目次全内容
第1編 中世前期の熊本
第1章 平安後期の地方政治
第1節 中世国衙の成立
- 飽田国府の成立と藤崎宮の創建
国府と国衙／飽田国府の成立／藤崎宮の創祀
- 延喜の国政改革と受領の成立
富豪層の台頭と国衙／公田体制と負名制／官長（国守）への権力集中／郡の分化再編／受領と受領の非法
- 肥後の受領たち
二つの受領殺害事件／源章家の罪業譚／肥後守から大弐目代へ−藤原時綱／中原師平
- 中世国衙の成立
受領支配下の矛盾／長久−寛徳の国政改革／在庁官人／知行国制と留守所の成立
第2節 飽田国府の景観と構成
- 飽田国府の景観と構成
景観の想定／府中／庁と館／甘木の税所と国侍職／道・関・津・市・宿／府中の寺社
- 一宮と総社
一宮制と藤崎宮／肥後の総社
肥後国 国司一覧表（10〜12世紀）
第2章 武士の台頭と鎌倉幕府の成立
第1節 九州の武士団
- 武士と武士団
武士とは何か／国衙と武士
- 九州武士団の特質
府官系武士団／刀伊の入寇と府官たち
- 菊池氏と阿蘇氏
菊池氏のおこり／国侍菊池氏／阿蘇大宮司家
第2節 武家政権の成立
- 院政下の在地情勢
院政時代／木原広実の濫行／山手村と砥川村の事件
- 平家の九州支配と養和の内乱
平家の台頭と九州支配／義和の内乱／内乱の実態／義和内乱の意義
- 鎌倉幕府の成立と肥後
「天下草創」／九州政策の展開／惣地頭と小地頭／肥後の守護／承久の乱と執権政治
第3章 市域の荘園公領制
第1節 建久図田帳と飽詫二郡の荘園公領
- 建久図田帳の成立と肥後の荘園
建久図田帳の成立／建久図田帳の歴史的位置／王家領荘園の多い西九州／肥後の荘園公領
- 飽詫二郡の荘園公領制
有機的関係にあった飽詫二郡／詫麻郡の所領構成／神蔵荘と安富荘／詫麻郡の八王子荘／詫麻郡の健軍宮領／国分寺・同尼寺／六箇荘／飽田郡の所領構成／鹿子木荘／池上領／窪田荘／藤崎宮領／飽田南郷の成立／飽田南郷金光名／飽田南郷河尻・河尻荘／その他の小所領／八王子荘／池辺寺／飽田郡の健軍宮領／鎌倉殿御領
第2節 鹿子木荘
- 中世の荘園像を作った鹿子木荘
寄進地系荘園のモデル／古典学説の再検討
- 成立
開発領主／大弐領化／立荘
- 領家職をめぐる争い
争いの発端／荘務権の所在／東寺の寄沙汰／本家
- 荘域と構成
荘域／東西荘の境界／荘田数／荘を構成する名
- 在地の領主たち
長浦氏／藤原重遠の一族山室氏／井芹秀重の一族
- 地頭
東荘の地頭詫磨氏／西荘の地頭三池氏
第3節 神蔵荘
- 成立と構成
神蔵荘／安富荘
- 神蔵荘の名々と名主
「片寄」直後の構造／枝吉名と橘宗頼／藤崎社領三郎丸名／その他の名主たち／名々の中心地／神蔵荘の農民
- 神蔵荘と詫磨氏
中原親能と神蔵荘／大友能直と神蔵荘／木部と門内鳥栖／詫磨氏の領主制
第4章 モンゴルの襲来と熊本
第1節 モンゴルの襲来
- 文永の役
襲来前夜のアジアと日本／異国警固番役の開始／文永の役と肥後の武士
- 外征計画と異国警固
異国警固の充実／幕府の外征計画／肥後の武士の軍勢注進／井芹西向の軍勢注進／石築地の築造
- 弘安の役と恩賞配分
弘安の役／弘安の改革と霜月騒動／恩賞配分の実現／モンゴル襲来と社会の変化
第2節 北条氏の勢力拡大
- 得宗専制と鎮西支配
得宗専制の成立／得宗専制の基盤／九州統治機関の変遷
- 得宗支配と肥後
守護所による国衙権能吸収／得宗領の増加／肥後国の真言律宗寺院／代官による在地支配
- 河尻氏と北条氏
在地領主河尻氏／寒巌義尹の肥後移住／河尻泰明の得宗への接近
- 社会の変化と倒幕の萌芽
詫磨氏の惣庶対立／徳政の思潮／倒幕の萌芽
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