熊本市は水道水源のすべてを地下水でまかなっており、人口50万人以上の都市としては日本唯一であり、まさに世界に誇る地下水都市と言えます。この豊かで良質な地下水を育む仕組みは、世界有数のカルデラ火山「阿蘇」と土木の神様「加藤清正」が深く関わっています。約27万年から9万年前にかけて4度にわたる阿蘇の大火砕流噴火は、水を通しやすい熊本の大地を形成し、これが地下水を育む土台となりました。また、天正16年(1588年)加藤清正が熊本に入り、水が浸透しやすい白川中流域に井堰を築いて水田を開き、水田から大量の水が地下に供給されています。
阿蘇の生み出した「自然のシステム」と、清正はじめ、先人の努力による「人の営みのシステム」が絶妙に組み合わさって、熊本の地下水はできているのです。

熊本地域の地下水かん養量のうち、約3分の1を水田が担っています。
特に、白川中流域の水田は、県市共同で行った調査により、他地域に比べ約5~10倍のかん養能力があることが判明しています。この白川中流域では約9千万立方メートルの地下水をかん養するなど、熊本地域の重要なかん養域となっています。
しかし、宅地化や転作により、水田の作付面積は年々減少し続けており、地下水減少の大きな要因となっていることから、地下水を守るために水田を守っていくことが必要です。
(※熊本地域:熊本市、菊池市の一部、宇土市、合志市、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町の11市町村)
平成16年1月に、熊本市と大津町、菊陽町及び水循環型営農推進協議会の4者で「白川中流域における水田湛水推進に関する協定」を締結し、水田を活用した地下水かん養事業を開始しました。
この結果、地下水の保全に大きな成果を上げることができたことから、平成26年1月に第2次協定、令和6年2月に第3次協定を締結し、20年を超える長い期間事業を実施しています。
近年の熊本への半導体関連企業の進出を契機に地下水かん養の重要性が高まっていることから事業の更なる推進に取り組みます。
事業のしくみ
この事業は、熊本地域の地下水かん養に大きく貢献する白川中流域の水田において、営農の一環として行われる湛水を対象に熊本地域の下流に位置し地下水の最大の恩恵を受ける熊本市が助成金を交付することで地下水のかん養を推進するものです。 事業の流れとしては、まず「水循環型営農推進協議会(以下、協議会)」が農家に対して、水田における湛水の推進指導を行い(水循環型営農推進運動)、湛水への申込みを募ります。 次に、各農家は協議会へ湛水の申込みを行い、その後、協議会は申込みをとりまとめて市へ助成金の交付を申請します。 湛水実施後、市は実績に応じて助成金を交付し、協議会を通じて各農家に支払われます。 |

【仕組み図】

【白川中流域の水田】

【助成の対象】
- 白川中流域の6堰(畑井手堰、上井手堰、下井手堰、迫・玉岡井手堰、津久礼堰、馬場楠堰)から取水される白川の河川水によってかんがいされる水田であること
- 湛水が営農の一環であること
- 連続して0.5ヶ月以上4ヶ月以内の湛水であること
【助成対象となる湛水の方法】
- 大豆作付け前、収穫後の湛水
- 人参作付け前、収穫後の湛水
- 飼料作物作付け前、収穫後の湛水
- 主食用米作付け前、収穫後の湛水
- その他の作物の作付け前、収穫後の湛水で協議会が営農の一環として推奨する湛水
※湛水とは水田などに水を張ることをいいます。
【助成金額】