上手な医療のかかり方
体調に不安を感じたときは、まず、かかりつけ医へ相談しましょう。
休日・夜間に、医療機関を受診するかどうか迷ったり、体調不良やケガへの対処等について相談したいときには、#7119や#8000の電話相談を活用しましょう。
「え、いきなり大病院に行ってはいけないの?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはかかりつけ医に相談することで、みなさんの健康面や経済面にもメリットがあります。
上手な医療のかかり方を、みなさんも一緒に考えてみませんか?
かかりつけ医をもとう
突然ですが、みなさんはかかりつけ医をお持ちですか?
「普段風邪もひかないから、かかりつけ医はないんだよなあ・・・」
「そもそも、かかりつけ医ってなんだっけ?」
そんな方も多いかもしれません。まずはかかりつけ医の定義から確認しましょう。
「かかりつけ医」ってなに?
平成25年日本医師会提言によると、「かかりつけ医」とは『健康に関することを何でも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師』を意味します。
つまり、かかりつけ医とはみなさんにとって『自分の体調について、気軽に安心して相談でき、いざという時には専門医につないでくれる地域のお医者さん』と言えるでしょう。
かかりつけ医を持つメリット
「日頃から健康体だから、かかりつけ医を持つ必要性を感じないけど・・・」
「かかりつけ医がなくても、本当に困ったときは救急外来に行けばいいのでは?」
ここまでご覧いただいた方の中に、こう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今は体調の異常や不安を感じない方にも、かかりつけ医を持つことにメリットはあります。
かかりつけ医を持つメリット その1 日頃の健康状態を知ってもらえる
かかりつけ医を持つことで継続的なカルテができます。それにより、日頃の健康状態を把握してもらえます。
かかりつけ医を持つメリット その2 症状に応じて専門医を紹介してもらえる
選定療養費をご存じですか?紹介状なしで大病院を受診すると、初診料に加えて別途この選定療養費がかかってしまいます。
しかし、かかりつけ医を受診した場合、必要と医師が判断すれば紹介状を書いてもらえるため、この選定療養費がかかりません。
かかりつけ医を持つメリット その3 病気の予防や早期発見・早期治療につながる
普段の体調を知っている医師だからこそ、病気の兆候に気づき、早期発見・早期治療につなげることができます。
バナーをクリックすることで、熊本市が実施している各事業のサイトにアクセスできますので、参考になさってください。
また、医療情報ネット(厚生労働省リリース)でも医療機関を探すことができます。
下のバナーをクリックすると医療情報ネットにアクセスできます。
これまで「かかりつけ医」という言葉をどこか遠くに感じていたみなさんも、一度かかりつけ医を持つことを考えてみませんか?
おくすり手帳・かかりつけ薬局をもとう
「ポリファーマシー」という言葉をご存じですか?多くの薬を服用することで、副作用を起こしたり、きちんと薬が飲めなくなったりしている状態を意味する言葉です。
おくすり手帳
おくすり手帳を一冊持っていることで、今までどのような薬が処方されているかを確認することができます。それにより薬剤師が薬の飲み合わせを確認でき、重複服薬(同じ効果の薬が重複して処方されること)や多剤服薬(多くの種類の薬が処方されること)などを防ぐことができます。
かかりつけ薬局
かかりつけ薬局を決めておくことで、以下のようなメリットがあります。
・一つの薬局で複数の病院から処方された薬を受け取るため、薬剤師が飲み合わせを確認できる
・薬について専門家に相談できるため、安心して服用できる
・健康相談にも対応してもらえる
・重複する効果の薬を減らすことで、ご自身の経済的負担を減らすことができる
みなさんもかかりつけ薬局を持ちませんか?
休日・夜間の体調不良の相談先を知ろう
受診について相談したいとき
「この症状で受診すべきかわからない」「今すぐ受診すべき?」「受診できる医療機関を知りたい」「自宅療養の注意点を知りたい」といったご相談は、#7119や#8000などの電話相談を活用ください。
利用時間:午後7時~翌午前8時 365日年中無休
利用料:無料 ※通話料はご負担いただきます
対象者:15歳以上
※ダイヤル回線・IP電話・光電話の場合は03-6735-8190
利用料:無料 ※通話料はご負担いただきます
対象者:おおむね中学生までのこども
※ダイヤル回線・IP電話・光電話の場合は096-364-9999
また、『Q助』(総務省消防庁サイト)、『こどもの救急』(日本小児科学会サイト)では、質問に答えることで、急を要する状態か様子を見ることができる状態か確認できます。下記バナーをクリックすることで各サイトにアクセスできます。
休日当番医と休日夜間急患センター
熊本市では休日・夜間の突然の体調不良の際に受診できるよう、診療体制を整備しています。
日曜・祝日 午前9時~午後5時
日曜・祝日 午前10時~午後4時
午後6時~午後11時
・休日夜間急患センター
〇熊本地域医療センター
平日 午後6時~翌午前8時(小児科)
午後6時~午後11時(内科・外科)
日曜・祝日 24時間(小児科)
午前8時~午後11時(内科・外科)
〇熊本赤十字病院
日曜・祝日 午後6時~翌午前0時(小児科・内科・外科・整形外科)
適正受診・適正服薬に協力をお願いします
医療との上手な付き合い方を考えてみませんか?
適正受診・適正服薬のメリット その1 選定診療費や時間外加算などの医療費を抑えることができる
「大病院なら安心できる」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、紹介状がなく大病院を受診する場合、選定診療費(一般的に7,700円程度)が加算されるため、大きな経済的負担がかかります。体調不良の際には、まずかかりつけ医に相談しましょう。
| 時間外加算 (おおむね8時前と18時以降 土曜は8時前と正午以降) | 休日加算 (日曜・祝日 年末年始の休診日) | 深夜加算 (22時~6時) |
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初診料 2880円 | +850円 | +2,500円 | +4,800円 |
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再診料 730円 | +650円 | | |
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※上記の金額には健康保険が適用されます
上記の表は時間外に医療機関を受診した場合に加算される金額です。
平日の時間内の受診と比べて、みなさんの経済的負担が増えます。
また、
・平常時であれば受けられる検査も休日・夜間には実施できないこともあります。
(休日・夜間は平常時よりも少ない機材・スタッフで運営しているため)
・受診しても一時的な治療しかされないこともあります。
(あくまで救急外来は応急処置を行う部門のため)
もちろん一刻を争う事態の時は受診すべきです。
しかし、翌日まで様子を見ることができる場合には、時間外受診を避けることで余計な出費を減らすことができるといえるでしょう。
適正受診・適正服薬のメリット その2 必要な人に必要な医療を届けられる
医療資源は無限ではなく、当然限りがあります。
症状が軽く緊急を要しない人が救急車を利用したり時間外受診を行うことで、本当に医療を必要としている人に医療を届けられなくなります。
あなたの大切な人も、明日には救急医療が必要になるかもしれません。
必要な人が必要な医療を受けられるよう、ご自身の受診のタイミングや受診先について考えてみましょう。
適正受診・適正服薬のメリット その3 待ち時間を短縮できる
救急外来では緊急度の高い患者が多く、数時間待たされることも多々あります。
症状が軽く緊急を要しない人が救急外来の受診を控えることで、全体的な待ち時間を減らすことができます。
適正受診・適正服薬のメリット その4 周囲への感染を抑えることができる
時間外に救急外来を受診される方の中には、「仕事を休めないから、仕事が終わった後に受診するしかない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、感染症の場合、無理して出勤することで周囲への感染を広めることにつながりかねません。
周囲の人の健康を守るため、そして早期完治するために、時間内にかかりつけ医を受診しましょう。
関連サイト
・熊本県「『上手な医療のかかり方』を身につけましょう」
・厚生労働省「医療情報ネット」
・総務省消防庁「救急車の適時・適切な利用(適正利用)」
・日本小児科学会「こどもの救急」