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公共空間の利活用とエリアマネジメント(都市政策研究所第27回講演会講演録)

最終更新日:2020年2月12日
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都市政策研究所では、自治体職員や市民に向け、都市政策に関する様々な知見を提供するために、各分野の著名な方をお招きし、講演会を開催しています。令和元年(2019年)8月16日に、第27回講演会を下記のとおり開催しました。

概要

第27回講演会の様子

第27回講演会の様子

開催概要

【日時】 令年元年(2019年)8月16日(金)午後3時~ 2時間程度

【場所】 熊本市国際交流会館6・7階ホール
講演
【演題】「公共空間の利活用とエリアマネジメント」
【講師】 東京都市大学 都市生活学部教授 坂井 文 氏
研究員報告
  • 【テーマ】「熊本における明治後期から昭和中期までの里山の植生景観と利用」
  • 【報告者】熊本市都市政策研究所 研究員 市川 薫
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                講演要旨

                 近年、都市間競争が激しくなってきて「質の良い空間」を創造し、整備した後に持続可能に管理運営していくための仕組みが必要になっている。一定の広がりを持った特定のエリアを決めて、そこに合った独自の管理・運営が必要になってきたことで、エリアのステークホルダーが主体的に管理運営を行うということがエリアマネジメントのスタートとなる。

                 1990年代、東京では業務集積の都市開発がすすみ、丸の内についても「丸の内のたそがれ」と題する新聞記事が掲載されるほどの危機感があった。そうした中、大手町・丸の内・有楽町がまたがる大丸有エリアでは、「この3つのエリアを一体的に考えよう」と言い始めたのがこの頃であり、この3つのエリアを一体的に考え、それらをつなぐ「仲通り」といった軸を考え都市を形成していくこととなった。

                 エリアマネジメントでは都市空間を作ると同時に、それをマネジメントする組織をどう作っていくかが鍵であり、大丸有では1988年に民間地権者等が集まり「協議会」を立ち上げた。そこに行政やJR東日本といった公共や公共的な団体が参加し、公民まちづくり組織として「大丸有地区まちづくり懇談会」を立ち上げたのが1996年頃となる。その後、エリアマネジメント組織といったものを立ち上げたのは2002年頃で、この頃から就業者や学生、つまり「街に来る人、街で働く人」も巻き込んだ活動を始めた。

                 このエリアマネジメント組織になるまでの数十年の間に「まちづくりガイドライン」を作成し、このガイドラインで「将来像・ルール・手法」を決めた上で、「つくる作り方とその使い方」を組織的にも考えてきた。また、「ガイドラインというものは決めたら最後ではない、それは進化するものだ」といった理念を決めて、ガイドラインも必要に応じてどんどん進化している。

                 大丸有の活動の一つの柱に「駐車場のネットワーク化」がある。大規模ビルを作る時には必ず設置しなければならない附置義務駐車場の台数というものがあり、大丸有では相当数の駐車場がある。それまでは駐車場はビルごとの管理になっていたが、それを個別に運営するのではなく一体的な運用システムを構築した。一体的な運用となり、丸の内に来た人が目的のビルの駐車場以外にも停められるようになったことで、「丸の内には車で行ける」といったイメージとなり、来街者が増えるということになる。

                 次に、私は「再開発型」と「既成市街地型」と呼んでいるが、この2つのタイプのエリアマネジメントが隣接している札幌市の「駅前通地区」と「大通地区」の事例である。

                 まずは再開発型の「駅前通地区」であるが、札幌駅前通りがエリアマネジメントを始めた契機は公共事業となる。札幌駅と大通駅の間に地下道を作ることになり、その作る時の工夫の一つが歩行空間の両脇に4m幅の「広場空間」を設けたことで、この広場の利用については条例で共用時間や使用料等を設定している。また、地下道においては広告事業の行われている。さらに、地上には「北三条広場」という広場が整備され、これらは「札幌駅前通まちづくり株式会社」が指定管理を受けている。この事例は、地下道での広告料や広場の利用料等が入る仕組みが作られているところに出来たエリアマネジメントなので財源的には安定していると考える。

                 続いては既成市街地型である「大通地区」の話で、大通地区には6つの商店街があり、この地区も中小規模とはいえそれぞれに附置義務があり、各自整備した駐車場をバラバラに管理している状態であった。それを一体的に運用したり、ビルのエレベーターにつて個別に保守管理していたものを一手にまとめて効率的に運営を行うようになった。つまり、駅前通りのように大きな公共事業が入るでもなく、大規模な開発があり公開空地が入るわけでもなく、今ある歩道、今ある道路をなんとか使って活動を続けてきた。こうした継続的活動が評価され、「札幌大通まちづくり株式会社」は都市再生整備推進法人の第一号に指定された。この都市再生整備推進法人も公共空間を利活用する時に使える手法で、全国のいろいろなまちが使っている。通常、歩道上では恒常的に収益施設等を作ることはできないがそれを可能にしている。

                 ここからは「地域再生エリアマネジメント負担金制度」についての話となる。エリアマネジメントでは「財源」をどうやって確保するかがエリアマネジメント組織の課題であり、内閣府の中でも様々な議論を経て「地域再生エリアマネジメント負担金制度」というものが作られた。エリアマネジメントをすることによってエリアの価値を上げていく、もしくは持続可能にその価値を下げさせないといったことに取り組んでもらうのはこれから非常に大事なことで、内閣府が進めたのは特別税といった枠組みを作り、団体が活動計画に沿って活動をすすめる財源にするといったもので、受益者が負担金を払って、市町村はそれをエリアマネジメント組織に渡して活動がされる。その結果、来訪者が増えたり、街のブランドが上がったりすることにつながるというのが制度の目的である。

                 最後に、これからのエリアマネジメントとして今後取り組む活動としては、「環境・エネルギー」、そして「防犯・防災」であり、エリアのエネルギーや環境、防災等についても当然考えていかなくてはならないことで、これからのエリアマネジメントには求められることとなる。

                 

                ※講演会要旨の文責は都市政策研究所にあります。

                ※内容の詳細は講演録をご覧ください。

                 

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