリーダー像を期待されるのか、何を求められるかを教えてください。

【市長】一つは、やはり県土全体の発展をどう捉えるのかということはすごくあると思います。全県的には人口が減っておりまして、この20年間でも相当減っていますが、今後も人口ビジョン等々を考えても相当な人口減少になります。そうしますと、特に拠点の都市以外は、過疎化や高齢化というものが非常に進んでいきます。今回の能登半島地震でも、奥能登あたりも高齢化率が非常に高い地域であって、例えばそういうところで災害が起こったとなりますと、それを解決することが非常に困難になってくるということで、この少子高齢化、人口減少の社会の中において、県土としてどういうバランスをもって発展させていくのか、将来に不安を抱かないように県民の皆さんの幸福量を最大化するということは蒲島知事もおっしゃっていることですが、そういうことに繋げていけるのかということは、非常に手腕が問われるところだと思います。
一方では、熊本市や近郊の都市圏に人口が集中しています。一極集中がどうかという話は、東京一極集中の是正などがよく論点になりますが、これは九州全体で見ると福岡に一極集中していたり、熊本県で見ると熊本市やこの近隣の菊陽、合志、大津、こういった地域に人口が集中しているということです。ただ、県全体のいろいろな課題解決のために、拠点として一定の集積をすることによって、県外への流出を抑えるという効果もありますから、都市圏行政ということに対してどう考えていくのかということは、非常に重大な問題だと私は捉えています。その点に関しての、例えば交通の問題や住宅政策、それから産業政策についても、ある程度の集積を図っていくということは非常に重要ですが、そういったことに対して、どういうビジョンを持ってこれから対応していくのか、これは非常に大きな問題だと思っています。
TSMCのことに関しては、今回、私たちも出張で現地を調査してきますが、特に、今、県民の皆さんの不安というのは、やはり環境への影響、あるいは自分たちの社会生活の中での影響がどのようなものかということを非常に心配しておられますので、こういったことに対して、どう課題をクリアし、また、経済的な発展という意味では非常に大きなチャンスでもありますので、それを今後どう生かして県全体の発展に繋げていくのか、そういったことに対するビジョンは示していただく必要があるだろうと思っています。

【記者】先ほど市長と立候補されたお二人とは、それぞれご関係があるというお話をされましたが、中立的な立場から、候補者お二方のそれぞれの印象を教えてください。

【市長】幸山前市長は、3期12年熊本市政を担われて、政令指定都市への移行も実現されたということで、私も県議時代から知っていますが、非常にまっすぐで真面目な方ですので、そういった今までの行政経験の中で、県全体を引っ張っていくための、どのような処方箋を書かれるのかということは、非常に注目をしているところです。
そして、木村前副知事においては、非常にフットワークよく県庁の中でも活動されていたというのが私の印象です。県議会のいろいろなトピックスに関してもかなり細かく、まめにいろいろなことをキャッチアップされて、県議会との調整などをされてきたので、そういう意味では、蒲島県政をこの16年間見守ってきたということもあると思います。ですから、そういった視点の中から、今度はご自分のカラーといいますか、そういったものをどう打ち出していかれるのか。当然、蒲島県政のサポート役として副知事をされていたわけですが、一方では、新しく、その中でも蒲島知事では出来なかったことを、自分がどうやろうかと、そういったことを打ち出されるのかということに対して非常に関心を持って見ております。
いずれにしましても、お二人ともどういう形で政策を訴えていかれるのかということは、まだまだ県民の皆さんも十分理解されているとは思いません。短期間の中で、皆さんの関心のあるようなトピックスをお伝えするというのは、なかなか大変なことだとは思いますが、ぜひそういったところに、メディアの皆さんやSNS等を含めてですが、発信力をどんどん発揮していただいて、しかも、お二人ともにお若いので、行動力というものにも期待したいと思っています。

【記者】熊本県知事選に関連してお伺いします。現在、立候補を表明されているお二方の具体的な政策はまだ分かっていませんが、これまでの県政に関して、例えばダムの問題や復興の問題など、いろいろなことがあったと思います。大西市長が個人的に関心のある政策や、期待するところがあれば教えてください。

【市長】さきほど申し上げましたように、特に交通対策です。熊本市をお預かりする市長として非常に申し訳ない状況ではありますが、3大都市圏を除いてワースト1位の渋滞問題が非常に深刻になっており、市民生活、県民生活に大きな悪影響を及ぼしていると思います。一方では、10分・20分構想も含めて大きな道路ネットワークの構築も、これからの将来を見据えて、少し時間はかかりますが、進めていかなければなりません。なおかつ、これは熊本市内だけに限らず、近隣の菊陽町や大津町、あるいは合志市など産業が立地するところの渋滞も非常に激しく、これは市や町だけで解決できる問題ではなく、広域の都市圏域で考えていかなければなりません。
そういう意味では、熊本市と県がどのようにタッグを組んでいくのかということに対する一定程度の見解をお聞かせ頂かなければならないだろうと思っています。それは手法の問題も含めてです。これは非常に大きな問題だと捉えていますので、関心の高いトピックスだと思っています。

【記者】今、お話されましたように、熊本市内の交通渋滞の問題が深刻になっているということで、バス・電車無料やグリーンスローモビリティなど、いろいろなことを試されていると思うのですが、なかなか幹線道路等の渋滞が解決されないということで、市民の方からもいつになったらという声が出ています。この問題の解決に向けたスピード感を含めて、どのようにお考えになられているかを教えてください。

【市長】県と市でどのぐらい連携をして、都市圏の交通問題を解決するのかということがここ10年の間で非常に重要になってきます。ですから、特に新しい県知事が、その部分でどのようにスピード感を持って、国や我々熊本市や関係自治体と連携をしながら、解決に向けて動いてくのかということが非常に大きいところだと思います。
これは道路だけではなくて、公共交通も含めてですが、かなり大胆な絵、道筋を描いていかないと、いろいろな産業の発展を取り込んでいくことも困難になってしまうのではないかと思います。そこは、もし、それぞれ候補者から何かお尋ねがあれば、こうしたほうがいいのではないかという私なりの考え方を申し上げようとは思っていますが、まず、そこについての対応をしっかりと県民に向けて発信していかれたらと思います。

【記者】県知事選挙の対応で確認なのですが、市長ご自身の後援会組織に対しても、特段何か指示をされるようなこともない、という理解でよろしいですか。

【市長】後援会の皆さんも、それぞれのお考えの中で今回の知事選に対応されると思います。私からは、後援会の皆さん方には、役員の皆さん方には既にお伝えしましたが、それぞれの判断で行動なさってくださいということで、いわゆる自主投票的な形で参加されることになるのかなと思っています。

【記者】台湾の総統選挙に関連してお伺いします。頼清徳氏が初当選されましたが、頼氏は台南市長時代に、熊本地震被災後の熊本市にお見舞いに訪れていらっしゃいます。頼氏の当選に対する市長の受け止めと、期待などありましたら教えてください。

【市長】台湾の総統選挙に関しましては、頼清徳元台南市長さんが今回当選をされました。私自身も数回お目にかかっていまして、熊本にも、確か2度か3度来られているのではないかと思いますが、私もその度にお会いしました。そして(熊本地震の際は)義援金等々も台南市や台湾政府からいただきましたので、そういう意味では人間関係もありますので、これからぜひ頑張っていただきたいと思います。
ただ、台湾総統選挙に関しましては、いろいろな難しい政治的なお立場もあると思いますので、そこに対してのコメントは差し控えたいと思いますが、そういった関係性の中ではありますが、頼清徳さんが台湾総統選挙に当選されたことに対しては、お祝いの気持ちを述べさせていただきたいと思います。
一方で、こういった自治体同士のつながりというものは、国や外交上のいろいろな繋がりとは別に、それぞれの地域との友好的な関係が結ばれる必要があると思っていますので、今回訪問をする中で、総統選挙とは関係なく、引き続きそれぞれの自治体との交流は深めていきたいと考えています。

【記者】先ほど訪問目的についてのお話がありましたが、特にどういった部分で多様な関係性を結んでいきたいとお考えか、教えてください。

【市長】一つは、当然多くの台湾の方が熊本にも仕事として赴任されたり、あるいは出張で来られたりと、往来が非常に多くなりますので、台湾の皆さんの日本や熊本に対する受け止め、こういったものをしっかり捉えてくるということが、まずは非常に重要だと思っています。その上で、こういうことを期待している、あるいは、こういうことをぜひ熊本でやってほしいというような、そういうニーズを把握しながら、熊本のいろいろな受け入れの部分に関しての対応を、検討していきたいというのが一つございます。
そして、今回の訪問で非常に大きいのは、先ほど環境のお話しも申し上げましたが、いろいろと心配の声が出ている中で、既にサイエンスパークということで、新竹市には、非常に大きな工場がたくさん立地しており、これは、TSMCだけに限らずいろいろな関連企業の工場等も立地していますので、既に、昨年の1月に訪問をしましたが、その際は県のオール熊本の訪問団の一員としてであり、(対して、)今回は熊本市として独立して調査に行きますので、環境面の調査や実態の部分において、各部局の担当者も一緒に連れてまいりまして、深掘りしていろいろと調査をし、その影響等々についてネガティブなものにならないよう、しっかり対応できるように、我々としても調査をしていきたいということです。
あとは、今回、四つの都市を伺って、市長さんたちとも面会をする予定で日程をとっています。そこで、交流と対人関係も含めてですが、顔見知りになっていく、コネクションをしっかり持っておくということは非常に重要だと思っています。トップとしての交流ももちろんそうですが、事務レベルでもそういった交流をする窓口があれば、今後のそれぞれの地域の発展につながっていくのではないかなと、このように考えています。

【記者】今回の台湾訪問で、台湾総統選で当選した頼氏とお会いする予定はないのでしょうか。

【市長】ないですね。さすがに総統選挙が終わった直後で、私自身そういう発想もなかったわけですが、それは国のレベルで考えられていることだと思いますし、今のところ予定はございませんが、市長さんたちとはそれぞれお目にかかる予定です。
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