川尻は、加藤清正時代から海外貿易港として栄えた。御蔵の船着場とも呼ばれ、緑川上流の年貢米の集積地でもあった。細川藩時代になって、さらに強化され活気に満ちていた。 加勢川河口には、往時の繁栄を偲ばせる頑丈な石敷階段が残っている。俗にガンギと呼ばれる石段は、長さ150m、段数は13段ある。石段の中央部は殿様ガンギと呼ばれ、藩主や一族、家老などの乗降に使われたので、特に頑丈に造られているという。 川尻は、年貢米を積んできた船が緑川上流の村へ必需品を仕入れて帰ったため、刃物、桶などの特産物が多い。天草方面からの日常物資を積んだ船の出入りも多く、これは大正期まで続いた。 |