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風景から考える社会インフラ(都市政策研究所第24回講演会講演録)

最終更新日:2019年5月10日
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都市政策研究所では、自治体職員や市民に向け、都市政策に関する様々な知見を提供するために、各分野の著名な方をお招きし、講演会を開催しています。平成30年11月22日に、第24回講演会を下記のとおり開催しました。

概要

講演会風景

第24回講演会の様子

開催概要

【日時】 平成30年11月22日(木)午後3時~ 2時間程度

【場所】 TKP熊本カンファレンスセンター9階 はなしょうぶ
講演
【演題】「風景から考える社会インフラ」
【講師】 熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター 准教授 星野 裕司 氏

研究員報告

  • 【テーマ】「熊本地震からみえたソーシャル・キャピタルの今後の活用
  •            ~人口減少・成熟社会におけるソーシャル・デザイン~」
  • 【報告者】熊本市都市政策研究所 研究員 加藤 壮一郎
            •  

              講演要旨

               今回のテーマは、一つ目は「風景から考える」、二つ目は「つくる」と「つかう」、三つ目は「防災・減災とオープンスペース」の3つとなる。

              1.「風景から考える」

               まず「風景や景観とは」と言った時、教科書的には景観は「人間を取り巻く環境の眺め」と定義されている。例えば、航空写真のように真上から見下ろした時、「どこに建物があり、その横を川が流れている」など、様々な情報が正しく分かるが、「人間を取り巻く環境の眺め」と言った時に、基本的にこれは景観と言わず、地面に立って眺めた時に見えてくる環境の眺めのことを「景観、あるいは風景」と言うこととしている。簡単に言うと、真上から見た環境の眺めは「管理者目線」であり、私たちは普段からそんな風には見ることはない。「景観から考える、風景から考える」というのは、結局、地面に立った目線で環境を考える。すなわち「利用者目線」で考えることである。「市民目線、利用者目線」で考えるということが「風景から考える」ということの基本中の基本であり、そこを大事にすることが、「風景から考える」という点で、一番大事なところだと思う。

              2.「つくる」と「つかう」
               次に「つくる」と「つかう」という話で、私の専門は景観デザインで、土木構造物のデザイン、形を議論するというのが専門となる。最近は「かっこいいものを作ればいい」ということではなく、むしろ「利用者目線」で考えることは当然として、「どう使われるのか、使い続けるか」といったことをどれぐらい盛り込めるか、事前に考えられるかが大事になってきている。

               1970年頃、日本では橋梁などのインフラが大量に作られ、当然ストックが充実し、その後、都市のインフラ建設はしぼむことになった。つまり建設から40~50年経過する建設物が多くなっており、文化財も50年経過すると文化財の資格が得られることとなるため、今、文化財候補のようなものが全国に生まれてきている状況で、それを「どう更新して、維持していくのか」ということが大きな課題となっている。

               宮崎の「小戸之橋」を事例として紹介すると、橋の老朽化が進み、橋を架けかえることになったが、橋を架けかえるにあたっては、市民とワークショップを行い、「どんな橋がいいのか」を議論しながら進めた。この橋の架けかえで一番議論が盛り上がったところは、「橋が架け変わるまでの7年半に何か価値って持てないか」、「その7年半を充実させる何かがあるのではないか」といったことであった。そして、地元のNPO団体や若手アーティスト等と協働して、橋のお別れ会やアートマーケット等のイベントを開催するなど、様々な取組が行われることとなった。

               この小戸之橋でチャレンジしていることは2つあり、1つは建設プロセスそのものを「つくる」と「つかう」で言うと、「つかう」の1つの準備の時間あるいは大切な時間にできないかということで「つかう=楽しむ」ということに取り組んだことと、もう1つは橋の架けかえというところで、協働することの少なかった若手アーティストや、地元の方たちとコラボレーションを生むということがチャレンジであったかと思っており、今どきの社会インフラの更新のあり方の1つのチャレンジであると考えている。簡単にいうと「餅は餅屋」ということで、民間などの様々な方と連携しながらやるということ、あとは実験精神・チャレンジ精神といったことが大事になると考える。

              3.「防災・減災とオープンスペース」

               次に「防災・減災とオープンスペース」について、熊本地震で被災しながらも様々なことを観察していたが、その中で「オープンスペースが担うべきそれぞれの役割」と考えたことは、次の「4つのサイクル」になると整理した。

               1つ目は「自然発生的」で、これは「(仮称)花畑広場」でイベントがあった日の夜に地震があり、(仮称)花畑広場には避難者が集まり、イベントで使用されたテーブルなどをうまく使って避難をしていたことで、今回のように「自然発生的に生まれるオープンスペースの利用の形」というものがあることを実感した。

               2つ目は「必然的」で、地震発生から少し経つと(仮称)花畑広場は「ボランティアセンター」になった。まとまったオープンスペースであり、交通の便が良いという価値はこういったところにも感じられ、必然的に「やるべきことをやらなくてはならない場所」としてオープンスペースは価値を持っていると感じた。

               3つ目は「駆動的/発生的」で、被災後は人々が集まり、「がんばろうよ」といった場が必要だと考える。地震後、熊本駅周辺の白川では「くまもと復光祭」というイベントがあり、その時に白川はオープンスペースとして使用されたが、こういった場になることは1つの価値があると感じた。

               4つ目は「多層的/多義的」で、オープンスペースはいろんな意味、使われ方を包含するような場所となっていくことが大事であると考えている。

              ※講演会要旨の文責は都市政策研究所にあります。

              ※内容の詳細は講演録をご覧ください。

               

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