ゲートキーパーの役割
ゲートキーパーには「気づき」「傾聴」「つなぎ」「見守り」の4つの役割が期待されます。話をよく聞き、辛い気持ちや苦しい気持ちを受け止め、一緒に考えてくれる人がいると感じるだけでも、悩んでいる人の孤立を防ぎ、安心感を与えます。
気づき
周囲の人に、不眠・食欲がない・口数が減ったなど、いつもと違う様子があったら悩みのせいかもしれません。生活の変化は悩みの大きな要因となります。死別・借金などのつらい経験だけでなく、結婚・進学・昇進など、喜ばしい出来事も、変化という点ではストレスになりえます。
「自殺予防の10箇条」 厚生労働省「職場における自殺の予防と対応」より抜粋
次のような様子が数多くある場合は自殺の危険が迫っています。
早めに専門の相談機関や医療機関に相談しましょう。
・うつ病の症状がある(気分が沈む、自分を責める、不眠が続く、何に対してもやる気が起きない等)
・原因不明の身体の不調が長引く。
・酒量が増す。
・安全や健康が保てない。(対人トラブルや金銭トラブルを起こす、病気になっても通院しない等)
・仕事の負担が急に増える。大きな失敗をする、職を失う。
・職場や家庭でサポートが得られない。
・家族、職、地位、財産など、本人にとって価値のあるものを失う。
・重症の身体の病気にかかる。
・「死にたい」など自殺を口にする。
・自殺未遂に及ぶ。
家族や身近な人の様子がいつもと違うときは、声をかけましょう。そのとき、「心配している」というメッセージも伝えます。
【声かけの一例】
・よく眠れていますか?
・体調がよくなさそうだけど、大丈夫?
・何か悩んでいることがあるの?よかったら話してみて。
傾聴
話を聞くときには、話をそらさずに耳を傾け、本人の気持ちを十分に受け止めることが大切です。相手の気持ちを尊重し否定せず対応しましょう。また、十分に話を聞いてから「話してくれてありがとうございます」「今まで大変でしたね」など労いの気持ちを言葉にして伝えましょう。
つなぎ
適切な支援を受けることで、今よりも事態がよくなる可能性があることを伝えます。相談機関を紹介するときは、丁寧に情報提供しましょう。そのためには、私たちが相談窓口を知っておく必要があります。
また、一人で相談機関を訪れることが不安な場合があります。その場合は相手の了解を得た上で、直接相談機関に連絡をとり、相談日時や場所などを具体的に設定して、可能であれば一緒に訪れるのもポイントです。
見守り
相談機関に繋がった後も、必要があれば相談に乗ることを伝え、今までどおりあたたかく見守りましょう。
ゲートキーパーとしての心がけ
・自ら相手とかかわるための心の準備をしましょう。
・温かみのある対応をしましょう。
・真剣に聴いているという姿勢を相手に伝えましょう。
・相手の話を否定せず、しっかりと聴きましょう。
・相手のこれまでの苦労を労いましょう
・心配していることを伝えましょう。
・わかりやすく、かつゆっくりと話しましょう。
・「つなぎ先」を把握しておきましょう。
・ゲートキーパー自身の心の健康も大切にしましょう。
出前講座について
ゲートキーパーについて、もっと知りたい方、学んでみたい方に対して、職員が出向いて出前講座を行っています。お申込み、お問い合わせは、こころの健康センターまでご連絡ください。
相談を受ける機会のある、支援者向けの研修会も行っています。詳しくはお問い合わせください。
・身近に悩んでいる人がいたときに、どのように寄り添い、声をかけたらよいか、ポイントを紹介している動画(Youtube)です。