4 火災ではなかったとき
1. ベル停止
受信機のベル停止ボタンを押してください。音響停止ボタン(受信機本体の警報音を止めるボタン)と地区音響停止ボタン(建物内のベルを止める
ボタン)があります。
2. 発信機の確認
押ボタンが押されていたら、発信機の蓋を外し、ボタンを戻してください。
3. 感知器の確認
赤いランプが点灯している感知器の周囲をよく確認して下さい。火災でなければベルがなった原因を究明して、その原因がわかれば、取り除いてく
ださい。
4. 復旧
受信機の復旧ボタンを押してください。その後、受信機を確認するすべてのスイッチを元に戻してください。
しばらく様子を見て再度発報しなければ復旧完了です。火災でないのにベルが鳴る場合は、速やかに管理会社又は消防設備士等に調査を依頼してく
ださい。
5. 連絡
自動火災報知設備が鳴動して、復旧させたことを建物の関係者(所有者や管理会社等)に連絡してください。
5 留意事項
1.操作の仕方はメーカーによって様々です。点検業者による定期点検時や消防訓練等の機会には、自動火災報知設備の操作の仕方も覚えましょう。
2.火災信号を受信した場合は、火災かどうかを確認するまでは地区ベルを停止しないようにします。
3.重複した火災信号、例えば自動火災報知設備とスプリンクラー設備、低層階の熱感知器と高層階の煙感知器が作動したような場合は、真火災の可能
性が強いので、火災と断定して行動します。
4.誤報時の対応がわずらわしいとの理由から、ベルを停止状態にしてはなりません。
5.吹き抜けなどに面している煙感知器の発報は、当該発報感知器から離れた場所での火災の発生が多いことに注意します。
6.受信機の「自動復旧スイッチ」を作動させておくと、地区表示灯が点灯してもすぐに消えてしまい、どこが表示されたかわからなくなるので注意し
ます。
7. 屋内消火栓設備や非常放送設備との連動スイッチがある場合は、「連動停止」にしてあると消火栓ポンプが起動しなかったり、警報音が鳴動しな
かったりするので注意します。
8. 自動火災報知設備が復旧しても、連動して作動した設備は、その設備ごとに復旧操作が必要です。操作方法は、管理会社又は消防設備士に相談し
ましょう。
6 自動火災報知設備の誤作動等について
自動火災報知設備は、火災以外の要因によって誤作動を起こすことがあります。また、電気回路が不具合(故障)を起こしたり、いたずら等で故意に発信機が押される可能性も否定できません。次の事例を参考にして、日ごろから誤作動が発生しないように注意しましょう。
1. 調理の熱が感知器に当たる。
2. 調理、喫煙等で発生する煙のほか、煙に類似している湯気、ホコリ、虫等が感知器内に入る。
3. 暖房器具等の使用によって、温度、湿度が急激に変化する。など
自動火災報知設備の誤作動が頻繁に起きると、ベルが鳴っても誰も火災だとは思わず、次第に無関心になっていきます。この状態で、本当に火災が起こったときに、初期消火、通報、避難の行動が遅れ、建物内の人たちが命を落とすことにもなりかねません。こうしたことを防ぐには、誤作動を起こす要因を排除して自動火災報知設備を信頼できる状態にしておく必要があります。また、ベルが鳴ったら、他人任せにせず、みんなで対応するように体制を整備しておきましょう。