熊本市ホームページトップへ

令和6年(2024年)2月13日 第1回定例会前市長記者会見

最終更新日:2024年2月13日
政策局 秘書部 広報課TEL:096-328-2043096-328-2043 FAX:096-324-1713 メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 担当課の地図を見る
                1 令和6年第1回定例会提出議案について

                2 報告
                 ・海外訪問について

                3 お知らせ
                 ・熊本競輪場における競輪競技の再開について

                4 質問
                (1)幹事社代表質問(朝日・KAB)
                (2)各社質問

          • PDF 会見で使用したモニター画像 新しいウィンドウで(PDF:5.26メガバイト)

会見録


市長発表

令和6年第1回定例会提出議案についてご説明をいたします。説明内容については、随時モニターに表示してまいりますので、併せてご参照ください。
まず、令和6年度の一般会計当初予算案については、“よりよい未来への着実な一歩”というテーマに、新しい総合計画の8つのビジョンを柱に予算編成を行いました。
今回の予算の特徴として、ビルド・アンド・スクラップの徹底によりまして「予算の質の向上」を図るとともに、編成方針で最優先事項に掲げました「こども関連施策」や、「TSMCの進出を踏まえた施策」を大きく拡充するなど、重点的な予算配分を行ったところです。
その結果、一般会計の予算規模は4,014億円と前年度比5.2%の増で、当初予算としては過去最大の規模となります。また、国の経済対策に呼応して令和5年度11月補正予算及び2月補正予算案において52億円を計上しておりまして、それらを含む一般会計の予算規模は4,066億円となります。

それでは、主な事業についてご説明をいたします。こちらをご覧ください。
まず、こども関連施策について、こども局の予算を大幅に拡充させていただきました。予算は前年度から37億円増の620億円と大幅に増額をしております。また、こども関連予算につきましては、私の市長就任時の平成27年度と比較いたしますと、近年の税収増、税収が平成27年度から1.3倍ほど増えており、近年の税収増も捉えながらこども局予算を約1.3倍に増やしているところでありまして、未来を担うこどもたちへの支援を、これまでも強化してきましたが、今回、さらに拡充をして37億円増の620億円ということで、過去最大規模となります。
来年度の主な取組ですが、子育て家庭を支援するための「児童手当の対象年齢等の拡充への対応」、また結婚、妊娠、出産などの希望を叶えるための「結婚支援センターの開設」や「産後ケアの拡充」、こどもの命と権利を守る「こどもの権利サポートセンターの開設」、悩みを抱える若者を支援する「(仮称)若者・ヤングケアラー支援センターの設置」などで、結婚や子育て、あるいは課題を抱えるお子さんや若者に寄り添った支援など、様々なライフステージ・環境に置かれたこどもやご家庭へのきめ細かな支援を強化してまいります。
次に、TSMCの関連施策につきましては、前年度の3.9億円から、約3倍増となります11.2億円に増額をしております。主な取組といたしましては、「半導体関連企業の誘致活動」の強化はもとよりですが、地下水を未来につなげるための地下水かん養促進、これは地下水を守る取組ということでございまして、「水田湛水の協力農家への助成金の拡充」や「水質保全対策の強化」、これを図るとともに、企業進出に伴う交通課題に対応するため「10分・20分構想の推進」などのインフラ整備を推進したいと考えております。
この他、新総合計画の8つのビジョンに沿った主な取組についてご説明させていただきます。まず、ビジョン2ですが、これは、「市民に愛され、世界に選ばれる、持続的な発展を実現するまち」として、起業家の皆さんのスタートアップや中小企業への支援を強化する「ミドルステージからさらなる成長を促す伴走型支援」、こうした事業を進めていきます。また、農水産業の振興に向けた「販路拡大への個別支援」や「農業基盤整備の着実な推進」などに取り組みまして、本市の強みを生かした産業振興、まちのにぎわいの創出を図ってまいります。
次に、ビジョン3「市民生活を守る強くしなやかなまち」として、重要な防災拠点としてあらゆる災害リスクに対応するため、「新庁舎整備の推進」や西消防署の移転、(モニターを指しながら)こちらに移転予定地がありますが、「西消防署の移転による1区1消防署体制の確立」を図っていくということ。それから、「犯罪被害者等への見舞金制度の創設」など、安全・安心な市民生活を実現する取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
次に、ビジョン4「だれもが自分らしくいきいきと生活できるまち」として、心のバリアフリーを推進するため、「バリアフルレストランの開催」により、(障がい等がある)皆さんの状況を体感する、また、昨年の市議会においても活発に議論が行われました、がん患者の方への「医療用ウィッグ等の購入助成によるアピアランスケアの推進」を図るなど、誰もが自分らしく、暮らしやすいまちづくりを推進してまいります。
次に、ビジョン5「豊かな環境を未来につなぐまち」として、熊本連携中枢都市圏で連携をいたしました「電力の脱炭素化事業の加速化」など、本市の豊かな自然環境を守り、将来へ受け継ぐ取組を強化してまいります。
次に、ビジョン6「すべての市民がより良い暮らしを営むまち」として、地域活動への参加を促すための「くまもとアプリを活用した地域活動の活性化」、(モニターを指しながら)こういうイメージですが、くまもとアプリを活用しながら地域活動への参加を促していく。それから、学び直しの機会を提供するための「県市で連携した夜間中学の運営」など、市民の皆様が自ら参画し、誇りを持てるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、ビジョン7「安全で良好な都市基盤が整備されたまち」として、公共交通の利用促進に向けた「まちなかフリーパスの実証実験の実施」です。(モニターを指しながら)このエリアをフリーパスで300円で実現しようということです。あるいは、「AIデマンドタクシーの本格導入」のほか、安定的な物流の確保や交通渋滞の解消に向けた「熊本西環状道路の整備推進」など、都市基盤の強化による市民生活の利便性向上を図ってまいります。
次に、ビジョン8「市民に信頼される市役所」として、市民の皆様の利便性向上を図るための「医療費助成の申請手続きの簡素化」や「行かない・書かない・待たない窓口の推進」など、行政サービスの質の向上を推進してまいります。
以上が、当初予算の全体像となります。新総合計画策定元年の予算として、市民の皆様に「よりよい未来への着実な一歩」を踏み出していると感じていただけるよう、全職員一丸で取り組んでまいります。
次に、2月補正予算案についてご説明をいたします。こちら(モニター)をご覧ください。
2月補正予算の主な取組としては、まず「能登半島地震災害復旧支援経費」を計上しております。能登半島地震の復旧支援につきましては、これまで延べ239名の職員の派遣をいたしまして、熊本地震の経験を生かした支援を行っているところですが、2月補正予算におきましても、これら職員の派遣に要する経費や石川県への見舞金など約6千万円を計上いたしまして、引き続き被災地に寄り添った支援を展開していきたいと考えております。
この他、物価高騰の影響が続く状況を踏まえた「学校等給食の食材高騰対策への支援」や、「学校施設等の長寿命化・耐震化」など、2月補正全体としては約67億円を増額しておりまして、当初予算と一体として着実に取組を進めてまいりたいと考えております。
最後に、条例等の議案については、「熊本市附属機関設置条例の一部改正」に係る議案等の提出を予定しております。なお、詳細につきましては、既に配付している資料のとおりとなりますので、ここでは割愛をさせていただきます。
以上、提出議案についてご説明させていただきました。

次に海外訪問についてご報告をいたします。
1月29日から2月2日にかけて、市議会の皆様とともに、台湾の高雄市、台南市、新竹市、台北市を訪問いたしました。今回は、「半導体関連企業進出に伴います行政課題などの調査」、「ビジネス交流拡大に向けたトップセールス」、それから「友好交流都市・高雄市との交流促進」を目的として訪問をしてまいりましたので、それぞれの成果についてご報告いたします。こちらのモニターをご覧ください。
こちらはTSMCの本社前です。JASMの熊本工場は、今月24日に開所式が予定されておりまして、生産開始に向けて順調に進んでいます。このような状況を踏まえまして、TSMC本社を訪問し、シルビア・ファン シニアヴァイスプレジデントなどの幹部の皆様と面談させていただきました。その中で、地下水の保全や交通対策、それから台湾から派遣された従業員の生活環境整備など、本市の取組を説明し、意見交換を行うとともに、JASMの熊本工場の生産開始に向けた進捗など、貴重なお話を伺ってまいりました。特に、市民の皆様の関心の高い、地下水保全など環境への影響については、TSMCの環境保全に関する積極的な取組等についてお聞きいたしますとともに、私からも、地元の理解がより進むよう、それらの取組について、わかりやすくTSMC側から情報発信していただくようにお願いしてまいりました。このように、TSMCの幹部の皆様と直接意見交換を行うことができ、本市の取組を進めていく上で、大変有意義な機会となりました。
また、TSMCの半導体製造工場が所在する台南市と新竹市のサイエンスパークを訪問いたしました。ここは台湾政府の計画により創設された産業集積地区でありまして、環境、交通、住宅の状況などについて現地の様子を視察いたしますとともに、関係者の方と意見交換を行ってまいりました。まず、こちらのモニターをご覧ください。
こちらはサイエンスパーク内の施設の状況です。TSMCの工場の半導体の製造工程で使用される水ですが、これは、下水道や工場排水の処理水を再利用した水及びダムの水が使われておりました。また、工場排水は台湾政府の厳格な基準を満たすよう管理されており、工場付近の地下水や河川の水質についても工場立地の前後において全く影響がないことが確認できました。本市においても、これから、県や菊陽町と連携して、工場排水及び放流水が関係法令の基準を満たすよう監視を強めてまいりたいと考えております。
次に交通・住宅についてです。こちらのモニターをご覧ください。
交通渋滞については、台湾においても半導体関連産業の成長などに伴う深刻な渋滞が生じている箇所や時間帯があり、サイエンスパークへのアクセス道路の整備やICT技術を活用した信号時間調整など複数の施策を組み合わせ、対策を進められておりました。
また、住宅については、周辺の地価や家賃上昇を見据えるとともに、人材の流出防止の観点から公営住宅や宿舎の整備を行われているほか、商業や教育、医療などの機能集積を図り、サイエンスパーク内に複数のタウンが形成をされておりました。
今回の視察・意見交換を踏まえ、これらの対応については、早急な施策の展開と将来を見据えた方向性を示す必要性を再認識したところです。
あわせて、サイエンスパークが所在する台南市、新竹市の市長をそれぞれ表敬訪問させていただきまして、両市との関係を深めてまいりました。両市長とお話しする中で、環境や交通などの情報共有を含めた今後の交流についてさらに深めていくことをお約束させていただきました。
ご承知の通り、2月6日、TSMCが熊本にJASM第二工場を建設し、2027年末までの稼働開始を目指すと発表されたところであり、半導体関連産業の集積を図っている本市としても、大変喜ばしく思っております。今回、台湾を直接訪問し得られた情報や経験を生かして、環境の保全、交通対策、住環境の整備、人材確保支援などの課題への対応に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 
次に「ビジネス交流拡大に向けたトップセールス」です。台湾企業の対日投資や交流の動きが加速化している中で、昨年9月の熊本―台湾定期便の就航を、本市のビジネス交流を促進する機会ととらえ、台北市を中心にトップセールスを行ってまいりました。こちらのモニターをご覧ください。
まず、九州フィナンシャルグループと業務提携している玉山銀行並びに福岡フィナンシャルグループと業務提携している中國信託商業銀行を訪問してまいりました。現地の金融機関の協力は台湾企業の立地や投資に大きく影響することから、相互の協力について意見交換を行うとともに、観光やスポーツ、文化等の分野の交流についても意見を交わしたところです。また、今後の連携協定の締結についてもこちらから提案をいたしまして、前向きに検討するとのお返事をいただきました。そのほか、台湾政府関係者や日本政府関係者、熊本関係企業などを訪問しまして、各分野のキーパーソンの方とのネットワークを構築してまいりましたので、それらを生かして、台湾とのビジネス交流をさらに促進してまいりたいと考えております。
次に「友好交流都市・高雄市との交流促進」についてです。こちらのモニターをご覧ください。まず、高雄市政府を表敬いたしまして、1年ぶりに陳市長にお会いしました。高雄市の皆様は、我々代表団を大変温かく出迎えてくださいまして、親交を深めることができました。また、「TSMC工場進出や大規模災害時の備えなど、お互いに協力できることについて検討していきたい。」など、今後に向けたご意見もいただいたところです。
また、昨年末に延伸工事が完了した、高雄LRT環状線を視察してきました。(モニターを指して)これが環状線です。実際に乗車させていただきまして、(モニターを指して)これがその車両ですが、広くゆとりのあるホーム、線路周りの緑化、架線レス技術、停留所についた時にすぐパンタグラフのような物を上げて急速充電するということで、架線がありません。街の風景に溶け込み、市民の皆さんや観光客の重要な交通手段となっておりました。また、環状線の整備は着工から約10年で完了したとのことであり、非常にスピーディに、(モニターを指しながら)この環状線が10年でできたということで、非常に早く完了したということで、これらの取組を市電の利用環境の整備や延伸等に生かしていきたいという風に考えております。
最後に、今回の訪問を通じまして、TSMC進出に伴う環境や交通などの各種課題について、TSMC本社の幹部の方々と直接、意見交換をすることができたこと、また、私が直接訪問することによりまして、様々なステークホルダーの方々とお会いでき、ネットワークを構築できたことは大きな成果であると考えております。また、今回、熊本―台北直行便を使いましたが、出国や入国の手続は混雑も全くなく、非常にスムーズで利用しやすいと感じました。みなさんも台湾へ行かれる際はぜひ直行便をご利用ください。ただ、予約があまり空いていない、現在非常に人気があるということです。
今回の視察や意見交換に関する詳細については、今後、担当部署よりホームページなどで情報提供させていただきたいと考えております。

最後に、熊本競輪場における競輪競技再開の日程について、いよいよお知らせさせていただきます。モニターをご覧ください。現在、再建工事を進めております熊本競輪場については、競技再開の日程を関係機関と調整しておりましたが、この度、本年7月20日に熊本競輪場を再開することが決定いたしました。平成28年熊本地震以降、競技を開催できない状況が続いておりまして、関係者や地域の皆様に大変ご心配をおかけしておりましたが、全国の競輪施行者、並びに関係団体等の皆様のご支援・ご協力により、8年ぶりに競輪競技が再開できますことを、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。当日は再開記念イベント等も予定しておりますので、競輪ファンや地元の皆様はもとより、多くの方々に会場にご来場いただき、ゴール前では時速70kmにも達する選手たちの躍動感、迫力を肌で感じていただきたいと思います。また、G1などの特別競輪に関しても、全面オープンとなる令和7年度の開催に向けて招致活動を行っておりまして、熊本地震から力強く再建した姿を全国にアピールしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。


質疑応答

【記者】台湾訪問に関してお伺いします。これは予算にも関わってくるかと思いますが、TSMC関連の予算が昨年に比べて3倍に増えたとのことでした。市長が実際に台湾に行かれてみて、特に予算執行を急ぐ必要があるものや、熊本市内に誘致できそうな企業があったなど、そういった手応えのようなものを感じられたところがあれば教えてください。

【市長】まず予算の面で言いますと、TSMC関係の皆さんが一番ご心配になっていたのは住宅です。社員や従業員の住宅の確保が確実にできて、そして安定的に安心して生活できるような環境になるかどうかということは、非常に心配されていましたので、私からはこれまでも台湾の皆さんに、市営住宅も含めた跡地を民間の方に活用していただき、それを住宅としていち早く提供させていただいたことや、教育環境も含めた生活環境、学校の問題をはじめ本当に地域に馴染んでやっていけるのかどうかということも含めて、地域づくりやまちづくりについてはどうなのだろうというご心配の動きもありました。それには、今、まちづくりセンターや地域担当職員も含めていろいろな地域の皆さんとの交流会等も深まっています。(このように、)TSMCの社員や従業員の方々が熊本で生活をしていくための環境整備については、かなりスピーディに対応しなければなりません。(TSMCとの)会談の際、第2工場の話は細かく出ていませんが、やはり、今後のことを見据えたときに、非常に危惧されていたことです。一方で、TSMC側からは、今、既に(熊本へ)引っ越して、創業の準備に当たっている社員やご家族の皆さんから、熊本という所は生活がしやすい、とても快適なので熊本に家を買いたい、というような声もあるということですので、一定程度熊本の生活というものには、満足いただけていると思います。ですが、今後、やはり(転入者の)数が増えていくことに対して住宅供給等々が対応できるのか、あるいは、生活環境が確保できるのかということが気になっているということでしたので、そこについてはしっかり対応したいと思います。
それからもう一つ、環境の部分について、特に水の処理等については、相当高い技術を使っておられるなという印象がありました。台湾は、台南市も含めて水不足(が起こりやすい地域)で、もともと熊本のように地下水がどんどん湧き出るような地域ではありませんので、水不足で非常に厳しいというところがあって、そういうところにサイエンスパークのような大きな工場を作って大丈夫かという議論は相当あったようです。
ですが、実際に行きましたところ、全く何の混乱もなく、そして、実際に市民の方々が利用した後の生活排水など、そういった下水をうまく処理をして、それを再生水として活用しているというようなところを見せていただきました。ですので、熊本工場の場合は、地下水を活用するということがあるのでしょうが、そのうち75%から80%近くを再生水として利用するというのは本当なのかなと思っていましたが、あれだけの技術を持っていれば、恐らく問題はないだろうと思いました。それから、熊本市の環境担当も同席し、(台南市の)行政当局の皆さん方へ、環境問題に関するシビアな点がないかお聴きしたのですが、台湾の規制の項目はかなり厳しく、日本よりも厳しいものであり、そういう項目がクリアされているということで、環境面には相当強く配慮されているということでした。一方で、これは先日、熊日さんの記事にもあったと思うのですが、どのような対応をとっているのかという、いま一つ情報が見えない、分からないということでしたので、私も実際に行ってみて、もう少し市民の皆さんや県民の皆さん方の不安を払拭するためにも、これだけいろいろな取組をやられているのであれば、熊本工場においても最新の技術をもってやられているということを、地元の記者さんや報道の皆さん方に、公表してくださいということは、私から提案をさせていただいております。それについては、前向きに検討するということでしたので、TSMC熊本工場のオープンに際して2月24日にセレモニーが行われますが、それ以降に皆さんに対して、そういった環境問題に対する対応等々について、ご説明される機会があるのではないかと思っております。

【記者】予算に関連してお伺いします。今年度は、こども関連の予算が大きくなっていますが、改めてこどもに対する政策に重きを置く理由、そして新たな取組も始まる中で、特に目玉にしたいものがあれば教えてください。

【市長】こども(に関する施策)に関して言えば、(モニターを指して)これだけ予算を増額させています。やはり、働く皆さん方が子育てをしやすいように、保育園の待機児童ゼロということを、私が市長に就任してすぐに平成27年度(2015年度)から始めており、かなり厳しくやってきました。一方で、保留児童がいるなど、まだまだ改善していく余地がありました。税収もしっかり伸びてきて、その分しっかりこども予算に転換しようということで、今回こういう形で充実をさせています。その中でも大きなポイントの一つが、人口減少や少子化の中で、こどもを産み育てることに対する漠然とした不安感や、こどもを産んだ後にも、経済的な非常にシビアな状況があるということで、そこについては「市長とドンドン語ろう!」でも、いろいろと議論をさせていただきましたし、ご意見も聴きましたが、やはりそれ(こどもに関する施策)が非常に助かるという声がありました。ですので、ここの部分をさらに強化し充実をしていくことで、今、人口問題についても、2070年くらいの熊本市の姿は、人口が非常に減ることが予測されていますが、多くの皆さん方に生き生きと、活力ある生活をしていただくためには、この子育て支援ということにしっかり力を入れることで、それはまちづくり全体にも、この先の未来に向けてプラスの効果が出てくると考えています。
今年度、特に充実させるというものでは、当然、こども医療費の拡充等々はこれまでもやってきましたし、継続していきます。また、償還払いといって、大きい額の医療費に関しては、今まで(病院の窓口で)立て替えていただくようなことが生じていたのですが、それをなくします。このような一時的な負担感などは、事務のいろいろな効率化や見直しによって解消できますので、新年度に取り組みまして、4月からすぐということではなく、もうすこし後になりますが、こども医療費助成の事務を簡略化することによって、来庁していただかなくてもいい、あるいは一時的な自己負担がなくてもいいようにということで、令和6年(2024年)12月からスタートさせます。重度心身障害をお持ちのお子さんに関しては、令和6年(2024年)8月からスタートを考えています。
それから、「こども誰でも通園制度(仮称)」というものをスタートさせます。令和6年度に、本格的実施に向けて全国150程度の自治体で試行的事業の実施が予定されていますが、熊本市も試行的事業に手を挙げまして、そして早い段階で事業に着手したいと考えています。これにより、課題の洗い出しや検証を行い、令和8年度(2026年度)の本格実施に繋げていきたいと考えています。そのために令和5年度の補正予算、それから令和6年度の事業についても実施をしたいと考えています。事業内容は、0歳6か月から2歳の未就園児を対象に、月に一定時間までの利用可能枠の中で、保護者の就労要件を問わずに、保護者がどういう条件であっても時間単位で利用出来るということをやっていきます。実施施設は今、検討中でありますが、この制度とは別に、公立の保育所で一時預かり保育事業の拡充を予定しています。これは、令和6年度の当初予算に関連予算を計上しているのですが、一時預かり保育事業というものは、「こども誰でも通園制度(仮称)」とは違い、保護者の病気や冠婚葬祭、仕事の都合など、家庭において保育が出来ないような事情が発生した場合、それから保護者の育児疲れの軽減のために保育所等で一時的に必要な保育を行うというものであり、公立保育所での一時預かり保育事業の拡充をしたいと考えているところです。先ほど申し上げました、「こども誰でも通園制度(仮称)」は、そういった理由を問わずにこどもさんを預けられるということです。以上が、今、お話できることになります。
あとは、子育て応援アプリというものを、これから立ち上げていきますので、詳細につきましては、改めてリリースする時期、秋口になるかと思いますが、その時期にお伝えしますが、子育て支援の情報が、熊本市公式LINEなどに登録しているとたくさん情報が来て助かるのだけれど、例えばこどもの月齢や年齢に応じてきめ細かにプッシュ型で情報を提供する。うちの子が今6ヶ月だからその子に合うような情報、例えば予防接種においては、いつ頃受ければいいのか等、時期や回数、間隔が非常に今複雑化していますので、そういったもののスケジュールを自動生成して情報配信するということで、保護者の皆さん方が非常に分かりやすく、負担軽減にもつながっていく、こんなこともやります。また、母子手帳とは別に、電子母子手帳の管理ができるようにすることで、成長のグラフや成長の写真、乳幼児健診の記録をマイページに記録できる、そんなことも今考えており、アプリの機能として実装したいと考えております。こういったところを目玉としています。

【記者】当初予算に関連してお伺いします。本庁舎建設事業の整備推進経費として、4300万円計上されています。昨年、熊本市としては、建替え方針を表明されてから、初めて具体的にお金の形で見えて来たかと思います。これはどういった狙い、意図なのか。あと一点気になるのは、具体的な建設地の比較検討について、民間のコンサルタント会社に委託費を支払って委託するということになっていますが、ここに関して、例えば作業を加速させたい等、どういう意図があるのかを教えてください。

【市長】今日、これからの特別委員会や議会でもいろいろな状況をお示しすると思いますが、今回予算を上げさせていただいて、候補地をどう絞っていって、どのくらいの時期で建設を促進していくのか、整備をしていくのかということを、しっかりとこれから進めていくために、今回予算化をさせていただいています。本庁舎に関して言えば、議論はたくさんありましたが、昨年有識者会議から建て替えるべきという答申をいただいて、我々もそういった方針を6月議会で表明させていただいた後、(本庁舎については、)どのような活用(方法)や、建替えの際の移転場所も含めてどうあるべきなのかということは、サウンディング(調査を実施し)、それから市民の皆さんからのアンケート調査等々も行い、そして議会でもご議論いただきながらこれまで丁寧に進めてきたところです。
そして、いよいよ本庁舎を整備するにあたってはスピーディに、そして、建設地や新庁舎の機能や規模等をより詳しく具体的にしていくために、令和6年度はさらにそれを進めるための予算ということで今回計上をさせていただいています。建設地と新庁舎の機能、規模等についての検討支援ということと、それから市民の皆さんに対しての情報提供や合意形成の為の、例えばシンポジウムやワークショップ等を開催する経費も、今回入れさせていただいています。シンポジウム等の開催時期は未定ではありますが、建設の最終案が決定し、例えば新庁舎の具体的ないろいろな機能がある程度整理された上で、やはり市民の皆様に対して、いろいろな形で情報を提供していきたいと考えています。

【記者】当初予算に関連して、くまもとポイントアプリについてお伺いします。令和6年度に新しく予算を計上されていましたが、これは令和5年度から開発に向けて事業を進めており、3月末にも試験的にアプリのリリースを始められるということでした。市長がこのアプリに期待されていることと、リリースにあたっては、いかに市民の方に使ってもらうかというのが成功の鍵になるかと思います。こういった事に使って欲しいといった、市長から市民の方々へ向けたメッセージがあれば教えてください。

【市長】くまもとポイントについて、このアプリですが、くまもとアプリという名前でして、(主な機能としては)例えば地域活動をした場合や、あるいは災害ボランティア活動に参加したというような時にポイントを付与します。今までは、どちらかというと地域活動に参加するというのは、自治会の会長や役員になったり、あるいはPTAやこども会等の役員になったりと、ちょっとそこまではという方々もすごく多かったのではないかと思います。例えば自分が少しだけでも手伝えるような時間があるといったときに、自分の時間をそういった公共のいろいろな地域活動等に貢献できるようにする、そのきっかけづくりとして、このアプリを使ってポイントを付与することによって、このポイントが一つのインセンティブといいますか、地域活動をちょっとやってみようかなと思うときに、ポイントがつくから、まず、行ってみようかという気軽な感じで、皆さんには参加していただきたいと思います。
皆さんもポイントは結構お好きだと思います。私自身も、いろいろなものを購入する際などに、ポイントをつけてくださいとよく言うのですが、やはりそれ(ポイント)をつけることによって、これが活動証明書になる、例えば勤務先に地域の活動に貢献したと伝えても、本当にやったのかなんて言われたときに、活動証明書が発行されたり、あるいは令和7年(2025年)以降に実施予定ですが、商業的利用、つまり自分たちが地域貢献をしたことによって、何かお買物したときに割引になったり、例えば協賛企業を募ってお得な商品に交換出きたりなど、そういういい循環を、さらには地域経済にも資するようなことになればいいなということで、これから、金融機関や商業の経済団体などいろいろな方々にもご協力いただきながら、スポンサードなどいろいろなことをします。財源も必要になってきますので。
ただ、一方では、地域活動は今、だんだんと高齢化しており人口が減っていますので、なかなか担い手がいないということがあります。そこで、多くの方々が地域活動に参加していただくことによって、自治会の会長や役職をやられていて、今までいろいろと非常に負担があった人たちの負担が少し軽くなり、そうすることによって、もっと活動したい方々も増えてきたりなど、市民活動をどんどん活性化させていって、みんなが助け合う地域社会を作っていこうということが、この事業のポイントとしてありますので、これを「くまもとアプリ」という形でスタートさせて、まずは、今回、試行的にスタートしますが、さらに機能等も、いろいろと(ご意見やお話を)お聴きしながら、充実させるような方向でこれから考えていきたいと思います。

【記者】当初予算に関連して、自治体DXの推進にも力を入れていくということでお話頂きましたが、この事についてもう少し詳しく、また意気込みなどあれば教えてください。

【市長】DXについても、例えば役所に行っても、非常に文章が多かったり書類が多かったりと、あれもこれも書類を書いてくださいということが多いのですが、例えば今、職員が窓口支援システムに入力をしたことが(モニター画像10枚目を指しながら)ここがロボットの絵になっていますが、受付データを業務システムに自動で入力できるようなDXを進めていって、実際には、来庁者本人がマイナンバーカードを出されて本人確認ができれば、あとは今まで人手でやっていたものを自動化していくことによって、証明書の受け取りなんかも、今までは現金のみとか、いろいろな制約がありましたが、例えば二次元コード決済など、コンビニでさまざまな電子決済に対応しているように、(市役所でも)そういったことをどんどんやっていこうということです。
(市役所には)いろいろな手続きがありますが、それに対してそれぞれシステムを変えていきながら、皆さんの手間を減らしていく。そして、こういった自動化が進むことによって、職員も手間が減りますので、そこで浮き出た人や時間、これを活用して、先ほどのまちづくりや地域活動へ、人でないとできないような仕事に充てていこうというねらいがあります。

【記者】バリアフルレストランについてお伺いします。私自身、この存在を最近知ったのですが、市長はバリアフルレストランに行かれたことはありますか。

【市長】まだありません。私自身、障がい者団体の顧問もさせていただいた中で、例えば視覚障がいの方や聴覚障がいの方、肢体不自由の方などいろいろな方と一緒に旅をしたり、食事をしたりする中で、自分が普段生活している中で気づかないことが非常にたくさんあるんです。(モニター画像6枚目を指して)ヘルメットをかぶっていますが、例えば高さにしたっていろいろな制限があります。実際にこういった状況の中で、それぞれを思いやるというのは、自分がそういう体験をしてみないと分からないことがたくさんあるんですよね。ですので、そういうことについて体験する機会を作っていこうと、そして心のバリアフリーを進めていこうという、これはぜひ私も参加してみたいと思っていますが、一緒に行動しないと分からないことは、たくさんあるというのは事実だと思います。その当事者の気持ちになることができる体験ですので、多くの方に体験していただきたいなと思います。
この前、とあるテレビ番組で、生理痛を体験できるような特集を拝見し、やってみたいなと思いました。つまり、我々はそういうことを経験してみないと、何が厳しいとか苦しいということが、分からないですよね。それが分かるだけで、少し相手に対して思いやる気持ちとか出てくるのかなんて思っています。そういう意味では、こういう心のバリアフリーというのは、何も障がい者の皆さんだけに限らず、いろいろな状況にある方々に対する思いやりの気持ちを持つということだけで、バリアというのが解けていくかなと私は思いますので、非常に重要な事業だと思ってご紹介させていただきました次第です。ぜひ取材していただければと思っています。

【記者】市庁舎整備に関してお伺いします。先ほど少し触れられましたが、市民の中にはまだ建替え自体に慎重な声や反対の声も根強い中で、説明機会を設けられるということでしたが、どういう形で市民の理解を得ていくのかを教えていただきたいのと、市として候補地を4つに絞り込まれたことへの思い、またその中で、一度白川公園が候補地から除外されたと思うのですが、そのあたりの経緯について教えてください。

【市長】これから庁舎整備に関する特別委員会でいろいろとご審議をいただきますので、私からのコメントは差し控えたいと思います。ただ、市民の皆さんには状況を理解していただくことが一番重要ですので、理解を深めるためには、委員会で出された資料等を分かりやすく皆さんにお示ししていくということ、やはり情報をどんどんオープンに出していって、今までの過程、プロセスをしっかり見ていただくことが非常に重要かと思います。実際に反対や慎重にという皆さんの声の中でも、いざ災害が起こったときには、いろいろと考えなきゃいけないけど、今、本当にそこまでやる必要があるのか等、いろいろな声があると思います。そういったことを、今まで有識者会議やいろいろなプロセスの中で議論され検討されてきた結果が皆さんに十分伝わっていないなというところはありますので、そこをしっかりお伝えするということが非常に重要だと思っています。
それから場所の問題について、候補地の白川公園については、本日の委員会等でお話があると思いますが、指定緊急避難場所に指定をされており、防災倉庫や地下貯水槽が整備されています。熊本地震の際には、多くの方が避難をされて、防災施設を活用されたということがあります。今後、もし大規模災害が発生した際に、白川公園のようなあれだけ広い公園や防災施設を、他に作れるかといったらなかなかそれは難しいということもありますので、そういう意味では、建設候補地とするのは厳しいのではないかということです。ただ、今回の議会においても、またその辺もよくご説明させていただき、ご議論いただいた上で、我々としては、建設地の選定をより絞っていきたいと思います。

【記者】熊本競輪場についてお伺いします。以前、再開の時期を6月と発表されていたかと思うのですが、約1ヶ月再開が伸びた理由と、市長が再開後に期待することなど教えてください。

【事務局】以前6月とお知らせしましたが、これはプレオープンの予定日になっており、競技開催については、国や関係機関等と調整の上、7月20日となりました。

【市長】(競技場の)工事自体は順調に進んでいます。ただ、どうしても他の競輪場や関係機関との協議もありますので、そのスケジュール等もきちんと調整するなど、関係者の皆さん、例えば選手会の皆さんやいろいろな方々との調整が必要ということで、その結果7月20日ということになったということです。
あとは、令和7年にフルオープンするに当たって、必要な整備が残っている箇所はどこかありますか(事務局に確認)。

【事務局】従来、駐車場になっていた場所に残存の建物がありますので、こちらの解体工事と駐車場の整備等を行う予定です。

【市長】それができるとグランドオープンという形になります。令和7年のグランドオープンの際は、できればG1みたいな大きなものを呼んでこようということで、私も誘致活動をこれから一生懸命頑張っていきたいと思います。

このページに関する
お問い合わせは
政策局 秘書部 広報課
電話:096-328-2043096-328-2043
ファックス:096-324-1713
メール kouhou@city.kumamoto.lg.jp 
(ID:53580)
新しいウィンドウで このマークがついているリンクは新しいウィンドウで開きます
※資料としてPDFファイルが添付されている場合は、Adobe Acrobat(R)が必要です。
PDF書類をご覧になる場合は、Adobe Readerが必要です。正しく表示されない場合、最新バージョンをご利用ください。
熊本市役所〒860-8601熊本市中央区手取本町1番1号代表電話:096-328-2111(代表)096-328-2111(代表)
[開庁時間]月曜~金曜日の午前8時30分~午後5時15分(ただし、祝・休日、12月29日~翌年1月3日を除く)
肥後椿
copyrights(c) 2013 Kumamoto City Allrights Reserved